言霊
バックナンバー|BACK|NEXT
マコリンが亡くなった。
それはまあ、隠すことでもないんで、ただ現実でね。
普通に食べてるし笑ってるし生きてる。 特に精神状態が悪いわけでもないし、かといって実感がないわけでも悲しくないわけでもないけど、そこで脆く崩れるくらいなら、この12年はなんだったんだと思うくらい、あの子に鍛えられた。
運が良くて生きてる。なんとか切り抜けて頑張ってる。 それは常に抱えてた現実だった。 いつも「いつか死んじゃうんだよな」って思いながら育ててたけど、いつか来る「その日」を怖がって、先延ばしにして、長らえようとするんじゃなくてさ。 いつか来ると解ってるなら、そこまで楽しければいい。 たくさん笑えたらいい。 そう思って、前ばっか向いて生きてきた。
無理させても楽しくないし、自分が無理しても楽しくないし。 そこそこ。 まあ、楽しいなって思えるような感じで、軽く。 だけどたまには無理もさせて(笑) 今振り返っても、なんだか楽しい12年間だったと思う。
生きててほしいと願ったことは、あまり無い。
生きててくれたら嬉しいな、と思ってた。 だから、マコリンが自分で線を引いたなら、それは受け止めてあげる。 どうして!?〜〜なんて声高に叫ぶつもりなんか無い。 初めに約束したの。 「生きたいなら、付き合うよ」 いつまででもずっと、マコリンが生きたいだけ、私は寄り添っていようと。 初めからそういう約束だったから。
最後まで、よく頑張ったね。
出逢えて良かった。 産み落として正解だった。 育てて。 育てられて。 私は物凄くラッキーだったと思う。
それが私の本音であるように、マコリンが幸せだったなら嬉しい。
マコリンが居なくなって、物凄く自由な自分がいる。 こんなにいろんなものを制限されてきたんだなぁって、しみじみ思うのに、それが重かったとも感じないのは可笑しい。
人生は喜劇だ。
どこまでも幸せな喜劇なんだと思う。
バックナンバー|BACK|NEXT
|