便秘

 先週、膀胱炎でお医者さんにかかって以来、にょらはうんちが出なくなった。いつもより食べる量が減ったのと、寝てばかりで運動をしていないせいだろう。きょうは出るかな、きょうは出るかなと思っているうちに、丸5日過ぎてしまった。おしっこ以外でトイレに行く様子もないし、おなかがはっている感じでもないけど、さすがにやばいのではと思い、先生に電話してみた。
 食欲はおちてるけど食べることは食べるし元気もあるので、病的なものではないらしい。もう1日2日様子を見て、それでも出なかったら連れてくるようにいわれた。

 インターネットで、どうしても出ない場合はどうするのか調べてみると、浣腸をする、指でかき出す、そして恐ろしいのは、全身麻酔をして器具でかき出すというのまであった。ひぇ〜。年が年なので、麻酔だけは避けたい。なんとか自然に出てくれぃと祈りつつ、おなかをマッサージしたり、缶詰のキャットフードを食べさせたり、牛乳を飲ませてみたり、クラシックを聴かせてみたり(?)した。缶詰と牛乳は今はまったく与えてないのだけど、昔それでうんちがゆるくなったので、もしかして効果があるかもと思ったからだ。

 2日たってもやはり出なかった。これはもしかしたら、膀胱炎の治療で飲ませている抗生物質の副作用かも……。そして病院へ。
 おなかをさわって調べていただいたところ、まだそれほど深刻なたまりかたではないので、あと2〜3日出なくても大丈夫とのこと。やはり抗生物質のせいだという可能性はあるので、そちらは一時中断し、胃腸の働きをよくする薬と顆粒状の食物繊維を飲ませることになった。牛乳を飲ませるのもいいアイデアだといわれた。ふぅ〜。麻酔じゃなくてほっとしたよぉ〜。
 
 帰ってしばらくして、繊維を飲ませてみることにした。どうやって飲ませるのか……。前に病院でいただいた冊子に薬の飲ませ方が写真入りで載っているのだけど、それによると、ほっぺたをひっぱり、歯茎との間に粉を入れてほっぺたを閉じてさすり、唾液と混ぜよと書いてある。やってみようとしたけど、ほっぺたがひっぱれない! そもそもつまめるところがないのだ。
 よし、じゃあ力ずくでと思い、口をこじあけて顆粒を少しずつ流し込む作戦に出た。ところがものすごい抵抗にあい、無残にも顆粒がそこらじゅうに飛び散ることに。 
 次に突然ひらめいたのが、少量の牛乳で練って鼻の下になすりつける方法だ。そこに何かがつくと気持ち悪くてなめるので、ぜったいにうまくいくはず。
 やってみると大成功。指につけては鼻の下になすりつける。その繰り返し。にょらはムッとした顔で、いやいやなめていた。

 それから約1時間半後、食事のしたくをしていてふと気になり、トイレをのぞいてみると、なんとうんちが! 思わず歓喜の叫びをあげてしまった。にょらが「ん?」と嬉しそうにやってきたので、ほめまくる。
 にょらから目を離してからトイレをのぞくまでそんなに時間がたっていなかったので、そう苦しまずに出たのだと思う。まだ薬も飲ませていなかったのに……。繊維がよかったのか、それともほっといても出たのか……?
 あまりに嬉しくて、ふだん飲まないお酒を飲んでしまった。

 それにしても、猫のうんちひとつでここまで一喜一憂するわたしっていったい……。




2002年03月31日(日)



 はじめての病気・その3

 きのうから気づいていたのだけど、歩き方がおかしい。やや背中を丸めて後足はがに股気味でよちよち歩くのだ。もしかして薬のせいでどこかがおかしくなったとか……? でもベッドに飛び乗ったりはできるので、足が弱っているわけではないらしい。少し様子を見ることにした。
 そしてきょうは朝から元気がなく、ずっとベッドで寝ていた。猫は具合が悪いと寝て治すというから、そっとしておいた。

 お昼ごろ、オカリナが届いた。前からなんとなく興味があって、インターネットでいろいろ調べているうちに入門用のビデオとのセットを見つけて衝動買いしたものだ。
 さっそくビデオを見ながら練習していると、にょらが「ん?」といって見にきた。なんとなく元気そうな顔になっている。お? もしかしてヒーリング効果があるとか? 
 歩き方も普通にもどっていた。たぶん、膀胱に炎症を起こしているので、痛いか気持ち悪いかだったのだろう。悪くなるのも急だったけど、よくなるのも急だった。でもよかったぁ〜。きのうはにょらを見るたびに、かわいそうで申し訳なくて泣いてたんだもん。
 どうやらにょらはオカリナの音が好きらしい。夜もちょっと吹いていたら、「ん?」といって見にきた。

 あまっている手帳があったので、これからにょらの体調とか、うんちやおしっこの状態などを記録していくことにする。今後もし何かあったときに、病院できちんと説明できるように。

 

2002年03月26日(火)



 はじめての病気・その2

 おととい病院から帰ったあと、にょらはまだトイレに通ったり床にちょろっとおもらししたりしていたけど、しばらくすると落ち着いて、パパさんチェア(という名で売っていた、大きなおわん型の楽チンいす)の上でうとうとしはじめた。わたしも横にすわり、そのままそこで夜明かし。
 午前5時半ごろ、にょらがトイレに向かったので耳をすましていると、おしっこの音が……。おお、普通に出たようだ。やった〜! トイレから出てきたにょらを大げさに祝福し、夫にも報告。にょらの表情も心なしかすっきりして見える。

 さて、尿検査のためのおしっこをどうやって採ったかというと、便座の下にゴミ袋を(開かず)たるませてセットし、セロテープで数箇所とめておいたのだ。考えてみたら簡単なことだった。半透明なので、にょらも抵抗がなかったらしい。きのうの夕方めでたく採取成功。念のため、今朝の分も採って病院へ持っていった。
 検査の結果、今朝のおしっこにやや潜血反応が見られるものの、だいぶ回復しているとのこと。あと8日間薬を飲ませてからまた尿検査をすることになった。膀胱炎のほうはそれで大丈夫としても、気になるのは尿の比重が低いことだといわれた。慢性腎不全の可能性があるらしいのだ。腎機能が低下しているために体内の毒素を尿として排出する力が弱まり、放置しておくと尿毒症になる恐れがある。しかも慢性腎不全は治らないという。ショックだった。でも進行を遅らせることは可能であり、そのためには血液検査を定期的に行って状態を把握する必要があるのだそうだ。その上で食事療法か、場合によっては薬で毒素を排出させるようにするらしい。
「どうしますか?」と先生。飼主によっては、もう年だからなにもしないで様子を見るという人もいるらしい。
「治療をお願いします!」わたしはきっぱりいい放った。

 そして血液検査をすることに。なんと、前脚から血液を採るのだ。よくそんなところの血管がわかるものだと感心してしまう。にょらはまた「ピャッ」と鳴いただけで、おとなしかった。
 待つこと30分。そのあいだ、待合室で必死で涙をこらえていた。でも検査の結果は、思ったよりよかった。今の段階では薬は必要なく、食事で治していきましょうといわれ、胸をなでおろす。ただ、1回の検査だけでは断定はできないので、今後定期的に血液検査をして様子を見ることに。

 食事に関しては、やはり年齢に合ったものを与えるべきだったようだ。だいぶ前にシニア用のフードを与えたところ、なんとなく体調がおかしくなったような気がしたので、また普通の成猫用にもどしてずっとそのままだった。先生によると、食事を変えたときに下痢などの症状が出るというのはよくあることだそうだ。わたしはあまりに早くあきらめすぎていたのだ。食事を変えて体調が悪くなるのを恐れるあまり、若い猫と同じものを食べさせていた。それで元気だから大丈夫だと思っていた。ばかなわたし。安物好きだなどといって喜んでいる場合ではなかったのだ。
 病院で処方される腎不全用の療法食というものがあり、これをためしてみることにした。食べてくれるといいけど。

 今回のことでいろいろと反省し、勉強にもなった。にょら、許してね。なんでもするから早くよくなってね。
 それにしても、たまたまタウンページでみつけてお世話になった獣医さんがとってもいい人で本当によかった。病状や治療法など、わかりやすく説明してくださるし、こちらの質問にも丁寧に答えてくださる。それに動物が心から好きみたいだ。やはりわたしの直感は当たりだった♪
「10歳ぐらいでこの治療をはじめて、今17、8歳っていう猫も何匹か知っていますから、にょらちゃんもまだまだ大丈夫ですよ!」と最後に励まされた。はい、よろしくお願いします!!



2002年03月25日(月)



 はじめての病気

 きのうの夜、にょらがなんだかそわそわと落ち着きがないので様子を見ていると、何度もトイレに出たり入ったりしている。トイレにすわる姿勢から、おしっこが出ないのだとわかった。たいへんだ、病院へ連れていかなければ。でも病院といえば、14年ほど前に避妊手術をしたとき行ったきりだし、この家に引っ越してきてからは一度もない。
 タウンページで調べてみると、夜間もやっているところはあるにはあるけどちょっと遠い。そこで近くの獣医さんに電話してみると、時間外だけど診てくださるとのこと。
 そうしている間にもにょらは何度もトイレに通い、そのうちトイレに行くのもめんどうになったのか、床にすわりこんではちょろっとおしっこをもらすようになった。そしてついに、そのおしっこに赤いものが混じるように……。

 夫とふたりでいやがるにょらをなんとかキャリーに押し込み、車で病院へ向かう。乗り物が大嫌いなにょらは車内で大騒ぎだったが、10分ほどで到着。
 はじめて病院を訪れるときというのは不安なものだ。にょらだけでなく、わたしも不安だった。でも先生の顔を見た瞬間わたしが感じたのは、「よかった〜!」だった。この人になら安心してにょらをまかせられる――なぜかひと目でそう確信した。そしてわたしのそういう直感は当たるのだ。 
 診察室に入ってにょらをキャリーから出そうとすると、あんなに入るのをいやがったくせに、今度は出ようとしない。みんなでやさしい声でなだめながらも、力ずくでようやく出すのに成功。
 診察のあいだ、2度ほど「シャーッ!」といって威嚇していたけど、かんだりひっかいたり暴れたりはしなかった。注射のときは、小さい声で「ピャッ、ピャッ」と鳴いただけ。ビビっていただけだと思うけど、おりこうさんにしていてくれて助かった。
 
 膀胱炎との診断だった。膀胱はからっぽなので、ちょろちょろと出ていたんでしょうといわれた。
 少し前にキャットフードをヘアボ(ヘアボールコントロール)に変えたのが原因かときいてみたが、それはなんともいえないらしい。詳しくは尿検査が必要とのことで、プラスチックの棒にスポンジのようなものがついたのをもらった。それにおしっこを吸収させるらしいのだが、水洗トイレでするにょらのおしっこを、どうやって採ればいいのか。先生を悩ませてしまった。でもとりあえずなんとかするということで、病気のことや薬の飲ませ方などを説明していただき診察は終わり。キャリーには今度はすんなり入った。

 どうもヘアボに変えたせいのような気がする。だとしたら、にょらには本当に申し訳ないことをしたと思う。ヘアボが悪いというわけではなくて、もう年だから、急に食事を変えるのはきっと予想以上に体に負担のかかることだったんだろうなあ。にょらごめんね。喜んで食べるから大丈夫だと思ってしまって……。これから気をつけるね。だから早く元気になってね。



2002年03月24日(日)



 安物好き・その後

 前回、ヘアボールコントロール(以下ヘアボ)のキャットフードをにょらが食べてくれた話を書いたが、どうやらそれがすっかり気に入ってしまったらしいのだ。
 にょらのごはんは、食べたらその分だけ出てくるフィーダーというものに入れてあって、いつでも食べられるようになっている。きのう、フィーダーのそばをうろうろしながらにょらが訴えるように鳴くので、ごはんがないのかと思って見にいったらちゃんと入っている。なんだろうと考えていたら、はっと気づいた。もしや……と思ってごはんをのぞきこむと、やはり安いキャットフードに混ぜておいたヘアボがなくなっている。そこでヘアボを足してやると、なんとがつがつ食べるのだ。
 もう安物はイヤだというのか……? ヘアボを食べてくれるのはうれしいが、某メーカーのヘアボより安いとはいえ、やはり高い。これからも安いキャットフードに混ぜて与えるつもりだった私のもくろみは、もろくも崩れ去ってしまった……。



2002年03月12日(火)
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