恋文
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2007年04月30日(月) 忘れて

わたしを
過ぎていって

忘れて
しまって

誰だか
わからない

そんなので
いいかな


2007年04月29日(日)

きれいな
花が 咲いてたな

みどりが
いっぱいで

わたしは
いなくても
いいな


2007年04月28日(土) みどり

ひかりが
まぶしくて

みんな
みどりのした

こえも
ひかりみたいに
かがやいて

かわも
みどりのした

みずが
きらきら
ひかっている


2007年04月27日(金)

もう それは風の音ではなく
窓から見える景色は
いちめんに けむっていた

さっき 窓からはいってきた
花の芯も 花びらといっしょに
ひたひた おちてゆくだろう

丘のうえに ひかりは
いっしょに かすんでいる


2007年04月26日(木)

そんな夜も
あったのだと

風や
湿っぽさ

肌に
よみがえる


2007年04月25日(水) かわる

それは
そのときのまま
とどまって
いるだろう

かわって
ゆくのは
今ばかり


2007年04月24日(火) 春の朝

トラムの音も
ゆっくり
遠くから
響いてくる

みどりと
ちいさな花に
埋もれた
ような線路


2007年04月23日(月) 夕方

風に 
ひらひら
うす緑色の葉っぱが
揺れている

誰も通らない道に
ひかりが
もうすぐ
消えてゆく



2007年04月22日(日) 散歩

綿毛を 
ふわふわ
たんぽぽ 
いちめん

みどりの
野原に
ひかりも
いっぱい

風と 鳥の
声だけ
聞いている


2007年04月21日(土) あいだ

あなたと
話をしている
あいだ

わたしたちの
あいだの

空も 海も
明るかったり
暗かったり

している


2007年04月20日(金)

眠りを迎えに
ゆく

なにを
思っているのか
いないのか

夢と
交じりあうまで

じぶんの
音を
聞いている


2007年04月19日(木) 目の前

夢のなかも

思い出も

目の前の
ことと

なにも
かわらない


2007年04月18日(水) ライラックの花の下で

そのときも
日差しは
やわらかだった

ライラックの花は
透きとおるように
輝いていた

もう こんなに
遠くまで
来てしまった


2007年04月17日(火) それが始まりの場所だったなら

なにも変らなかった

あのとき
雨に散る
桜の花の下から
また
始めよう


2007年04月16日(月)

夏へと
急かされているみたい

毎日毎日
緑が濃くなってゆく

まだ
行かないでね


2007年04月15日(日) 若葉

若葉は
風に ひらひら
ひかる

小鳥が
やってきて
去ってゆくから

また
きらきら
ひかる

ひかりが
いっぱい


2007年04月14日(土) 天邪鬼

いつか
思うことが
わからなくなってゆく

あまのじゃく


2007年04月13日(金) 始まりの

鳥が 飛び去って
花は 雪のように降る

青い空が
もう 広がっている
朝は


2007年04月12日(木)

思いがけなく
出会う花に

思い出を
たずさえて
歩く

朝の
ひんやりした


2007年04月11日(水) ひかり

ひかりは
どこまでも
とどまっていて

そのまま
ほどけて
きえて

しまいたい
わたし


2007年04月10日(火) 春の暮れ

線路のあいだは
緑の小道
一面にばらまいたような
小さな花の上を
トラムが通り過ぎる

まだ暮れない
光のなか


2007年04月09日(月) 春の日

光がまぶしいと
目をふせて

辿るみちも
白く明るい

鳥のさえずり
風のおと

どこまでも
歩いていたい


2007年04月08日(日) ひかり

こんなに
穏かな日には

そのまま
ひかりに
とけてしまおう


2007年04月07日(土) 棲みか

夢のなかに
棲んだり

定かでは
ないが

どこかの
棲みかに

わたしは
いるだろうか


2007年04月06日(金) 旅のあいだ

街は
オレンジの花の
かおり

少しだけ
わたしを
変えてみる



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