恋文
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永遠に同じことなんてない ただ毎日、明日を考えて生きていく 今日の不在は、明日の発見かもしれない 今日の悲しみも、いつまでも留まらないだろう
同じことはない いつも、自分が生きて行けるように 意味づけされて行く
同じではないけれど 思う気持ちは連続する
これはわたしが選んだ道 こうなるように思っていたの
最初から、ずっと お別れは知っていたの
だから、ずっと好きだった思い出を持っていきたい それが、切り取られた瞬間であっても
だから、いつまでもそのまま残しておける
眼に突き刺さるような この光を しばらく見ていよう
もう、翳ってゆくのだから
最後まで見守っていよう もう、ずっと傾いてしまった
また明日の光のために
雲はずっと穏やかに漂っていた 森は静かに佇んでいた
わたしは わたしの鼓動を聴いている
列車はただ走りつづける 景色はあとずさってゆく
わたしは じっと座っている
そのままでも過ぎてゆくなら わたしは、もう一歩前に進んでみる
時計の音を聞いている 遠くから車の通る音が聞こえる
時計の音が重なる いくつもの時計が、同時に時を刻む
わたしは、ぱたぱたと、キーボードを叩いている
みんな戻らない みんな過ぎてゆく みんな失われてゆく 音たち
もうすぐ、雨が降り出すのかもしれない
時が迫るのに 不思議に現実感が薄れていく
夢だと思いたいのか 始めからなかったのだと思いたいのか
何もなかったのなら 何も失わない
でも、忘れないよ 始めてしまったのだから
ハンガンの氷は融けたようだ 灰色に霞んだ向こうに ナムサンも良く見えない きょうは、あなたに しばらくの別れを言いにきたのだ
もう少ししたらケナリが咲き ポッコッがはなやかな彩りをそえる 春までも待てなかった
空と河があわさるところにも かすんで ぼやけている
最後の最後に あなたに移したい わたしの温もり わたしの香り わたしの重さ
あなたが忘れられないように
雨が降る音が聞こえる 時計は時を刻む
重なったり 乱れたり
はたはたと 雨音が聞こえる
あおい空だったので 見上げながら歩いてた
空にあがって行けそうだった
わたしは海の血をひいた子なので あなたと一緒に海に行きたかった
あなたは陸の血の人だったよね
お互いに引き合いながら どちらにも行けなかったんだ
だから この気持ちだけでいいのよね
ここから そっちから ずっと
あなたが見ていてくれたら わたしは応えるよ 眼差しで
気持ちがつながっていたらいい
でも、隣にいて欲しいよ こんな寒い夜には
また徒に髪を散らして眠るよ
ゆき過ぎた時を振りかえって 目の前にするあなたは 見なれた、あの時のままだった そうして、並んで歩く 海はすぐそこにあった
ふと、あなたの吐息を感じよう わたしは、ただ受け止めよう そのまま
あぁ、同じときに このまま
留めおこう あなたの息
嫉妬とか 不安とか まるで小娘のように感じてしまったよ あなたに出会った後に 初恋のように
もう、一年過ぎて 反芻するように思い出して 駆け抜けるようにすぎた日々を
あなたに会えて幸せだった このまま 持って行くよ
水が高くから低くにながれるように 時が流れるのは自然なこと
水が集まって川になって 海に注ぐように 時はわたしたちの想いを集めて 思い出にしてしまうのだろう
少し疲れちゃったのかな 毎日同じことが、とても嬉しかったのに ただの習慣になったみたいで ただの繰り返しのような気がして なんだか時間割を消化しているようだ
会えないからと その代わりのように 毎日の会話が始まった、その時は もっともっと思いは強かったのに
会えないことの代償が もう普通の出来事になってしまって なんでもないことになってしまったのだろうか
なんでもないこと 本当は、それが一番いいのかもしれないけれど
冬の街の昼下がりはとても静かで 日溜りで猫が丸くうずくまっている
干された洗濯物が 人の住んでいることを示しているけれど わずかにずれてしまったような思いにとらわれる
見えないあなたを思ってみる
あのころ あなたを失うことではなく あなたからわたしが失われるのがこわかった 失うほどにも満ちていなかった
いまは、いつものことばだけで満たされている あなたから溢れたことばで
失えるほどに満ちあふれたので しずかなひとすじの流れのように ことばが帰っていく すこしづつおたがいに失っていく まるで溢れた場所に帰っていくように
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