映画三昧...マリアンヌ・櫻井

 

 

サハラに舞う羽根 - 2003年09月17日(水)

製作年: 2002年
製作国: アメリカ・イギリス
日本公開: 2003年9月20日

試写会が当たり行って参りました!!
『エリザベス』で脚光を浴びた、シェカール・カプール監督が、A・E・W・メイスンの古典小説を映画化。
売り文句は「アラビアのロレンスを超える!!」というものでしたが、個人的には、うーーーーーーん。。。。。(苦笑)

簡単なストーリーを説明しますと。。。

自分の所属する連隊が戦場へ派遣されることになったエリート士官ハリー(ヒース・レジャー)。けれども彼には、戦う「意義」がみつからない。なんの恨みも憎しみもない人間を自分の命をかけて殺すことに意味はあるのか?
そして彼は軍を除隊する。
しかし、友人たちと恋人は彼の事を理解できずに、臆病者の象徴“白い羽根”を彼へ送りつける。最愛の恋人からまでも羽根を贈られた彼は失意の日々を送る。
そんな中、彼は親友ジャックの言葉を思い出す。
「君になら僕の命を預ける。」
最後までハリ−を庇い、信じ続けたジャックの言葉を思い出した時彼は、白い羽根を持ち「戦う」のではなく、友人たちを「助ける」ために、1人で戦地へ旅立つ。

一方、「戦争」というものを真の意味で理解していなかった事に気付いたハリ−の恋人エスネは、白い羽根を贈った事を悔やむが彼の行方は判らないでいた。そんなエスネを励ますうちに、彼女に抱いていた恋心が止まらなくなっていくジャック....。

ハリ−はアラブ人になりすまし、敵方の傭兵として潜入する。
そこで同じく傭兵のアブ−と親しくなり、行動を共にするようになる。
しかし、そこで得た情報は、敵方に落ちた砦にジャックたちの率いる連体が向かっている・・というものだった。
友の危機を感じたハリ−は、アブ−に「この危険を伝えてくれ!」と言って行かせるが、イギリス軍は全く信用せずに彼を捕虜として縛り上げるのだった。

やっとの思いでハリ−が駆け付けた時には、悲惨な光景が目の前に広がっていた・・・。そして銃の暴発により、目が見えなくなって苦しんでいるジャックの姿だった・・・。
彼を助け、彼のキズの具合を見ようとした時、ジャックの懐から沢山の手紙がこぼれ落ちる...。
それはハリ−のかつての恋人、エスネからの手紙であった。
この不毛の地で、この手紙だけがジャックの生きていく希望であったのだと悟ったハリ−は、自分の名前もつげずに去っていく。

戦地から帰還したジャックは、エスネにプロポーズし、エスネもまたハリ−に心を残しつつも承諾してしまう。

やがて最後の友を助け帰還したハリ−は、最後の羽根を持ってエスネの前に現れるが・・・・・。


ヒース・レジャーが主演・・というだけで試写会に応募したのですが(笑)最初に出てきた時には、あまりにも「お坊ちゃま姿」だったので騙された!!??(←何にだよ..)と思ってしまった私でしたが、話が進むにつれ小汚くなっていく彼を見て満足致しました。(爆)
やはりヒゲマニアとしては、少々小汚い方が好きなのです。(正確にはカッコイイ男が小汚いのが好き。/笑)

けれど話が進むにつれ、私の心は主人公の親友ジャック役のウェス・ベントリ−に釘付けになってました。出番事態はそこまで多く無いのですが、(よっぽどアブ−の方が多かったよーな気が・・・・)
しかし、ところどころに見せる表情の演技が良かった!!
ちなみにヒースは体当たりの演技・・って感じでこれも結構良かったと思う。(この二人は「静と動」の演技だなぁーと思いました。)
ヒースはホントにアラブ人とゆーか現地人みたく、どんどん変貌していく様が面白かった!
ストーリーも、中々・・・・と思いますが、あれはいかん!!!
エスネ!!!!(爆)


あのなんつーか、女女しているところが物凄く不快だった。。。。
優柔不断も大概にせい!!と、思わず画面に突っ込みを入れたくなるよーな。
大体、自分の愛した男に「臆病者の羽根を贈る」!!!!!
この行為事態がわたしゃ信じられませんでした。ええ......。(冷や汗)
しかもジャックに、愚痴ったり、相談したり、泣いたり・・・。まぁ、そこまでは100歩譲ってもだな・・・。
手紙に思わせぶりな言葉を書き連ね、早く無事に帰ってきてーー!!と、まるで恋人のように哀願しつつ、「友情よね?」と、逃げ道を作る女・・・。
これはどーーー考えても「悪女」だろ????

ジャックを本気にさせといて、プロポーズされたらどこに相談に行ったと思う!!??(・・・誰にいってんだあたしゃ・・。/苦笑)
自分が捨てた男・・ハリ−の父ちゃんのところへ相談しに行ったんだぜっ!!??
もーこの時、「なんじゃ、この女は????」と叫びたかったよ。
普通、行くか??
大体、相談された父ちゃんも反対はできんだろー。この女に息子が捨てられた・・というよりも、自分の息子が全てを捨てて逃げた・・って思ってるんだからさ。なのに相談に行き、プロポーズ受けるんだよねー。
挙げ句の果てにハリ−が帰ってきたら、涙ポロポロ流しながら「愛してるけど愛してると言えない・・」←言ってんじゃん!!!と、ここも突っ込みたかったが・・。
もー未練たらたらにハリ−に泣きながら言うんだよね。
それってジャックから私をさらってーー!!
と、遠回しに哀願しているんじゃ・・・・・。
をい!!ジャックの立場は???
ってゆーか自分で決めろよ、自分の事なんだからさー。って感じでした。

もーこんな女いらんから、友情オンリーでいった方がよっぽど良かったのでは????(原作のエスネはここまで酷くないらしいが・・・)

最後に、ハリ−がジャックのところにやってきて会話をするんだけど、その部分は文句なしに良かった!!
自分を戦地で助けてくれたのがハリ−だと気付くシーンがあるんだけど、セリフは無く、ジャックの表情で全てが伝わる・・。そんなシーンでした。
(セリフがないところが個人的には凄く好きだった。)
ウェス・ベントリ−の演技に乾杯〜〜vv

最後に、あの映画の中で一番カッコよかったなぁーーーー・・と思った役は、アブ−だったような気がします。(笑)←いや、でもこれホント。


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座頭市 - 2003年09月10日(水)

脚本・編集・殺陣:北野武 主演:ビートたけし


最初に北野映画最新作が、「座頭市」・・と聞いた時。正直、「はぁ?」と思ったのが始まりだった。
座頭市・・と言えば勝新。これが日本の常識・・。みたいな感がある。
しかも北野映画で「時代劇????」という驚き。

話が進むにつれ、「金髪」「タップダンスあり」とか様々な噂を耳にすると、謎は深まるばかりだった。
しかし、個人的にはなんだか「面白そう」というのも本音だった。(←ただし純粋に映画が面白そう・・というのとは違う意味である。)

それ以上はなるべく先入観が入らないように情報を読まないようにして、封切りを待った。

先ず、映画が始まってすぐの殺陣のシーン。
これを見た時に「ああ、間違い無く北野映画だ!!」と思った。
スピード感がありながらも、日常的に淡々と進行していく。ハリウッド映画のように死にながらセリフを吐く奴もいなければ、"タメ"のシーンもない。
物凄く現実的な切り合い。
しかしながら、シリアスの中に「ああっ!!ありそうっ!!」っていうジョークになるシーンが絶対入っている。ここが最高にニクイなぁ・・と思った。

殺陣のシーンがすこぶる速くて、驚くがこれを演じているのもビートたけしだ・・と思うと更にびっくりしてしまう。
やっぱり現実に切り合いとかあったら、こんなだろーなー・・っていう虚無感にも似た情景を私は感じた。
切ない・・とか、痛そう!!とか、考える間もなく死んでゆくのである。
(勿論、見てる方はたまに「あうーーー!!」と思うシーンもあるのだが・・)

あと忘れてならないのが、「音楽」である。
この映画は素晴らしくリズミカルに仕上がっている。
畑仕事をしている百姓が鍬を持って、耕すシーンなど、画面と音が重なっているのだ。リズミカルで、どことなくユーモラス。
そしてちゃんと「和」を感じる音楽。

ラストのタップシーンに到っては、アメリカのタップは考えない方がいい。
全く異なっているからだ。(むしろタップの元祖、アイリッシュダンスに音的には似ているかもしれない。)
わらじでタップが踊れるように・・と試行錯誤しながら完成したそのわらじからは、「和」の響きを感じさせる音しか聞こえてこない。
こんなタップがあったんだなぁーー・・と、感心してしまった。(なんでも日本全国からタップダンサーを募集したらしいですが)
最後は圧巻の中、終わりか・・・と思わせといて、場内が大爆笑になるオチがついている。けれども、ちゃんとこの作品のコンセプトがその最後のシーンにセリフで描かれている。
シリアスとギャグのコントラスは、ホントに最高だった。

余談だけれど、実は座頭市は目が見える!!というシーンの時に、青い瞳が見える。しかしその時にはもう、それが変だとか、何でやねん!?とか思わなくなっていた。
「あー、もしかして座頭市ってハーフちゃうの?」「そんな設定あってもええよねー。」などと、すっかり北野マジックにはまっている自分がいました。(笑)
平日の夕方行ったんですが、場内は50代くらいの方達が多かったです。
そしてみんな殺陣のシーンでは、食い入るようにシーンとなり、ギャグのシーンでは、大爆笑が起きていました。
もうそれだけでも、この映画は成功なんじゃないかな・・と思いました。
北野監督の引き出しの多さに脱帽。(笑)

ちなみに私は北野映画では「BROTHER」が一番すきである。


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英雄(HERO) - 2003年09月05日(金)

英雄(HERO) (2002)
製作国: 香港/中国
日本初公開: 2003/08/16
監督: チャン・イーモウ Zhang Yimou 張芸謀
アクション監督: チン・シウトン Ching Siutung 程小東 

映画館に通っている時にこのCMを見て、あまりにもコテコテのワイヤーアクションだったので、見ようかどうしようか悩んでいたのでした。
職場の同僚で見て来た!!という女の子に感想を聞いても、「なんか話し判らなかったですー。」と言われ、遠くに住んでる友人は、「いやー綺麗だったよ!!」とかいう感想。私の周りは誰も【スト−リ−】について感想を言ってくれる人がいなかったので、これはもう自分でやっぱ見るっきゃないなぁ・・と思ってた処へ、友人からお誘いが・・・♪

私の感想としては・・・・。

誰だよ、
判らない〜って言ったヤツはよぉーー!!


でした。(笑)↑職場の女の子なんだけどね・・。

私にとっては別にワイヤーアクションはあまり関係なかったです。
飛ぼうが回ろうが、大変だったろうなぁ・・とは思いましたが、それはさ程重要ではなかったですが、ストーリーがかなりツボでした。

そして個人的にはトニ−・レオン!!!!
若い頃より今の方がいいよ!あんた!!!と、思わず食い入るように画面を見つめておりました。(ごめんねジェット・リ−・・/笑)
役的にも、ジェット・リ−扮する名無よりも残剣の方が好みな役だったし・・。(苦笑)

あと感動したのは【色】ですねー。さすがワダ・エミさん!!
名無と始皇帝が語る、3種類の話をきっちり分りやすく【色】で分けるというのは、さすがだと思いました。
しかもその色が綺麗な事!!!
個人的には【瑠璃の碧】を貴重とした服が物凄く好きでした。
映画を見て、色に感動したのは【サスぺリア】以来かもしれないです。(←これは色で恐怖を現してるんで、見た事ない人はどうぞ!!)

映画のシーンで印象的だったのは何ケ所かあるんですが、先ず1つ目。
秦国王(←まだ始皇帝ではない)が名無と対峙して話が進む中、独裁者だなんだと言われながらも中国統一に全霊を傾けてきた自分の最大の理解者が、他では無い刺客の一人。残剣だったと気付いた時のシーン。
彼が名無に託した【剣】という文字の中に秘められた意味を唯一解く事ができたのもまた、秦国王だった。。。。
このくだりのチェン・ダオミン(秦国王)の演技に鳥肌たちました。

2つ目は、残剣が恋人の飛雪と共に秦国を襲いに行ったくだり...。
始めて秦国王と残剣が出会うシーンでもある。
緑の布がとても印象的にゆらめく中、始めて剣を交わす。
殺そうと思えば殺せたのに、残剣は剣を止め、退却する。
後で思えばこの時に彼は秦国王の中に、【何か】を感じたのでしょうが、そのあたりの二人の演技がもう見とれてしまいましたよ、わたしゃ!!

3つ目は、親や民俗の復習に燃えた飛雪が、残剣の「秦国王は殺させない」という気持ちを知り、彼を殺してしまうシーン。
真っ白い衣装の中、刺される寸前の残剣は剣を捨て、彼女を抱き締めるように手を広げる。←この手を広げるところがもー憎かったです、私としては。
あの瞬間のトニ−・レオンは最高でした!!泣けましたーーー!!

ラストはセリフなどはっきりと書かれませんが、何千、何万本と飛んでくる矢の中に堂々と立つ、名無にやはり鳥肌がたち涙がでました。
このラストは日本の昔の映画に通じるものがあるなぁ・・と感じました。
【哀】があるんですよね。ハリウッド映画では中々あのラストでこのタイトルの意味に繋がる・・という技はできないだろうと思う。

この作品のテーマ。
真のHEROとは、何か?

今の日本を含めた世界各国の政治家に考えて貰いたいもんである。


余談ですが、チャン・イーモウ監督は黒澤映画のファンらしいですが、流石だ!!!と思ってしまいました。また、名無の語り口から入りストーリーが幾つかに展開していく様は、羅生門の手法からとったらしいですが黒澤は死んでも魂は死なず!!って感じで嬉しかったです。

更に余談。。。
私は原作読んでないんですが、一緒に行った友人が帰り道々、「あぁー、ワイヤーアクションシーンねぇ、でも原作の方がもっととんでもない跳び方してるよー!!」と言ってるのを聞いて、「・・・あれでかよ?」と驚きを隠せなかった櫻井でありました。(笑)ちょっと読んでみたいかも。(笑)



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