即興詩。即ち書きだめ。

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2002年11月03日(日)


恋文返し





別れ際
プラットホームで
途方もない虚無感に襲われるのには
もう慣れてしまったけれど

私は、
倒れてしまおうと思ったのです
君の腕の中に
きっと
何度も
何度も繰り返して 
やがて褪せてしまうであろう電波よりも
その柔らかな肌に
無重力の安らぎに
抱え込まれてしまおうと思ったのです

かなしさを
言葉に代えて表現するひとよ
いかりを
音にしてぶつけるひとよ
よろこびを
身体にみなぎらせて伝えてくれるひとよ
私は鋼ではないけれど
君に秘められた波を受けるくらいの覚悟は
大分昔から出来ているつもりです

あぁ夏がきて
冬がきても
互いの不安を打ち消すほどに
海を隔てた空の下
いつもの声で
共にわらってくれますか


私はきっと
物理的な距離など
紙の上を指でなぞるような軽さで
越えてゆくから


どうか
隣の誰かに魅せられても
どうか
どうか
来月も来年もその先も
斜め後ろの席だけは
誰にも座らせないでおいてください



いとしいひと、






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