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親友M<第四話>

さて、ダーと、Mと、私の三角関係やいかに!!

ダーとはこの店で知り合ったので、Mもよく知っている。
が、ダーは、Mに冷たいのだ。(本気じゃないけど)
Mも、「yowちゃん冷たいわー」と言っては笑い、ダーの前で、「リカちゃんはあたしの彼女やもん。取らんといて!」と言ってはダーに小突かれたり(笑)
私が店を辞めた後も、よくこのお店に行っていて、べたべたいちゃいちゃしている私達を見た彼女はやきもちを焼いて、(ダーに)「あんたら触ってんと死んでまうんか!!」と言う名言(後に私達のテーマとなる)を吐いたのも、彼女だ。
「そんなリカちゃん見たないわ!冷血非道でかっこよかった私のリカちゃんを汚さないで!」とも言っていたような気がする(笑)ひどい言われようだ。
昨日もMからメールで、
「八月に埼玉スーパーアリーナで、WIRE02開催決定!お邪魔じゃなければ、遊びに行ってよろしいか?今年のWIREは諦めてたけど、リカちゃん家に行けるんやったら・・・。二人の愛の巣に、カッコウの雛を生みに行くわ☆
と来たので、
「わーいわーいMだMだ!今、yowちゃん転職活動中やから、それまでいてるかわからん。おったらカムヒアよ。」と返した。
「えー!!まじで?そうか、いたら行こう。居なかったらヤメよう。金ないし、野外行きたいねん。yowちゃんどんな仕事探してるの?リカちゃんまだ専業主婦なの?避妊してる?
「あはは。一気に質問スンナ。まぁ、そうした方がいいね。yowちゃんは外資系の会社に面接行ったりしてるよ。私は今専業だけど、yowちゃん転職したらはたらかなあかん。避妊は最近し始めたよ。生の方がいいけど、まだ子供いらんし。」と返し、
ダーに、
「M、夏に家来るってー」って言ったら、ダーは
クンナって言っといて。つか、転職成功したら、その頃さいたまおらんし。」
「なんでよー(笑)なんでMにそんなに冷たいわけ?なんかあったんか?なんかされたの?」
「まぁいろいろな。」
「えーあの子ほどいい子いてないで。私、あのこほど合う子おらんわ。」
「俺はあいつほど合わん奴はおらん。」
「なんでよー!Mは私の彼氏なんやもん!遠距離恋愛なんだもん!愛してるんだもん!会いたいよー!」
「そんなこと、お父さん許しませんよ!!」
って言ったので、面白がりの私はそれをMにメール。
「…(略)…やってさ(笑)M、yowちゃんになんかしたんか?」
「なんかって・・・そりゃリカちゃんのハートを盗んだ事かな?
(ーー;)妬くなそしてバラすな。しかし娘に手をつけるとは、とんだ父親やな。リカ、ワシと駆け落ちするか。はぁ、埼玉は遠いよ。いっぱい喋りたいわ。」
「ゲラゲラゲラ。駆け落ちかぁ。駆け落ちは生活苦になるからスネかじっとく(笑)遊びに来てね。」
と返した。
大阪に帰るとかならず会って、夜を明かして話をする。
Mと話をすると、いつも使っていない部分の脳を刺激されて、なんだか成長したような、頭がよくなったような気分がする。話は付きない。これからもずっと。ダーだって、私達の邪魔はできないのである。

親友M・完(一応。また書くかも。)


あとがき
大好きな親友M。彼女はとても素敵だ。
寂しがり屋で、例えば私が「今日はおごるよ」とか言った時に、悪いなんてちっとも思ってないのに「ほんまに??ごめんなぁ」とか言って、私が「ごめんとか言って、ごめんって思ってないやろ」と指摘すると、「てへ〜★」と笑う。かわいいやつ。
何気に、彼女のお姉ちゃんも大好き。お姉ちゃんの事も、また別の機会に書こう。
私と彼女は共に学び、共に悪巧みをし、共に笑い、共に怒る。
これからも、ずっと仲良く。フォーエバーなのです。

2002年03月29日(金)

親友M<第三話>

どきどきして出て行った妖しい雰囲気満載のフロアで待っていた事とは??第三話始まり始まり〜。

お店の席は、すべて二人がけのソファで、しかも、周りの人に見えないようについたてがしてある。私達は、一番隅っこの席に座るよう勧められ、言われるがままに座った。
「まずね、写真撮るから。面接来る子多くて忘れちゃうんだよね。うち、履歴書とかないし。」といって、ポラで写真を撮った。(後で考えると、この写真、勝手に店に張り出されていたんじゃないかと思う。だって、この面接受けてから、1年位に渡って、しつこく「うち来てくれないかなー?」という電話があったから。たぶん、勝手に張り出して、私を指名した客に、「あー、そのこ、今日お休みなんですよー。次ぎいらっしゃった時に、お願いします」なんて言って、客を引っ張ってたのに違いない。で、何度か指名してくれた人がいたのだろう。いつもいないんで、怒られたりしたんだろう。その客引っ張った分の金をよこせ。
マネージャーは、座るところがないので、まるでホストのように片膝を付いて説明を始めた。

「えぇっとね、ようは、お客様にお酒を作って、おしゃべりを楽しんで貰ったらいいわけ。うちはおさわりアリなんだけど、まぁ、嫌だったら嫌って言えば大丈夫だから。」
「はぁ。」(そんなこと言えるかよ。大体言った所で『いやよいやよも好きのうち』なんて思われるのが目に見えてるじゃないか。)
「まぁ、うちはお客さん選んでるから、大丈夫だよ。ホワイトカラーの人しか入れないから。ほら、店の前に怖そうなお兄さんが立ってたでショ?あの人たちが、たとえばいかにも肉体労働な人とかきたら追い返してくれるから。だから、暴力的なお客さんとかいないよ。いたら、いつも店員がフロアを見張ってるから言ってくれれば追い出すしね。」
「はぁ。」(職業差別やん。なんでリーマンはOKなんだ?ネクタイしめてりゃスルーなのか?今にもゲロ吐きそうなヨッパでもOKなのか?)
「でね、お給料は、最初は1800円から」
「はぁ。」(ヲイヲイ、フ○ムAには3800円って書いてたのに話が違うじゃねーか。)
「で、指名が付くと、お給料アップするから。うちで一番稼いでるこで、7000円くらい行ってるこもいるよ。お客さんに気にいられたらアップしていくから。だからまぁ、稼ぎたいんだったら、やっぱりおさわり断らない方がいいよね。ヘルプってのがあって、お客さんが指名したこが他のお客さんに付いてたら、その子がくるまでそのお客さんに付いて、適当におしゃべりとかして間を持たせて貰う事なんだけど、まぁ、それでも基本自給で稼げるけど、いつまでたってもそれじゃ、やっぱり損だよね。どうせやるなら、指名付いた方がお金になるよ。」
「はぁ。」(やっぱりおさわりは必須なんやん。)
その時、大音響でパラパラが流れ出し、またもやハッスルタイムが始まった。私達は、またもやふきだしそうになるのを堪えなければならなかった。マネージャーは、「ちょっと待っててね」と言い残すと、事務所の方に行ってしまった。と、同時に私達は腹を抱えて笑った。落ち着いたころ、私達は仕事内容について、話し合った。
M「なぁ、どう思う?」
リ「あやっしーよな!!」
M「な。結局おさわりありなんや。まぁ、稼げそうには稼げそうやけど。」
リ「うん。おさわりってどれくらいなんやろ?」
M「結構触られそうやな。私小心者やから嫌って言われへんわ。」
リ「私も。な、やる気、ある?」
M「うーん・・・微妙やなー。」
リ「そうか。私は店入って来た時点でだめだこりゃってかんじやわ。あと、ハッスルタイム。
M「(笑)そうか、私も実はそう。いや、リカちゃんマネージャーの話し一生懸命聞いて、やる気あるっぽかったから。」
リ「いや。Mの方が、質問したりしてるから、やる気なんかと思ってた。」
私達は女の子が何をしているのか、何をされているのか気になって、そっと覗こうとしたが、端っこの方で、しかもついたてが邪魔して見えなかった。結局そのまま30分ほど待たされ、私達はやる気のないままおしゃべりを続けた。
「ごめんごめん。いや、忙しくて。」マネージャーが帰ってきた。
「はぁ。」(嘘コケ。客4人しか来てないのに。)
「じゃぁ、私が、実際どんな事するのか、シュミレーションするから。君、来てくれる?」
マネージャーは私を見た。
ままま、まじっすかぁ!?やばいんじゃないっすかぁ!?なにするんっすかぁ!?
不安な私をよそに、マネージャーは隣の席に移動した。私はMと顔をみあわせ、目で、「来ちゃったよ。やばいっす。」と訴えた。Mは私の言いたい事が分かるらしいが、ゲラゲラ笑っていた。薄情な奴め。次はお前なんだからな!

しぶしぶ隣の席に行った。ほとんど個室状態だ。Mからも見えない。
「はい、座って。」
しぶしぶ狭いソファに座る。マネージャーという見知らぬ男と密着状態だ。目の前の小さなテーブルには、お絞りと、水割りセット、ライター、灰皿、そして、仕事説明用らしき、パウチされた紙があった。
「まずね、お客さんが席についたら元気よくかわいく『いらっしゃいませ!』って言って、お絞り広げて渡してあげるの。お客さんの手を清潔にして貰うためにね。」
「はぁ。」(え?お絞りの意味なんかどうでもいいよ。って、もしかして、清潔な手しか触っちゃいけないとこまで触られんのか!?
「で、水割り作ってあげる。うちは飲み放題だから、ボトル探したりしなくていいから。このボトル使ったらいいからね。あとはお客さんとおしゃべりするだけ。でね、その時は・・・ちょっと脚貸して?」
「へ?脚ですか?」
「うん。脚を、こうやってお客さんの膝にかけて(と、マネージャーの膝に脚を乗せられる)おしゃべりするの。お客さんは、女の子の腿に手を当ててね。恋人気分でね。」
私は、見知らぬ男の膝に乗った、滑稽な制服から出てる自分の脚を見つめて、「はぁ。」と言った。(いよいよ、か・・・)私は身構えた。
「まぁ、おさわりって言っても、普通の恋人同士がいちゃいちゃする程度だから。」
「はぁ。」(普通の恋人同士はいちゃいちゃした延長線上にセックスするんだってのを知らないのか?)
「で、今はブラジャーしてるけど、フロア出る時はノーブラのほうがいいね。」
「はぁ・・・。え?あの、胸も触られるんですか?」
「んーまぁ、ほとんどそれはないけどね。指名とろうと思ったらね。
「はぁ。」(ほとんどないって・・・嘘コケこらぁ!結局は指名とる=おさわり満載なんやんけ!!)
「これくらいだったら、大丈夫?」と、マネージャーは、私のスカートの裾の方にちょっとだけ指を入れた。
「はぁ、まぁ、これくらいだったら・・・」(いやじゃ。)
「これくらいは?」と、もっと手を入れてうち腿をなでた。皮膚が、泡立った。
「はぁ、いや・・・あの・・・」
「じゃ、これは?」と、店長は私のパンツを指先でなでた。
大丈夫言うてないやんけぼけがぁ!!!!さわんなやぁぁぁぁぁ!!お約束のように面接官はエロなんかぁぁぁぁ!!てめぇ趣味だろぉぉぉ!!
「いや無理です。」ずっと、曖昧に答えていたが、この時はきっぱり言った。
「そうか、まぁ、嫌だったら嫌だって・・・(以下同文)」
マネージャーは、私の脚から手を離し、同じ説明を何度もした。よく出てきた言葉は、「恋人気分で・指名とってお金稼ぐなら・大丈夫・嫌だったら嫌って」だった。何度も、まるで洗脳でもしているかのように。
結局、10分ほどシュミレーションをして、Mのいる席に戻った。
で、いよいよMの番かぁ。かわいそうに。げっへっへ。と思っていると、マネージャーは、
「じゃ、リカちゃん、彼女にどんな感じか説明しといてね」と言った。
「え?私はいいんですか?」とMが言うと、マネージャーは「うん。ちょっと、用事があるから、説明聞いて待ってて。」といってまた事務室に戻って行った。
鳩が豆鉄砲食らったような顔をしてただろう私にMは、「どうやった?」と興味津々に聞いて来た。
「え??っていうか、なんで私だけ?ずるい!!お前も苦しめ!
と、私が言うと、Mはゲラゲラ笑いながらも、
「ていうか、私もちょっと傷つくわー」と言った。
私は、マネージャーの言うシュミレーションと言う名の趣味の内容をMに話した。Mは聞きながらゲラゲラ笑っていた。
「きっついなーそれ。無理やな。」
「うん。甘かったな。今度は時給悪くても、安心できる店に行こう。」という事で話は落ち着いた。
また、結構待たされて、マネージャーが帰ってくると、
「じゃぁ、着替えて、帰っていいよ。」といった。
「え?もう?」
「うん。もう、店じまいで、他の女の子も帰るからさ。あ、制服クリーニング出すから事務室に持って来てくれる?」
と言われ、私達はまた準備室で着替えた。すると、お店の女の子達もぞろぞろと入ってきて、「おつかれさまでーす」と言った。みんなほとんどノーメイクで幼く見えた。全員ノーブラだった。私達はとっとと着替えて制服を持って、そそくさと準備室を出て、事務室に行った。制服を渡しに。今日の分の給料もらいに。体験入店の時給を計算すると、1800円位だった。マネージャーに制服を渡すと、
「お疲れ様。で、お給料ね、ここの女の子達皆そうなんだけど、自分の制服のクリーニング代は実費なの。制服持って帰って自分で洗ってる子もいるけどね。クリーニングの子は、うちが出すんだけど、それ、お給料から引かせて貰ってるんだわ。で、クリーニング代2000円位だから、悪いけど、それ引いたら今日のお給料でないんだ。ごめんね。あ、採用するかは追い追い連絡するから。」
なんですと?おっさん今なんてゆーた?お!?喧嘩うっとんのけ!?そんなんきいとらんぞ!?てゆーか、私ら制服に着替える必要あったんけ!?
いや、1800円くらいどうでもいいんですけどね。そんなうそ臭い言い訳してまでお金を出し渋るその根性が気に入らないんですよ。
とか思いつつ、小心者の私達は渋々家路につきかけたのだけど、悔しい想いをした私達は、その怒りのパワーを使って、そのまま二件目に電話した。その店は、一軒目に近い所にあったので、「今、近くにいるんですが」と言うと、「じゃぁ、すぐ来て貰ってもいいですよ」と言う事なので、行く事にした。ママさんであろう電話越しの女の人の声は、すごくハスキーで、あ、こういうおばさんがやってるところなら大丈夫そうだと思った。
住所を見ながら店に行くと、バーがメインにあり、ボックス席が二つだけという予想通りこじんまりとした店だった。平日だからか、店はがらがらで、お客は一人しかいなかった。
「いらっしゃー・・・あ、さっき電話くれた子?」と、さっきの声の持ち主が言った。
え?おばさんは?あれ?貴女ですか!?
ママさんは、若かった。まだ二十六、七歳位。
でも、まぁ、妖しい店じゃないし、まぁよさそうだ。と、面接を受けると、即採用と言う事になり、私とMはお水デビューを果たしたのであった。
後日、セクキャバから断っても断っても何度もしつこく電話があり、それをMに話すと、「えー!?私にはかけて来ぉへんで!傷つくわー。」と言っていた。「ていうか、あんた携帯持ってないから電話番号教えてないやん。「あ、そっかー。あはは」
私達は休みの日にあって、よく話をした。始めての水商売という不安も、二人でお客の悪口を言いあってると、吹き飛んだ。もちろん、悪口だけ言っていたのではない。どうすればいいか分からない事だって、お互い教え合えたので、楽っちゃー楽だった。でも、お互いが、お互いの成長っぷりを見て、また劣等感を感じあったりもした。
「なんか、やっぱだめだわ。話って、何すればいいか分からん。M見てるとぺらぺら喋ってるから焦る時がある。」
「えー私から見たらリカちゃんの方が上手いと思うけどな。私ほんまにどうでもいい事いってるし。はって気づくと、お客さん、退屈そうで焦る。リカちゃんは、普通に話し聞いて返してるから、聞いてる間黙ってるだけやん。」
「でもそれって、話しベタなお客さんはいやなんちゃうかな。うちそういうお客さん多いし。きっかけを渡しても、その後続かんからつらい。『初めましてーリカです』『はじめまして。』『・・・』『・・・』『おいくつなんですか?』『35』『お仕事帰り?』『うん』『・・・』『・・・』・・・ってなって、次のきっかけを探すのに必死(笑)」
「あはははは!わかるー。」
「なんかしゃべれっていう、ママの視線が痛い。」
「あははは!」
なんて。真剣な事を話す事もあって、まるで「朝まで生テレビ」だわと思った事もあった。

ダーとは、この店で知り合ったので、Mもよく知っている。ダーと、Mと、私の三角関係の話はまた明日。
2002年03月28日(木)

親友M<第二話>

さて、第二話の始まり始まり〜。
水商売でがっぽり稼ぐ事にした私達は、まず、カッコから入る事にした。
化粧なんて、まともにした事ないというMに化粧をして、女らしい服がないというので服も貸して。私達はまるで今からパーティに出かけるようにわくわくしていた。
店は、二件ピックアップした。一軒目は時給がいいところ。二件目は、時給安いけど、こじんまりとしてそうで、楽そうなところ。
とりあえず、時給がいい店に電話すると、すぐ面接という事になった。
で、面接に行ったら大はずれ。セクキャバだったのだ(爆)時給いいはずだ。新地のホステス並にキメキメだった私達は、安っぽい張りぼての店の中で明らかに浮いていた。それでも、世間知らずで好奇心旺盛な私達はワクワクして、初めての異世界を楽しんでいた。それを店の人に悟られないように二人ともつんとしながら。
で、入り口すぐの事務室で、面接官を待っていた。事務室は、チラとみた、妖しい雰囲気満載のフロアとはうってかわって殺伐としていて、ちょっと安心できた。ふとみると、事務室には高さ10センチほどの小窓がついていて、フロアを見渡せるようになっていた。私達はそこからちらちらと妖しいフロアを覗き見ていた。すると、いきなり大音響で、パラパラ(その当時でも廃れていたのに)が流れ、事務室にいたかーなりダッサイ系のおやじ店員(に見えたが、たぶん30くらいだろう)が、小窓からフロアを見ながら、マイクで「ハァァ〜ッスルタァ〜イム!!!」と、DJ風にがなった。
唖然とする私達をよそに、おやじ店員はなれた口調で「皆さん、ハッスル、ハァッスル、ハァァ〜ッスルしてますか!?待ぁちに待ったハッスル・タイム!!はい女の子達ぃ!ハッスルしてくださぁい!!」といった。小窓をちらりと覗くと、よく見えないが、どうやら女の子がお客さんの膝に乗ってハッスルしているようだった。「みなさぁ〜ん!!今日もじゃんじゃんバリバリたぁのしんでくだっさぁ〜っい!!はぁい!ハッスルハッスルゥ〜!!」おやじ店員DJ風味はそこまで言うと満足したのか、パラパラにあわせて微妙に腰をクネクネして踊りだした。はっきり言って、「おやじ・店員・DJ風味・パラパラ・微妙なノリの踊り=ハッスル」はキモイ事この上なかった
私は、ふき出しそうになるのをこらえながら、下を向いて、プルプル震えた。Mを見ると、Mも同じだった。私は、Mのわき腹を小突いた。するとMはこらえ切れなくなって、ゲラゲラ笑い、ハッスル係りの店員に睨まれ、慌てて「もう!リカちゃん!私脇腹弱いからさわらんといてよー」とごまかしていた。私もそれに便乗して笑った。気持ちも落ち着いて、笑いが止まったMに、「胸騒ぎの腰つき♪」といって、また二人でゲラゲラ笑った。

軽く面接をして、一日体験入店というのをやる事になった。その日の給料もくれると言うので。まぁ、客に付くわけじゃないけど。
準備室に通され、いかにもってかんじの変なセーラー服を渡された。漫画好き(ヲタではない)のMは楽しげだった。で、着替えてる間、私達はお互いのカッコウを見て爆笑しあった。鏡をみると、なるほど滑稽だ。特に、新地のホステス風に塗った真っ赤な口紅がセーラー服にまったく合っていなかった。ブレザータイプの制服を渡されたMは、「もっとかわいいやつがいいな。リカちゃんのやつ、まだ『イカニモ』ってかんじがいいけど、私の、中途半端に本物臭くて、でもこんな制服ありえへん感じがいや。」なんてぶつくさ言っていた。「でもさーめっちゃ大人メイクやのに、ロリなセーラー服って組み合わせ、顔と姿があってなくて、まるで漫画の『AKIRA』にでてきた子供やわ。あ、あと楳図かずおの『赤ん坊少女』に出てきた、タマミちゃんとか」「不気味って言いたいわけ?」「そう。でも言っとくけど、あんたに言われたくないで。Mと私がゲラゲラ笑ってると、マネージャーが、ノックして「着替えました?」と言った。Mは「怖いわー」と言いながら、笑っていた。私達はどきどきしながらフロアに出た。

・・・どきどきの体験入店はまた明日。

2002年03月27日(水)

親友M<第一話>

親友M。
高校が一緒だった。高校の時は、友達の友達で、テスト直前に、課題を丸写しさせてもらったりする程度の中だった。彼女、堅かったんだもん。高校の時からおばかさんだった私は、意志が強く、人の好き嫌いがはげしかった彼女の事を、仲良くなれそうもないなぁ、てゆーか、私みたいなエロで適当な人間を、バカにしてそうだなぁと、勝手に思っていた。
で、20歳になって、同窓会で再開した彼女は、丸くなっていて、私に対してとても親密なオーラを出していた。エッチな話をしても、乗ってくれた。私達は、一日で仲良くなったといっても過言ではない。同窓会が終わっても話したりずに、「うちにウィッグがいっぱいあるから変身ごっこしよ」うちに連れ込んで夜を明かして話しこんだ。
「すごいなーうちら。なんで高校の時あんまり仲良くなれんかったんやろ」と私がいうと、Mは言った。
「リカちゃん、なんつーか高校の時から『イケテル』感じのこやったやん?男友達もいっぱいおったし、でも、群れてなくて、キャイキャイしてないし。でも私、チャラチャラしてるように見てた。矛盾してるけど。私、なんとなく劣等感かんじてたんかも。」
私は笑った。お互い劣等感を感じて反目しあってたのか。
私達は、勘違いから無駄にしてしまった時間を埋めるように、三日間、ほとんど眠らずに、ぶっ続けで喋り続けた。彼女はとても頭が良く、話し上手で、脳みそフル回転で話しをしあって、それが心地よかった。
私がバイトを首になった日、Mに電話して、家に遊びに行った。前々から、貧乏な私達は水商売してがっぽり稼ぎたいぞ計画を練り合っていた。そして、その日のうちにその計画を実行に移した。
この後、私達はえらい目に会って爆笑する羽目になるのだけど、長くなるから続きはまた明日。

2002年03月26日(火)

宝物 / リカ

My追加
エンピツ