恋文
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2012年09月30日(日)

嵐がやってくる

少し わくわくする

雨の匂いが
風にのってくる


2012年09月29日(土)

いつも
いつものように

時が流れればいいのだけれど


2012年09月28日(金)

風が凪いで
街のざわめきが
聞こえる

虫の声と競い


2012年09月27日(木) 曇り空

空の色に
染まりそうな気がする

風の色も


2012年09月26日(水) 黄昏

大理石色の空が
静かに
閉じる


2012年09月25日(火) 一日

一日を
やり過ごす

風で ぱたん と
扉が閉じたように

暗くなる


2012年09月24日(月) 眠り

夜の匂いのなかに
眠くなる

目覚めは
きっと遠い


2012年09月23日(日)

雨の匂いを
辿っている

しぶきに
濡れる


2012年09月22日(土) 咲く

街路の金木犀が
咲き始めていた

そろそろ
彼岸花が咲いているだろうか

曇り空の一日に
風が吹く


2012年09月21日(金)

ただの静かな夜である

カーテンが風で
ふくらんだり
しぼんだり

音は静かにはいってくる


2012年09月19日(水) 結ぼれる

たやすく
結ぼれる

けれど
解けない


2012年09月18日(火)

雨の飛沫の
カーテンの
向こう側

なんにもないだろう


2012年09月17日(月)

雨の音を聴いたり
風の音を聴いたり

虫の声がまじって
それもいい


2012年09月15日(土) 生姜

みんな
生姜の香りのように

潔く
清々しく
なりなさい


2012年09月14日(金) 逃避

どうしたら
この時代から逃れることができるかと
考える日々


2012年09月13日(木) ねじれる

世界は
ねじれ

赴きたい
ところは
陽炎のなかのように
ゆがんでゆく


2012年09月12日(水)

知らない人たちのあいだ
足早に歩いてゆく
夕暮れの街


2012年09月11日(火) 夜の窓


窓を開けておこう

虫も
人も

同じ音のなか


2012年09月10日(月) 夕暮れ

もう空は薄暗い

生暖かい風が
浸食する

ビルの明かりが
滲む


2012年09月09日(日) 終わるよ

一日なんて
すぐ過ぎる

昨日の
いやなことも

もう 終わってる


2012年09月08日(土) まだ夏雲

雲が
あちこちに
立ち上がっている

みどりの山


2012年09月07日(金) 帰り道

その通りから
公園を抜けて

黄昏は
続いている

灯りの
ともり始めた街


2012年09月06日(木)

雨の音
風の音を
聞いている

眠りへの
誘い


2012年09月05日(水) あわい

あわいの空

筆で刷いたような雲

日が
滲んで沈んでゆく


2012年09月04日(火)

蛍光灯を映している
窓を隔てても

聞こえてくる
行き交う車の音

夜が過ぎてゆく


2012年09月03日(月) 夕暮れ

山の稜線に
厚い雲

突如として
暗い夕暮れ


2012年09月02日(日) 虫の音

虫の音が
秋になる

雨の匂いの
風に乗って


2012年09月01日(土)

すてきな
水しぶき

雨になる


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