2005年05月17日(火) |
ぐりとぐら→らーめんず |
中川 李枝子・山脇 百合子姉妹の絵本シリーズで 「ぐりとぐら」というのがありました。 子供の頃に読んで、 軽妙な文章、魅力的なキャラクターやエピソード、 それを優しくかわいらしく表現した絵柄に惹かれ、 成長して絵本に縁が薄くなっても印象深く残り、 自分に子供ができると、また読み聞かせるという、 そんな存在の絵本だと思います。
その第1作「ぐりとぐら」は、 森の中で大きな大きな卵を拾った野ネズミのぐりとぐらが、 巨大なカステラを焼いて、森の動物たちに振る舞い、 その上、残った殻を使って車をつくり、 調理道具を持ち帰るという、 メルヒエンでファンタシーなのに 微妙な生活感もあったりして、愉快なお話でした。
ところで、この間図書館の児童書コーナーで、 読み聞かせに使うビッグブックを 次女に読み聞かせていて気づいたのですが、 カステラを焼くにおいにつられ、 森の動物たちがぴょこぴょこやってくるシーンがあります。 ぐりとぐらが腰かける丸太の陰から、 顔の上半分だけ覗かせるウサギさんの表情、 どこかで見た記憶があるなあと思ったら、 ラーメンズ第13回公演 「CLASSIC」の中に登場する、 バニーボーイに扮した小林賢太郎にそっくりなのでした。 ベッドの陰から片桐仁の様子を窺っているときの バニーコバケンそのものです。 思わず普通サイズの絵本を借り出し、 長女と相方にも見せて、笑いをとりました。
ラーメンズ 片桐仁・小林賢太郎(五十音順・敬称略)の2人から成る 熱狂的ファンを多く持つコント屋さん。 「CLASSIC」は、 弱小老舗ホテル「帝王閣」を舞台にした連作コントで、 その中の1本「バニーボーイ」は、 宿泊客役の片桐仁の部屋になぜか潜んでいた 営業成績の悪いバニーボーイ(ホストのようなもの?)が、 何とか同伴出勤してもらおうと片桐に泣きつくが、 接客態度が悪いのでは?と指摘され、 接客のシミュレーションをするというお話。 その空気の読めなさかげんに、片桐がキリキリ舞いさせられる。
ところで、3年くらい前の「MOE」で、 「ぐりとぐら」の特集を組んだとき、 読者アンケートの中に、 「ぐりとぐらはどういう関係だと思いますか」 という質問項目がはありました。 例えば、きょうだいだと表現している箇所は、 どの本にもなかった(はず)ので、 いわずもがなの友人同士というのが 順当なところだとは思いますが、 「同性愛のカップル」「長年連れ添った夫婦みたい」 「冷めた感じがするから、ただの同居人かも」 といった意見にも、うなずかせるものがありました。 疑いなしの名コンビで、 いつ見てもおもしろそうなことしていて、 すごく仲よさそうという描写はないのに、 お互いがかけがえのない存在なのはよくわかる… 考えてみれば、ラーメンズって「ぐりとぐら」みたいです。
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