あたしはいないほうがいいんだという「根拠なき思い」がどこまでも

巻きついてはなれない。




たべたり、はなしたり、ねむったり、するのに。




目をずらしたらそこでたたずんでいる、こっちをみはなしてくれない

もう、いいかげん、あなたなんて見飽きたのに。



だれもいないことを自分からあかるみにだして

一歩一歩、きみに近づいていく。

それでも、いきをしつづけると念じる。

いきつづけると。



いつか、みつかる？

あたしが、呼びかけてもいいひと。

あたしを、ひとりにおいてかないひと。

涙腺ぶっこわしてくれるひと。

ふれても、こわくないひと。



えんぴつと、紙ではなくて。

くるしいといえるひと。



……べたべたのキャンディの甘えたさん。




八月二十四日、快晴、昼

がんばる、なんて
所詮ただの呪文なのだから
それが含む意味を追求したら、いけない。

立ち止まったら折れるでしょう？

誰ともことばを交わさないまいにち。
不健全だなんて知っていた。
それでも、出てゆくところがないんならと
両腕に爪たてて気がつかないふり、気づかない知らない。

あたまのなかからことばがあふれる。
口にしたくないことばがあふれる。
そしてそこらじゅうに浮かぶビジョン、

腕がこわいよ。
しろい肌も
とがりつつあるすべてのものも
窓のそとに用意された
あかるくてしかたない、ベランダのむこうの空。

今は、みたくないって
まるくなって必死にねむるんだ
それをきみは、甘えと呼ぶか
きっと呼ぶよ
呼ばれるよ

そっちのせかいからはみ出しちゃいけないと
そう、喉を絞るように
凍りついたようにしずかに、しずかに

いつでも、思っている。


だけど？



８月２３日、午后。