いいのか?それで

 おあずけというのも、たまにはいいかもしれない。

 2週間前の血液検査のときに朝ごはんをぬいて以来、療法食をおいしそうに食べるようになり、出前の必要もほとんどなくなった。かつおぶし作戦やふりかけ作戦であんなに苦労したのがうそのようだ。ごはんのありがたみがわかったのか、味に慣れたのか、それとも一食ぬいただけでこれがおいしくないごはんだったということを忘れてしまったのか……。にょらはわたしに似て、いやなことはすぐに忘れてしまうお気楽な性格だ。それは十分ありうる。でもそうすると、にょらの味覚というものはどこへいってしまったのか。まあ、もともとそんな高尚なものは持ち合わせていないのかもしれない。

 とりあえずはこれで安心。ある日とつぜん思い出したりしないことを祈るばかりだ。(でもあんまりいい子になられるとネタさがしに苦労するから、適度に笑わせてね。)




2002年05月30日(木)



 おなかマッサージ

 膀胱炎のあと便秘になって以来、毎日数回のおなかマッサージを実行している。ひざの上ににょらをあおむけに乗せ、「まぁぁっさーじぃまっさーじ〜、おなかまっさーじ〜〜〜♪」などと怪しげな歌をうたいながら、手のひらで時計回りにさするのだ。ふだん抱かれたりさわられたりするのがきらいなくせに(自分からちゃっかり乗ってきたりはする)、おなかマッサージのときは後足をだら〜んとのばし、目を細めてうっとりしている。気持ちいいのだろう。(あるいはわたしの歌に聞きほれているとか?)

 マッサージの効果かどうかはわからないが、1日おきぐらいにうんちが出るようになった。ところが先日血液検査で病院へ行った翌日から、なんと5日のうち4日も出たのだ。おお〜、ついに便秘が治ったか、と思ったのもつかのま、また1日おきのペースにもどってしまった。考えてみたらあのとき、また先生に腸をもみほぐしていただいたのだった。一度のもみほぐしで5日間も効果が持続するとは、恐るべし先生のハンドパワー。

 残念ながらわたしにはそのパワーがないので、地道にマッサージを続けるしかない。




2002年05月25日(土)



 こわがり〜

 お隣の家に子猫が2匹やってきた。黒猫と、にょらより少し色の薄いサバトラで、どちらも美人の女の子だ。前の道を鳴きながら歩いていたのを保護したらしい。来たときは、歯の状態から見て生後6週目ぐらいだったらしいが、今はちょうどやんちゃ盛りでとても愛らしい。日に何度か、監視つきで庭に出してもらっているようだ。

 けさわたしが庭に出ていると、子猫たちも出て遊んでいた。わたしの指にじゃれついたかと思うと木の枝に飛びついたり、突然走り出したり、好奇心旺盛で落ち着きがないところがたまらなくかわいい♪

 そこでふと思い立ち、隣の庭に面した窓の障子をあけて、にょらに見せてやった。にょらは室内だけでずっと過ごしてきたせいで、外には出たがらない。というわけで、出窓から優雅にご観覧だ。黒猫のほうはにょらが珍しいらしく、おすわりしてじ〜っと見あげている。サバはあいかわらず走り回っている。にょらはというと、「にゃにゃっ」と一声、ややけんか腰のご様子。ところが目は子猫に向けたまま、少しず〜つ少しず〜つあとずさりして窓の障子に身を隠しはじめた。怖いのか? そのとき背後にわたしが立っているのに気づき、普通にすりすりしてきた。子猫のことはなかったことにしたいらしい。もう一度子猫のほうを向かせても、見ないふりをするのだ。(下の写真)

 そんなにょらはほっといて、わたしはまた子猫たちをさわりに外へ出た。しばらくしてもどってくると、にょらは奥のリビングで小さくなっていた。ふだん窓の外を見ているときにのらねこが通りかかると、むこうが気づいていなくても、にょらは勝手に警戒して身を低くしたりするのだけど、子猫までだめだとはちょっと情けないゾ。

 子猫はかわいいし若くてうらやましいけど、わたしにはにょらがいちばんだからね。あの子たちに負けないぐらい長生きしようね。



2002年05月21日(火)



 おあずけ

 きょうは血液検査の日だった。

 朝ごはんぬきで連れてくるようにいわれていたので、きのうの夜にはごはんを片付けてしまい、けさはもちろん器はからっぽのまま。にょらは、わたしがすわっているか立ち止まって何か用事をしているときは、少し離れたところできちんとおすわりして熱い視線を送り続け、歩き出すととたんに愛想よく駆け寄ってきて、二階にある自分のお食事処へ案内しようとする。そこを素通りすると、「えっ、ウソ!」といった表情で一瞬かたまってから、あわてて追いかけてきてつきまとう。そういうことが何度か繰り返されたのち、わたしが階段を下りていくと、今度はついてこない。半分ほど下りたところで振り返ると、にょらは階段の上からショックな中にも怒りを秘めた目でこちらをみつめていた。わなわな……という音(?)が聞こえてくるようだ。かわいそうだけどかわいい。

 せいぜい食べたい気持ちを高めておいてくれたまえ。

 久しぶりの病院のせいなのか、ごはんをもらっていない怒りのせいなのか、きょうは待合室でも大騒ぎだった。いつも診てくださる院長先生は別の患者さんでお取り込み中のご様子で、採血だけ女の先生がしてくださった。にょらは人見知りが激しいため、やや緊張ぎみ。……というか、ごはんの怒りをまだひきずっていたせいだとしたら、ごめんなさい、先生。

 検査の結果が出て院長先生に呼ばれ、診察台の上でキャリーから出すと、今度はずいぶん落ち着いていた。そういえば院長先生の場合、にょらは最初から大丈夫だった。ふだん、お客さんがくるとどこかに逃げ込んで出てこないにょらだけど、ごくまれに自分から近寄っていくこともある。どんな人ならOKなのか。――独自の統計によると、その秘密は声のトーンと話し方にあった。先生はその条件を満たしていたのだ。

 検査の結果は、腎疾患の指標となるクレアチニンの値が正常値をほんの少し超えていた(;_;) 少しでも成績がよくなるようにと、100%療法食をクリアしてから検査に行こうと決めたのに〜。これからもがんばって療法食を食べてもらわなくては。

 おなかがすいているからしっかり食べるはず。そう思って、病院から帰るとすぐごはんを入れてやった。ところがにょらは、ごはんを見てもしらんぷりでどこかへ行ってしまった。おお、そうきたか。朝のしかえしのつもりだね。
 しかし、しばらくしてわたしが目を離したすきに、こっそり行って食べていた。ふふふ。見えてなくても音でわかるのだよ。わたしをだまそうなんて、10年早い。(10年後にはだましていいから、それまで生きててよ。)



2002年05月14日(火)



 療法食100%

 ふりかけ作戦はなかなか効果があった。ふりかけの量を徐々に減らし、きょうはついに療法食100%にしてみた。慣れてきたのか、普通に食べているようだ。

 にょらは一度に食べる量がとても少ない。ときどきごはんの器を見にいっても、ほとんど減っていないように見える。そこで手に一握りのせ、寝ているにょらのところに持っていくと、ちゃんと食べた。それがくせになってしまったのか、今ではごはんの器ごと持っていくと、「お、そうだ、ごはんごはん」と思い出したように身を乗り出し、嬉しそうに食べるようになってしまった。自分でも食べにいくことはいくけど、持っていったときのほうがたくさん食べる。違うものだと思っているのか……? いかん。出前のくせをつけてしまうと、留守にできないではないか。ちゃんとレストランまでお越しいただかなければ。また新たな課題ができてしまった。

 ところで、一度療法食の種類を変えたときに便秘になってしまい、またもとにもどしたわけだけど、それ以来うんちは順調に出ている。体というのは正直だ。



2002年05月10日(金)



 ふりかけ作戦

 おととい全部食べてくれた療法食には、実はまだ普通のフードを 1/3 混ぜてあったので、きのうは2種類の療法食を1:1で混ぜてみた。100%療法食の実験だ。ところがかつおぶし作戦の努力もむなしく、6割しか食べてくれなかった。
 ごはんの器に顔をつっこんだまましばらくじ〜っと考え、それからいやそうに少しだけ食べ、そのあと水で口直しをしている。なんだか見ていてかわいそうだ。やっぱり今までは普通のフードにだまされて食べていただけだったのか。
 でも体のためには療法食を食べてもらうしかない。そこできょうは、先日このページを読んだ先生がメールで提案してくださった「ふりかけ作戦」をためしてみることにした。普通のフードを粉状につぶして療法食にふりかける作戦だ。
「きょうのごはんはおいしいよ〜♪♪」とかいいながら、もったいをつけてにょらの前に置いてみた。すると、器に顔をつっこんで一瞬考えはしたけど、食べ始めた。きのうより食べっぷりがいい。おお、成功か!? しかしかつおぶし作戦のこともあるから油断はできない。まあでもしばらくこの作戦でだましてみることにしよう。

 なんだか観察日記のようになってきたなぁ。観察日記といえば、小学校のアサガオ以来だ。アサガオは水をやっていればいいけど、にょらはあれこれ作戦が必要だからたいへんだ。でもそれもまたたのし。(本猫は楽しくないか……)


♪作戦募集中♪




2002年05月02日(木)



 新しいごはん・死闘篇(?)

 新しい療法食に変えてから、にょらの便秘がまたはじまった。3日過ぎても出ないので、きのうは少し残っていた前の療法食にしてみた。繊維が今のより多いので、出るかもしれないと思ったからだ。
 好きではなかったはずのごはんなのに、普通に食べている。そしてなんと、出した分を1日かけてほとんど全部平らげてしまったのだ。どちらの療法食も、いつも残していたのに。おいおい、いったいどっちが好きなんだよぅ〜。

 今朝起きてみると、りっぱなうんちがしてあった。4日ぶりのことだった。

 喜んで食べてくれるなら、前の療法食のほうがいいかな。うんちの調子がよくなるし。でも2種類用意しておいて、飽きたら変えるというのが手かも。

 こうして闘いは続く……。



2002年05月01日(水)
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