恋文
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2010年07月31日(土) 逃げる

夢は
重苦しかった

わたしは
逃げ続けて

でも
救いはなかった

目覚めて
まだ

まだ
逃げようか


2010年07月30日(金) むくげ

ぽろん ぽろん
抱き包まったように
落ちている

陽だまりのなか


2010年07月29日(木) 夕立

突然の
雨の音

水底に
沈むように

窓の外を
見ている


2010年07月28日(水) 時間

もちろん
時間が
待ってくれるわけではない

手紙を出す
遠い国の

遠い時間


2010年07月27日(火)

波のように
息をする

漣も
大波も

波のなか


2010年07月26日(月)

風の音が
部屋のなかに
入ってくる

なにを
揺さぶるのか


2010年07月25日(日) 昼下がり

槿の花が
ふんわり
咲いている

昼下がりは
静か

まぶしい
通りは

だれも
いない


2010年07月24日(土) みんな一緒に

わたし
わたしのようなもの

わたしの影
影のようなもの

みんな
いっしょに
引き連れて

一日 いちにち
まだ
歩いてゆく


2010年07月23日(金) 晴れ間

雨粒が
きらきら
ひかる

木の陰に
まだ
落ちてくる

雨に
ぬれる


2010年07月22日(木)

みんな
しんなりする

しずかに
うなだれる


2010年07月21日(水) 道のり

立ち止まらない
と 思っても
遠い道のり

夏の日が
降り注ぐ


2010年07月20日(火)

陰のなかにいる
わたしは
陰の一部になる


2010年07月19日(月) 真昼

いつも どこか
離されている
ような

真昼のとき


2010年07月18日(日) 夏日

むくげの花の
陰を通ります

あじさいの
花びらが
日に透けて

誰もいない
小道が

ただ ただ
真っ白です


2010年07月17日(土) 沈む

沈む

わたしの

なかの
なか

ふんわり

また
沈む


2010年07月16日(金) また、一日

陽射しの中
影も明るい

一日は
過ぎてゆく

からだを
ゆだねる





2010年07月15日(木) 溺れる

夢に溺れて
目を覚ます

うつつにも
溺れそうになっている

それなら
ずっと

夢の中に
溺れていたい


2010年07月13日(火) 一日

いちにちが
すり抜けてゆく

熱のなかに
沈む

かたちもない


2010年07月12日(月)

どこにもいかない
青空のした
影だけ
揺れる


2010年07月11日(日) 失われると

きっと
わたしは
失われてしまいたい

そのあとに
わたしに
戻れるだろうか


2010年07月10日(土)

まだ 未明
そのままの

ひかりの中
辿っている

行き先には
なにがある

手探りの朝
やってくる


2010年07月09日(金) 昼間

馴染むのは
暑さばかり

肌に
湿るように
汗を

むやみに
明るい空


2010年07月08日(木)

どこかの
音は
どこかに
閉じ込めて

わたしの
音を
聴いている


2010年07月07日(水) 他のところ

ここでは
ないところで
遊ぶ

ここは
ただ
ふりそそぐ
日差しばかり


2010年07月06日(火) 前に

前を
見ていなければ

どこに
流されてしまうだろう

前を
見ていても

どこに
たどり着くだろう


2010年07月05日(月) 風のさき

風の渡る先を見ても
何もない

花は揺れるばかり
影がおちる


2010年07月04日(日) ゆれる

風のなか
たたずむ

ひかりが
こぼれ落ちる

ゆれる
わたし


2010年07月03日(土) 振り子のように

気持ちは
揺れる

よくも
わるくも

いったり
きたり


2010年07月02日(金) 部屋のなか

ブラインドの
隙間からは

やさしい
ひかりが入ってくる

耳をすますと
音も、どこからも
はいってくる

切り離されては
いない


2010年07月01日(木)

外にでる
外は
別の世界のようで

道端に
落ちる
自分の影も
いっしょなのに

見えるもの
聞こえるもの

遠くなりそうな


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