なせばなる - 2008年04月29日(火) 三戸地区消防団連合観閲式。 年に一度の消防団の祭典だ。 早朝から昼にかけ、分列行進や式典が行われる。また梯子乗りや まとい振り、様々な競技もあり、内容は盛りだくさんだ。 その競技の中の一つに中継送水競技というものがある。 6人一組。よーいドン!でダッシュし、消防服に着替える。 ポンプ車→ホース→小型ポンプ→ホースとつなぎ、遠くにある ドラム缶に狙いを定めて水を入れる。早く水をためて中に 入っているサッカーボールを外へ出したチームが勝ち。 見て楽しい、やって楽しい競技だ。 出場チームは5チーム。それぞれ町の代表分団が出場する。 代表は毎年順番に回ってくるが、希望により3回(年)まで 続ける事ができる。 もし優勝すれば優勝旗と共に何物にも代えがたい名誉を 手にすることができる。 南部消防団の代表が僕の所属する10分団となっているのだが、 今年が最終チャレンジの3年目。これまで2位、3位と、 惜しい位置にいる。 今回優勝を逃したら次のチャンスは恐らく僕が現役の間には 回ってこないだろう。 本番2週間前から毎晩欠かす事無く練習と飲み会で、技術と 団結力を高めてきた。 連日の練習で足腰を痛める者、怪我をする者が続出したが、 「今日は休もう」なんて言う者は誰一人いなかった。 僕も腰痛が出てきて、最後はまともに走れなくなってしまった。 しかしその甲斐もあって、メンバーそれぞれが自分の役割を ほぼ完璧にこなせるようになった。後はいかに水を正確に ドラム缶に命中させられるか(入れられるか)にかかっている。 実はその一番の花形とも言える役目が僕だ。 ライバルは三戸町第15分団。一昨年、去年と優勝していて 今年3連覇をかけて僕たちの前に立ちはだかる。 スタートラインに立ち、「練習どおりやろう」とメンバーに 声をかけつつ自分に言い聞かせる。 「よーい、パン!」 走り出した瞬間、地に足が着いていないのが分かった。 なんとか着替えゾーンにたどり着くと、後は練習どおりに 体が動いた。 管鎗(かんそう・ホースの先につなぎ水を出す筒)を掴み取り 走る。途中でホースをつなぎ、それごと引きずりながら また走る。 放水地点で構えて呼吸を整えながら狙いを定める。僕にはもう ドラム缶しか見えない。 コージが走ってきて僕の後ろに着き、管鎗を支えながら 「(ここまでは)一番早い!」と声をかける。後は僕次第。 「水きたっ!」ポンプ車から水が送られてきて放水。 ラッキーなことに、いつも風が吹いているこの河川敷が ほぼ無風状態。水の軌道がはっきり見え、ドラム缶にしっかり 入っているのが分かる。狙いがずれないように息を止める。 ボールが浮いてきた。ここだ…ボンッ! 「やっったー!!」コージが叫んだ。1位だ。 メンバーみんなが喜びを爆発させた。 こんな達成感はいつ以来だろう。 結果は1分20秒と、練習でも出したことのない好タイム。 みんなすげーよ! 夕方からの慰労会では優勝旗を肴に大盛り上がり。 そこへ町の消防本部の方々が労をねぎらいにやってきた。 「おめでとうございます!来年も是非連覇目指して がんばってください!」 …え?連覇?ということは来年もまたやるの? 優勝旗を持っているからには勝ち逃げはできないと いうことか。 やるのはいいんだけど、それまでの毎日の練習がきっついん ですけど。 ...
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