与太郎文庫
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1955年12月02日(金) |
小説伝 〜 架空の日付 〜 |
http://d.hatena.ne.jp/adlib/19551202 ── 西暦二〇六四年五月二十八日。東京北区の公団アパートで一人の 男が死んでいるのが発見された。 野々村佑介。本籍・日本国東京都渋谷区桜ヶ丘。一九五五年十二月二 日生れ。享年一〇八歳。(P08) ── 尼僧院はその後百年ほど、我が世の春を謳歌しますが、Nowhereland 暦七八七年、辺境伯ガゼラブビルの征伐により皆殺しにされます。(P65) 二〇八三年九月一日。会員たちは一斉に野々村氏の小説をひらいた。 さわやかな日本晴れの日曜日の正午のことである。(P92) ── 小林 恭二《小説伝 19881115 福武文庫》 ── 三国一、天下一、日本一といった言葉は、天下の覇権をかけて群 雄が競った、室町から戦国時代にかけて流行した。 「日本晴れ」も同じころ生まれた言葉らしい。混迷の中にも元気があ ふれていた500年前の「流行語」だ。── 《ロンの部屋 20030220 》 http://www.google.co.jp/search?q=cache:HwWVoKA2dlQJ:homepage1.nifty.com/trd/ron%27s%2520room.htm+%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%99%B4%E3%82%8C%E3%80%80%E5%9B%BD%E8%AA%9E%E8%BE%9E%E5%85%B8&hl=ja&ie=UTF-8 ◆ 20830901(日)正しくは水曜日。
野々村 佑介(架)作家 19551202 東京 20640528 108 / 小林 俊夫 恭二の父 1923‥‥ 韓国 神戸 19930731 70 /元神戸製鋼専務 小林 □□ 恭二の母 193.‥‥ 神戸 19930803 6. /俊夫の妻 小林 恭二 小説 19571109 兵庫 /〜《小説伝/迷宮生活》 ──────────────────────────────── 島 弘之 文芸評論 19561119 東京 /〜『現在』と『記憶』
── これは、野々村佑介という作中人物(といっても「小説伝」の冒 頭で「腐乱肉塊」として「発見」されるので登場人物とは言いにくい) が遺した五百巻に及ぶ膨大な小説のテーマであると同時に、ほとんどそ のまま小林恭二の人生観、ひいては彼が小説家を志した動機でもあるだ ろう。実際、小林氏がこれまでに発表してきた作品は、すべて右の「不 幸」の再確認とそれをどうにかして克服しようと努める作中人物たちが 演ずる悲喜劇の展開にほかならないと言える。(P218) ── 「小説伝」は、まさに小説というジャンルの未来を予表しようと する作品である。二十世紀末以来「殆ど書かれなくなった」小説が二〇 六四年になって久々に「一枚のアルミフロッピーディスク」として発見 され、この言わばシーラカンスの発見にもなぞらえるべき事件が世間を 騒がせるという設定がふるっている。この小林氏好みの未来を回顧する かのような書き方は、いわゆるSF的な思考実験というよりも、むしろ 小説の死と再生を空想的に儀礼化して、自分は果たして小説を書き続け ることができるだろうかという不安を作者自身が祓おうとする意志の表 われだと思われる。例えば小林秀雄が、三島由紀夫との対談で、「ぼく は小説なんか無くなると思ってるんだけども、なかなか無くならないね。 (声を合せて笑う) だって映画が出て来たしね、散文はもっとちがっ たものを……。小説から描写はなくなって来ましたよ、ね」と言い、 『金閣寺』を「抒情詩」と呼んだのが一九五七年であったことを想い起 こせば、小説は、ある意味で、着実に「無くなる」方向に進んできたこ とが改めてよくわかる。(P219-220) ── 百八歳(煩悩の数か)で世を去った男が遺した「四百字詰め原稿 用紙で、ほぼ四十万枚分に相当する」史上最長の小説を誰が最初に読み 通すかという、言わば犯人探しにも似た推理小説風の筋運びが「小説伝」 の内容を形づくっている。(P220/島 弘之・解説) 三島 由紀夫・原作《金閣寺 195601‥〜10‥ 新潮》 http://d.hatena.ne.jp/adlib/19580819 市川 崑・監督《炎上 19580819 大映京都》 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ↓=Non-display><↑=Non-display 「小説伝」とゲーデルの不完全性定理 http://www.asahi-net.or.jp/~NX5H-AKYM/galle/par35.txt パラッドクス35号(アイデア・フェティシズム)電子版(試作品) ── メタフィクション【metafiction】小説について考える小説。 小説を批評する小説。── 大辞泉 http://d.hatena.ne.jp/adlib/20030528 架空の日付 (20071227)
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