睦月の戯言御伽草子〜雪の一片〜
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道標過去へそれから


2005年06月14日(火)

「ねぇ、母さん。次の参観日はこれる?」
「ん〜、どうかしら?今のところ予定はないけど、仕事が入ったらむりねぇ」
「じゃあ、仕事って思っていたほうがいいね」
「そうねぇ、あなたってほんと聞き分けがよくって母さん楽だわ。」
そういって僕の頭をなでて玄関を出て行く。
「今日は残業だからご飯は自分で食べてね。」
「うん、大丈夫だよ。」
「そういえば、塾にいきたいって行ってなかったかしら?」
「もういいよ、家でゆっくりやったほうが頭に入るし。塾まで距離があるから母さんより帰り遅くなっちゃうし」
「あら、勉強するんだからそんなことはきにしなくっていいのに。じゃ、行ってくるわね。」

                  

バタン・・・コツコツコツ・・・


いつ言おうかな・・・先生に言ったほうがいいのかな。
参観日のあとの面談で言おうと思ったけど、今回も無理そうだし。
母さんはやさしいけど僕の話を聞いてることはほとんどないんだよな。
でも、こんな苦しいのにいつまで我慢すればいいんだろう。母さんに気づいてほしいのに、先生も気づいていいはずなのに。
・・・・・・・・・もしかして僕はここにいてはいけないのかな?僕がいなければ母さんも仕事でもっと頑張れる。遅くに帰っても僕の心配しなくてすむし、僕母さんの邪魔してるのかな?学校へ行っても同じだ。僕は邪魔なだけ。そうか僕がここにいることがいけないのかもしれない・・・・・・・



・・・・・・・・・雪だ・・・・・・・・・ゆっくり降りてくる、僕は雪の代わりに空に上っていくみたいだ・・・・・・・・雪・・・・・・・・一面の雪・・・・・・・・


お地蔵様の資料は『ojizosan.com』を参考にさせていただきました。
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