メールを送りたいとずっと思っている。 そんな相手から電話がかかってくる。 メールしようと思ってたよ、と伝えると、 ひょっとしてテレパシーが通じたのかな、と言って笑う。 だいすきなひと。 温かな湯につかったように幸せで、 お互いにころころと笑う。
そんな夢を見た。
途中から夢だと良く分かっていた。 そうして目が覚めてしまうと、 幸せの余韻が重く沈んでくる。
メールしたいと思っている。 それを許せないでいる。 そんな自分に不貞腐れている。 自分は馬鹿だなぁとよわく、わらう。
いくつかのろうそくに火を灯す。 誕生日に忘れていたものだ。 祝うつもりも喜びもなく、ただ苦しいだけだったような気がする。 うんざりだな、と思う。
メールが送りたい。 何と書けばいいのかわからない。 メールしなければ、と思う。 何故送らなければならないのかもわからないのに。 上手く整理ができない。
ひとは たやすく このこころに灯をともす
生きるに必要なものは計算し ほしいものはすべて手にして 祈るべきものはみんな捨てて 息もできぬほど速く はしって
いまここに 満たされた器ひとつ 泥水の ひかりのない海のいろ きよいものをそそいでなお ただあふれて ひそかな水面
手を伸ばせば空に届く 否定しようのない比喩 信じ笑い願いあきらめず ただ望んだ奇跡 求め焦がれ待ちわびたもの ねじれけがれ落ちぶれた偶像
夢見に 足音 額に落ちる唇
|