かぜをひいた。

寝込みなさいよというお墨付きだなあ、と
かぜをひくといつも思う
なに風邪だかさっぱりわからない風邪。
カッコントウ、とバファリンと
いつものお薬のコンボで
よくわからないことになりつつ
寝たり起きたり
主にるすばんをしている、今日とか昨日とかおとといとか、、、

ティッシュを抱え込んだりしている以外は
とくに、いつもと変わらないのであった。

かくして、生徒ちゃんからかしてもらった
ハリーポッターを読んでいます・・・
正確には、読み返している。

……おもしろいんだけどヒトの名前がおぼえられないから。（＞＿＜；

塾に行くようになってびっくりしたのだけど
ハリーポッター、について言えば
今時の子どもは本を読まないなんて信じられない言葉で
どの子もほとんど読んだことがあるし
持っている子もたくさんいる。
中学生のころお小遣いを貰っていなくて
自分で本を買う、という習慣が
それほどなかったわたし、には、もう
うっひゃあ、
というくらいそれはオドロキだった。

というわけで、一冊めから順番に貸してもらって
今は炎のゴブレット。
中断しながらぽつぽつと読み
くしゃみをして鼻をかんで
ちからがつきたらおふとんにもぐって
うすあかりで目がさめて
枕もとの本をみて

そんなくりかえし、そんなそんな、１１月の、さいご。

去年はヘルペスで寝込んでいた。
今もちょっと、来てる。
なんだか半ば慢性病と化してきたなあ、と
苦笑してバナナを食べた、あかるいくもりのひるま。

もしも今が夏だったなら外は青くあかるくて
だからナイトミルクというよりも
モーニング、なんだろうと思いながら

ふらふらと台所へあるいていって
冷蔵庫からつめたくひえた牛乳瓶をとりだして
マグカップにつぎたし、あたためるのだった
ナイトミルク？

…本当は、うまれたばかりの赤ちゃん牛に
一時期、母牛が夜眠るまえに与えるミルクを
ナイトミルクと呼ぶらしく…
それはほんとに、仔牛がよく眠れるような成分違いのミルクだって
いつかどこかで読みました。

わたしは仔牛ではないので
取り上げるまでのこともないし
たしかに牧場のあるよな土地に住んでいても
それだけのミルクをほしがるくらいの心もないから
ただのホットミルク、にて
あたたかさをもらって

あとは…なにかどうにかしなくちゃと
手元のカードを睨むくらいの冬の毎晩

・・・・・・・・・・

カウンセリングはじまって
あ、そういえば
こういう、不思議なくたびれかたをするもんだったっけ…
と思い出していた
駅ビルのてっぺんのＣＤ屋さんの前にならんだ
おじいちゃんおばあちゃんがなぜか席を埋めている白い椅子に
その隅っこに、ぼうと座りながら。

気がつくと誰もいなかったから
熱っぽいあたまに気がついたから
ああもう帰ろう帰らなくちゃ帰れ
…そう、身体に指令をだして
ようよう、帰途へついた「わたしぼくあたし」。

きれいな陽光を
この目にきちんとうつせるように
挨拶のように笑ったあとに
一気にからっぽになった自分をみつけて
いのちについて、なげやりにならないように

わたし、ミルクをあたためて飲む。
せなかを支えてくれていたあなたがいない事実は重いけれども
とても、不安で怖いことなんだけれど
でも
なにをしてもなにをしてもなにをしても

これ以上
なくしたく、ないから

寒い明け方の
マグカップミルク。

カウンセリングのインテークをうけてきました
前日からうろうろしてみたり
吐き気が止まらなくて少し難儀しながら

相棒さんはそのわたしを見て
少し急ぎすぎちゃったかな、と
つぶやいていたけれども

……むしろ、本当はもっといそいだほうがよかったんではないか

と、いう気がしなくもなく
でもそういうことは
アタマが動くようになって
はじめて思いつけることで

担当はひげのおじさんです。
ジャパニーズ・ジャン・レノ？

何をはなしたのかもうよくおぼえていません。
１０年分を９０分でまとめるのなんて
それはちょっとむずかしい、と困っていた時間が
ぽつぽつとあったような気がして

とりあえずしばらくがんばります

今年も、誕生日もすぎたので

こえたので


……まだうまく「宣誓」はできないみたいだけど。

振り落とされそうになりながらせかいのはじっこに

かじりついているひとが、いて

必死で

ひっそりと

諦めそうになりながらでも何度も

ゆるむてのひらをふたたび掴んでひとりそこから

すべりおちて行かないように



たくさんの手