『 hi da ma ri - ra se n 』


「 シンプルに生き死にしたかった 」


2004年10月31日(日) りんごうさぎ

読めなくて、書けない
お気に入り登録している日記がよくよめなくなってきた
フラッシュバックって何なのだろうとふっと考える
つまづける単語はとてもたくさんになってしまった
ときどき顔をだす、痛みをよびさますものどもの長いリスト

地面が揺れているような気がして
こわいのです
一日に何度も電気のひもを見つめて確認してしまうのです
もっとも、なんというか
自分がふらついていることが多いので以前のように
ひとめみて、ああ揺れていないと確認できることは
ほとんどないのだけれど

睨みつけてそうしてはじめてわかる、揺れているのはぼくでまわりじゃない

りんごをむいて、ほうじ茶とたべる
あたたかかったので
今日の夜は
これで暮らそうと思った

雨のふる夜はうすらさむくて
いつもよりも少しだけ
おまもりが多くひつようになるから

おふとんのなかであたたまるために
つみかさねられるものが少しずつたくさん


10月31日、夜の繰言



2004年10月28日(木) love song

さいしょからひとりだったのなら
どんなさびしさだって知らなくてすんだと思うのに
それなのにどうして一緒にいたいと思うひとに
出会ったりなんてしちゃうんだろうね


10月28日、眠れない夜のつづき


追記
Yくんへ
ハッピーバースデー
最初におめでとうを言ってから12年たったね
今どうしてますか
こんなにすぐ近くにいるけど会ってないね
今、笑えてますか?
そうだったらいいなと思ってます



2004年10月27日(水) 記録、きゃべつとたまねぎ

寝こみはじめたみたい、とうとう?
さむさというのに反応しているのか、知れない

去年のことをぼんやり想起した
とにかく同じことはしないためになんとかしよう
だって約束したんだもの
どう思われているかはわからないけど

たとえば10年たったときにぼくは言おうと思っている
ぜんぶいいかげんなぼくだったけど
でもいちばん大事なことだけはなんとか守ったよ
そう、あのひとに言おうと思っている

たとえ二度と会うことがなくても。

秋雨と台風の影響で、野菜がきれている
このあいだスーパーのおじさんが興奮して言っていたには
「ものがないんだよ、割り当てがこなくってさ!」
配給みたいな世界になっている、実際そうなんだと思う
どこにも売っていないおおきなきゃべつ

のこったたまねぎでかぼちゃのスープ
のこりごはんが焼き飯になってしまい
これはむしろ
海苔をまいておにぎりにすべきだろう、と
ぼんやりと思った、なんだかコンビニごはんみたい
白菜とピーマンと鮭が具でぜんぶ残りもの利用
ひとに食べさせるためにつくったごはん

一日が塗りつぶせるのなら
おふとんのなかじゃなく痛みでもなく
こうやって空白をひとつ消したら
少しはいいものになれないだろうか
たとえ書きのこすことでさえもたぶん証拠になる気がして
ばかみたいにいっしょうけんめい
ぼくは書こうと、する
キーボードがあってよかった

さむいです
寒くなります
かなしいこと何も言えないこと
みんなみんな、あたたかかったらいいのに
ゆっくりと眠れていたらいいのに

わたしは屋根の下にちゃんと住んでいるのでなんだかんだいって
ひじょうにしあわせなのだと、思った


10月27日、水曜日



2004年10月26日(火) 記録

頭の中がぎゅうぎゅうしてる
なにを考えているわけでもないのに
片方にどんどん寄せられていって
いやなことになる
いやなことになる
いやだそっちには行きたくない

力を入れすぎたかあごがいたい、奥歯がずんずんと

理由よくわからないで一日泣けてた
なみだで顔がはれあがったので目が半眼
きのうはかさぶたがたくさんだったから
眉毛がほとんど抜けてしまったろう……とおもう

ハロウィンかぼちゃ
今日は十三夜、
外は雨………
さむざむとひえる

寒い空のことを考えると思いがすっとぶ、ずっとそんなふう
ニュースを見なくても床の上の新聞の見出しから
つぎつぎと届く続報……せめて募金にくらい行こうと思う
とうめんできることってそれくらいしか思いつかない
知り合いが、かかわっていないわけではなくて、だけど
消息を尋ねてぼくが安心するよりほかにできることも、ある・はず

そんなことがらが灰汁みたいに浮いては消える
ほかは中身のわからないぐちゃまぜのスープ
ごしごしと圧縮された真綿を
頭のなかに詰め込まれているような
そんな感覚が、、、このあいだから離れない
忘れるには眠るしかないか
逃げるには眠るしかないか
ぼくのまえに大きなナイフを突き出さないで
まちがいを、やりたくはないんだ
そっちには行きたくないんだ

おふろでお湯をあびてこびりついた思いをぜんぶ流そう
お気に入りのパジャマ、あたたかいお茶
おふとんにくるまってかたくなったまなざしをやわらげよう
それもなにもぜんぶ効かなくなった
もがいている時間のぶんだけ明日と明後日にひびく
……しかたないよ、つよいくすりも
それもひとつの選択肢だとわりきってつかおう……
がんばれ



2004年10月24日(日) ヒトリゴト

ひっそりとひとりごとを言えるくらいの場所は
とっておきたいかなと、思う

顔のない、百人のひとのことを考えたらきっと何も言えなくなる

顔のみえるひとのことは
思っていたかったけど
うまくいく日は
そんなにすぐは、こなくて

たまねぎをきざんでリゾットを作った
ぼくのつくるものはたいてい
うすぼんやりな味がすると思う
左目ばかりなみだが出るなあ
涙腺って
右と左で、ゆるさに違いがあるのかなあ

祈るということばの意味をわたしはよくわかっていない
急にぽっかりと傍らがうつろになってしまったときの
しずかな半狂乱のことを思い出せるくらいであって
それらについて、きちんとつつみこめるくらいの思いをことばにこめて
祈るということをたぶんできていない
そう自覚したら、冥福をお祈りします、といえなくなった

大きくなりたい

これ以上、かなしまなくてはならないひとが
ふえませんように、どうか



10月24日、夜



2004年10月22日(金) hope, signal, a cup of tea

だれかの入れてくれたお茶がのみたい
あたたかいの
だれかといっしょに、のみたい

ここにいていいとわからない思いがひどくなる
どこにいてもじぶんを感じることができなくて
そんなの青臭くてしかたない疑問だとおもうのに打ち消せないまま
なにかができたら少しは自分にマルがつけられるかもしれない、と
一日になにかひとつ
家事手伝いでなくなにかしようとばくぜんと決めて
かんたんに言えば「なぜでもいいから外に出てみよう」として
それなりに実行をつづけられているこのところしばらく

だけど、それは、最初の思いとはうらはらに
誰かの気を損ねないためにきっちりとした囲いのなかで
いっしょうけんめい動くだけのようなことに
あっさりと、すりかわってしまったみたいで

がんじがらめ
ありもしない蜘蛛の糸か

それがほんとうにひとの真意なのか
それともぼくが捏造しているものなのかはわからないけれど
かなりの強さで支配されていることは、たしかで
でも、そういう場所にいることが
なにかふきだまりのようなものを
つくってしまうことも、たぶん、たしかで

マグマだまりとか
いつかバクハツするはずの
鬱屈した思いで

ふくらんで
ふくらんで
あれくるってしまう
また今日もきちんと笑うことができなかった
また今日もきげんよく受け答えすることができなかった
あのひとの気に添うものには
なれなかった

そうして気付いたらリアルが少しずつうすれていた
また、こんにちは
自分のことのどうでもいい、ここ?

刃物がこわいから
みると手首がいたむから
部屋がとりちらかってきたから
みんな
よくない信号だった


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


じっとしているといやな思考とイメージで頭の中がぎっしりになってしまう
動いているとつきまとうものは薄れるけれど
思考が走らないかわりに行動が走ってなにをするか自分でおぼつかないし
ひとに迷惑をかけないためには何にもしないほうがいいんじゃないかって
そのことを承知していて、けれど頭の中を埋め尽くすことばに今日も負けた

大事だったはずのものを
すこしずつ投げてしまう
目をさますたび
もうどうでもいい、と
ふっときりはなしてしまっていく、いくつもの

それを守らないと
それを守れないと
あとに残るのは
四方八方にとがりきったささくれだらけの
どうしようもない部分だけなのに

からだのなかが嵐、がらがらのめちゃめちゃ


あったかいお茶をのみたかった
おいしいと感じるセンサーはぶっこわれちゃってるかもしれないけど
カップになみなみと注がれた、あたたかなお茶、

あらゆるきれいでうつくしいもの
すべての、心はずむはずのできごと

……触れていたらもしかしてそれで少しは
「まとも」に戻れるんじゃないかって
うすうすと期待しているんです、たぶん、
性懲りもなくきっと今日もたくさんの期待を

手の中のカメラを叩き壊したい衝動、
それをしないように
自分で自分の腕を押さえつけてる
そういう刹那的な
つよいつよい
感覚

さらっていかれないために、書いてる
もう外に
すっとんで行かないために
自分のすぐそばにいるひとに
めちゃくちゃな迷惑をかけないために
くるしいのを散らすために

じぶんで自分にセラピーをやっているようなものかもしれない。
読まされるほうはたまったものじゃないな、苦笑

でもここに書けるからたぶん
ぼくは今晩
少なくとも気持ちの上でのたうちまわらないで
眠りにいけるのだろうし
誰かがいれてくれるわけじゃないいっぱいのお茶を
自分のためにつくろうとすることも
できるんだろうと、思う

ごめんなさい
ありがとう
でもやっぱり
ごめんなさい



10月22日、夜〜深夜



2004年10月18日(月) かなしいあな

目がさめたらいやなところに落ち込んでいることなんて
もはや慣れっこではあるけれど
でもやっぱり、いやなところはいやだった
起きていちばんにすることが泣くことなんて
なんとなく汚染されたような思いにかられることではある

胸の奥のほうからどすんと太いねじくぎで地面に打ち下ろされたような
おもたい地べたに留められた

そこから、抜け出たり
また戻ってきていたり
それのくりかえしで
春から夏がきて、もう秋で
きんいろの陽射が、ここまでやってきた
時間がとまったような錯覚をわたしにくれる
さらさらとふりそそぐこまかいこまかい粉みたいに
点描でうめつくされたそこらじゅうの出来事

せっかく、秋晴れのこんな日なのだから
こんなじかんなのだから
気をとりなおして、わたしをつくりなおして
なんとかなろう
せめて縁側にすわって、ひなたぼっこでもしよう

暗いときは窓をあけようってなんとなく思った
お日さまにあたろうって、なんとなく
カーテンのこっちがわで丸まっているよりはいいかもしれなくて
だって、外はあかるくてしずかだから


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


出かける用事も、つくれば、いくらかあれば
むだなものを道端にみつける
カメラ
誰と話さなくても


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最近みた映画。>「初恋の来た道」「三文役者」
最近おいしかったお茶。>ボトツワ
最近こわしたもの。>めがね
最近きいてる音楽。>新居昭乃「エデン」
最近すきになったもの。>サニークラウズのパジャマ
最近気に入っているもの。>ポン・デ・ライオン
最近ほしいもの。>吉尾良里のホリデイブック
最近うれしかったもの。>知らないひとからもらったメール
そろそろ恋しいもの。>けいとだま


かなしくない。



10月18日、月 おやつのじかん



2004年10月16日(土) たぐりよせる。

夕焼けをみた
たたみにぺたりと座っていて窓の外をふと見たら
ちらりとのぞいた壁にあんまり夕焼けの気配が色濃くて
ぼくはとたんに色めきたった

ゆうやけ、
落ちていくお日さま
燃えあがるそらの色
さまざまにゆらめく
雲の片鱗とそらのかけらと

写真の画面にきりとりたい
うまくできたら
そうしたらあのひとに届けよう
きっとそうしよう
そう思って

刻一刻とすくなくなっていくひかりを惜しみながら
くっきりと映える山の端のかたちをみていた

そんなことも、あった日でした
ほんとうは、そんないいことも
あった日でした

写真は結局撮ることができなかったけど
この話をあなたにも
しそこねたけど。

ほんとうは、そんなこともあった日だったんだよ。


………、


10月16日、深夜



2004年10月10日(日) daytime

こわくてどこにもいけません

手を出すこととか

目に入るものとか

額がひきつっていって
びくりとひきさがる指

ダイレクトメールが届くけれど傍らにつみかさなるだけで
そのうちきっと忘れられる

それが、いいのかな

消せないものはたくさん
ひっそりと思い切って、そうして思い立って
顔を出せばすぐに振り下ろされるショック
洗っても洗っても落ちないしみみたいに
あの人の台詞がじわじわひろがる

まっさらな正義にみちて傷つけるために放たれた言葉

効果はとてもすばらしかったよって
教えてあげたい
けれどわたしは何も言い出すことはないし
あなたは以前とおなじ場所で笑い続けることができる

言い出さないのはよいこころからじゃない
わたしはわたしをまもりたかった
ことばをつなげはじめたら
非難するのも憎みはじめるのもあんまりにかんたんな気がしてならなくて
そこへは、いきたくないから

それだけのことだけど

手も足も出ないで
どこに行ったらいいのかわからない渦のまんなかに
放り投げられているまんまなのは

すこしくるしい。


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台風の被害はこれといってなくて
わりあいにあっけなく豪雨の時間もすぎていって
うしなったものといえば、たとえば
庭で咲きそろっていた金木犀の花が
のこらずたたきおとされたくらいだった
常緑樹のしたにひろがるオレンジのじゅうたん

平和だよね


10月10日、夕刻



2004年10月09日(土) 雨の日の留守番

もし、おなじうちに住んだなら
いいことのひとつは
真夜中に雨がふっているときにいっしょにいられることだ。


飼っていた犬を、台風の日の夜だけ
玄関に入れた
青い屋根の小屋を、たたきの上に置いて
つなぐ先のない首輪をつけたまんま
上がっちゃだめだよと言い置いて
おなじ屋根の下でいっしょに眠った

そんなふうな

ぬくもりは、いつでも
なつかしくていとおしいに
違いないから

ひとりならばつめたい雨が叩きつけるのには電灯をともして
よそよそしいことばで、自分をいっぱいにして



10月9日、夜



2004年10月06日(水) 26℃

熱が出てそのままさがってくれなかった日
炎症製造中、
ええいはやく終われ
と。

三日にいちど熱を出すサイクル、
それをしていると軽快は望めない
そういうこともきちんとわかっていて
でも止めるにはどうしたらいいか
さっぱりわからない

治まるまで黙ってしずかに寝ていましょう……眠れないんだけどな、な

うーうー言っていたら地震がきた、
この夏はほんとうに地震が多かったと思う
ああもう秋だけど、それにしても

だんっ、というような音を立てて地震がやってくる
家の骨組みのきしむ音なのか知れない、
食器棚のガラスよりも電気のひもよりも先に外からやってくる
なんらかの波動のような……なんでしょうね、なんだろう
けたたましく足を踏み鳴らす

恐怖感はうすれていくものなんだろうか
痛みとおんなじように
すこしずつ鈍っていけるのか
それをうけとり続けるぼくという器官



10月6日、夜



2004年10月02日(土) さよならまたねと言えるようになりたい

さよならまたねと言えるようになりたい
あまったるいかもしれないけれど
でもたぶん

約束はいらないとか本気で思ってみたい
またあしたね
そうやって安心して、言えるように
なってみたい

またあしたね

おだやかであたたかいことば
ささくれて不安定なばかりのぼくには
とても遠いところにあるような
ありふれてみたされた、挨拶


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


がんじがらめに縛ったロープで戸棚の中につるされている
糸を外してくれる誰かがやってくるまで身動きをしたらいけません
口の出すことばのひとつひとつ不愉快と後悔で満ちている

おにんぎょさん
なのに笑ってうなずけない
存在失格の
おにんぎょう

情緒なんてめちゃくちゃで行動はもっと信用ならない
記憶が
あってもなくてもたぶんすることが迷惑なのは変わりないし
それを通り越して目障りだと信じる理由ならいくらでもある
息を吸うことくらいなら許してもらえるのかなって
でもそれもおおっぴらにしちゃいけない気がするんだけど

そのきもちはどこから降ってくるの

うろこみたいな肌をなぜてみる
傷跡だらけの腕と
それもみえないくらいの変質
それをはがせてもぼくはきれいにはならない

いっそ消えてしまえたらいいんだろうに?

疲れました
ごめんなさい


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


歯がゴンゴン痛かったんだけれども
根をあげてドラッグストアに迷い込んで
おくすりを買ってのんだら30分でらくになって
効き目があらわれるってすてきだと本気で思った
おくすりって本来こういうものだったっけかと

待っていればいつ楽になるってわかるのってすてきだなと、しみじみと。

歯がいたいのは、たぶん確実に
セルフケアができなかった時期のつけなので
……ハミガキと入浴が自力でできなかったんだよ
まるきりの自業自得でうしなうかもしれない体の一部
愛しているとは呼べないけれども
申し訳ないと、おもう

きれいな晴れの秋のそらで
痛いこときたないこととはまるで無縁の
とうめいな風がふきわたる
あなたのところにも吹いていたらいいのに
それを感じる余裕がないくらいつらいのはきっとそうだけれど
それでも
あなたのまわりにもこんな風が
ふいていたらいいのに



10月2日、午後三時まで


 < キノウ  もくじ  あさって >


真火 [MAIL]

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