英国留学生活

2003年11月27日(木) 最期に呼んだ名

風邪ひいた。矢張り昨日冷たい雨の中、湖と小川の間の
底冷えするような小道を歩いていたのが敗因か。
咳が酷いので暖房の代わりに、がんがんおなべでお湯を沸かしている。
英国の生水は基本的に飲めるのだが、このフラットの水は、
プールの水のようなどぎつい消毒臭さがあって、
飲む分はミネラルウォーターにしていたのだが、
煮詰めた鍋のそこに溜まるあまりの量の不純物に、
調理にもミネラルウォーターを使うべきかと思い悩んだ。

先の住人の水道代の請求がまた着て、
以前の請求書を不動産屋に送って、対処を依頼したのに
どうしたことかと思い、直接不動産屋へ赴いた。
彼らによれば
「名義変更の手続きを済ませているのに、水道局が反映させていない。
それに、貴方からの手紙は届いていませんが。」
あっはっは。どこから突っ込むべきか。
早くクロノスの洗礼を受けたいのう。

今日、アイゼンの浅瀬の話をセオドレドの死まで訳したが、
結果として英文で読むのと変わらない位、
よくわからない日本語になってしまったことよ。
「この事実は、その重要さに反して軽視されている。」という
一文を読んだ時に、ごめん、それ私だよ!と思った。
セオドレドの死因について、通常業務の一環で国境へ巡視に行ったら、
いつもより多いウルクの大軍に遭遇して、アクシデンタリー死亡、
→戻ってこないセオドレド一団を探しに来て死体を発見した
エオメルぶちきれ。
という流れかと、漠然と思っていたよ。

死して尚、国境を守ろうとするセオドレド。
エオメルが玉座に対する野心があるように思い込ませようとした、
グリマの策謀はある程度成功した、ということはセオドレドは
エオメルに対して、思うところがあったのかなと思う。
それでも、その最期の時に後を託そうとしたのは、エオメルだったんだね。



2003年11月26日(水) little brother

さむっ。今年は暖かくて晴れが多くて、
随分と楽だったけど、さすがに寒くなった。

今日は、Study Tripで、St.Albansというところに行ってきた。
キングス・クロスから、テムズ・リンクという電車で北に、
急行なら20分、普通で40分くらい。
まあ、15分弱行きの電車の到着が遅れて、
帰りにのる予定だった電車はなくなったけど、今日はたいしたことはない。
ここは薔薇園で有名な所で、某・地○の歩き方にも載っていた。
私たちが行ったのは、教会と博物館だけれども。

ローマ時代の大きな年がこの街の元だったらしく。
ローマのモザイクなどが残っている。
教会はロマネスクとゴシックが、基本的には混じった様式で、
とても綺麗だったと思う。
ヘンリー5世の弟?の遺体が安置されていて、
18世紀に棺が開けられて、そこに溜まっていた液状のものを、
好事家たちが高額で取引して飲んだとか。
それって、キリスト教的にはどうなのよ?異端じゃないのか?

お昼に入ったパブは、"Rose and Crown"とよくある、
いかにも英国的な名前。私はローストビーフのサンドイッチを頼んで、
サンドイッチだけで5ポンド越えたけど、結構おいしかった。
店員さんも感じよかったし、暖炉に火が入っているのが好き。

で。やはり気になるのでネイティブに聞いてみた。
「英単語の用法について聞いていい?」
「勿論。ローマ帝政史のこと?」(←その前の話題)
「ううん、全然チガウ
"little brother"って、単に"younger brother"の意味?」
「うーん、文脈は?」
「普通に弟に呼びかけているんだけど、どっちも中年なの。
だから。」
「う、うーん。勿論年下の兄弟、って意味もあるけど、
相手のことを見下して言っているか、
あとは、いつまでも子供のように気に掛かる相手って感じかなあ。」
それだ!



2003年11月25日(火) 船に埋葬された男

別にボロミアのことではないが、
ボロミアに遠く影響をお与えた王の話。今日の講義。
サットン・フーというアングロ・サクソン時代の英国
最大の遺跡の発掘の第一人者、アンジェラ・エヴァンスが、
今日のレクチャラー。
今のコースは授業料も高いが、招く講師が専門性が高いので、
講義の内容を考えれば無理もないか、と思う。
サットン・フーの発掘は、トールキンに影響を受けた
多くの若者が参加したのだそうだ。
実は、この船に埋葬された理由は本当の所はわかっていない。
この時代は暗黒時代とも呼ばれるように、文字資料が残っていない。
しかし、おそらく死後の国の川を渡るための船だろう、
といわれている。
だが、同時にこの移民たちはスカンディナビア半島や、
北部ドイツからやってきていて、ケルトと初期キリスト教と、
ゲルマンの神話とが複雑に入り混じり、彼らの死生観というのもまた、
わかり辛いらしい。
戦士の魂を迎えるという、ワルキューレの乙女のイメージも
残っているとか?

しかし、映画のボロミア、原作のように彼の武器と彼が倒した
オークの武器を一緒に載せなくて正解だったと思うよ。
沈むがな。



2003年11月24日(月) ラファエロ前派

今日は学校が終わった後に、ロイヤルアカデミーに
アンドリュー・ロイド・ウェバーのプレ・ラファエロ展を
見に行ってきた。
そしたら、同じ学校の違うコースの一団に遭遇したのだけど。

いやいや、金持ちだな、ウェバー。じゃなくて。
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティの絵がポスターに使われているが、
私はロセッティよりもジョン・エヴァレット・ミレーよりも、
エドワード・バーン-ジョーンズが好き。
ロセッティの女性像は、ファム・ファタルと言われたりもするけど、
逞しくて線が強くて、余りそういうイメージじゃない。
あ、サマンサのレディ・マクベスも逞しいファム・ファタルか・・・。
彼の作品で一番美人なのは、自画像だ。と私は思う。

バーン-ジョーンズの『聖杯の探索』のタペストリーシリーズがあって、
これが一番感動。
この下絵を以前に別の所で、見たことがあったけど、
タペストリーの方が矢張り、雰囲気がいい。
あの鎖帷子の質感の見事なこと!
そして、ランスロットのうなだれた顔もとても好き。
気になったのは隣で老夫婦が、
「うちのタペストリーより、ちょっと大きいねえ。」
と語っていたこと。いや、一体どんなうちなんですか。
『ルシファーの堕天』も、モリス博物館にある『黄金の階段』と
よく似たうねるような構図が、迫力がある。
あとは、『Evening Star』の色合いが綺麗だったな。

帰り際、日本人の友人に偶然会ったので、彼女のバイトの時間まで、
ちょっとお茶をする。
彼女は、ロンドン在住日本人向けの情報誌を出している会社で、
バイトしているのだが、そこの人もホームオフィスにパスポートを
なくされて、緊急に帰らなければならない用事が出来たのに、
電話をするたびに違うことを言われたらしい。
「『もう発送しました。』といわれた後に、
『審査中です』って言われたり、『受け取ってない』って
言われたりしたんだって。」
・・・どこかで聞いた話ですよ!紺屋さん!
こういう話になると、必ず出てくる一言。
一体誰がこの国の経済を支えているんだ?
本当に、郵便局にしてもホームオフィスにしても、
電話会社とかでさえ、こんな感じなのだ。

さて、気を取り直して。『王の帰還』のフォト・ガイド買いました。

フロドー!・・・。・・・。
サムや、頑張っておくれ。
それにしてもシェロブは声はすれども、姿は見えず、なのか?

おお、SEEの手を取り合って全開で笑うボロミアとファラミアではないか。
それにしても、ミナス・ティリスに戻ってくるこのファラミアの姿、
酷すぎやしませんか。
いえでも、どんなに酷くてもいいので(いや、よくはないけど)
カットだけはやめてくださいね、監督。
それと、ピピンの鎧ってファラミアの少年時代のもの、って設定だったっけ?
おいしいな、ピピン。
そして富士額の王よ、貴男のその篭手、ボロミアのじゃありませんね?
いえ、いいんですよ別に。
悲嘆に暮れるファラミアに譲った、とかいうなら。
そして、デネソール父のお言葉。
"Boromir would have remembered his father's need.
He would have brought me a kingly gift!"
おとうさま、言ってもいい?言ってもいい?
I think not.



2003年11月23日(日) 荷造り

Net addiction な一日を過ごしてしまった。
それにしても、前々から思ってはいたものの、一体何のサイトだ。
そう言えば友人からきた手紙に、
「モーレツ生活日記が読めなくなるのは淋しい。」
と書かれていた。
いやまて。わたくしの日記のタイトルはそんなだったか?
確か狂乱指輪日記だったような気が。
Geocityに怒られそうだが、どうせもう一月ほどで撤退するからいいか。

それはそうと、(無事帰国できるのかという問いは置いておいて)
帰国に向けて荷造りを始めているのだが。
や○と運輸で、20キロずつ、ダンボールに詰めて送るのだが、
禁止品目に「アート・ブック」なるものがある。
しかし当然私の書物には、美術史の本やら展覧会カタログが多い。
問い合わせてみたところ、ポルノに近似するものはだめらしいが、
明確な規約はないという。
そう言えば昔、ボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』は、
ヘアヌードかとかいうナンセンスな論争があったが。
あれが引っかかるなら殆どのアートブックはだめではないか。
まあ、気にせずに送るけど。

しかし、しかしですね。本好きならたいてい1度や2度や300回や500回は、
やった事あると思うのですが。
「片付けるつもりで本を手にとって、読みふけってしまった。」
毎年私はこれで、年末大掃除が年を越えるのだが。
今日は電話帳をつらつらと読み返していて、
なんか設定を今まで勘違いしていたことに気付いたようだ。
う。もう一度読み直して、修正かけねば。



2003年11月22日(土) お詫びして訂正

わたくし、最近恐ろしいことに気がついてしまいました。
それは、サルマンの姦計よりもサウロンの野望よりも、
恐ろしいことなのです。
The Ring is getting tighter.
heavierではなく。
痩せねばなりませんね。ふくよかなイギリス人女性たちを見て、
安心していてはいけません。
私は体重制限のある日本に帰らねばならないのです。
私も頑張りますので、ショーンさんも頑張ってください。
(↑関係ない)
折角、女傑サマンサさんの影響で引き締まってたのに・・・。

それで思い出しましたが、訂正しなくてはならなかったことがありました。
11月2日の日記で書いた、コーンウェルはシェフィールドの出というのは、
大嘘です。ロンドン出身でした。
ショーン・ビーンとシェフィールド・ユナイテッドの話で盛り上がるのは、
単に彼がショーン・ファンだからなようです。(本当か?)
ロンドナーをブレイズのサポーターにするなんて、魔性の男か?彼は。
彼を思いながら『シャドーマンサー』を書いたテイラー牧師といい、
おっさんキラーなのかもしれないとここで、仮説を立てておきましょう。
テイラーさんの場合、同郷の好があるのかもしれませんがね。
彼の教区は確かスカーボロ。
あの例の"Have you going to Scarborough fair 〜♪"の
山の貴方の尚遠く、シェフィールドよりまだ向こう、北ヨークの田舎です。

それはそうとUnfished Talesも邦訳本が出るなんてね。
いい時代になったもんじゃ・・・。
昔、『指輪物語』を読み、『ホビットの冒険』に進み、
次は『シルマリルリオン』だ!というところで、ほぼ絶版状態で挫折した。
そういう意味でも、PJに感謝、感謝。
といっても買うかどうかわからないけど。
原書は1400円程度なので、セオドレドとエオメルの章と、
ガラドリエルとケレボルンの章を読むだけでもいいかな、と思ったけど、
邦訳は、4400円だそうなので。上下巻。12月13日発売。

セオドレドのイメージはすっかり、映画版の役者さんの顔になってしまった。
目を開けたところ見ていないけど。
セオドレドは、ボロミアと同い年でボロミアの死ぬ前日に
亡くなっていて、その為にセオデンがボロミアの死を悼む言葉が、
重いのだが。
映画を観ている感じでは、セオドレドとエオメルが13歳も
離れているようには見えない。
というか、ボロミアとセオドレドが同い年には見えないというか。
アイゼンの戦い、映像で観たい、というかセオドレドが
"To me! Eolingas!"と力強く叫ぶのが聞いてみたい。



2003年11月20日(木) 今後の人生

今日の授業は、ローマン・ビザンチンの古書。
当然、最初に触れられるのは、ホメロスのイーリアス・オデュッセイア。
「この2冊は絶対に読んでおきなさい。さもないと今後の講義に
支障をきたすから。それから、今後の人生においても。」
おお!言い切った!

レクチャラーのドクター・マイケル・マイケルはギリシャ人。
絶対この名前誤植だよ、と思っていたのだが、
マイケル・ミカエレーリというギリシャ名をイギリス風にしたのだとか。
クラスメートのギリシャ人とユダヤ人のハーフのブリテッシュ(複雑だが)
は、「ギリシャ人としてのアイデンティティの喪失よ!」と怒っていた。
彼女は自分のアイデンティティをギリシャ人に、帰属させているようだ。
『マイ・ビッグ・ファット・グリーク・ウェディング』を見て、
「次にどんな台詞が出てくるのかわかるのよ。うちの会話そのままだから。
でもね、問題はうちの日常会話が、コメディーのカテゴリーに
入っているってことなのよね。」と言っていた。
それにしても、これの邦題は酷いと思う。
マイ・ビッグ・ファット・ウェディングじゃ、
でぶの結婚式のようではないか。
グリーク削るなら、ファットを削った方がまだ意味が通るだろう。

で、アキレウスについての説明を
「現代人には理解しがたい人物なんだが・・・
変わっているって言うか、ちょっと狂っていると言うか、
Oh, gosh....」
そこまで酷いか、アキレウス。まあ、訳わからない人だけど確かに。
そして、「パトロクロスはアキレウスの友人にしてはまとも」
と言われていた。
アレクサンドロス大王は、アキレウスの生まれ変わりとも主張した人だが、
彼とヘファイステイオンの関係は、
アキレウスとパトロクロスに、似ているのではとも言われる。
むしろ私はラインハルトとキルヒアイスという気がするが・・・
彼は、良くも悪くも英雄を地でいく人で、アッリアノスの『東征伝』
なんかを読んでいると、英雄というのがいかにはた迷惑で、
遠くで幸せになってもらいたい人かがわかる。と思う。
目的と手段が逆転しているような気がする辺り、リチャード獅子心王
にも通じるものがあると思うが。
戦って得る物、よりも戦うことそれ自体が目的、みたいな。

もう一人別のレクチャラーが、前にアイアスの説明をしていたのだが、
(英語だとAjaxで、最初わからなかった。)
彼は、オデュッセウスとアキレウスの武具を争って負けて、
自殺した人なのだが、それ以前からアキレウスの引き立て役のように
描かれることが多い。
「まあ、彼は言うなれば永遠のルーザーね。」ひどい・・・。



2003年11月18日(火) Remember today!

待望のSEEの発売日。
午後の授業は大英博で行われたので、
お昼休みの移動中に、購入した。

午後のクラスは人数が少なくて、
2人風邪、一人家の不備が合って急遽引越し、
一人、ドアの鍵が壊れて一睡も出来なかったので帰った。
(もう一人は地下鉄が3ラインほど止まったため、遅刻だった)
「うちのクラスはぼろぼろね・・・。」
とレクチャラーがいうので、
「実は私も・・・。」
と言いかけると、
「psy、お願いだから帰らないで。人少ないんだし。」
といわれて、
「いえ、帰らないけど。あ、ある意味帰りたいんだけど。」
とビザの話をしたら、インド人のクラスメートが、
「聞いて、聞いて、私なんかね、
5ヶ月パスポートが行方不明なのよー!
さ、さいあく・・・。
イギリス人のレクチャラーは、
"Awful..."(酷すぎる・・・)と頭を抱えてしゃがんでしまった。
でも、事実なの。

夕食は、SEE鑑賞後イタリアンを食べた。
友人と乾杯の際に、"Remember today! little brother."
今後1年ほど使うだろうな。
この一年、友人と意見があわない度に、
"At last we understand one another."と言ってきたように。
その前の一年、「嘘をつくな」と言うかわりに、
"You are not yourself."と言ってきたように。



2003年11月17日(月) definitely not

注)今日はかなりネガティブです。(今日も?)

友人から送られてきた雑誌"Brutus"の
「いま、なぜロンドンなのか。Are you UK?」
というタイトルに、そっこーで
"Definitely not."
と答えたい。
雑誌、ありがとう!でも、胴が泣き別れているアラゴルンが、
最初に転がり落ちてびびったよ!

今日、ホームオフィスからも手紙が着た。
「貴方のパスポートと書類と155ポンドは今日受け取りました。
11月13日」
は?
翌日の午前中配達保証のスペシャルデリバリーで、
10月23日に送ったんですけど。
12月20日までのビザの延長に、この調子だと間に合いそうもないので、
電話をしてみたら、
「レファレンス・ナンバーを。
ああ、貴方のパスポートはまだ届いていません。」

・・・。昨年、ホーム・オフィスとポスト・オフィスに翻弄された
挙句にパスポート再申請になった人の言葉が頭をよぎる。
「きっと、部内で狼煙で伝達しているんですよ。
糸電話かもしれません。」
・・・ほんとにそうですね、紺屋さん。
そして経費節減の為に、ポスト・オフィスは飛脚なんですよ。

日本へ送った荷物の追跡を、最寄のポスト・オフィスでは
追跡依頼が早すぎるの一点張りなので、電話をしてみた。
「そのレファレンス番号は、ありません。」
「記録が残っていないということですか?」
「いえ、今の時点では情報がないということです。」
わけわからん。
「じゃあ、いつになったら情報が得られるんですか?」
「引き続きまた電話掛けてみてください。」

土曜日にくるはずだった不動産屋の、エージェントが故障箇所の
確認に、予定より30分遅れでやってきた。
まあ、不動産屋の態度も色々不満はあるんだけど、
それは取り合えす置いておいて。
「いつ、退去するの?」
「12月20日。パスポートが戻ってきたら。」
「ああ、よくある問題だね。僕は信用してないから、郵送はしないね。」
「まだ、受け取ってもいないって、今日いわれた。」
"Yes, that's England."
断言するな。
「第3世界に住んでるみたいでしょ。」
・・・それってどうよ?



2003年11月14日(金) 禁色

と言っても、三島のことではない。
今日は、ローマのテキスタイルの授業だった。
ローマのトーガは、3.5m〜4m(前期から後期)なのか。
絹ならともかく、ウールだとかなり重かっただろう。
ナズグルの長衣は、7メートルだったっけ?

ローマ帝国が始めて、服飾で位階をあらわすことにしたらしい。
古代紫、フェニキア紫といわれる染料が、
ローマにおいては皇族以外には禁色だったが、
位階を表してはいないものの、古代ギリシャにおいても特殊な色だったと思う。
(日本でもそうだけど。聖徳太子の冠位十二階の最上位だった筈。)
トロイア戦争のギリシャ側の総大将アガメムノンは、
戦争終結後、ミュケナイに戻り彼は妻のクリュタイムネストラと
その情夫アイギストスに殺害されるのだが、
殺される前のシーンで紫染めの布が出てくる。
それを踏んで神々の怒りを買うことを怖れるアガメムノンを
クリュタイムネストラが唆して、結局踏ませてしまうのだが、
それが彼の死を暗示している。(巻き込まれたカッサンドラは気の毒だ。)
そこで歌唱隊の「死すべき人の子の身で、紫染めを踏むことは許されぬ」
とかいう歌が、印象的だった。

その続編と言うか、彼らの子供たちエレクトラとオレステスが、父を殺された
報復の為に母を殺すという話で、エレクトラにコロスが
「クロノスは心優しき神ですもの、癒せぬ傷も時が癒してくれましょう。」
とかいう歌詞が好きだった。(好きな割にうろ覚えだが。)
この歌詞が出てくるのは確かソフォクレス作の方だったと思う。
クロノスというと、子殺しの神のイメージが強いから。
ただ、普通子供たちを飲み込んだことになっていて、
フランシス・ゴヤの「子供を食らうサトゥルヌス」のように食いちぎっていたら、
いくら神でも復活できんじゃろうと思う。

クリュタイムネストラは、トロイア戦争で娘イフェゲネイアを生贄として
アガメムノンに殺されたことを恨み、夫を殺し、
その娘エレクトラと息子オレステスは、父の復讐の為に父の従兄弟
アイギストスと母クリュタイムネストラを殺す。この近親の争いは、
一応呪いというか、因縁の賜物なのだが。
子供らは冥府の女神へカーテの僕、復讐の女神エリニュスに追われるが、
彼らの処遇は、神々の投票で決まることになり、母を知らぬアテナとアポロン
が彼らに味方して、死刑を免れる。
この伝説には、ミュケナイの母系制(多分母権制ではない)から、
アポロンに代表される男性中心社会への移行があるといわれていて、面白い。

トロイア戦争は、史実的には勿論ヘレネとパリスのバカップルが原因ではなくて、
当時のギリシャ世界より遥かに豊かだった、東方との貿易をトロイの地理的
優位性によって独占していたのを、ギリシャ小国家群が奪取しようとしたため、
と言われていて、十字軍の影にヴェネツィア、ジェノヴァの商人がいたことを
彷彿とさせてこれも面白い。

ところで、ネット環境が悪くて、映画『トロイ』の予告が、
コマ送り&顔は紗が掛かっている状態でしか見られない。
が、ちょっとあの船団のCG不安だなあ。うーん。
出演者のギャラ高そうだもんなあ。
ヘレネは美人さんっぽいけど、余りそこに焦点当てなくて良い、と思う。
あ、ヘレネの娘のヘルミオネは、オレステスとアキレウスの息子、
ネオプトレモスと結婚するんだったな。
ハリーポッターのハーマイオニの語源はここだろうけど、
彼女も母親ほどじゃなくても、結構はた迷惑な人だと思うんだよね・・・。



2003年11月12日(水) 愚痴り

なんだか、愚痴りつづけていますが。

国際郵便小包の追跡調査を依頼していたが、
「英国から発送した記録も、受け取った記録さえない。」
との返事。またか・・・。
以前、レスターで日本からの荷物を留守で受け取れなかった時に、
再配を依頼する為に電話をかけたら、
「そんな荷物を預かっている記録はない」と言われた。
しかし、翌々日普通に配達された。
知り合いで、ホームオフィスがビザを延長した
パスポートを送っていて紛失された人も、その紛失したした
郵便物の記録が前後数十件ごと、ごっそりなかったそうだ。
まあ、記録保持の不備だけならまだいいんだけどね。
紛失していなければ。

そうそう、地下鉄ノーザンラインは、
3月まで、完全復旧はしないそうだ。
そんなに難しいのか?線路の切り替えの修理というのは。



2003年11月11日(火) 銀行強盗

今日は、近所の銀行が強盗に入られたそうで、
歩道が封鎖されていた。
もうちょっと考えて封鎖してくんないかしら。
車道の半分ぐらいまで封鎖しているから、
歩くのがとても危険。十字路だし。
この辺、治安がいいと聞いていたんだけどなー。
結構そうでもないな。このフラットも襲われたし。

で、通行人のおばさんが、
「私、銀行使いたいんだけど。」
「だめ。」
「何故?」
「ポリス・テープで封鎖しているから。」
・・・おまわりさん、それ理由になってませんが。
「だからー!なんで!」
「あー。襲われたんだよ。」
最初からそう言え。

それと、そろそろ地下鉄のノーザン・ライン、
完全に復旧してくれないものか。
10月19日に脱線事故があって、10日ほどで、
一応通じるようになったんだけど、
ノーザンラインはX字型で、左上から、左下へ向かう
列車がまだ動いていないのだ。
事故があったのは、ちょうどエックスの真ん中の駅。
まあ、2ヶ月くらい復旧しなかったセントラルラインよりは、
ましだとは思うのだけど、ちょっと不便だ。
そんな地下鉄職員の部屋で、大量に酒の空き缶が発見されたとか?

ついでに、2週間前にEMSで発送した郵便物が、
未だに日本に届いていない。
日本から出すと、基本的に3日でこちらに届くのだが。
先週、郵便局がストをしていた為なのだが、それでもやや遅い。
今、追跡調査を依頼中。
よくストを行う、地下鉄職員とか、郵便局員とかはとても給料が
安いと聞くけど、具体的にどのぐらいなのだろう?
しかし、国際郵便を送ろうとして、規約がわからないからといって、
逆切れして客に問い詰める職務態度も、
少しは省みて欲しいものである。



2003年11月06日(木) RotKインタヴュー

ニューラインシネマからメールが着て、
オフィシャル・サイトのインタヴューを見に行った。
幾つか面白かったこと。

まず、アラゴルン。
アルウェンとの関係を聞かれて、
They have each other in mind.
They've known for a long time that they're much better together
than they are apart.
って。...Are you sure?
映画の貴方がたは、余り確信が持てないのですが。
というか、ヴィゴさんにしては、捻りがなさ過ぎませんか。
それと、ミランダ・オットーのエオウィンの戦士としての演技について、
べた褒めといっていい感じだったので、期待が激しく膨らんだ。
ローハンの女戦士が国を守ってきたという設定自体にも好意的な感じ。

そして弟君。
いやまずね。"Gondor's unlikely Hero"ってなんですか?
「ファラミアほど複雑なキャラクターはLotRにはいないだろう。
彼は学者の心を持つ戦士であり、(決して期待にそぐわない弟?)
父親に拒絶された忠実な息子であり、一つの指輪を手にしながら、
その意思を以って手放した男である。」
そうそう、そうなんですよね。本当はね。時間さえあればね・・・。
いや、頑張れ!第三部で!
それにしても、Boromir was the boisterous soldierって、
お兄ちゃんのこと、脳みそ筋肉だと思っていたのかい・・・Little Brother?

お父上
父上に対する解釈は結構意外でしたね。
ボロミアとの関係は?との問いに「ボロミアはデネソールの最愛の息子。
彼はデネソールの鏡像だった。大きく、強き戦士。ボロミアを失うことで、
デネソールは彼自身を殺したようなものだ。」
余りー、性格は似てないと思うのですがー。指輪をゴンドールの為に!
という考えで凝り固まってしまう辺りは似ているのかもしれないけど、
デネソールに似ていたらホビットに剣の稽古なんかつけないし、
ロリエンで泣きも入らないし、アラゴルンとの仲はもっと険悪だったろうし。
そして、周到に確実に指輪を手に入れていた気がする・・・。

「彼はファラミアを愛していた?」
「勿論だ、しかしファラミアはよりデネソールの亡き妻に似ていた。
そして私は、彼女がこの世にいないことに対して腹立たしく思っていて、
彼の息子との関係にそれが影響したのではないかと思っている。」
なんだか、ちょっとロマンティストですね、大侯。というか人間くさい?
それほどフィンドゥイラスを愛していたのですねー。でも弟の方が、父上に
似ていると思うのですよね。"Ha!"って短く笑う所とか、その背後にどんな
思惑とか感情が渦巻いていたのかと思うと。

後ガンダルフとの間もとても強い愛憎関係だったのですね・・・こわ。

エオメル。
a little bit hot-headedがちょっと笑えました。エオルの子ですから。
そして真面目な話。第二部と第三部でどう変わるかという質問に。
「エオメルは、単にローハンの民を守り尽くすだけでなく、中つ国の人々を
守り尽くすようになっていく。彼は究極の犠牲を払うことに直面する
−彼と彼の部下たちの命という−
未来の世代が生き延びることを確実にする為に。」
なんか、この問題に一番最初に対面したのがボロミアで、
一番深く対峙したのがフロドという気がするんですよね。
アラゴルンは多分、ゴンドールの民と中つ国の人間との間のジレンマは、
なかったような気がする。

ロンドン科学博のLotRの展覧会の、関連商品売り場に、
それぞれのポスター?みたいなのが売っていたのだが、
(ポスターにしては小さかった。)それに、個々に合わせた言葉が、
書かれていて、例えばアラゴルンはHonour、レゴラスはGlory、
ゴラムはHunger、スメアゴルはPityだったのだが、フロドの文字は
"S"だけ見えていて、「ああ〜、まさか」と思いつつ紙をどけてみてみると、
やはりSacrificeだった。泣ける・・・。



2003年11月04日(火) 本当のファントム

別に昨日見たファントムが不満だったからではなく、
元々今日は、The Phantom of the Operaを見に行く予定だった。
やっぱりすごくいい、ファントム。

でも、オーウェンさん痩せてください。
いきなり失礼ですみません。
でも本当に深みのある声で、歌はとってもいいのですが、
やはりファントムがタキシード、ぱっつんぱっつんだと
辛いのですよ・・・。
クリスティーヌは、The Phantom of the Operaの最後の高音が
ちょっときつそうだってけど、全体的に綺麗で良かった。
容姿も小柄で華奢でいいし。
あれほどの高音を柔らかく歌える、オリジナルキャストの
サラ・ブライトマンは本当にすごいんだろうな、と思う。
マイケル・クロフォードの独特の高音もすごく好きだけど。
"I am there, inside 〜♪"の所なんかね。

あと、マダム・ジリ、やっぱり好きだな。
今回前のほうだったのでマスカレードのシーンが良く見えたけど、
牧人役が兼役している踊り子が、マッドハッターが踊っているみたいで、
面白かった。
昔、ボストンで始めてみた時には後ろの方過ぎて、
舞台の奥の方が見えず、奥の階段の上から出てきたファントムが、
"Why so silent, good messieurs?"と歌う所で、
ファントムが見えていなかった私は、"So, why?"と思った。

『オペラ座の怪人』は、もともとの原作も好きだけど、
このロイド・ウェバーのミュージカルも、スーザン・ケイの
リメイク版も、誰のだか忘れたけどドラマもすごく好きだ。
リメイク版は、イメージを崩されるのがいやで、随分手にとるまで
迷ったが、(本屋で不審人物やっていたし)見事に行間を
埋めていたと思うし、心理描写も納得いくものだった。
作者はすごくすごく、ファントムが好きだったんだろうなーと思う。
(あれは、ラウルが好きな人には勧められない。)
ドラマも『ファウスト』のマルガリーテ役のクリスティーヌが、
舞台上で歌えなかった時に彼が、マルガリーテ役のパート歌って、
導いてやるのが、すごく好きだった。
パヴァロッティはキング・オブ・ハイCだが、あの歌はハイGまである。

二次創作は、原作に思い入れがあるほど手をつけにくいが、
自分の疑問に思っていた部分なんかが、解明されてたりすると、
嬉しくなる。ああ、この人(作者)も、ここ気になっていたのね、と。
ホームズ物のパロディでもそういうのがあるし、
例えば、TTTのぶなの骨が、水で自分の火を消しているのを見て、
ああ、PJもぶなの骨の生存が気になっていたんだなあ、と
勝手に思った。

それにしても、斜め後ろの席の日本人家族が曝睡していたのは、
まだいいとしても、(パフォーマーには失礼だが)後ろの
舞台が盛り上がる所で必ず喋る、外国人、やめて欲しかったわ。



2003年11月03日(月) 超常紳士同盟(ミナもいるけど)

The League of Extraordinary Gentlemenを見てきた。
学生割引のある映画館に行って、10分前に入ったら、
私一人しかいなくて、ちょっとどきどきした。

以下、一応反転

結構、面白かった。ストーリー展開が、と言うよりも、
ああっ、ドリアンだ、ドリアンが動いているよ。
ミナもハスキーボイスでいい感じ。
そうか、トム・ソーヤーは大きくなったらこんなかなあ。
ハイドは全然チガウだろー。
と、いう感じで。キャラクターを楽しむと言うか。

いっやあ、ドリアン・グレイは美しかったですな。
あれで目が深い蒼だったら、完璧に私のイメージどおりだ。
声も滑らかで、「ミーナ」と呼びかけるときのセクシーさと言ったら。
いわゆる腰にくる声というやつね。
仕込杖で、マシンガンに優雅に反撃する所も素敵。
"What are you?" "I'm complicated."の所は、一応展開を示唆していたのかしら?
でも、ある意味貴男はシンプルな人ですがね。欲望に忠実というか。

この人がアラゴルンだったら、全く別のストーリーになりそうで怖い。
「妖艶な若き(?)野伏の首領に誑かされ、己が種族を捨て去る決意をする夕星姫。
その魅力を以って、彼は黄金の森の奥方の助力も引き出したのだ。
そんな彼の手管に、清純な楯持つ乙女が抗える筈もなく、
破滅的な恋に身を投じるのであった。」
花○、愛の劇場。みたいな。ボロミア、おちおち死んでられないし。

ヴィルヘルミナもかなりいい。実験中のストイックな感じと、
ヴァンパイアに変わる直前の妖艶な掠れ声との対比とか。
お食事の後は身嗜みをちゃんと整える辺りも、レイディでいいですね。

ジキルはともかく、ハイドは「お前、ケーブトロールか。」というご面相で、
最初は萎えたが、一応ジキルは唯一、超人としての内面を描かれていた人物として、
良かったと思う。
まあ、この映画は別に不老不死の己の存在への葛藤に引き裂かれて・・・云々。
という路線は狙っていないだろうから、内面を描かれてなくてもしょうがないけど。
しかし、突然いい人になったな、ハイド・・・。

トム・ソーヤー。君は確かに子供の頃の面影があるっていうか、
やんちゃな少年が青年になったら、こんな感じだろうというところで、
ミナを口説こうとして、ドリアンに鼻で笑われている辺りとか、
可愛らしくていいのだけど、潜入捜査官ってのは無理がない?君的に。
次回は(あるのか!?)お友達のハックルベリ・フィンも呼んでね。

透明人間・スキニー・・・ごめん、コメントない。
もともとのキャラクターに思い入れないから。
クォーターメインは、登場シーンが一番らしかったのではなかろうか。
勿論、ソーヤーとの擬似親子関係も普通に良いのですけどね。
私、最初息子のお墓を「おお、ダミーの墓まで作っているんだな」と勘違いした。
ネモ船長、貴方の剣技がよく見えなかったのが悔やまれます。
あそこはカメラワーク、引いてくれた方が良いのでは。
ドリアンとミナの戦闘シーンもそうだけど・・・。

敵役のファントム(M)
「何でドリアンが主人公側なのに、敵がファントムなのよ、納得いかん。
どう考えてもドリアンの方が、性格悪いだろう。しかも服の趣味悪いし。」
と思っていた。
しかし、彼が実はMだったとわかった時に、
悪役でMの頭文字って言ったら!あの人だよね!と密かに胸躍った。
そもそも、アメリカンのソーヤーがいるのに、
19世紀英国文学で彼(の敵)がいないのは、おかしいと思っていたんだよ。
しかし結局、余りにへぼい悪役だったので、ちょっとがっくりきた。
もーちょっとさー。野望に捻りが欲しかったよ。
顔は若造だったけど、まあ実はモリアーティーが若かったとしたら、
こんな顔でもいいかな、という感じだったのでそれはいい。黒髪だし。
次作では(←まだ言っている)、
実はあれは教授のダブルのセバスチャン・モラン大佐だった。
ということで教授に再登場願いたい。
関係ないが、以前自分の部屋にベラスケスの「イエスの磔刑」を飾っていたら、
母に怖いからやめてくれと言われ、次にモリアーティーの絵を飾ったら、
何で貴方の趣味は怖いのよ!と、また怒られた。・・・失礼な。
確かにその隣にファントムのリトグラフと仮面があるけど。

ストーリー展開上、よくわからなかった点。
レコードの再生中の、ファントム(教授)の話。
あと、確か7月にロンドンでヴェネツィアの会議まで後4日、
とか言ってませんでしたか?だからノーチラス号が必要だ、と。
なのにどうして、ヴェネツィアついたらカーニヴァルやってたんでしょう?
謝肉祭って2月なんじゃ?


多分、この映画って元のキャラクターの認知度と面白さが比例するのでは。
でも、余りオリジナルを好き過ぎてもだめでしょうね。



2003年11月02日(日) Never fight fair

というのは、作者のバーナード・コーンウェル氏が、
一番好きな「シャープ」の中の台詞だそうです。

クリスマスのギフト本を見に、ウォーターストーンズに行ったら、
今月の"Book and Magazine Collector"という雑誌に
バーナード・コーンウェルのインタビューがあったので、
つい買ってしまった。

「ショーン・ビーンとキャラクターについて話し合ったことがある?」
という質問に、
「いいや。彼のキャラクターに関する考えには、とても喜んでいるんだ。
だから、私達の間で主に話すことは、
シェフィールド・ユナイテッドいついてだよ。」
シェフィールドの出だったのかあ。

彼曰く「私のウェリントンに対する賞賛は、作中で明らかじゃないか!」
・・・でも、ウェルズリー、浅瀬で溺れてますけど。
「まず彼は、常識に満ちた人物だということだ。」
え、でも、小競り合いに対して
"その衝撃はスペイン全土を揺るがすだろう"
とか無茶言ってますけど。
いや、それはすべてドラマが悪いんだってわかっていますが。
詳しくは、七子ん先生の
「SHARPE'S RIFLES〜リチャード・シャープとわんぱく砦〜」
を参照のこと。リンクページ

ついでに今日の夕食は、肉と野菜の炒め物シェフィールド風。
何で、シェフィールド風かと言えば、シェフィールド特産、
「ヘンダーソン・レリッシュソース」を使用しているから。
南ヨークシャーでしか売っていないらしい。
私は、シェフィールドに行った時に、スーパーで98pで買った。

CMにでている、例のおじさんによると、フィッシュ&チップス
にかけるらしいが、以前小麦粉をまぶしたサーモンを
厚めに敷いた油で焼いたものにかけたところ、微妙だった。
味としてはウスターソースを薄くしたものに辛味を加えたような感じ?
専用レシピも売っていたのだが、
「いやこれって何か間違っているよね?」と言いたいような、
まるでそれが濃厚なフランス風クリームソースであるかのような
レシピが並んでいたのだ。
しかもこんな手の込んだ料理、何処のイギリス人家庭が作るんだ。
少なくとも私には無理だ。

しかし、198円がもったいないのと、これがお袋の味らしい
おじさんを思って、どんな料理にあうか試行錯誤中である。


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