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愛している。 だけど、不安だよ。 私もおにいさんも、考えていることは同じ。 私が追いかけていくことで 責任を負わせたくない。 こっちに来いよということで 責任を負わせたくない。 最近、仕事が忙しくて、二人とも本当に悩んでいる。 このまま、でいたいけど このまま、ではいけない気がする。 周りの環境がそうさせるのか、 なぜだかとても焦ってしまう。 何がしたいんだろう。。。
おにいちゃんの住む町は ちょうどその頃、桜が満開だった。 『とっておきの場所』だと言って連れて来られたのは 市街地から少し離れた所にある章陵。 とても静かで、 ここがどこであるかを感じさせないくらい 外界と切り離された空間だった。 「考え事があると、たまにふらりと写真を撮りに来たくなるんだ」 普段は誰に対しても笑顔を絶やさず、やさしく、そつなく、 何事もうまくいっているかのように見せているのに、 時折私だけに、寂しそうな顔を見せる。 多くは語ろうとしないが、 私もそれを敏感に察知出来るようになったから たぶんこうして今も彼の隣に居られるのだろう。 そして、これからも。 いつになったら、彼の傷は癒えるのだろう。 そして、それを私が癒すことはできるのだろうか。 私の気持ちを掻き乱していくように 桜が舞い散っていった。
どうして。 やさしくするの。 どうして 突き放すの。 すべては離れていることが原因なの? おにいちゃんの、真意が、分からない。 辛い。
AM 3:00 おにいちゃんから突然のメール たぶん、何かあったんじゃないかと思う。 こんなことを普段言わない人だし、 この台詞はこの2年間でたった2回しか言わなかったから。 遠距離が憎い。
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