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■ こんなSSを書いてます。(ヒューロイぷれびゅ?)
割と自分を痛めつけてるなと思う。 ひゅろい。早めにアップします。たぶん。
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もっと、ヒドイ有様だと、思っていた。
「ロイ。会ってあげて、欲しいの」 気丈に涙を堪えた夫人に伴われ漸く会えたヒューズは、寝具へ横たわって。まるで、眠るように居た。
触れれば直ぐにでも目を開いて。 いつものように片手を上げて「ようっ」等と。 緊張感の欠片もない挨拶を寄越し、笑うのではないかと思うような。 ただ、穏やかなカオ。
後ろでぱたり、と扉が閉まる。 ふたりきり。残された空間。 明るい光の差し込む部屋の白が目に痛くて、視界が一瞬くらんだ。
目覚めない、男の傍らに立って。 ロイは躊躇った末に震える手をヒューズへ伸ばした。
氷のように冷たいカラダ。 失った実感はそれでも沸き上がってこないのが不思議だ。 以外と強情な男の気質をそのまま持ち合わせたような、固い黒髪に掌を泳がせながら。 ロイは、床に膝をついてヒューズの胸に頬を宛った。 「聞こえない……」 ぽつり、と呟いた声がひどく大きく響いて、身体が震える。 ああ、此処にあるのは虚なのだ、と何処か冷静に思う自分に唇が僅か、歪んだ。 「ヒューズ?」 こんな風に頭を凭せかければ。常ならば揶揄するように髪先を弄る指が白く身を包むシーツの中、ぴくりとも動かない。 袈裟懸けに巻き付いた包帯の白を厭って瞳を閉ざして。 頬の熱を奪っていく身体に、僅かでも己の体温が移ってくれたら良いと、あり得ない事を、願っていた。
2004年03月28日(日)
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