2007年12月30日(日) |
スリランカ内戦激化(2) |
30日のスリランカのニュースページに以下の記事が掲載されました。
Prabhakaran may be dead: Lankan official Dec 30 (HT) Sri Lankan Defence Secretary Gotabhaya Rajapaksa has hinted that Tamil Tigers chief Velupillai Prabhakaran might have been killed in the air raid on his bunker November 26. "Our intelligence sources believe that he (Prabhakaran) was seriously injured or killed. It is obvious that the LTTE will not divulge this for a long period," Rajapaksa told the government-run Sunday Observer.
国防次官の「ゴタバヤ・ラジャパクサ(大統領の弟)」の発言として、反政府組織LTTEのリーダの「プラバーカラン」は11月26日の爆撃で重傷をおったか死んだかもしれないという声明を出しました。先月の報道では「軽症」との報道ななされていたところです。
11月・12月の政府軍からの猛攻撃に対して、LTTEは防戦一方でじりじりと退却を余儀なくされています。LTTEからの大きな反撃無しに政府軍はどんどん進攻していることからLTTEの内部に何か変化があったのではないかとの観測のようです。
Dec 30 (CP) Colombo- Sri Lankan Army troops have occupied the LTTE's Forward Defence Lines and surrounded the Wanni LTTE bases from all directions, Army Commander Lt. Gen. Sarath Fonseka said today.
In an interview with the 'Sunday Observer・newspaper the Army Chief said that the LTTE could not prevent losing their remaining 3000 cadres and there is no assurance that the LTTE leader would survive for the next six months as the Sri Lankan Air Force plans to attack all the LTTE bases.
陸軍トップは今後6ヶ月の間にスリランカ空軍がLTTEの全ての基地を爆撃し、LTTEの3000人兵士と幹部全員を殲滅することになるとの宣言しました。来年はスリランカにとって酷い年になりそうです。
2007年12月28日(金) |
スリランカ内戦激化(1) |
年末になってスリランカ内戦が非常に激しくなっています。現地のニュースのページでは毎日のように戦闘の模様(戦果)が報じられています。
先月11月26日政府軍は反政府組織LTTEの本拠地キリノッチを爆撃し、LTTEのリーダのプラバーカランを負傷させました。これに先立つ11月3日にの空爆でLTTEのNo.2で政府との交渉窓口であった「タミールセルバン」が死亡したのでした。スリランカ政府は敵の反政府組織のトップを取り除くことにより内戦を終結させようとしているようです。
年末になって、政府軍は戦線を広げ、いたるところで物量によってLTTEを圧倒しようとしています。デルフト沖ではLTTEの海軍に大きな打撃を与えました(27日)。そしてLTTEの拠点キリノッチへの空爆は激しさを増しています。指導者「プラバカラン」を狙った空爆が続いています。
スリランカ軍は「和平協定の破棄」も検討しているようです。というのも現在もスリランカ政府とLTTEの和平協定が建て前では維持されていて、お互いに和平交渉開始を呼びかけてはいるのです。つまり双方ともある程度の戦果(喪失)を上げた後で「交渉」を有利に進めることを狙っているのです。しかしスリランカ政府が「和平協定破棄」を「口」に出し始めたということは、武力によって完全にLTTEを壊滅させる道筋を選んだということに他なりません。
最新式兵器の量・兵士の数では圧倒的に勝る政府軍は、毎回の戦闘によって徐々にLTTEの戦力を奪っていっています。しかしLTTEはそういう戦況の中でも「テロ」という方法でスリランカ政府に一矢を報いようとします。今後益々テロの可能性は高くなっていくでしょう。
2007年12月22日(土) |
懐かしいパリ管弦楽団 |
パリ管弦楽団の来日公演「NHK音楽祭」の模様をTVで見ました。今回の「パリ管」のアジア公演は以下の通りでした。10月25日から11月12日までに12回の公演を中国、台湾、日本、韓国で行いました。
Chine 25 octobre : Polytheatre, Pékin 26 octobre : Polytheatre, Pékin 28 octobre : Grand Theatre, Shanghai Taïwan 31 octobre : National Concert Hall, Taipei 1er novembre : National Concert Hall, Taipei Japon 4 novembre : Kyoto Concert Hall, Kyoto 5 novembre : NHK Hall, Tokyo 7 novembre : Suntory Hall, Tokyo 8 novembre : Suntory Hall, Tokyo 9 novembre : Kyushu Kosei Nenkin Hall, Kitakyushu Corée du sud 11 novembre : Aram Concert Hall, Séoul 12 novembre : Seoul Arts Center, Séoul
パリ管弦楽団のホームページ
パリ管弦楽団といえば「ミュンシュ指揮」の幻想交響曲です。1967年創立のパリ管弦楽団ですが、創立の年の初録音がこの「幻想」でした。私は嘗てLPレコードを持っていましたが、今は同じジャケットのCDを持っています。そして同じ組み合わせの「ブラームスの交響曲第一番」は同曲のNo.1の演奏として上げる人が多いです。ミュンシュは1968年に亡くなってしまうので、この組み合わせの録音は多くありません。
シャルル・ミュンシュは「ゲバントハウス管弦楽団」のコンマスとして「フルトヴェングラー」の指揮に身近に接したのでした。したがって設立当初のパリ管はフランスのオケの色彩感覚とともに、非常にドイツ的な演奏スタイルをも併せ持っていたといえるでしょう。パリ管の前身の「パリ音楽院管弦楽団」は長らくクリュイタンスが振っていました。ミュンシュはクリュイタンスが急死してしまったのでピンチヒッターに呼ばれたのでした。このクリィタンスもフルトヴェングラー亡き後のベルリンフィルを振ってドイツ的な「ベートーベン交響曲全集」を残しています。ミュンシュもクリュイタンスもドイツの音楽を良く理解していたのだと思います。
今回の創立40年目の来日コンサートも非常に興味深く聴きました。指揮はクリストフ・エッシェンバッハ。ドイツ人指揮者です。スキンヘッドの怖そうな顔をしています。私の「エッシェンバッハ」の思い出というと、カラヤンと競演した「ベートーベンピアノ協奏曲第一番」。約40年前の録音で、信州の実家にはLPがあるはずです。その後指揮もするようになりました。このエッシャンバッハには若い頃の思い出があります。
そしてクラリネット主席の「パスカル・モラゲス」。昔から注目していたクラリネット奏者です。1963年生まれなのでまだ44歳。彼の演奏はNHKFMで放送されたリサイタルの模様の録音(10年以上前)を今でも所有しています。これがものすごい名演なのです。
曲目は サンサーンス クラリネットソナタ Op.167 ルトスラフスキー ダンス&プレリュード ドビュッシー ラプソディ第一番 プーランク クラリネットソナタ (ピアノ岡崎悦子)
今回のパリ管の演奏では、「ボレロ」のクラリネットソロが素晴らしかった。とにかく音楽性が他の奏者と違って聞こえます。嘗てのウィーン・フィルの「ウラッハ」がこんな感じではなかったかしらと想像します。パリ管を中心にミュンシュ、エッシャンバッハ、モラゲスと昔のことを懐かしく思い出しました。今回のパリ管の演奏は奏者・指揮者共に充実していて非常な快演であったと思います。
四国の四国中央市にある「梅錦・山川酒造」の「湧き水の酒」です。稲荷屋さんで「スッキリとした酒」をと言うことで紹介して頂きました。ほんとうにスッキリしていて「水」のような感じです。一升瓶が直ぐに空になってしまいました。少し残念なのは「味わい」が少し単調なこと。これは贅沢ですね。蔵元のホームページが下です。
梅錦山川酒造のホームページ
ビールを造ったりしていて非常に意欲的な倉のようです。社長自らの書いた記事も豊富です。安くて美味しい酒を作り続けて欲しいものです。
2007年12月10日(月) |
高麗ホテルレストラン |
先月上海で泊まったホテルは「トンマオホテル(通茂飯店)」でした。そのホテルの一階にあった朝鮮料理レストランがこれです。平壌の「高麗ホテル」と関係があるらしい。しかし全く文字が読めないのでほんとうかどうか不明です。しかし場所が中国の上海だし、昼食時間帯に立派な「歌謡ショー」があるし、北朝鮮のレストランのようでした。
ここでは軽く「ビビンバ」と「冷麺」を頂きました。結構な値段なのですが本当に美味しかったです。上の写真にあるような綺麗な民族服をきた女性が色々と世話を焼いてくれました。ビビンバを混ぜて取り分けてくれるは、冷麺を鋏で切ってくれるは、こちらが勝手に処理し始めると直ぐにやって来て世話を焼きます。しかし言葉が全く通じないことには閉口しました。中国の人も、朝鮮の人も日本人も顔が同じなのに意思が通じないので非常に困惑しました。
昼の12時30分位から「歌謡ショー」が始まりました。この呼び方が適切かどうか分かりませんが。とにかくさっきまで世話を焼いてくれていた女性が奥に引っ込んだかと思うと舞台に出て踊りと歌を始めるのです。これがまた上手い。舞台にはギターやベース、ドラムセットが置いてあるので、夜にはもっと華やかなステージになりそうです。昼はカラオケでした。
カラオケでも女性達の歌と踊りは人を感動させるものがありました。「楽しんでもらおう」と言う気持ちが素直に伝わってくるのです。非常に健康そうだし美人が多いです。北朝鮮の女性応援団とか集団マスゲームについて、彼女等の本当の気持ちをしりたいと思ったことがありますが、直接身近に見てみると非常に見事のものなので不思議な気持ちになりました。他人の逃れられない運命を勝手に哀れんでも仕方がないのかもしれません。
2007年12月08日(土) |
ヴォッカ 「ロシアン・スタンダード」 |
上海出張の帰りにプードン国際空港の免税店で探していた「ヴォッカ」を見つけました。中国出張なので有名な「白酒」を買って帰ろうと思ったのですが、免税店には安い「白酒」がありません。上海の街中のコンビニでは様々な安い白酒を売っていたのですが買いそびれていました。それならば単純に中国ーロシアの繋がりで「ヴォッカ」はあるかしらと思って大きな免税店で聞いてみると、なんとこのヴォッカを見つけたのでした。
インドのムンバイに勤務しているとき、公認会計士のメータさんから外国のお土産だといって頂いたのがこのヴォッカでした。酒もタバコも飲まず、完璧なベジタリアンの「ジャイナ教徒」のメータさんが免税店で酒を買ってきたというのもびっくりです。残念ながらメータさんには酒の味は全く分からないはずです。この「ヴォッカ」はすっきりしていて大変美味しいのです。
左のオリジナル・ロシアン:US15$ 右のインペリアル・ロシアン:US34$
Russian Standard ホームページ
Roustam Tariko, the founder of Russian Standard, introduced Russian Standard Original in 1998 as the first authentic Russian premium vodka. Russian Standard vodkas are made with only the finest Russian ingredients, conforming to the formula for vodka established in 1894 by famed Russian scientist Dimitri Mendeleev for Russia's Czars. Two years after launch, sales of Russian Standard Original surpassed all imported premium vodkas on the Russian market, leading to broad international expansion and the launch of Russian Standard Platinum in 2001, and Imperia Vodka, the company's luxury brand, in 2004.
「ロシアンスタンダードの創業者のロスタム・タリコ氏がロシアの伝統的な製法に従ったプレミアムヴォッカ最初の商品としてロシアン・スタンダード・オリジナルを1998年に発売しました。ロシアンスタンダード社が提供するヴォッカはロシア産の材料だけを用い、1894年に高名なドミトリー・メンデレフ博士が皇帝のために作り出したヴォッカの製法に忠実に従っています。その2年後ロシアン・スタンダード・オリジナルはロシアのマーケットにおいて全ての輸入ヴォッカを凌駕することになり、海外に輸出されることになりました。そして2001年にはロシアン・スタンダード・プレミアム、2004年には最高ブランドのインペリアルヴォッカが発売されています。」
ロシアンスタンダードのヴォッカの瓶は底が広がった形をしていますが、これはモスクワのクレムリンにある「200トンの鐘」をイメージしているようです。このヴォッカは既にロシアのマーケットシェアの60%を獲得し、海外でも大キャンペーンを行い人気が爆発しているようです。日本でもブームになることでしょう。
この会社は「ペテルスブルグ」に本社を置いているようです。ワレリー・ゲルギエフ率いる「キーロフ劇場」が世界を席捲したように、世界のアルコールマーケットに大きな影響を与えそうな気がします。とにかくそれほど優れたヴォッカだと思います。
2007年12月02日(日) |
レニングラードオペラ「カルメン」 |
師走の最初の日曜日。ものすごく混雑している渋谷の文化村のオーチャードホールでレニングラードオペラの「カルメン」を見てきました。開演が日曜日の午後4時。昼下がりの渋谷駅・ハチ公前・道玄坂本当に人が一杯でした。目がクラクラする感じでした。オーチャードホールは久しぶりです。やはり狭い印象。エスカレータ・エレベータの場所が分からないし、ロビーは狭いし、女性トイレは満員。もう少し改善されないのかしら。
「カルメン」ですが、C席3回なので双眼鏡(オペラグラス)が大活躍しました。音は以外にも良く飛んできました。幸い正面席であったので舞台は隅々まで見えました。今日がオーチャード、明日が文化会館なので大掛かりな作りつけの装置ではなくて、分解して持ち運べる舞台でした。
今回は「メトのバルツァ」版と対訳本で結構事前勉強しました。しかし分かってくるとかえって表現が難しいことにも気づきました。とにかくカルメンとホセの感情表現は難しいです。「カルメンがどうしてそんなに魅力があるのか」そして「カルメンが本当はホセに対してどんな感情を抱いているのか」これがはっきりしなければオペラの筋が見えません。
今日のカルメンの「ナタリア・ビリュコーワ」さんは良く通る声で好演していたと思います。カルメンの純粋さと妖しさを表現していました。声は「スニガ」役の「アレクサンドル・マトヴェーエフ」さんと双璧で3階席まで余裕で通っていました。「ホセ」役のワシリー・スピチコさんは3幕までは力を温存していた感じです。この「ホセ」がどうしても「坂上次郎さん」に見えてしまい困りました。4幕では力強い声を聞かせてくれました。ストーリーは全体通して比較的分かりやすくまとめられていました。4幕のホセとカルメンのやり取りは迫力がありました。
バレエ団も一緒に来ているらしく随所に見事なバレエが散りばめられていました。これはロシアのお家芸ともいえるもので素晴らしいものです。間奏曲と共に目を楽しませてくれました。チャイコフスキー的になっていましたが。
今回の招聘元は「光藍社」です。ロシアとか旧共産圏のオケ・オペラを得意とする会社のようです。レニングラードの他にもキエフオペラとかワルシャワとかソフィアとかを呼んでいます。ドイツ・オーストリアのオペラは値段が高くて手が出ませんが、旧共産圏のオペラは値段の割りに品質が高いと思います。今日の舞台も国産のオペラを考えればまあ安いものだと言えます。今後も暫くこの種のオペラを聴きたいと思いました。
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