hazy-mind

2005年02月27日(日) 『レイナ』 詩





レイナが鳴いている




おしえておしえて



言葉の意味をおしえて





レイナが鳴いている




心臓は本の中よ




私の心臓は本の中にあるのよ






レイナが鳴いている





鍵をなくしたわ




これで帰らないですむ






レイナが鳴いている






私はチョコレートから産まれたの





でもビターは嫌いよ









ぼくはレイナに声をかける





レイナ!





するとレイナは泣く





ごめんなさいといって





泣く







泣いているレイナを抱きしめる





あやまらないでレイナ





レイナは何も悪いことはしていないよ






ささやく









レイナは怒る






ぼくの手を振り払い





叫ぶ





卑怯者!





あなたの時計にはならないわ!





笛を吹きなさい!





卑怯者!










ぼくは笑って










レイナの唇に指を当てる












レイナ









ぼくは旅に出るよ










帰ってきたらそのときは








笑顔を見せてくれないか










天使よりも、やわらかな








笑顔を









見せてくれないか














レイナは後ろに向きをかえ











こう鳴いた













信じないで








椿の花のつくった罪を






信じてはだめよ












ぼくは空を見上げ、言った











レイナ








どのバスに乗ってもどの電車に揺られても








終着駅はレイナ









君だ


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ぺんぎん