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2005年08月31日(水)
ハリケーン・カトリーナ

アメリカ南部を、「猛烈な」ハリケーン・カトリーナが襲ったのは、ニュースなどでもすでに知られていると思う。しかもニューオーリンズを直撃!テレビの映像に釘付けである。被害はどれくらいなのかと、毎日気が気ではない。

数日前から、まゆみさんを心配してメールを出したりしているのだが、ニューオーリンズではほとんど全員が避難しているようだし、水も電気も止まっているので、メールなど届くはずがない。電話もできない。文明の利器は、まるで役に立たないというわけだ。

状況が落ち着くまで、心配してもどうにもならないし、何にもしてあげることができないという状態だ。死者もたくさん出ているようだし、とにかく無事でいてくださいと祈るしかない。

ニューオーリンズは約8割が冠水ということだから、昔からのきれいな建物などもダメになってしまうのだろうなと思う。それに、スワンプ!ドクター・ワグナーの小屋も当然水浸しだろうし、ワニは?スワンプから出て、街中を泳ぎまわってたりしないのかな?

あの美しいオークアレイなどのプランテーション・ハウスも、ミシシッピ川のすぐ脇にあるので、果たしてどうなっただろうか?と、考えるだけで恐ろしい。ナッチェス号や、デルタ・クイーン号といった蒸気船はどうなっただろう?あのニューオーリンズが!と思うと、なんだか泣けてきちゃう。

もちろん、被害はニューオーリンズだけではないけれど、ついこの間行ったばかりの所だし、とても気にいった場所だから、すごく、すごく、ショックだ。

何より電気が止まっているからエアコンもなしだろう。外は猛烈な暑さらしいから、命が無事でも、本当に気の毒。私も先日まで、エアコンなしの生活(PC部屋だけだが)をしていたので、その辛さは経験したばかり。とはいえ私の経験など、向こうに比べたら、全然話にもならないだろうが。

ともあれ、まゆみさん、ビクターさん、マリアさん、ジャミール、ビッグ・アル、“プレイボーイにはなれない”バンドのメンバー、ラマダホテルのドアボーイ、バイクに乗せてくれたおまわりさんなどなど、みんな無事でいますように!

■米南部、ハリケーン・カトリーナ情報はこちら→ GO TO U.S.A.
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〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『琥珀捕り』/キアラン・カーソン (著), Ciaran Carson (原著), 栩木 伸明 (翻訳)
単行本: 346 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 東京創元社 ; ISBN: 4488016383 ; (2004/02)
出版社/著者からの内容紹介
ローマの詩人オウィディウスが描いたギリシア・ローマ神話世界の奇譚『変身物語』、ケルト装飾写本の永久機関めいた文様の迷宮、中世キリスト教聖人伝、アイルランドの民話、フェルメールの絵の読解とその贋作者の運命、顕微鏡や望遠鏡などの光学器械と17世紀オランダの黄金時代をめぐるさまざまの蘊蓄、あるいは普遍言語や遠隔伝達、潜水艦や不眠症をめぐる歴代の奇人たちの夢想と現実──。数々のエピソードを語り直し、少しずらしてはぎあわせていく、ストーリーのサンプリング。伝統的なほら話の手法が生きる、あまりにもモダンな物語! 解説:柴田元幸


◆図書館貸し出し

『ぶらんこ乗り』/いしい しんじ (著)
文庫: 269 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 新潮社 ; ISBN: 4101069212 ; (2004/07)
内容(「BOOK」データベースより)
ぶらんこが上手で、指を鳴らすのが得意な男の子。声を失い、でも動物と話ができる、つくり話の天才。もういない、わたしの弟。―天使みたいだった少年が、この世につかまろうと必死でのばしていた小さな手。残された古いノートには、痛いほどの真実が記されていた。ある雪の日、わたしの耳に、懐かしい音が響いて…。物語作家いしいしんじの誕生を告げる奇跡的に愛おしい第一長篇。

『トリツカレ男』/いしい しんじ (著)
単行本: 167 p ; サイズ(cm): 20
出版社: ビリケン出版 ; ISBN: 4939029166 ; (2001/10)
内容(「MARC」データベースより)
いろんなものに、どうしようもなく、とりつかれてしまう男、ジュゼッペが無口な少女に恋をした。哀しくまぶしい、ブレーキなしのラブストーリー。


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2005年08月30日(火)
『プラダを着た悪魔』で泣く

Lauren Weisberger の 『The Devil Wears Prada』 をやっと読了したのだが、不覚にも泣いてしまった。こんな本で、まさか泣くとは思ってもいなかったのだが、自分の経験に近いエピソードがあったため、感極まってしまったのかも。そのエピソードは、自分が経験したこととは全然内容が違うのだが、似たようなシチュエーションに泣けてしまったのだ。

それにしてもこれを読んでいると、「いい人」は会社では出世できないんだなと思う。上司の理不尽な命令も、厳しい社会では致し方ないことなのかもしれないし、そんな理不尽さがまかり通ってしまう世の中でもあるわけだから、人に同情したり、正義感に燃えていたりしたら、絶対に出世できないだろう。生半可な常識なども通用しない。自分が一生懸命にがんばれば何とかなるというレベルの話でもない。

会社勤めの経験がある人で、これを読んだ多くの人が、「そうそう!」と頷いているんではないだろうか。そういう私にも、この本に書いてあるような経験がひとつやふたつではない。世間には、信じられない「バカ」上司というのがいるものなのだ。何でこんな人が偉い顔をしてるんだろう?と思うが、そういう人だから出世しているのだ。いちいちあげたらきりがないので、ここに書くのはやめておくけれど、そりゃもう、聞くも涙、語るも涙の話ばかりだ。

この話では、最後は主人公アンドレアが、鬼上司ミランダに悪態をついてクビになるのだが、それでもアンドレアの人生は良い方向に向かっていく。実際、そういうラッキーな人は稀だろうと思う。話として、ハッピーエンドにならなければむごい!とは思うが、そんなに甘くはないのが実際の人生だ。

毎日、「バカ」上司にムカついている人は、この本を読めば少しは発散できるかも?いや、発散まではできないが、同病相哀れむというか、「そうそう、そうなのよ!」と思うだけで、多少は慰めになるかもしれない。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『The Devil Wears Prada』/Lauren Weisberger (著)
ペーパーバック: 320 p ; 出版社: Broadway Books ; ISBN: 0767914767 ; (2004/04/01)
Book Description
歴史に並みいる上司にしたくない上司のなかでも最低最悪の上司を描いた、愉快でおしゃれな小説。

大学出たてのいなか娘アンドレア・サックスは、「百万人の女の子が羨望のまなざしを贈る」職をものにした。ランウェイ誌の編集者として大成功を収めた、かの有名なミランダ・プリーストリーのアシスタントに採用されたのだ。

アンドレアが勤務することになった編集部は、どこを向いても「プラダ!」「アルマーニ!」「ヴェルサーチ!」という叫び声が飛び交い、信じられないほどスレンダーで、胸がきゅんとなるほどおしゃれな女性たちと、長年の熱心なジム通いの成果を見せつける、細かいリブ編みのタートルネックセーターとタイトな革パンツ姿のさっそうとした男性たちであふれかえっていた。ところが、その流行の最先端を行く洗練された編集部員たちのだれもが、ミランダの一声でいともたやすく、おびえてべそをかく子どものようになってしまう。

いわゆる「鬼上司」に対するぐちを、思いきり笑える魅力的な物語にしたてあげたのが『The Devil Wears Prada』だ。そこでは、新聞のゴシップ記事や、コスモポリタン誌の愛読者が集まるトレンディーなカクテルパーティーでの噂話でわずかにかいま見られるにすぎない、上流階級の人々の暗く悪魔的な裏の顔が、すがすがしいほど無邪気で機転のきいたアンドレアの語り口で暴露されていく。

まだ店頭に並んでいない「ハリー・ポッター」の最新作をパリに住むミランダの子どもに自家用機で届けたり、いつかミランダがちらりと見かけて惚れこんだという年代ものの洋服だんすを売る、名もない骨董品屋を捜したり、舌が焼けるほど熱い、好みの温度ぴったりで、ミランダにカフェラテを出さなければならなかったり、アンドレアには毎日が試練の連続だった。それも日中にとどまらず、電話であれをしろ、これをしろとどなりまくられて、仕事が深夜におよぶこともしばしば。そんな仕打ちに耐えているのも、目当ての雑誌社でいい仕事にありつくため、ミランダに推薦状を書いてもらうというご褒美を期待しているからだ。

しかし、最初はちょっと受け入れがたいという程度だった要求が、どう考えても常軌を逸したものにエスカレートするにつれ、アンドレアは気づきはじめる。百万人の女の子が羨望のまなざしを贈るその仕事は、いつかほんとうに私を殺すかもしれない。いえ、たとえ命は助かっても、魂を売りわたすに足る仕事なのかどうか、もう一度考え直さなければ、と。


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2005年08月29日(月)
読者の正しい反応?

パトリシア・ハイスミスの 『世界の終わりの物語』 の訳者あとがきを読んでいたら、「(ハイスミスは)書いてはいけない危険なものを書いてしまった」とあった。ちょっと待てよ、いつ出された本なの?と思って見たら、2001年であった。言論の自由がなかったというような大昔の話ではない。

そのあと、「こうした作品群は書いてはいけない小説であり、読んで笑ってはいけない小説である。それでは読んで笑ってはいけないのなら、どういう反応をするのが正しいか。実は、正しい反応の仕方はない。なんとも居心地が悪くなって、読まなければよかったと思い、読んだことを忘れるしかおそらく手だてはないだろう」とある。

この訳者は、ハイスミスが嫌いなのか?こんなことを言うくらいなら、訳さなければいいのにと思う。第一、「読んで笑ってはいけない」とか「どういう反応が正しいか」なんて、ものすごくナンセンスじゃないかと思う。読者が100人いたら、100人それぞれの反応があっていいはずだし、その中には、もちろん笑う人もいるだろう。

これはきっと一種の冗談で、このあとに正反対のことでも書いてあるんだろうと思ったら、そういうこともなく、結局のところ、大真面目にこうしたことを言っているのだ。嘘でしょ!?という感じ。よほどお堅い翻訳者なのか?

この翻訳者は、ハイスミスは「意地悪婆さん」であり、「冷ややかな世相ウォッチャーとなったハイスミスは、いったいどのように晩年を暮らしたのだろうか。誰から嫌われてもいいと腹をくくって生きていたのだろうか。そんな想像をしてみると、こちらまで暗澹とした気分になってくる」とまで言っている。

最後には、この本には関係のないところから作品を引っ張り出してきて「・・・ハイスミスの心の中には、きっとそんな日溜りのような世界があったのだ。少なくとも、わたしはそう信じたい。そう信じないと、作者も読者も救われない」とある。

なんだろうな、このあとがきって・・・。私は、ハイスミスが意地悪婆さんとも思わなかったし、キレのいい風刺が冴えてる!と思っていたくらいだから、このあとがきにはびっくりした。小説家は、社会的にも政治的にも無難なことだけ書いていればいいというのか?例え、思想的に偏った小説だったにしても(ハイスミスの思想が偏っているわけではないが)、読者がそれを読んでどう感じるかは、「・・・してはいけない」などと言われることではないだろうと思う。

しかし、「読まなければよかったと思い、読んだことを忘れるしかおそらく手だてはないだろう」などと言わなければならない本ならば、翻訳の仕事など請け負わずに、読者の目から隠すほうに尽力すべきじゃないのか?と思いもする。最後まで読んだ読者に対して、こんな言い方はないだろうと思う。非常に気分が悪い。翻訳者も一読者として考え、個人の感想として読めば、それはそれで構わないのだが。

ちなみに、裏表紙にある若島正氏の解説には、「おそろしく、おかしく、おぞましく、そしてとびきりおもしろい」とある。私も、未来を的確に予言しているような(実際に現在のことではないかと思えるような作品もある)鋭い風刺は、秀逸だと思っている。そう思う私は「意地悪婆さん」なのか?


〓〓〓 BOOK

◆Amazonから

『The Big Book of Su Doku 1』/Mark Huckvale (編纂) ¥939
ペーパーバック: 198 p ; 出版社: Newmarket Pr ; ISBN: 1557047030 ; (2005/08/30)


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2005年08月28日(日)
ZYDECO最高!

昨日届くのではないかと楽しみにしていたのに、届かなかったので、すごくがっかりしていたCAJUN&ZYDECOのCDが届いた。早速聴く。演奏している人も楽しそうだし、聴いてるほうも楽しくなるし、これってやっぱり最高!

実はこの2枚の中に、「ジャンバラヤ」が3曲入っている。どのミュージシャンの「ジャンバラヤ」も、それぞれ個性があって、甲乙つけがたい。日本ではZYDECOをやるバンドは少なくて、コミックバンドかと勘違いされたりもするが、そういう状況が非常に残念。機会があれば、自分でもやりたいくらい。

ところで、「CAJUN」と「ZYDECO」は、どこがどう違うのだろう?と思っていたが、ZYDECOはアコーディオンと、胸にかけて演奏するウォッシュボード(ラブボード)を使うところが違うんだろうなと思うくらいで、はっきりした違いはわからなかった。でも、ケイジャンはフランスから来た移民がルーツなので、フランス語の歌詞が多い。それに、アフリカ音楽も混じっている感じだ。でも楽しくていいなあ。

女性が歌っている曲もあるのだが、基本的に男っぽい感じ(マッチョなゲイでもいいが)。シャンソンとかはあまり好きではないのに、こちらのフランス語はいい。簡単そうに聞こえるけれど、リズムを取るのが難しそうだ。

今回購入したCDは、どんなものか全くわからずに買ったのだが、2枚ともアタリだった。すごく気にいった。演奏しているミュージシャンの中に、「The Cajun Playboys」というのがいるが、それを見て、ニューオーリンズのレストラン、ケイジャン・キャビンで演奏している「Mitch Cormier and the Can't Harldly Playboys」というバンドの名前を思い出した。バンド名が超笑える。私たちが見たバンドがそのバンドだったかどうかは定かではないのだが。

CAJUNとかZYDECOには、カントリー・ミュージックの要素も混じっているらしいので、私って、カントリーも好きだったのか・・・と思って「カントリー・ロード」を聴いてみると、あれにはウェスト・ヴァージニアが出てくるから、なんと南部の歌だったんだ!と改めて思った。

が!ウェスト・ヴァージニアはヴァージニア州西部のことかと勝手に勘違いしていたのであって、ヴァージニア州の隣に、ちゃんとウェスト・ヴァージニア州というのがある。こちらは南部ではない。アメリカ南部はどこからどこまでかというのも最近ようやくわかったくらいなので、てんでいい加減なのだ。そうなると、ウェスト・ヴァージニア州は北部?東部?いや、中西部?このあたりもまた定かではない。でもまあ、ウィリー・ネルソンのコンサートでも感激してたんだから、やっぱりカントリー・ミュージックも好きなんだな。

さて、せっかく金曜日に新しいクーラーがついたのだが、何かと忙しくて、あちらこちらの更新がたまっている。読書もそっちのけ・・・と思っているうちに、体調不良時期。でも、ZYDECOのCDがあるので、なぜか気分良し。あのリズムがツボかも。


◆Amazonから [Music CD]

Best Of Louisiana Cajun Classics : Cajun & Zydeco's Greatest Artists [COMPILATION] [FROM US] [IMPORT]/Various Artists ¥2176
CD (1995/01/30)
オリジナル盤発売日: 1989
Mardis Gras - ASIN: B000005XDU
INDEX
1. JOLIE BLONDE/Balfa Brothers
2. TWO STEP de LACASSINE/Balfa Brothers
3. LA VALSE de DEUX FAMILLES/Dewey Balfa
4. HOMMAGE AUX FRERES BALFA/Beausoleil
5. POT-POURRI CADJIN/Beausoleil
6. JAMBALAYA/Doug Kershaw
7. BUCK'S NOUVELLE JOLE BLON/Buckwheet Zydeco
8. ZYDECO SONT PAS SALE/Clifton Chenier
9. TWO STEPPIN THE TWO STEP/Rockin Sidney
10. ZYDECO GRIS GRIS/Beausoleil
11. JOE PITRE/Zachary Richard
12. JAMBALAYA/Zachary Richard


Super Cajun!: TBest of Cajun/Zydeco [COMPILATION] [FROM US] [IMPORT]/Various Artists ¥2176
CD (1996/11/19)
オリジナル盤発売日: 1996/12/31
Mardis Gras - ASIN: B000005XF8
INDEX
1. DANCE, Cajun, Dance!/The Cajun Playboys
2. BOSCO STOMP/The Cajun Playboys
3. JAMBALAYA/Waylon Thibodeaux
4. GRAND MAMOU/Waylon Thibodeaux
5. HOUND DOG ROLL/Jude Taylor
6. ZYDECO MACARENA/Jude Taylor
7. MIDNIGHT MOOD/The Zydeco Hurricanes
8. BARNADETTE/Fernest Arceneaux
9. JOLIE BLONDE/Fernest Arceneaux
10. PETIT OU LA GROSS/Waylon Thibodeaux
11. BIG TEXAS/The Cajun Playboys
12. COLINDA/The Cajun Playboys
13. PERRODIN TWO STEP/Waylon Thibodeaux
14. ALLONS A LAFAYETTE/The Cajun Playboys


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2005年08月27日(土)
アーヴィングの朗読テープ

マイアミから、アーヴィングの朗読テープが届いた。これはマーケットプレイスにオーダーしたもので、海外から送ってくるので、こちらははなから2週間くらいはかかると了承していたのに、品物も届いていないのに、Amazonから「早く評価をしろ」と催促されてうんざりしていたものだ。

商品は新品で、出品者にも何の問題もなかったのだが、Amazonのほうで、そういう商品をどう取り扱っているのか、またしても「Amazonていい加減なんだな」と思う出来事だった。

何はともあれ、アーヴィング自身が朗読しているテープだから、これはお宝。読んでいる作品は、『ガープの世界』の作中作である「ペンション・グリルパルツァー」。内容は、『ホテル・ニューハンプシャー』っぽいといったところか。

ロンドン行き、一時は決定かと思ったが、日程が合わずキャンセルすることに。病院に行ったついでにHISまで行き、キャンセルしてきた。やはり、私にはヨーロッパは遠いということかも。

ニューオーリンズのまゆみさんからメールがあり、ジャミール・シャリフが「上を向いて歩こう」をマスターしたがっているので、メロディと歌詞を教えてあげているとのこと。「今度来るときには、きっとマスターしてますよ」と言われると、すぐにでも聴きに行きたくなってしまう。ジャミールの「スキヤキ」は、どんな感じなんだろ〜?


〓〓〓 BOOK

◆マーケットプレイス

『Pension Grillparzer (Plants & Gardens)』 [Audio Tape]/John Irving (著・朗読)
価格: ¥1914
マーケットプレイス(新品): ¥728+送料¥340=¥1068
(Miami, Florida Caiman America) 
カセット: 出版社: Audio Partners ; ISBN: 0945353391 ; (1989/12/31)


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2005年08月26日(金)
パトリシア・ハイスミス

パトリシア・ハイスミスは、「リプリー(映画「太陽がいっぱい」の原作)」で有名だが、作品を読んだのは初めて。以前に「INFORMATION BOARD」で取り上げたことがあるのだが、表紙もあまり気にいってなかったので特に読もうとは思っていなかったのに、図書館で見つけたので借りてみたところ、結構面白かった。

ハイスミスは、もともとSFというかミステリというか、そういう作風なので、短編でもそのあたりが自分の好みに合っていたのだと思うけれど、テーマの目のつけどころが面白い。

短編の場合、「目のつけどころ」は重要なポイントだと思う。イタロ・カルヴィーノや、T.C.ボイルなどの短編が好きなのは、みな「目のつけどころ」がいいからだ。それに、一昔前のスタイルと言ってしまえばそれまでだが、ハイスミスの短編は、起承転結がはっきりしていてわかりやすいというのもある。

さて今夜は、神宮にて野球観戦。台風一過ですがすがしいかと思いきや、フェーン現象だろうか、そよとの風もなく、じっとしているだけでサウナ状態。久々の神宮なのに、横浜もサヨナラ負けでがっくり。

帰りに、近頃はまっているZYDECO系の「ジャンバラヤ」でも歌うかと、皆でカラオケに行ったのだが、目当ての「ジャンバラヤ」がなくて、またがっくり。結局二丁目にハシゴして、「ジャンバラヤ」は歌えたものの、今いち乗り切れなかった。寝不足のせいか・・・。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『世界の終わりの物語』/パトリシア・ハイスミス (著), Patricia Highsmith (原著), 渋谷 比佐子 (翻訳)
単行本: 284 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 扶桑社 ; ISBN: 4594030602 ; (2001/01)
内容(「BOOK」データベースより)
生体実験の遺体を埋めた墓地に、異常繁殖する巨大キノコ。大海原に展開する、クジラ対人間の死闘。放射性廃棄物の処理に窮した政府が打った秘策と、その恐怖の顛末。国連の援助委員会の入国にむけて、騒動がエスカレートするアフリカの独裁国家。高級高層マンションの巨大ゴキブリに挑む、人間たちの無力な戦い。福祉政策と介護施設によって生きつづける、200歳の老婆。保身に走るアメリカ大統領とその一派が引き起こす、地球終末の序曲…狂った自然と人間のさまざまな崩壊を、晩年のハイスミスが自由闊達にに綴った最後の短編集。おそろしく、おかしく、おぞましく、そしてとびきりおもしろい、世界の終わりの物語。


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2005年08月25日(木)
本の行方

また台風である。窓を開けると雨が吹き込んでくる。まだクーラーのないPC部屋であるから、いくらほとんど空気が動かない部屋、通気の悪い部屋とはいえ、窓が開けられないのは辛い。

クーラーは、明日取り付けに来る予定。明日までの辛抱だ!と別の部屋で待っているのはいいが、その前にPC部屋の本の山をどかさなければならない。それで大汗かいてしまい、脱力状態。

売るか、捨てるかしろ!

とは、本のことである。和書は近くのBOOK・OFFに売れるからいいのだが(読み終えていれば)、洋書が困る。未読のものは、図書館に「寄付します」なんて言った覚えもあるのだが、重たいので、なかなか持って行けない。

洋書は、新宿通りにある古本屋で買ってくれるそうなのだが、「買ってもいいけど、安いよ」と言われては、なんだか売る気も失せる。そのかわり、そこは読んで筋の付いたPBでも引き取ってくれるそうだ。BOOK・OFFだって、けして高く買ってくれるわけじゃないが、誰か読む人がいるなら、安くても捨てるよりはいいかしらん?と思う。

それにしても、先日BOOK・OFFに東大の英語の教科書を売りに行ったら(柴田元幸氏編集のもので、普通に書店で売っている)、買ってくれなかった。全然読んでないんだから、新品同様なのに!って、東大の教科書なんか、せっかく買ってもどうせ勉強しないということが丸分かり。(^^;

しかし、一生懸命集めた本を、まるでゴミか何かのように、処分しろ!というアポロ13号は、鬼である。たしかに、手に入れるのが楽しいのだとも言えるが、それでも、私にとって本は宝なんである。他人にはゴミに見えても、私にはブランド品なんかより何十倍もの価値がある。

『指輪物語』のコレクションか、ヴィトンのバッグか、どちらかを捨てなければならないと言われたら、迷わずヴィトンを捨てる。アポロ13号に、『指輪物語』かゴルフのドライバーかと聞いたら、迷わずドライバーを選ぶだろうというのと同じだ。

ともあれ、今図書館で借りている本を読み終えたら、その後は家の中の本を読むことに専念し、読み終えた和書は、どんどん売り払おう。BOOK PLUSも、もうどんづまりでなかなか出てこないから、「BOOK PLUS全巻読みます」計画は終了ということにして、せっかく全巻揃えたんだけれども、思い切って売ってしまおうっと。


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2005年08月24日(水)
ロンドン行き決定?

ロンドンから一時帰国中の山本さんと、立原さん、小松さんという青山先生のクラスの友人に会う。実は、この秋に皆でロンドンに行こうという話があり、たまたま格安航空券を見つけたこともあり、一挙に実現に向かって話が進み始めたのだ。

山本さんに、いろいろロンドン事情を聞きながら、どうやら行くことになりそうな話になった。帰りにHISに寄って、航空券のことなど相談したので、まだはっきり決定したわけではないが、たぶんこれで進んでいくだろう。


山本さん、ホテルのボールペン&アーヴィングの記事が載っている雑誌、ありがとうございました!立原さん、おいしいお煎餅、ありがとうございました!

あ、小松さんに、パトリシア・ハイスミスの話をするのを忘れた!せっかく会う前に読んでいたのになあ・・・。


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2005年08月23日(火)
『新訳アンクル・トムの小屋』

図書館に本を返却しに行った。その前に、アリステア・マクラウドのもう1冊の短編集『冬の犬』を大急ぎで読む。ジーン・ウルフの『ケルベロス第五の首』は、結局読了できなかった。読み始めたはいいが、話に入り込む前に返却期限が来てしまったのだ。期間を延長するほどのめりこんでもいなかったので、あっさり返してしまった。なんとなく、自分自身がSFを読む雰囲気じゃなかったし。

このところ新しい本も続々届いていて、そちらのほうに気が行ってしまっているため、今借りている本(ゼイディー・スミスとキアラン・カーソン)に、全く興味がわかなくて困っているというのに、なんとなく図書館から手ぶらで帰るのももったいない気がして、また3冊借りてきてしまった。

あっちを読んだり、こっちを読んだりして、全然集中していない。特に短編集を読んでいるとそうなりやすいので、私の場合は要注意なのだ。短編集は、ひとつの話が終わっていれば、途中で他の本を読んだって一向にかまわないわけだから、ついつい気を引かれる本があると、そちらに行ってしまって、肝心の短編集は、なかなか読了できない羽目に陥る。そういうわけで、短編集はなかなか片付かないから(物理的にも)厄介なのだ。

今日読んだマクラウドの本は、とにかく今日返すのだからと、一気読みした。私って、こんなふうに切羽詰らないと、短編集は読み終えられないのかも。

で、今日借りたのは、よりにもよって『新訳アンクル・トムの小屋』である。大判の単行本で、とっても分厚いやつだ。これだけで2週間かかってもおかしくないよというくらいの本だが、計算によれば、3日ほどで読まなくてはならないことになっている。この本の場合は、読了できなければ延長する気でいるのだが。

ニューオーリンズのプランテーションハウス(オークアレイ)のショップで、この「アンクル・トムの小屋」の原書がたくさん売っていた。実は私もWordsworth版のPBで1冊持っているのだが、これはハードカバーのほうがいいなあと思い、ぜひとも買って帰りたかったのだが、持って帰ることを考えて、ここでも諦めた。

それと、ニューオーリンズに行く前に借りて読み始めたが、途中で出発日が来てしまい、やむなく返したジュリー・スミスの『死者に捧げるジャズ』もあったので(大久保図書館の蔵書なのに)、それも借り、以前からちょっと気になっていたパトリシア・ハイスミスの本も借りた。ちなみにこれも短編集だ。

昨今、海外でも日本でも短編集が増えた。短編のほうが気楽に読めると思われているのだろうか?私の場合は、短編のほうが難しいし(書くのも読むのも)、1編ごとに気持ちが途切れてしまうため、長編よりも読みづらいと感じているので、こういう状況は非常に困惑する。上手い作家の短編は大歓迎だけれど。

ちなみに、「リプリー(太陽がいっぱい)」で有名なハイスミスは、昨今の作家に入れるべきかどうか?現代の作家とはいえ、すでに亡くなっているし、今現在活躍しているわけではないので、いわゆる昨今の作家には入らないだろうと思うけれど。

というわけで、「アンクル・トムの小屋」みたいな長編のほうが、物語の中にゆっくり身をおくことができ、気持ちも徐々に高めていけるので、個人的には大好きなのだ。だから、こういう本を逆に何分冊にもしてしまう行為というのは、あまり賛成できないし、はっきり言えば嫌い。もとが分厚いなら、分厚いままでいい。持ち歩けないというなら、持ち歩き可能な別の本を読めばいいだけのことだ。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『冬の犬』/アリステア・マクラウド (著), 中野 恵津子 (翻訳)
単行本(ソフトカバー): 262 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 新潮社 ; ISBN: 4105900374 ; (2004/01/30)
出版社/著者からの内容紹介
カナダ東端の厳冬の島で、祖先の声に耳を澄ませながら、人生の時を刻む人々。彼らの傍らには、犬、牛、馬、鷲などの動物たちが、いつもあった。人生の美しさと哀しみ、短篇小説の気品に満ちた8編。
目次
すべてのものに季節がある
二度目の春
冬の犬
完璧なる調和
鳥が太陽を運んでくるように
幻影

クリアランス


◆図書館貸し出し

『新訳 アンクル・トムの小屋』/ハリエット・ビーチャー・ストウ (著), 小林 憲二 (翻訳), Harriet Beecher Stowe
単行本: 628 p ; サイズ(cm): 21 x 15
出版社: 明石書店 ; ISBN: 4750310832 ; (1998/10)
内容(「MARC」データベースより)
これまで不当に低く評価されてきた「アンクル・トムの小屋」。合衆国の過去と現在を正しく知るためにこの作品を読むという意味で、最良の新訳。作品と作者の綿密な解説、黒人文化・社会史年表等資料を付す。

『死者に捧げるジャズ』/ジュリー・スミス (著), Julie Smith (原著), 長野 きよみ (翻訳)
単行本(ソフトカバー): 437 p ; サイズ(cm): 19
出版社: 早川書房 ; ISBN: 4150016518 ; (1997/07)
内容(「BOOK」データベースより)
ニューオーリンズ伝統のジャズ・フェスティヴァルを数日後に控えた四月のある夜、祭りのプロデューサーであるハム・ブロカートが自宅で刺殺体となって発見された。気さくな人柄で誰からも愛されていた彼をいったい誰が?それと時を同じくしてハムの異母妹メロディが忽然と姿を消した。彼女が兄を殺した犯人なのか?それとも殺人を目撃して犯人に拉致されたのか?メロディの行方を捜す女刑事スキップは、やがてブロカート一族にまつわる過去の痛ましい出来事を掘り返すことに。

『世界の終わりの物語』/パトリシア・ハイスミス (著), Patricia Highsmith (原著), 渋谷 比佐子 (翻訳)
単行本: 284 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 扶桑社 ; ISBN: 4594030602 ; (2001/01)
内容(「BOOK」データベースより)
生体実験の遺体を埋めた墓地に、異常繁殖する巨大キノコ。大海原に展開する、クジラ対人間の死闘。放射性廃棄物の処理に窮した政府が打った秘策と、その恐怖の顛末。国連の援助委員会の入国にむけて、騒動がエスカレートするアフリカの独裁国家。高級高層マンションの巨大ゴキブリに挑む、人間たちの無力な戦い。福祉政策と介護施設によって生きつづける、200歳の老婆。保身に走るアメリカ大統領とその一派が引き起こす、地球終末の序曲…狂った自然と人間のさまざまな崩壊を、晩年のハイスミスが自由闊達にに綴った最後の短編集。おそろしく、おかしく、おぞましく、そしてとびきりおもしろい、世界の終わりの物語。


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2005年08月22日(月)
ダグラス・マッカーサー

私はマッカーサー元帥に少なからぬ憧れを抱いており、以前からダグラス・マッカーサーに関することを知りたいと思っていたのだが、マッカーサー研究書はたくさんあるものの、どれを読んだらいいのか、皆目見当がつかなかった。

それと、とある必要性から、息子であるアーサー・マッカーサーについても知りたいと思っていたのだが、こちらは本人は存命中であるにもかかわらず、行方知れずという状況で、情報は故意に消されたかのように、全くない。ジャズ・ミュージシャンで、最近では母親が亡くなった時、お葬式に現れたのが最後というくらいしかわからない。ともあれ、息子について知るにも、まずは父親のマッカーサー元帥のほうからと。

とりあえず、目に付いたものを片っ端から読めばいいのかもしれないが、今年「アラブとイスラエル」の授業をしてくださった近藤先生が「歴史は主観的な学問である」とおっしゃっていたし、そうなると、その歴史に関わった本人が書いたものが一番的を射ているのではないか?と思い、マッカーサー本人の回顧録を買ってみた。

逆に、本人だからこそ良い事しか書かないというのもあるだろうが、私の目的のためには、それでもいいのだ。本人が言っているのだから、間違いないという説明ができれば、それでいい。今すぐ読めるかどうかは疑わしいが、とりあえず一歩進んだという感じ。

それから、黒原敏行氏の翻訳本が2冊出たので、それもまとめて購入。で、その中の1冊の『驚異の百科事典男 世界一頭のいい人間になる!』という本だが、タイトルを見ると、なんだハウツー本かとも思うが、ところがどっこい!の本なのだ。これはれっきとした小説で、しかも桁外れに面白い。これはノンフィクションなのか、いややっぱりフィクションだよねという感じ。こちらもすぐに読む予定ではなかったのだが、パラパラと最初を読んだだけで、うっかりはまってしまった。

黒原氏と言えば、コーマック・マッカーシーの「国境三部作」や、ジョナサン・フランゼンの『コレクションズ』、最近ではマイケル・ムーアの『華氏911の真実』などの翻訳で有名だが、いつも感心するのは、本によって文体が全く違うことだ。「この人の翻訳は、みなこういう感じ」という翻訳が多い中で、これは素晴らしいことだと思うし、常に勉強を怠らない翻訳家の鑑というようなものだと思う。

今回のA.J.ジェイコブズは、「黒原氏に翻訳してもらって嬉しい。黒原氏は僕よりも英語が上手いから」と言っている。そりゃ経歴が経歴だけに、当然英語は上手いでしょうよと思うが、翻訳は英語が上手いだけでできるものではないというのは誰もがわかっていることだろう。黒原氏の場合は、作品の雰囲気を日本の作家に置き換えたらどんな感じかと、日本語の語感を大事にしているところが、毎回文体を変えることのできる要因だと思う。

それはともかくとして、この『驚異の百科事典男 世界一頭のいい人間になる!』は、硬くなった頭を柔らかくし、なおかつ知識も身に付くという一石二鳥の本である。さらに、爆笑のおまけつき!ちょっと冴えない毎日だなと思う方は、ぜひこの本をお試しください。

ついでに、アニータ・シュリーヴの本は、またしても不倫話だった。考えてみれば、読んだ本は全て不倫話。「アニータ・シュリーヴ=不倫」という図式で固まってしまいそうだ。今回は、45歳の大人同士の恋の話だが、設定にだいぶ無理がある。最後には、どうしても一緒になれないことがわかる悲しい幕切れになるのだが、そういった切なさの描写は、『マディソン郡の橋』のほうが秀逸だった気がする。『マディソン郡の橋』も、けして好きな話というわけではないのだが、この本よりは数倍ましだなと。

この本の中の、いい大人の男女の手紙のやり取りを読んで、鳥肌ものだと思っていたのは私だけかな?これって、日本語訳にも難があるのかもしれないが、女性のほうは詩人という設定であるにもかかわらず、全然素敵な文章じゃなかった。詩人だから素敵な手紙が書けるというわけでもないんだろうけど。極端に言えば、ちょっとキモい。私は照れ屋だから、こういうのは読んでいて恥ずかしくなってしまってダメ。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『いつか、どこかで』/アニータ・シュリーヴ (著), 高見 浩 (翻訳)
単行本: 315 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 新潮社 ; ISBN: 4105900420 ; (2004/10/28)
カバーより
男がふと目にした詩人の写真は、あの夏の少女の面影を残していた。14歳の二人がサマーキャンプですごしたときめきの一週間から31年。ともに家庭に切実な問題を抱える大人となった彼らが果たした再会は、甘美にして狂おしい運命への序章となった─。『パイロットの妻』の著者が描き切る、感情の機微と官能の焔。


◆Amazonから

『影の王国』/アラン・ファースト (著), 黒原 敏行 (翻訳) ¥840
文庫: 456 p ; サイズ(cm): 15
出版社: 講談社 ; ISBN: 4062751712 ; (2005/08/12)


『驚異の百科事典男 世界一頭のいい人間になる!』/A・J・ジェイコブズ (著), 黒原 敏行 (翻訳) ¥1200
文庫: 701 p ; サイズ(cm): 16
出版社: 文藝春秋 ; ISBN: 4167651521 ; (2005/08/03)


『マッカーサー大戦回顧録(上)』/ダグラス・マッカーサー (著), Douglas MacArthur (原著), 津島 一夫 (翻訳) ¥1000
文庫: 274 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 中央公論新社 ; ISBN: 4122042380 ; 上 巻 (2003/07)
内容(「BOOK」データベースより)
太平洋戦争において極東軍司令官として米軍を指揮し、終戦後は連合国軍最高司令官として占領日本に君臨したダグラス・マッカーサー。彼が晩年自らの自で綴った「回想記」より、太平洋戦争勃発から日本占領統治に至るまでを抜粋収録。優れた戦略眼とユニークな発想で日本の運命を決した男の肉声を伝える貴重な文献。上巻では真珠湾攻撃からフィリピン撤退、ニューギニア戦を経て戦略を転換させるまでを描く。

『マッカーサー大戦回顧録(下)』/ダグラス・マッカーサー (著), Douglas MacArthur (原著), 津島 一夫 (翻訳)  ¥1000
文庫: 309 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 中央公論新社 ; ISBN: 4122042399 ; 下 巻 (2003/07)
内容(「BOOK」データベースより)
レイテ作戦を経て戦況は転換し、連合国軍はフィリピンを奪還、太平洋を北上し徐々に日本軍を追いつめていく。そしてついに日本は降伏。連合国軍最高司令官として厚木に降り立ったマッカーサーは、占領統治と国家改造という大仕事に着手する。至上の権力を手に日本の運命を決した男はそのとき何を考えていたのか。マッカーサー自らによる「回想記」より、太平洋戦争から占領統治までを収録。昭和天皇との会見シーンも興味深い。

※画像は原書 『Reminiscences』


Amazon.co.jp オリジナルブックカバー(ボルドー) ¥273
(Amazonギフト券 ▲¥273)
文庫: サイズ(cm): 16.2 x 31
出版社: ; ISBN: B0009WHOLM ; (2005/07/11)


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2005年08月21日(日)
熱中症気味

まだPC部屋のクーラーが壊れたままなので、暑くて何もやる気がしない。それでも、何やかやの更新はせねばならず・・・かといって、それが何かの得になるわけでもなし。全く、何をやっているのだろう?と疑問。

こんなことをしている間に、あんなこと、そんなことをやったほうが、よほど自分のためにはなるだろうに。でもサイトの更新って、今や日常生活の一部になっているので、突然やめるってわけにもいかないのが困りもの。ていうか、やめても誰も困りゃしないってことはわかってはいるんだけど。。。(汗

ああ、それにしても暑い!今日の室温は32度ですからぁ〜!もう熱中症だ。ウォーキングをして体が燃焼しているところに、夕食にお酒というガソリンを入れてしまったので、余計に暑い。明日はクーラーを買いに行く。なんで今日じゃなかったのかな?早く買いに行けばよかったのにとも思うが。夏バテには憧れているのだが、その前に熱中症には耐えられないなあ。

というわけで、もうやってられないので以上終わり!


〓〓〓 BOOK

◆Amazonから

『The Saints And Sinners Of Okay County (Ballantine Reader's Circle)』/Dayna Dunbar (著) ¥1382
ペーパーバック: 319 p ; 出版社: Ballantine Books (P) ; ISBN: 0345460405 ; (2005/06/28)
From Publishers Weekly
Thirty-something Aletta Honor, the protagonist of screenwriter Dunbar's quirky debut novel, is so pregnant she can't fit behind the wheel of her borrowed pick-up truck, and her husband, a drunk, cheating former high school basketball hero, Jimmy Honor, has left her and their three children. Stuck high and dry in Okay County on the Oklahoma plains in 1976 with a stack of bills piling up and no financial windfall on the horizon, Aletta resorts to peddling burnt, homemade kolaches (fruit-topped pastries) and powder-mix lemonade at the Okay Czech Festival parade. This fails, but when she inadvertently saves a woman's life through a psychic vision, Aletta reluctantly reconsiders using the gift of prescience that she first discovered at age eight to save her and her children from destitution. But her unwieldy supernatural powers often seems more of a curse, and she is never quite sure what someone's passing touch might reveal ("She didn't have any control over what came through. All she did was report it"). Her forecasts of future contentment or visions of painful past events unsettle Okay's upstanding citizens and earn her epithets like "Indian witch" and "psychic sorcerer." As Aletta embarks on her new career as a psychic reader, she's ostracized by Bible-thumping neighbors and forced to confront her mother's shame and an indirectly related family tragedy. Dunbar's no-frills writing style, engaging pacing and cast of kooky saints and sinners make Aletta's unconventional story about taking control of her life a pleasant, all-too-rapid read.
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2005年08月20日(土)
『ハサミを持って突っ走る』

ううむ、またPCいじられたかな?少しでも設定を変えられると、やりにくくて仕方がない。好きな時間に使えないし、ストレスは増すばかり。またH"使用のモバイルを買おうか・・・って、その分をイギリスへ行くためにとってあるわけだしぃ。。。何とか、ストレスで脳溢血など起こす前に、この状況を打破せねば。

さてと、オーガステン・バロウズの『ハサミを持って突っ走る』を読み終えた。タイトルに興味を惹かれて、図書館で借りたのだが、とにかく変な話だった。正常とは思えない所での、正常とは思えない人たちの話である。そうなると、「まとも」って何?みたいな感じになってきて、その正常とは思えない人たちの正常とは思えない行動が、普通に正常じゃないかと思えてくるから怖い。

これは、バロウズの13歳から18歳までの、なんだっけ?ええと、まあとにかく自伝的な話ってことで、カバー裏の写真を見てしまうと、「こいつが13歳であんなことをしちゃって、こうなっちゃったの?」みたいな感じで、なんだか気持ちが悪くなってもくるのだが、 ものすごくおまけをして 良い方にとれば、デビッド・セダリスの 『すっぱだか』 のようでもある。

セダリスは大好きなので、他人に「バロウズはセダリス(の作風)に似ている」などと言われたら、たぶん怒ってしまうだろうけど、自分で言う分にはいい。それに、本心からそう思っているわけでもないし。あえて言えばセダリスっぽいけれど、根本的には違うと思っている。なんたって、セダリスは正常とは思えない人の部類ではない。

でも、主人公が飄々としているところや、バロウズのユーモア感覚などは、たしかにセダリスに共通しているかもしれない。しかしこの小説は、猥雑だ。幸か不幸か、主人公が(バロウズがと言ってしまってもいいかもしれないが)あれやこれや経験した年齢を考えると、エログロな部分がかなりどぎつい。セダリスは読み終えるのがもったいない感じがしたが、この本は、何度か途中でやめたくなったりもした。セダリスのほうがはるかに上品であることは間違いない。

かといって、この本が面白くないというわけではなく、バロウズのユーモア感覚はなかなか好きだし、全体としては面白かったのだが、笑って読みすごすことのできなかった猥雑さが、どこか悲しい気分にもさせる。

ともあれ、ストレスがたまってくると、私もハサミでも持って突っ走りたくなってくる。要注意!


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『ハサミを持って突っ走る』/オーガステン・バロウズ (著), 青野 聡
単行本: 305 p ; サイズ(cm): 20
出版社: バジリコ ; ISBN: 4901784560 ; (2004/12)
内容説明
ぼくたちは見えないものを追いかけて走っている−。アル中の父と精神病の母に放り出され、患者のような精神科医の奇妙な家で過ごした痛ましくも可笑しい少年時代。


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2005年08月19日(金)
From New Orleans

ニューオーリンズから、ジャミール・シャリフのCDが届いた。ヤマグチトラベルのまゆみさんからだ。もちろんジャミールのサイン入り。 “Dear ○○” まで入れてくれた。うひゃあ〜っ感激〜っ!

再び「メゾン・バーボン」での夜を思い出し(って特にロマンチックなことも何もなかったけど)、またニューオーリンズが恋しくなった。まゆみさん、本当にありがとう!いくらお礼を言っても足りません。マジで、マジで嬉しいです!m(_ _)m

Jamil Sharif のサイト

アルバムには、ジャミールのサイトのトップで流れている曲も入っていて、私はこの曲がとても気にいっていたので、非常に嬉しかった。何曲か気にいった曲はあるけれど、ライブで最後に演奏した「聖者の行進」が入っていたのにも感激。普段は特に大好きという曲でもないが、思い出が重なると、音楽って特別になるものだ。

それにニューオーリンズでは、「聖者の行進」はあまりにも有名で、プリザベーション・ホールのミュージシャンなんかは、すっかり飽きてしまって演奏したがらないというのだから、いざ聴こうと思っても、案外聴けないものだったりする。

というわけで、このところZYDECOにもはまっているので、ついつい「ジャンバラヤ」か「聖者の行進」を口ずさんでしまう今日この頃。どちらも元気になれる曲なので、気分も上々。でも、やっぱりクーラーなしのPC部屋は暑い。ここは南部だと思えば我慢できるじゃないか!って、できませんて。なんか、今現在、ニューオーリンズのほうが涼しいらしいし。

ともあれ、また絶対に行きたいニューオーリンズ!南部生まれのバーダマン先生はともかくとして、青山先生や村田先生が南部にはまってるのって、ほんとによくわかる。青山先生の授業でやった、 Arna Bontemps の「Talk to the Music」 など、その時は雰囲気があまり良くは分からなかったが、今ならきっとわかるぞ!という感じ。もう一度読み直してみようっと!


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2005年08月18日(木)
ヴィゴ・モーテンセン新作映画



A History of Violence

In Theaters September 23 (at USA)

■ CAST ■

Viggo Mortensen
Ed Harris
Maria Bello
William Hurt
Ashton Holmes
Steph McHattie
Greg Bryk
Heidi Hayes


これはすごい!何がって、ヴィゴ・モーテンセンはエド・ハリスに似ている、というか、同じ系統の俳優だと言われており、キャラがかぶってしまうだろうから、この二人が共演するなんて絶対にないだろうと思っていたので、この情報を知った時には、ものすごく驚いた。でも嬉しかった。

二人とも好きな俳優なので、これが一緒に同じ映画に出てくれるとなれば、ファンとしてはたまらない。キャラがかぶるとはいえ、エド・ハリスは名優だし、まず心配はないだろうと思うが、どちらがどちらの役をやっても、いいのではないかという気も。もちろんこの映画では、「LOTR」のヒーローであるヴィゴが、再びヒーローになるようだ。

実際、この映画のヴィゴの写真を最初に見た時には、「あれ、ヴィゴ?なぁんだ、エド・ハリスか、にしては髪の毛がある・・・いや、やっぱりヴィゴだ!」と思ったほどだから、二人の「似ている度」は高い。

日本ではいつやるのかなあ・・・?これは絶対、間違いなく観に行く。もしかして、「ハリポタ4」と重なるかも?「ハリポタ4」を観なくても、これは観る。


ところで、ヴィレッジブックス版のマキャモンの新しい『少年時代』を買ってしまった。これは、単行本も文庫本も持っているのだが、文庫の下巻を除いて、すべて古本。しかし、他人の手垢のついていない自分だけの『少年時代』がどうしても欲しかった。

マキャモンの本は、いくつかを除いてほとんどが絶版になっているから、今から新品を買うのは難しい状態。『魔女は夜ささやく』が文庫で出れば、新品が買えると思っていたのだが、なかなか出てこないし、もう文庫は出ないのかもしれないと内心悲しく思っていたところ。そこに『少年時代』が新装版で出てくるとは、思いもよらなかった。これも驚きと喜びである。


〓〓〓 BOOK

◆Amazonから

『少年時代 (上)』 ヴィレッジブックス/ロバート・マキャモン (著), 二宮 磬 ¥882
文庫: 458 p ; サイズ(cm): 15
出版社: ソニー・マガジンズ ; ISBN:478972607X ; 上 巻 (2005/07)
出版社 / 著者からの内容紹介
誰もが心ふるわせた不朽の名作がふたたび!きらめく少年時代が今、鮮やかによみがえる。12歳、なにもかもがきらめいて見えていたあのころ・・・。アメリカ南部の田舎町で暮らす空想好きの少年コーリーはある朝、父とともに不可思議な殺人事件を目撃してしまう。そこからコーリーの冒険に満ちた一年間が始まった! 底なしの湖に車と共に沈んだ無惨な死体は誰なのか? 悪夢にうなされる父はしだいにやつれてゆき、コーリーは現場に残された緑の羽根を手かがりに、謎解きをはじめる。その過程で友や愛犬と体験する忘れ得ぬ体験の数々・・・。誰もが子どものころに持っていながらも、大人になって忘れてしまった魔法を信じる心をよみがえらせ、世界中の読書好きを夢中にさせた珠玉の名作!


『少年時代 (下)』 ヴィレッジブックス/ロバート・マキャモン (著), 二宮 磬 ¥945
文庫: 537 p ; サイズ(cm): 15
出版社: ソニー・マガジンズ ; ISBN:4789726088 ; 下 巻 (2005/07)
出版社 / 著者からの内容紹介
大人になっても忘れられない夏休みがある!淡い初恋、ガキ大将との決闘、初めてのキャンプ・・・。コーリー少年の毎日はさまざまな出来事に彩られ、あっという間に過ぎていった。しかし、殺人事件の謎は未だにコーリー一家の生活に影を落としつづけている。魂を持つ自転車に助けられながら幾多の危機を乗り越えて、真の勇気とはなにかを知り、愛するものを失う悲しみを知ったコーリー。魔法に満ち、すべてが輝いて見てた日々に別れを告げ、大人への階段をのぼりはじめた彼は、ついに殺人犯の正体を突き止めたかに思えたが、意外にもその人物は・・・。過ぎ去った12歳を懐かしむすべての人に捧げる、青春小説の大傑作。解説:池上冬樹。


『麦ふみクーツェ』/いしい しんじ (著) ¥700
文庫: 493 p ; サイズ(cm): 16
出版社: 新潮社 ; ISBN: 4101069220 ; (2005/07)


Amazon.co.jp オリジナルブックカバー(ブルー・文庫サイズ) ¥273
(Amazonギフト券 ▲¥273)


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2005年08月17日(水)
狼男との恋

アリス・ホフマンの『セカンド・ネイチャー』を読了。これはまたびっくり仰天な話で、これも初期の作品のため、ホフマンお得意のマジカルさはないけれど、こんなことあり?って感じの内容。

3歳のときに飛行機事故に遭い、乗客、乗員全員が死亡した中、ただ一人生き残った男の子は、狼に育てられ、過酷な自然を生き延びたのだが、猟師のわなにかかり、人間社会に連れ戻される。たまたま出会った(というか、出会うべくして出会ったというべきか)女性と恋愛関係に陥るが、そこで起こった連続殺人事件から、結局は社会に普通の人間としては認めてもらえず、再び自然の中へと戻っていく。

ホフマンは文章が上手いと思うが、それにしても狼男(いわゆる狼男ではないが)の気持ちなど、よく書けるなあと感心。内容的にうんぬんという以前に、たくましい想像力に感服してしまった。ああだこうだと感想など言いたくない作品だ。単純にストーリーにはまるだけでいいという感じ。最後はとても悲しい。どうにもならない恋の切なさみたいなものをひしと感じる。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『セカンド・ネイチャー』/アリス・ホフマン (著), Alice Hoffman (原著), 田辺 亜木 (翻訳)
単行本: 250 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 集英社 ; ISBN: 4087732428 ; (1996/02)
内容(「BOOK」データベースより)
男には名前がなかった。ひどく痩せていて、人前では声を出そうとしなかった。患者第3119号。人々は密かに"狼男"と呼んでいた。烈風を伴った雨が窓を激しく叩き、男はうずくまり震えだした。その時、女は手を伸ばし、男のコートの袖に触った。指の温もりが男の肌まで届いた。それは同情だったかもしれないし、何かほかのものかもしれなかった。女は長年暮らした夫との生活に傷つき、疲れていた。女は男を外に連れ出した。それが犯罪になることはわかっていたが…。狼に育てられた青年と年上の女性、奇跡のラブ・ストーリー。


◆図書館貸し出し

『直筆商の哀しみ』/ゼイディー・スミス (著), 小竹 由美子 (翻訳)
単行本: 557 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 新潮社 ; ISBN: 4105900382 ; (2004/03/30)
内容(「MARC」データベースより)
有名人のサインを売買し、そのあがりで悠々暮らす直筆商アレックス。迷い多きこの男に真実の幸せは訪れるのか。「実存」対「シンボル」というテーマにとめどなくコミカルな表現で挑んだ、英国文学の新鋭によるめくるめく長篇。

『琥珀捕り』/キアラン・カーソン (著), Ciaran Carson (原著), 栩木 伸明 (翻訳)
単行本: 346 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 東京創元社 ; ISBN: 4488016383 ; (2004/02)
出版社/著者からの内容紹介
ローマの詩人オウィディウスが描いたギリシア・ローマ神話世界の奇譚『変身物語』、ケルト装飾写本の永久機関めいた文様の迷宮、中世キリスト教聖人伝、アイルランドの民話、フェルメールの絵の読解とその贋作者の運命、顕微鏡や望遠鏡などの光学器械と17世紀オランダの黄金時代をめぐるさまざまの蘊蓄、あるいは普遍言語や遠隔伝達、潜水艦や不眠症をめぐる歴代の奇人たちの夢想と現実──。数々のエピソードを語り直し、少しずらしてはぎあわせていく、ストーリーのサンプリング。伝統的なほら話の手法が生きる、あまりにもモダンな物語! 解説:柴田元幸


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2005年08月16日(火)
宮城県で震度6弱

今日の宮城県沖の地震も大きかった。最初縦揺れではなかったから、だいじょうぶだと思ったけれど、徐々に大きくなっていったので、もしかして!とまで思った。異常に長かったし。震源地は関東だろうと思ったら宮城県のほうで、震度6弱。

アポロ13号が出かけてすぐだったので、今頃電車の中に閉じ込められているんじゃないだろうかと心配した。メールを打ったら、1時間半後レスが来て、四谷で5分ほど止まっていたとか。外出先で地震にあうと、怖いなあと。でも、今朝は予兆みたいなものがあって、空気が何か異常だと思っていた。

予兆といえば、ヤクルトの岩村がホームランを打つときは、なぜかわかるんだな。私はヤクルトファンじゃなくて、根っからベイスターズファンだってのに。でも、今年はどういうわけか、ヤクルトの試合ばかり観ている。ベイの試合なんか全然観に行っていない。

でも今月末の神宮でのヤクルト戦は観に行こうっと!ていうか、交流戦なんかがあったために、横浜がなかなか神宮に来なかったのだ。しかし、横浜まで行くのは容易じゃないし、東京ドームは嫌いだし、でも野球は観たいしで、結局ヤクルトの試合で、中途半端に満足している状況。月末には、やっとベイスターズの試合が観れる!


ところで、え?ホリエモンが選挙出馬?自民党が要請?自民党の議員先生方は、さんざんホリエモンの悪口を言ってたのに、何を今さらって感じだけど。。。何でもいいんだな、自民党。もうあきれ果てている。


〓〓〓 BOOK

◆Amazonから

New York Post Su Doku/Wayne Gould (著) ¥834
ペーパーバック: 176 p ; 出版社: Harpercollins ; ISBN: 0060885319 ; 1 巻 (2005/08/31)


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2005年08月15日(月)
『麦ふみクーツェ』

「翌朝起きると、街をおおう曇り空から、ねずみたちがふりだしていた」

図書館から借りている、いしいしんじの 『麦ふみクーツェ』 を読んでいるのだが、これがまた進まない。面白くないのではない。その反対だ。カラスが「くらげ、くらげ」と鳴くというのと同様、今度は空からねずみだ。

「孫をねずみでうしなうってのはいったいどんな気分です」と聞かれたり、「で、奥さんのどこに当たったんですか、そのねずみは?」なんて大真面目に言うものだから、おかしくて仕方がないのだ。「災難でしたね」なんて。ともかく、そんな調子で書かれているので、何度も読み返してくすくす笑っているものだから、ちっとも前に進まない。

話は「ねこ」というあだ名の主人公(中学生にして身長180センチを越す)が、お父さん(数学者で、毎日階段の12段目に座って数式を解いており、素数に異常にこだわる)とお爺さん(吹奏楽の王様。担当はティンパニ)の3人で暮らしているところへ、「とん、たたん」と音を立てて、麦ふみクーツェがやってくるところから始まるのだが、すべてがそのクーツェに関係があるのかないのか、とにかくいろんな奇想天外な話が書かれている。おかしい。

この本は、先月 文庫版 も出版された。図書館の返却日も迫っていることだし、もう文庫版買っちゃおうかなあ・・・などとも思ったりして。かなり気にいっているし、持っていてもいいなあと。いしいしんじは、この本で坪田譲治文学賞を受賞している。うーん、どうしようかな。。。とにかく返却日が気になる。延長って手もあるけど、いしいしんじの本を1冊くらい持っていてもいいかもぅ・・・と、なんとか購入する理由をこじつけようとしているのだ。


〓〓〓 BOOK

◆Amaoznから

『The Essential Book of Su Doku』/Peter Sinden (著) ¥1044
ペーパーバック: 224 p ; 出版社: Atria Books ; ISBN: 074328934X ; (2005/08/31)


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2005年08月14日(日)
大判ペーパーバックの憂鬱

ああ、がっかりだぁ〜!楽しみにしていたアン・ライスの『The Feast of All Saints』が届いたのはいいんだけど、トレード版のペーパーバックかと思っていたら、大判のやつだった。

私はこのサイズのPBってのが苦手なのだ。ハードカバーなら、そういうものだと思ってはなから問題にしないし、よもやマスマーケット版サイズなどとは考えもしない。届いたものがたまたまトレード版サイズだったりしたら、大喜びといったところなのだが、この大判のPBは、大きくてもトレード版だろうと見込んで頼んでいるわけだし、また寝転んで読むにもPBだからへなへなしてしまって、ハードカバーを持つのとはまた違った力が必要なので、読みにくい。

結局のところ、よほどでない限り後回しになるか、お蔵入りになるか、どちらかなのだ。せっかく楽しみにしていたのに・・・とは思うものの、まず装丁やサイズでがっかりすると、こういうことがしばしばある。

ジョナサン・フランゼンの 『The Corrections』 など、気にいったサイズに行き着くまでに3冊も購入し、挙句の果てには翻訳で読んでしまったりした。 T.C.ボイルの短編全集 も、この大判サイズだったため(ハードカバーなら迫力があっていいのだが)、なかなか読めずにいたところ、バーゲンでマスマーケット版を見つけたはいいが、あまりの字の小ささに仰天。これはとてもじゃないが読むのは無理だから持っている本でいいかと諦めた結果、いまだに読めずにいる。

もちろん、このサイズと知って買うものもある。それしか出ていない場合は仕方がないからだ。ともあれ、Amazonで本のサイズがきちんと表示されていないのが困りもの。


〓〓〓 BOOK

◆Amazonから

『The Feast of All Saints』/Anne Rice (著) ¥1579
ペーパーバック: 576 p ; 出版社: Ballantine Books (P) ; ISBN: 0345376048 ; Reprint 版 (1992/02/01)
Book Description
Before the Civil War, there lived in Louisiana, people unique in Southern history. For though they were descended from African slaves, they were also descended from the French and Spanish who enslaved them. In this dazzling historical novel, Anne Rice chronicles four of these so-called Free People of Color--men and women caught periolously between the worlds of master and slave, privilege and oppression, passion and pain.


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2005年08月13日(土)
「短編の名手」とは?

ふと気づいてみれば、17日までに2冊、23日までにさらに4冊、図書館で借りた本を読了させなければならない。読み終えた本の感想に浸っている場合じゃないなあとは思うものの、今いち気が乗らない。毎日イライラしている。全然落ち着かない。

そんなときに、どうやらPC部屋のエアコンが壊れたようだ。冷房にセットしても、生暖かい風がぼやぼやと吹いてくるだけで、ちっとも涼しくならない。今夜は雨のおかげで、窓を開ければ多少涼しい風が入ってくるのでなんとかなっているものの、この先まだまだ暑い日が続くのに、参ってしまう。

確実に壊れたとして、新しいのを買うのは仕方がないが(たぶんもう寿命だろう)、困るのは、取り外し&取り付け工事の際に、部屋にある本を全部どかさなくてはならないってこと。ああ、いやだ。

エアコンもなけりゃ困るが、それより何より、自分の書斎が欲しいなあ。書斎などという立派なものでなくてもいい。思い立ったときにPCがすぐに使える状態でありさえすれば!それができないがためにイライラして、毎日落ち着かないのだから。今日も精神安定剤を飲む。

さて、アリステア・マクラウド。私の苦手なアン・ビーティも「短編の名手」だったし、マクラウドも「短編の名手」と言われている。こうなってくると、主に短編を多く書いている作家は、皆「短編の名手」といわれてしまうのではないかとさえ思えてくる。ビーティとマクラウドを比較してしまうのは、あまりにも乱暴だが、何をもってして「短編の名手」なのか、それが私にはわからない。

「短編の名手」と言えば、大御所はやはりサマセット・モームで、個人的には彼を越えるものはいないとさえ思っているくらいなのだが、モームが書く短編と、現代の作家の書く短編は明らかに違っている。しかし、私はモームが書くような短編のほうが好きだから、現代の作家の「短編の名手」というのは、あんまりあてにならない言葉だと思う。とはいえ、これも個人的な好き嫌いの部類だろうから、ビーティもマクラウドも「名手」なんだろうと思う。

マクラウドの作品について書き出すと、とっても長くなりそうなので、ここでは適当なところでやめておくことにする。私自身の考えも、あまりまとまっていないことだし。ただ、1冊読んだ感じとして、マクラウドの力量は認めるものの、好みの作風ではなかったかなという感じだ。やっぱりこの人は長編のほうがいいんじゃないかと重ね重ね思った次第。だから、どうして「いい作家」ではなく、わざわざ「短編の名手」というのだろうなと思う。

こんなに辛い思いをしているんだ・・・と切実に訴えている作品は引いてしまいがちだ。マクラウドの作品に登場する人たちは、辛い状況でもそういう仕事が好きで(マクラウド自身も)、一生懸命に生きており、それはそれで素晴らしい人生だとも思えるのだが(ちょっと 『アンジェラの灰』 を思い出すような感じのところもあるから、単純に素晴らしい人生とも言えないとは思うが)、私の場合、これに限らず割に淡々と語られている話のほうがより感動するという嗜好のため、あんまり一生懸命生きられても、自分がぐうたらなだけに、重たくて受け止めきれないのだ。

ともあれ、今度は長編を読むのを楽しみに待つこととしよう。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『灰色の輝ける贈り物』/アリステア・マクラウド (著), Alistair MacLeod (原著), 中野 恵津子 (翻訳)
単行本: 238 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 新潮社 ; ISBN: 4105900323 ; (2002/11)
内容(「MARC」データベースより)
カナダ、ケープ・ブレトン島。苛酷な自然の中、漁師、坑夫を生業とし、脈々と流れる「血」への思いを胸に人々は生きる。世代間の相克と絆、孤独、別れを、語りつぐ物語として静かに鮮明に描く。隠れたる短編の名手による8篇。
目次

広大な闇
灰色の輝ける贈り物
帰郷
秋に
失われた血の塩の贈り物
ランキンズ岬への道
夏の終わり


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2005年08月12日(金)
ケープ・ブレトン島のロブスター

図書館で先に借りた本はひとまず置いておき、アリステア・マクラウドの 『灰色の輝ける贈り物』 を読み始めた。舞台はマクラウドが育った、カナダの ケープ・ブレトン島 で、「赤毛のアン」で有名なプリンス・エドワード島の東隣である。そこは、スコットランドよりもスコットランドらしいといわれている島だとか。しかし読んでいると、自然がとても厳しい土地のようだ。北方であるのはわかっているが、やはり南の島のように、のんびりと気楽には生きられない。

この本は短編集だが、その冒頭の作品「船」(The Boat 1968)を読んでいて、自分のお気楽さに唖然とした。

「ケープ・ブレトンの沖合いは、今でも豊かなロブスターの漁場で、五月から七月にかけてのこの季節、捕れたロブスターは氷の箱に詰められ、夜となく昼となく、道路を突っ走る大型トラックで、ニューグラスゴー、アマースト、セントジョン、そしてパンゴア、ポートランドを通って、ボストンへ運ばれ、ここで生きたまま、最後のわが家である煮立った鍋のなかに放り込まれる」

この文章自体は何のことはない描写だと思うが、私はボストンで、このロブスターを食べている。何の考えもなく、大喜びで。


ボストンで食べたクラムチャウダーとロブスターサンド

この文章の前後には、ケープ・ブレトンで必死に生きる漁師の姿が描かれており、最後には主人公の父親が漁の最中に海に落ちて死ぬという結末となっている。まさに、情け容赦ない自然の過酷さが描かれているのだ。

ケープ・ブレトンだけではなく、自然に関わる仕事をする人たちは、世界中どこでも死と隣り合わせで生きているのだと思うが、この話のこのロブスターは、ボストンのあのロブスターだったのか!と思うと、もっと有難く頂戴しなければいけなかったんではないかと。

普段、そこまで考えて物を食べてはいないのだが、マクラウドは残酷にも、自然の過酷さをあますところなく描いており、その仕事に携わる人々の苦労がひたひたと伝わってくるために、読んでいる側は、身につまされる思いがするのである。

これはたまたま、つい最近食べたロブスターの産地の話であったため、特にそう感じたのかもしれないが、この作品だけでなく、読み始める前に抱いていたマクラウドのイメージとは作風がずいぶん違っていた。人間的なものは超越しているような作家なのかと勝手に思っていたのだが、非常に人間的だ。

まだ3篇しか読んでいないので言い切ることは出来ないが、「短編の名手」と言われてはいるものの、個人的には、この人は長編のほうがずっといいのではないだろうか?という気がしている。図書館に長編も予約してあるので、それを読んでから、再び比較してみたいと思う。

アリステア・マクラウド(MacLeod,Alistair)
1936年、カナダ・サスカチェアン州生まれ。作品の主舞台であるノヴァ・スコシア州ケープ・ブレトン島で育つ。きこり、坑夫、漁師などをして学資を稼ぎ、博士号を取得。2000年春まで、オンタリオ州ウインザー大学で英文学の教壇に立つ。傍らこつこつと短編小説を発表。1999年刊行の唯一の長編『No Great Mischief』がカナダで大ベストセラーになったため、翌2000年1月、1976年と1986年刊の2冊の短編集の計14篇にその後書かれた2篇を加え、全短編集『Island』が編まれた。31年間にわずか16篇という寡作であるが、短編の名手として知られている。


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2005年08月11日(木)
ジョン・アーヴィングの児童文学

アーヴィングの絵本が届いた。これは、アーヴィングが絵本を書こうと思ってわざわざ書いたものではない。アーヴィングがよく使う「作中作」という形で書かれたもののひとつだ。

この絵本のもとになっている話は、『A Widow For One Year』 (邦題 『未亡人の一年』 )の作中作。以前から、単独で出版してほしいと思っていたので、こうして絵本になったことは非常に喜ばしい。下記の「ジョン・アーヴィングの児童文学」は私のサイトの1ページだが、この作中作の単独出版を願ってかなり前に作ったもので、「A Sound Like Someone Trying Not to Make a Sound」のほか、同「作中作」2作をまとめたものだ。ちなみに、他の作品の作中作である 「Pension Grillparzer」 は、アーヴィング自身の朗読テープがある。現在、オーダー中。

「ジョン・アーヴィングの児童文学」

さて、ここで上記の「ジョン・アーヴィングの児童文学」を見ていただけると幸いなのだが、絵本になった話のタイトルは、実は別の話のタイトルなのである。絵本になった話のほうは、もともとは「壁のあいだをはうネズミ」という話で、「誰かが音をたてないようにしているような音」というのは、モグラ男が出てくる、もう少し長い話になる。どちらも上記のページ内に収めてあるので、興味のある方は確認していただきたい。


〓〓〓 BOOK

◆Amazonから

『A Sound Like Someone Trying Not to Make a Sound』/John Irving (著), Tatjana Hauptmann (イラスト) ¥1579
ハードカバー: 40 p ; 出版社: Delacorte Pr ; ISBN: 0385746806 ; (2004/09/01)

→読了


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2005年08月10日(水)
『海辺の家族』

アリス・ホフマンの『海辺の家族』を読み終える。これは初期の長編で、現在の作品のようなマジカルな部分はあまりない。しかも中身はエイズの話で、非常に暗い内容。それも、輸血のせいでエイズになってしまった、自分には何の責任もない少女の話だから、何とも辛い。

しかしその少女が主人公というわけではなく、周囲の家族や友だち、学校や社会というものが、どのように対応していくのかといったことに焦点があてられている。

時代は、まだエイズに対して正しい知識が普及していなかった頃だから、妙な偏見を持つ親たちがたくさんいて、少女の弟の友だちなどは、無理矢理転校させられたりもする。だが確かな情報のない時に、我が子を思えば、当然のことなのかもしれない。

けれども、理不尽な死を受け入れなければならない少女の、やりたいことがたくさんあるのに何もできない悲しみとか辛さとかを思うと、どうにもやりきれない気持ちになる。

ちなみにこの話はボストン近郊の町の話で、始終ボストンとかニューヨークが出てくる。ニューヨークはともかく、あの美しくかわいらしい町ボストンのイメージを思い浮かべると、なおさら哀しさが増す話である。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『海辺の家族』/アリス・ホフマン (著), 深町 真理子 (翻訳)
単行本: 270 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 早川書房 ; ISBN: 4152076887 ; (1990/05)
内容(「BOOK」データベースより)
ボストンの北方、美しい海辺の町。天文学者の父親、カメラマンの母親、子供2人で暮すファレル家を、ある日突然悪夢が襲った。5年前の輸血で原因で、娘のアマンダがエイズを発症したのだ。驚き、怒り、悲しむ家族。感染を恐れる隣人たち。パニックに陥る学校。その中で、アマンダは女子体操の選手として全力をつくそうとする。ジョーゼフ・ヘラー、カート・ヴォネガットらがその才能の感嘆した作家が清冽な美しい文体で描きあげる、感動の長篇。 ※画像は原書 『At Risk』


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2005年08月09日(火)
アリステア・マクラウド情報修正

図書館で、アリステア・マクラウドの短編集を2冊借りてきた。先日書いたマクラウド本に関する疑問について、早速ことの真相を調べたところ、訳者あとがきに次のように書いてあった。

マクラウドのはじめての作品「船」が小さな雑誌にのったのは、1968年のことである。それ以来、1999年に初の長編小説が発表されるまでの31年間で、まずか2冊の短編集(1976年 『As Birds Bring Forth the Sun and Other Stories』 と1986年 『The Lost Salt Gift of Blood』 に各7篇ずつ)しか出されていない。にもかかわらず、マクラウドの作品は「モダンライブラリー 1950年以降に英語で書かれたベスト小説200」(選者はブッカー賞の審査員長を務めたこともあるカルメン・カリールとアイルランドの作家コルム・トイビン)に選ばれるほど高い評価を受け、熱烈なファンも生まれたが、なにしろめったに作品を発表しない作家の地味な短編である、一般の読者のあいだに広まらなかったのも無理はないかもしれない。

そんな知る人ぞ知るの作家だったマクラウドを一躍有名にしたのは、1999年秋に発表された長編小説 『No Great Mischief』 (邦題 『彼方なる歌に耳を澄ませよ』 )である。10年以上かかって書き上げられたこの小説は、たちまち「傑作」の折り紙がつけられてカナダのさまざまなベストセラーリストに入り、いくつもの賞を獲得した(国際IMPACダブリン文学賞、カナダ出版協会賞、ダートマス図書賞、ラドール賞、トリリアム賞など)。この長編小説の成功により、マクラウドの全短編集を望む声が高まり、その結果、2冊の短編集に収められた14篇にその後書かれた2篇を加え、2000年1月 『Island』 というタイトルで出版された。

というわけで日本では、この「既刊の短編集2冊+2篇」で構成された『Island』を、再度2冊に分けて出版したということになる。その際、「+2篇」があるから、オリジナルの短編集のタイトルを使うわけにはいかないということだったのだろうか。そのあたりは良く分からない。

とはいえ、こんなことは既にマクラウドの翻訳本を読んでいる人には周知の事実であり、私が今まで知らなかっただけ。原書で見つけようと思ったら、見つからないので疑問に思ったため、ここに書いておいたという次第。

どうでもいいようなことには反応があるのだが、本当に知りたいと思う情報は、なかなか教えてもらえない。世の中は甘くない。自分でコツコツ調べるしかないのだ。それでも、インターネットがなかったときのことを思えば、ものすごく便利にはなった。だから、誰か教えてくれるんじゃないかという期待は全く抱かない。たまに教えてくれる人がいると、神様のように思える。


〓〓〓 BOOK

◆Amazonから

『蹴りたい田中』/田中 啓文 (著) ¥735
文庫: 365 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 早川書房 ; ISBN: 4150307628 ; (2004/06/10)
内容(「BOOK」データベースより)
第二次大戦下で鬱屈する少年兵たちの、複雑な心象を描破した珠玉作「蹴りたい田中」で第130回茶川賞受賞後、突如消息を絶った伝説の作家・田中啓文。その稀有なる才能を偲んで、幼少時から出奔までの偉大なる生涯を辿る単行本未収録作8篇+αを精選、山田正紀、菅浩江、恩田陸などゆかりの作家・翻訳家・編集者らによる証言、茶川賞受賞時の貴重なインタビュウ「未到の明日に向かって」までを収録した遺稿集。


◆図書館貸し出し

『灰色の輝ける贈り物』/アリステア マクラウド (著), Alistair MacLeod (原著), 中野 恵津子 (翻訳)
単行本: 238 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 新潮社 ; ISBN: 4105900323 ; (2002/11)
内容(「MARC」データベースより)
カナダ、ケープ・ブレトン島。苛酷な自然の中、漁師、坑夫を生業とし、脈々と流れる「血」への思いを胸に人々は生きる。世代間の相克と絆、孤独、別れを、語りつぐ物語として静かに鮮明に描く。隠れたる短編の名手による8篇。
目次

広大な闇
灰色の輝ける贈り物
帰郷
秋に
失われた血の塩の贈り物
ランキンズ岬への道
夏の終わり


『冬の犬』/アリステア・マクラウド (著), 中野 恵津子 (翻訳)
単行本(ソフトカバー): 262 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 新潮社 ; ISBN: 4105900374 ; (2004/01/30)
出版社/著者からの内容紹介
カナダ東端の厳冬の島で、祖先の声に耳を澄ませながら、人生の時を刻む人々。彼らの傍らには、犬、牛、馬、鷲などの動物たちが、いつもあった。人生の美しさと哀しみ、短篇小説の気品に満ちた8編。
目次
すべてのものに季節がある
二度目の春
冬の犬
完璧なる調和
鳥が太陽を運んでくるように
幻影

クリアランス


『いつか、どこかで』/アニータ・シュリーヴ (著), 高見 浩 (翻訳)
単行本: 315 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 新潮社 ; ISBN: 4105900420 ; (2004/10/28)
カバーより
男がふと目にした詩人の写真は、あの夏の少女の面影を残していた。14歳の二人がサマーキャンプですごしたときめきの一週間から31年。ともに家庭に切実な問題を抱える大人となった彼らが果たした再会は、甘美にして狂おしい運命への序章となった─。『パイロットの妻』の著者が描き切る、感情の機微と官能の焔。


『ハサミを持って突っ走る』/オーガステン・バロウズ (著), 青野 聡
単行本: 305 p ; サイズ(cm): 20
出版社: バジリコ ; ISBN: 4901784560 ; (2004/12)
内容説明
ぼくたちは見えないものを追いかけて走っている−。アル中の父と精神病の母に放り出され、患者のような精神科医の奇妙な家で過ごした痛ましくも可笑しい少年時代。


『ケルベロス第五の首』/ジーン・ウルフ (著), 柳下 毅一郎 (翻訳)
単行本: 331 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 国書刊行会 ; ISBN: 4336045666 ; 未来の文学 版 (2004/07/25)
内容(「MARC」データベースより)
人間に似た異生物が住む惑星を舞台に、「名士の館に生まれた少年の回想」「人類学者が採集した惑星の民話」「尋問を受け続ける囚人の記録」の3つの中編が複雑に交錯する、謎と真実のタペストリ…。ゴシックミステリSF。


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2005年08月08日(月)
『プラネタリウムのふたご』

先日に引き続き、もう1冊いしいしんじの本『プラネタリウムのふたご』を読み終えた。これは、一応児童書の部類になっているのだが、結構深いなあと思った。宮沢賢治に似ているというイメージはどうしてもぬぐえないが、いしいしんじはいしいしんじの世界を確立していると思う。

話は、プラネタリウムに置き去りにされた銀色の髪の双子の少年テンペルとタットルの物語だが(プラネタリウムの解説員である泣き男が、テンペルタットル彗星についての解説をしているときに発見されたので、その名がついた)。

小さな町(日本のようでもあり、外国のどこかのようでもある)で、毎日プラネタリウムを見ながら育った双子のうち、テンペルはたまたま町に来た手品師の一座とともに町を去り、高名な手品師となる。かたわれのタットルは、町から一度も出ることなく、郵便配達の仕事をしながら養父の後を継ぎ、プラネタリウムの解説員となる。

それぞれの生き様を描きながら、不慮の事故でテンペルが死んだあと、タットルは自分に課せられた使命を知るという話だ。これが淡々と語られているにもかかわらず、涙せずにいられないような悲しみをもたらす。

テンペルの生涯も立派なものだったが、私は小さな町から出たこともないタットルの生涯に惹かれた。タットルには、その小さな町が彼の世界のすべてであり、そこで起こることが、タットルの意識の及ぶ範囲なのだ。たまに届くテンペルからの手紙や、目の見えないおばあさんに頼まれて読んであげる異国からの手紙など、どちらも胸がわくわくするような事柄だが、タットルは、それをけして自分には結び付けない。

しかし、おばあさんの死やテンペルの死によって、タットルは自分が何をしなければならないのか、何をしてはいけないのかを悟る。その悟りは、けして楽しいことではなく、むしろ苦悩すらするのだが、それが、これまで自分のしてきたことの報いであると思い、ひたすらそれを受け入れる。

折々の季節に見える星々の神話に重ね合わせるように、テンペルとタットルの話が語られていくさまは美しく、また神秘的である。最後は涙なくしては読めない。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『プラネタリウムのふたご』/いしい しんじ (著)
単行本: 452 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 講談社 ; ISBN: 4062118262 ; (2003/04)
内容(「MARC」データベースより)
注目の作家が描いた運命の不思議、心の救済。ふたごはプラネタリウムで生まれ、一人は手品師、一人は星の語り部となった。彼らが生まれながらに定められていた役割とは何か。坪田譲治賞受賞作家による書下ろし長編小説。


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2005年08月07日(日)
大魔神引退!

「ハマの大魔神」が引退を発表した。あーあ、やっぱりもうだめなのか。実際に引退を表明すると、悲しいなあ。ていうか、悔しい。大魔神ともあろうものが・・・(あれこれいろいろ)・・・バカだなあって。あんな立派な投手が、こんな幕切れで終わるなんて、非常に寂しい。早く目を覚ませばよかったのに、と言っても、聞く耳もたずだったんだろうなあ。

横浜佐々木が引退表明─nikkansports.com

横浜の佐々木主浩投手(37)が7日、横浜スタジアム内で会見し、今季限りで現役を引退することを表明した。佐々木は「悔いはありません」と語った。日米通算16年の現役生活で通算381セーブを挙げ、一時代を築いたストッパーがユニホームを脱ぐ。・・・続きを読む

横浜の佐々木が引退表明−日米381Sのストッパー─sanspo.com

プロ野球の横浜、米大リーグのマリナーズでストッパーとして活躍し、日米通算16年間で381セーブを挙げた佐々木主浩投手(37)が7日、横浜スタジアム内で会見し、今季限りで現役を引退することを表明した。

佐々木投手は5月に手術を受けた右ヒザの回復状態が思わしくないことを引退理由に挙げ「オールスターまでに納得いく投球ができなかったら(引退)と決めていた。悔いはありません」と語った。

横浜の牛島和彦監督はこの日、佐々木投手を9日、フルキャストスタジアム宮城で行われる巨人戦に登板させることを明言した。出身地・宮城県での試合が事実上の引退試合となる。・・・続きを読む


サンスポの記事に、「マウンドで打者を圧倒する姿が鮮烈だっただけに、晩年の衰えは残酷にさえ映った。(共同)」とあったが、本当に残酷に見えた。それに、もう「晩年」なんて言われちゃうなんて、なんとも哀しい。スポーツ選手には、いつかその日が来ることはわかっているけど、野球以外の事情があったのが、どうしてもマイナスにうつる。ファンには納得できない姿だったなあと思う。人間、どんなに偉大でも、きれいに散るというのは難しいことなのかも。

背番号22の佐々木Tシャツ、今度こそもう着れないのか・・・。仙台が事実上の引退試合ってことだから、今月末の神宮でのヤクルト戦では投げないんだろうなあ。横浜が優勝した時の大魔神の姿を思い出すと、本当に寂しい。考えただけで涙が出てしまう。


【BOOK CLUB】のお知らせ

『ねじの回転デイジー・ミラー』/ヘンリー・ジェイムズ (著), 行方 昭夫 (翻訳)
文庫: 366 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 岩波書店 ; ASIN:4003231392 ; (2003/06/14)
内容(「BOOK」データベースより)
“アメリカ的なもの”と“ヨーロッパ的なもの”の対立を扱い、一躍ジェイムズの文名を高めた「デイジー・ミラー」。その解釈をめぐって議論百出の感のある、謎に満ち満ちた幽霊譚「ねじの回転」。“視点人物”を導入した最もポピュラーな中篇二篇を収録。新訳。

※上記の本は一例です。
※「ねじの回転」、「デイジー・ミラー」どちらか一方でも結構です。
※原書でも可。
※【BOOK CLUB】─http://www.freepe.com/ii.cgi?bookclub


〓〓〓 BOOK

◆Amazonから

『The Perfect 10』/Louise Kean (著) ¥1292
ペーパーバック: 400 p ; 出版社: HarperCollins ; ISBN: 0007198922 ; (2005/07/04)
From Publisher
Ever since Eve took a bite out of the apple, women have had a complex relationship with food. Sunny Weston will drink to that, as long as it's only a black coffee - she's got no room for empty calories in her diet.

After years of struggling to be both big and bold, Sunny decided that there had to be more to life than the freedom of the biscuit-barrel. But with half her bodyweight gone and still in dogged pursuit of perfection, she starts to understand the truth of the old adage that happiness in life is a way of travelling, not just a destination. At her largest she felt virtually invisible, now she wishes she could find somewhere to hide, preferably in the arms of some strapping young man who loves her just for herself. Fat chance.

Instead she runs into a cynical loner with more than a touch of the Bogart about him and it looks unlikely to be the beginning of a beautiful friendship.


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2005年08月06日(土)
アリステア・マクラウド

図書館に、アリステア・マクラウド の本を予約している。気になっていたのは、最新作の長編 『彼方なる歌に耳を澄ませよ』 (原書 『No Great Mischief』 )のほうだったのだが、短編2冊が先に用意できたようだ。

さてこの短編、原書は?と検索してみたら、タイトルが違う。まず邦題 『灰色の輝ける贈り物』 は「The Golden Gift of Grey」で、 『冬の犬』 は「Winter Dog」となっているのだが、そういうタイトルの本は存在しない。Amazonで検索していても、情報が違っていて、なんだかわけがわからなくなってくる。

実は、そもそも 『As Birds Bring Forth the Sun and Other Stories』 という短編集と、『The Lost Salt Gift of Blood』 という短編集の2冊があって、それが数年前に 『Island: The Complete Stories』 というタイトルで、1冊にまとめられたのだ。

それを日本で再度2分冊にしたのだが、その際にタイトルを日本受けするように変更したものと思われる(あくまでも推測だが)。たしかに作品の中には、邦題にあたる作品があるので、全くありもしないインチキな邦題がつけられたわけではないのだが、原書を探そうと思うと、非常にとまどう。

いずれにしても、2、3日うちに図書館に取りに行く予定なので、詳細がわかるだろう。ちなみにこれは、 「気になるこの1冊」 に全部書き出して眺めてみた結果、わかったことだ。事情がわかるまでには、それなりに苦労した。


〓〓〓 BOOK

◆Amazonから

『ねじの回転デイジー・ミラー』/ヘンリー・ジェイムズ (著), 行方 昭夫 (翻訳) ¥735
文庫: 366 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 岩波書店 ; ISBN: 4003231392 ; (2003/06/14)
内容(「BOOK」データベースより)
“アメリカ的なもの”と“ヨーロッパ的なもの”の対立を扱い、一躍ジェイムズの文名を高めた「デイジー・ミラー」。その解釈をめぐって議論百出の感のある、謎に満ち満ちた幽霊譚「ねじの回転」。“視点人物”を導入した最もポピュラーな中篇二篇を収録。新訳。

Amazon.co.jp オリジナルブックカバー(ベージュ) ¥273
(Amazonギフト券 ▲¥273)
文庫: サイズ(cm): 16.2 x 31
出版社: ; ISBN: B0009WHOM6 ; (2005/07/11)


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2005年08月05日(金)
『白の鳥と黒の鳥』

今日も暑い。35度を超えた。うちは、隣のトタン屋根の照り返しがもろに来るから、余計に暑い。クーラーのない部屋は、マジでサウナ状態。隣の家は誰も住んでいないんだから、早いところ壊してくれればいいのに。。。蜂の巣といい、トタン屋根といい、迷惑にしかならない。トタン屋根は夏場は熱いので、カラスもそこには飛んでこないから、その点は静かでいいのだが。

今日は図書館から、朝と夕方、携帯にメールが入った。何冊か予約しているから、夕方のはまたさらに追加で準備ができたんだろうかと思ったら、朝のと全く同じ内容。おいおい!パケ代も馬鹿にならないんだから(図書館のサイトに繋いで確認しなくてはならないから)、同じ内容のメールは送るなよ!って感じ。

いしいしんじの本を1冊読み終えた。日本文学の中で、無理矢理どこかに位置づけるとしたら、やっぱり宮沢賢治系だろうなとは思うが、かといって、今日読み終えた本の感じでは、一概に同じイメージでは括れないとも思う。そりゃ個人的には、どうしたって賢治のほうが上と思うし。

でも、この人はこの人で面白い。想像力が豊かであるという点では、賢治にもひけをとらないと思うし、他の作家(日本の作家はあまり読んでいないのでわからないが)とはひと味もふた味も違うだろうと思う。

しかし、賢治との比較はあまりしないほうがいいとも思う(私が勝手に比較しているだけだが)。たしかに賢治に似ているところもあるとは思うが、決定的に違う部分がある。賢治は男女の性については一言も触れていないのだが、いしいしんじのほうは、さりげなく、あるいは場合によってはあからさまに描いている。そこが、賢治の作品よりも人間くささを感じる所以だろう。

また作品によっては(今日読了したのは短編集だ)、現代的なユーモアも混じっているし、さらに、物事の捉え方が正直でもある。カラスが「クラゲ、クラゲ」と鳴いたなんていうのは、たとえ本当にそう聞こえたとしても、私のような凡人は、まさかカラスが「クラゲ、クラゲ」とは鳴かないはずだと、空耳と思い込もうとするだけだが、いしいしんじは、それをそのまま書いてしまうというところがすごい。

果たして、本当にカラスが「クラゲ、クラゲ」と鳴いているように聞こえたのかどうかはわからない。カラスが「クラゲ」と鳴いたら面白いだろうと思って書いただけかもしれない。それでも、そうした発想がユニークである。

賢治はあくまでも賢治でしかないのだが、いしいしんじは、賢治のようでもあり、アンデルセンやグリムといったおとぎ話やほら話の要素もあり、またアーヴィングやオースターといった現代外国文学の要素も持ち合わせている。しかし、イタロ・カルヴィーノほどにはぶっ飛んでいないのが、ちょっと残念。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『白の鳥と黒の鳥』/いしい しんじ (著)
単行本: 205 p ; サイズ(cm): 20
出版社: 角川書店 ; ISBN: 4048735748 ; (2005/02)
出版社 / 著者からの内容紹介
なつかしくて斬新で暖かい。極上の短篇小説集を読む喜び。物語の曲芸師いしいしんじが一篇一篇、魅惑的に語り進める、短篇小説の楽しさがぎゅっと詰まった珠玉の一冊です。


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2005年08月04日(木)
マキャモン原作「ブルー・ワールド」映画化!

ロバート・R・マキャモン原作「ブルー・ワールド」(短編集 『ブルー・ワールド』 所収)が映画化されるらしい。この作品はとても好きなので、非常に楽しみ。ジョン・アーヴィングの 『A Widow For One Year』(映画タイトル 「The Door in the Floor」─出演:ジェフ・ブリッジス、キム・ベイシンガー) は日本で公開されなかったので、ものすごくがっかりしていたのだが(と思ったら10月に公開されるようだ。でも単館上映)、マキャモンの映画は絶対に公開されますように!と、今から祈っている。



Sanctuary -- The "Blue World" Movie─映画の詳細
ロバート・R・マキャモン公式サイト
[BOOK SALON] ロバート・R・マキャモン



さらに、『少年時代』の文庫版が、文藝春秋からソニー・マガジンズに移り、表紙も新しくなって再刊された。ヴィレッジブックスか。ついでに他の本も新しくならないかな?未訳の2作も訳すとか・・・。

『少年時代 (上)』 ヴィレッジブックス/ロバート・マキャモン (著), 二宮 磬
価格: ¥882 (税込)
文庫: 458 p ; サイズ(cm): 15
出版社: ソニー・マガジンズ ; ISBN: 478972607X ; 上 巻 (2005/07)
出版社 / 著者からの内容紹介
誰もが心ふるわせた不朽の名作がふたたび!きらめく少年時代が今、鮮やかによみがえる。12歳、なにもかもがきらめいて見えていたあのころ・・・。アメリカ南部の田舎町で暮らす空想好きの少年コーリーはある朝、父とともに不可思議な殺人事件を目撃してしまう。そこからコーリーの冒険に満ちた一年間が始まった! 底なしの湖に車と共に沈んだ無惨な死体は誰なのか? 悪夢にうなされる父はしだいにやつれてゆき、コーリーは現場に残された緑の羽根を手かがりに、謎解きをはじめる。その過程で友や愛犬と体験する忘れ得ぬ体験の数々・・・。誰もが子どものころに持っていながらも、大人になって忘れてしまった魔法を信じる心をよみがえらせ、世界中の読書好きを夢中にさせた珠玉の名作!

『少年時代 (下)』 ヴィレッジブックス/ロバート・マキャモン (著), 二宮 磬
価格: ¥945 (税込)
文庫: 537 p ; サイズ(cm): 15
出版社: ソニー・マガジンズ ; ISBN: 4789726088 ; 下 巻 (2005/07)
出版社 / 著者からの内容紹介
大人になっても忘れられない夏休みがある!淡い初恋、ガキ大将との決闘、初めてのキャンプ・・・。コーリー少年の毎日はさまざまな出来事に彩られ、あっという間に過ぎていった。しかし、殺人事件の謎は未だにコーリー一家の生活に影を落としつづけている。魂を持つ自転車に助けられながら幾多の危機を乗り越えて、真の勇気とはなにかを知り、愛するものを失う悲しみを知ったコーリー。魔法に満ち、すべてが輝いて見てた日々に別れを告げ、大人への階段をのぼりはじめた彼は、ついに殺人犯の正体を突き止めたかに思えたが、意外にもその人物は・・・。過ぎ去った12歳を懐かしむすべての人に捧げる、青春小説の大傑作。解説:池上冬樹。


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2005年08月03日(水)
宮沢賢治といしいしんじ

図書館で借りている本、本当はいしいしんじの本を読んでみたくて予約したのだが、先にジョン・ピールの「これははまる」本のほうを読み終えた。近未来のコンピュータ社会に起こった話なのだが、まあ、たしかにはまる。でも、「ドラゴンランス」ほどではなかった。しかし、生活すべてをコンピュータに頼るようになると、こんなことも起こり得るんだなあと怖くもあった。

子どもの頃に身近にコンピュータがあったら、私は絶対にプログラマーになっていただろうと思う。というわけで、こういう世界は好きなので、なかなか興味深く読めた。児童向けに書かれているのがもったいない。内容は、大人でも十分面白い。

さて、『2099 恐怖の年』 を返しがてら、用意されていた予約本を受け取ってきた。家に帰って、3冊になったいしいしんじの本をパラパラとめくっていたら、これってやっぱり宮沢賢治だろうという思いにとらわれた。今日借りた本は「セロひきのゴーシュ」、先日の 『プラネタリウムのふたご』 は「双子の星」、といったところか。

私は賢治ファンだから、下手に真似しているだけだったら怒っちゃうかもしれないが、それでもまあいい。どれくらいの賢治度なのか、これから確かめてみよう。名前のつけ方とか、擬音語の多用など、ざっと見ただけでも類似点はたくさんある。これでストーリーにオリジナリティがあって、その上面白ければ、賢治とは別に認めてあげようって感じ。

ちなみに、私は賢治の 『銀河鉄道の夜』 とかが好きなのではなく、山猫などが出てくる話が好き。『銀河鉄道の夜』は、賢治の中ではむしろ特殊な作品なので、「賢治=銀河鉄道」という図式で考えられると困る。世の中ではそういう見方が一般的なのも事実ではあるのだが。それと、詩というものはあまり好きではなく、読みたいとも思わないのだが、宮沢賢治の詩だけは好きだ。字面まで絵になっているのがすごい。


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『逆襲―2099恐怖の年〈6〉 2099恐怖の年 (Book6)』/ジョン・ピール (著), John Peel (原著), 唐沢 則幸 (翻訳)
単行本: 201 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 偕成社 ; ISBN: 4037445603 ; 6 巻 (2003/03)
カバーより
コンピュータウィルス<終末の日>は破壊されたが、デヴォンのプログラムにより、核廃棄物運搬船が地球へと迫っていた。トリスタンは、宇宙空間で、デヴォンと最後の決戦を迎える。クローン対クローン、正義対悪。トリスタンは、はたして世界を救えるか?生き残るのは誰だ?


◆図書館

『麦ふみクーツェ』/いしい しんじ (著)
単行本: 441 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 理論社 ; ISBN: 4652077165 ; (2002/06)
内容(「MARC」データベースより)
数学教師の父とティンパニストの祖父とのささやかな生活。しかし紳士と人から慕われる祖父は、音楽となると常軌を逸したところがあった…。音楽家を目指した少年のビルドゥングスロマン。

『海辺の家族』/アリス ホフマン (著), 深町 真理子 (翻訳)
単行本: 270 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 早川書房 ; ISBN: 4152076887 ; (1990/05)
内容(「BOOK」データベースより)
ボストンの北方、美しい海辺の町。天文学者の父親、カメラマンの母親、子供2人で暮すファレル家を、ある日突然悪夢が襲った。5年前の輸血で原因で、娘のアマンダがエイズを発症したのだ。驚き、怒り、悲しむ家族。感染を恐れる隣人たち。パニックに陥る学校。その中で、アマンダは女子体操の選手として全力をつくそうとする。ジョーゼフ・ヘラー、カート・ヴォネガットらがその才能の感嘆した作家が清冽な美しい文体で描きあげる、感動の長篇。 ※画像は原書 『At Risk』

『セカンド・ネイチャー』/アリス ホフマン (著), Alice Hoffman (原著), 田辺 亜木 (翻訳)
単行本: 250 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 集英社 ; ISBN: 4087732428 ; (1996/02)
内容(「BOOK」データベースより)
男には名前がなかった。ひどく痩せていて、人前では声を出そうとしなかった。患者第3119号。人々は密かに"狼男"と呼んでいた。烈風を伴った雨が窓を激しく叩き、男はうずくまり震えだした。その時、女は手を伸ばし、男のコートの袖に触った。指の温もりが男の肌まで届いた。それは同情だったかもしれないし、何かほかのものかもしれなかった。女は長年暮らした夫との生活に傷つき、疲れていた。女は男を外に連れ出した。それが犯罪になることはわかっていたが…。狼に育てられた青年と年上の女性、奇跡のラブ・ストーリー。


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2005年08月02日(火)
ジョン・スタインベック

Library of America のスタインベックの本が届いた。こういう本は素敵だなあ。ハードカバーでもPBのトレード版くらいの大きさだし、紙質も聖書の紙のように薄いので、1000ページ近くあってもそれほど分厚くないし、重たくもない。持っているだけで嬉しくなる類の本。

ちらっと中を見たところ、スタインベックも祖先は、ドイツのユダヤ系だったようだ(曾お祖父さんあたり)。どうりでドイツ人ぽい顔だと思った(個人的にもそういう顔が好き)。曾お祖父さんや、お祖父さんの頃に、『エデンの東』にも出てきたような移民の悲惨な状態(中国人召使リーの境遇として描かれているが)を経験しているらしい。といってもスタインベック自身が経験しているわけではないから、きっとそういう話を聞いて育ったのだろうなと思う。ちなみにスタインベックについては、私はまったく知識なしである。

この本にも『East of Eden』が入っているので、今内容を覚えているうちに読めば、そう苦労せずに読めそうだが、図書館からもあれこれ借りているし(まだ取りにいっていない本もある)、なかなかうまくいかないものだ。たぶん、このままお蔵入りになる可能性が高いが、『East of Eden』のほかはもっと短い小説なので、できれば『エデンの東』の感動さめやらぬうちに読みたいものだ。

『エデンの東』というと、どうしてもジェームス・ディーンの顔が浮かんでしまうが、原作のキャルのイメージは、全然違うものだと言ってもいいだろう。映画そのものも原作とはかけ離れているが、私はなるべくディーンの顔は思い浮かべたくない(ダイアナ妃もそうなのだが、上目づかいをする人ってあまり好きではないのだ)。


〓〓〓 BOOK

◆Amazonから

Novels, 1942-1952: The Moon Is Down/Cannery Row/the Pearl/East of Eden (Library of America)/John Steinbeck (著), Robert Demott (編集) ¥3465
(Amazonギフト券 ▲¥3445)
ハードカバー: 983 p ; 出版社: Library of America ; ISBN: 1931082073 ; (2002/02/14)
Book Description
This third volume in The Library of America's authoritative edition of John Steinbeck's writings shows one of America's most enduring popular writers continuing restlessly to explore new subject matter and new approaches to storytelling.

The Moon Is Down (1942), set in an unnamed Scandinavian country under German occupation, dramatizes the transformation of ordinary life under totalitarian rule and the underground struggle against the Nazi invaders. In Cannery Row (1945) Steinbeck paid tribute to his closest friend, the marine biologist Ed Ricketts, in the central character of Doc, proprietor of the Western Biological Laboratory and spiritual and financial mainstay of a cast of philosophical drifters and hangers-on. The comic and bawdy evocation of the main street of Monterey's sardine-canning district has made this one of the most popular of all Steinbeck's novels. Steinbeck's long involvement with Mexican culture is distilled in The Pearl (1947). Expanding on an anecdote he had heard about a boy who found a pearl of unusual size, Steinbeck turned it into an allegory of the corrupting influence of sudden wealth. The Pearl appears here with the original illustrations by José Clemente Orozco.

Ambitious in scale and original in structure, East of Eden (1952) recounts the violent and emotionally turbulent history of a Salinas Valley family through several generations. Drawing on Biblical parallels, East of Eden is an epic that explores the writer's deepest and most anguished concerns within a landscape that for him had mythic resonance.


◆読了した本

『メルトダウン―2099恐怖の年〈5〉 2099恐怖の年 (Book5)』/ジョン・ピール (著), John Peel (原著), 唐沢 則幸 (翻訳)
単行本: 190 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 偕成社 ; ISBN: 4037445506 ; 5 巻 (2003/03)
カバーより
人類を救う決意をしたトリスタンは、デヴォンの行方を捜す。そのころ、デヴォンは、月の全住民を死に追いやろうとしていた。シモダ捜査官は、地球の中枢であるコンピュータコントロール内部に、クワイエタスのスパイがいるとにらむ。シモダの策略によって、謎につつまれたクワイエタスのメンバーがついに暴かれるが・・・。


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2005年08月01日(月)
タイトルと内容の不一致

ハリポタ新刊、オンライン書店が買い取りキャンペーン

アメリカでは発売24時間以内に690万部を売り上げるなど、前代未聞のフィーバーぶりを見せている 『Harry Potter and the Half-Blood Prince』。発売後も話題には事欠かないようだ。

中国の北京では、英語版の発売より24時間もたたないうちに何者かが本書の全672ページをインターネット上の掲示板に掲載。現在は削除されているものの、作者のJ.K.ローリングはこのような海賊版について読者に注意を呼びかけている。

アメリカ国内では、衝撃的な本書のエンディングに対して賛否両論が噴出、ショックを受けた子どもたちをいかにケアするか、という保護者のための情報交換サイトが登場している。

米国版の発売元、Scholastic Corpは、5月末で締め切った四半期の決算が、前年比約2倍と飛躍的に伸びたと発表。子ども向け教材と児童書の売り上げの伸びが好調の原因としているが、今回のハリポタ第6弾の記録的な売り上げを考慮すると、次の四半期の業績はさらに伸びるだろうと予測されている。─洋販


※上の記事、内容は理解できるんだけど、タイトルとの関連性はどこに?って感じ。どこで何をキャンペーンしてるんだ?・・・にしても、中国ってすごいなあ。人海戦術かな?(^^;


〓〓〓 BOOK

◆読了した本

『脱走―2099恐怖の年〈3〉 2099恐怖の年 (Book3)』/ジョン・ピール (著), John Peel (原著), 唐沢 則幸 (翻訳)
単行本: 192 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 偕成社 ; ISBN: 4037445301 ; 3 巻 (2003/03)
カバーより
デヴォンとの対決のため、宇宙ステーション・オーバールックにむかったトリスタン。だが、ニューヨークを壊滅させたウィルス<終末の日>の作成者として逮捕されてしまう。デヴォンは、クワイエタスの支配を抜け出し、月の住民を恐怖で征服した。ウィルス<終末の日>への唯一の対抗手段をもつトリスタンが、南極刑務所アイスに投獄された今、デヴォンの凶行はもはや誰にも止められないのか?

『反乱―2099恐怖の年〈4〉 2099恐怖の年 (Book4)』/ジョン・ピール (著), John Peel (原著), 唐沢 則幸 (翻訳)
単行本: 190 p ; サイズ(cm): 19 x 13
出版社: 偕成社 ; ISBN: 4037445409 ; 4 巻 (2003/03)
カバーより
ジュニアとともに、氷の要塞、南極刑務所アイスから脱走したトリスタンは、無法地帯アンダーで、もと恋人のモラと再会する。そして、クワイエタスの恐るべき人類撲滅計画を知ることになる。そのころ、火星では、クワイエタスが不穏な動きを見せていた。


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