消息

先日、近所を運転しているとき道路わきに見覚えのある名前を発見。
一瞬通り過ぎただけなのですが、紛れもなくかつてのクラスメイトの名前。しかも、恥ずかしながら私の初恋の相手。思えばそのあたりは、当時彼が住んでいたお家(実家)のある場所。
が、しかし! 私が車窓越しに見かけたのは、お葬儀の案内板だったのです。
彼本人? それとも、たまたま同じ地域に住む同姓同名の赤の他人…?
それからというもの、気になって仕方がありません。
とは言え、おつき合いしていたわけでもなく(何せ小学校入学当時の話ですし/笑)、同窓会などで見かけた記憶もなく、高校卒業後の消息がまったくわからないので調べようがありません。もっとも、調べた結果不幸にも彼だと判明したところで、元クラスメイトに過ぎない私がいったいどうするべきなのか困ってしまいますが。

ところがそれからちょうどひと月経った今日。
新聞の地域情報ページで、再びその名前を見かけたのです。それは叙勲関連記事で、あの地域にお住まいだった私たちの親よりも高齢のその方が、まさに1ヵ月前に亡くなられたことが記されていました。
つまりあの看板は、私の知っている彼のものではなかったのです。

とりあえずホッとして、それからふと考えました。
ホンモノの(?)彼は、毎日元気で楽しく過ごしているんだろうか、と。
そして、もしも万が一再会するようなことがあったとして、(彼が私を覚えていてくれているという前提で)彼は私を見て「元気そうだ」「幸せそうだ」と感じてくれるだろうか、と。
どちらも、そうであってほしいと思います。
2007年06月30日(土)


「らしさ」

『気配』に掲載していただいた作品を読んでくださった皆さま、どうもありがとうございます。
ただ、読後の感想として「もしもペンネームを教えてもらっていなかったら、あなたがこれを書いたとは絶対に気づかなかったはず」…といった意味のことを多くの方から言われたのには、とても驚きました。
なぜなら、これまでに商業誌で書かせていただいた作品の中で私らしさが一番出ているのが今回の作品だと、自分では思っていたからです。
ところがそれを「らしくない」と感じて戸惑われた方が多かったということは、その方たちの目に映っている私「らしさ」と、私自身が自覚している「らしさ」の間には、かなりズレがあるのかもしれません。 
だけど、これまでの作品も今回の作品も、言うまでもなく私自身体験したことのない、そしておそらく今後もない(苦笑)であろうコトを描いた、まったくのツクリゴト。シチュエーションだけでなくキャラクターも、私個人とは無関係なツクリモノ。そこに「らしさ」の入り込む余地があるものなのか、正直なところ私にはちょっとナゾなのですが。
2007年06月19日(火)


親の顔が見たい

…などと書くと、いったいどんなムカつく出来事に想像したののだろうかと気の毒がられそうですが、まったく逆のお話。
先日、車を購入した際に担当してくださった方は、最近ハヤリの「○○王子」とでも名づけたくなるほどの爽やか好青年。聞けば、この春入社したばかりの新人さんなのだとか。なるほどお辞儀の角度はピシッと90度だし、お客様の目を見ながらカツゼツ良く商品説明するところに、接客マニュアルを忠実に守ろうとする一生懸命さがにじみ出ていて好印象。
ときにはわからないことがあって上司に訊きに走ったりもするのだけれど、かと言って頼りっきりなわけではなく、隣で上司がうっかり説明ミスをしてしまったときには、さりげなく訂正して私たちの不安を消してくれる場面も。
当然のことながら接客経験は少ないはずなので、持って生まれた人柄の良さと素直な性格が販売向きということなのでしょうね。親御さんの躾の賜物? いったどうすればこんないい子が育つんでしょう?
…というわけで、今回のタイトルに繋がるわけです。
ところが!
その親御さんの顔を、数日後に拝見することとなったのです。何とお仕事関係で顔なじみの男性が、彼のお父さんだということが判明! 
新車に乗っている私を見かけたその方が、冗談めかして「○○(車メーカー)の車を買うなら、うちの息子のところで買ってやってくれれば良かったのに〜」とおっしゃったのです。
「どちらのお店なんですか? 私は、△△店で買ったんですけど…んんっ? そういえば、同じ苗字。まさか…?」
「それ、私の息子です。ありがとう!」
…というわけ。
こんな偶然って、あるんですね。
で、その「親御さん」なんですが、正直言っていまだに親子であることが私には信じられないという…(苦笑)。
2007年06月18日(月)

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