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■かわいい子なので旅をさせてなかった。
2015年05月29日(金)
娘・R(11才)が同級生の女の子達3人と電車に乗って「としまえん」に遊びに行くという。

とてもじゃないがRにひとりで電車に乗せることなど危なっかしくてさせたことがないので、お友達の誰かがリードしてくれるだろう…と他力本願でいたら他の子も全員そうらしい。

男の子だったら4人いればひとりぐらいは鉄ヲタみたいなのがいるのだけれども、女の子が4人集まったところで姦しいプラス1になるだけであった。

電車で「としまえん」に行くにはふたつの路線がある。

ひとつは「西武池袋線」。下り方面からとしまえんに行くには途中の練馬駅で分岐する「豊島線」を通る「豊島園行き」に乗らないといけない。それ以外の「所沢行き」や「保谷行き」などに乗ってしまうと埼玉の方に連れて行かれてしまうのだ。

もうひとつは「地下鉄」。こちらは下り方面は「光が丘行き」しかなく、必ず「豊島園駅」に止まる。

ウチは両路線の間ぐらいにあるので、どちらを使っても大して変わりがないのだが、不慣れなRには

「大江戸線で行きなさいね」

絶対こっちに乗れ、と言い聞かせたのであった。

ところが翌朝娘達が出かける直前に、女の子達の親と連絡を取り合っていた嫁が

「Aちゃんのママが『西武線で行くべき』って主張して譲らないんだけどどうしよう…」

と言ってきた。

「なんでよ」

「その方が安いからだって」

「安いって言ったって往復20円ぐらいだろ」

「そうなんだけどね…」

「20円ケチったら埼玉まで行っちゃうぞあの子ら」

「あのママちょっと癖があるのよねー」

「はあ…そんなんでギクシャクするのもやだしなあ…」

そんだけ言い張るぐらいならきちんと電車の乗り方を教えているんだろ…そう楽観視することにしたが、R達が集合して出かけるのを見送りに出た嫁が、

「西武線の駅ってこっち?」

「そうだね」

全員迷うことなく反対の地下鉄の駅に行こうとしていたため、

「あなた!追いかけてって!やっぱヤバい!」

慌てて家の中に駆け込んできた。僕も急いでチャリで追跡したところ、道の先にR達の背中が見えた。しかし6年生という微妙なお年頃、友達の目もあるところでオヤジが出しゃばっても煙たがれるだけかなあ、と思い、接触は最小限にしよう、と先回りして駅で待っていることにした。

駅に着いて電光掲示板を見てみると次に来るのが「保谷行き」でその次に来るのが「石神井公園行き」であった。いずれもとしまえんには行かない、乗ってはいけない電車である。更にその次は「通過電車」で、その次がようやく「豊島園行き」。およそ20分後である。20円ケチって20分待たされるとか。地下鉄なら5分おきに来るのに。何も知らないR達にとってはワナ以外何物でもない最悪のタイミングであった。

やがてウキウキしてぴょんぴょん無駄にスキップなどをし、文字通り浮き足立ったR達がやって来た。

「あーRちゃんパパだー」

「なんでいるの!」

案の定睨まれたが

「君達が心配で来たの!」

落ち着け、と制した。

「いいか、案内に出てる『保谷行き』にも『石神井公園行き』にも乗っちゃいけないよ。としまえんに行かないからね」

と説明すると

「ええっ」

全員目を丸くした。よ、よかった…追い掛けて…。それから時刻表を見せて

「57分の豊島園行き、これに乗りなさいね」

「はーい」

ということで改札をくぐってホームに下りてゆく娘達を見送った。たかが20円かそこらをケチった故に起こるリスクをなんのフォローもしないAちゃんママってなんなの。もしかしてママ自身も知らないのか?

駅舎を出た僕は、これで帰ろうと思ったけれどもまだ心配だったので、ホームが見える駅のすぐ脇の踏み切りに移動してみた。ちょうど乗っちゃ行けない「保谷行き」が来たところだった。R達はちゃんとスルーしていてまだホームに残っていた。僕に気付いて4人が手を振ってくれた。

「まだいんの?」

とか言われないでよかった…。これでようやく大丈夫だと確信したので帰り、僕以上にびびっていた嫁にも伝えて安心させた。

かわいい子には旅をさせろ、とはよく言われる。僕もよく子供達と電車に乗る時は駅名とか路線名とかを説明したりするのだけれども全然興味を持ってくれないのでなかなかうまくいかない。

今考え付いたのだが、「駅探」などのサイトであらかじめ調べさせるところからやらせてみたら興味を持つかもしれない。スマホやパソコンをいじるのはRも息子・タク(9才)も大好きだからだ。そうすれば徐々に駅や路線を覚え

「○○駅で乗換えだよ!」

とか案内してくれるまでになるかもしれない。

かわいい子にはナビをさせろ。

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■子供ピカチュウ親アルチュウ。
2015年05月21日(木)
ブログ更新の間が開いてしまったが、息子・タク(9才)のポケモンカードバトル2日目の話である。

前日、5/9(土)に幕張メッセまで行き、夜は嫁が飲み会で参加していた居酒屋でメシを食ったところまでは前回、前々回のブログで書いた。

で、5/10(日)の早朝、僕は昨日同様タクを叩き起こして出掛けた。

「大丈夫か?気持ち悪くなってない?」

「うん」

僕はタクの体調が心配だった。少し前のポケモンカードバトルも2日連続で、その時も参加したしたのだが、2日目のタクは連日の早起きによる寝不足と1日目のはしゃぎ過ぎで、鼻血ブーだわ気持ち悪くなってゲロゲロゲロッピだわで大変だったのである。

それを口実に2日目は行かなくていいじゃん、と言ってみたのだけど、タクの意志は固く、参加した次第。

ただし2日目は娘・R(11才)は一緒ではなかった。1日目は嫁が仕事なのでひとり家に置いておくわけにいかず、彼女自身はポケモン全く興味ないのに連れて来ないわけにはいかなかったが、この日は嫁がウチにいたし、嫁が親子スイーツ教室とやらに申し込み、Rとふたりで行くとのことであった。

嫁、タクのために拘束されたRのフォローをちゃんとしていて偉いなあ。

で、2日連続でタクを幕張に連れて行くのは僕の役目。途中の新木場駅の立ち食いソバ屋で朝飯。単に僕が食べたかっただけであるが、タクとは
よく立ち食いソバ屋で食っている。

身長が足りなくてテーブルに届かないタクのために店のおばちゃんが木箱を持ってきてくれたり。なかなか風情があってよい。

さて、幕張メッセの会場に着いてからは前日と全く同じである。近所のポケモン仲間と合流し、とっととバトルに突入、僕はタクが体調を崩しやしないかヒヤヒヤしながらも基本的にはヒマなので…またカワいい女の子にがっついたりしていた。

愛美お姉さん
司会のお姉さん。2日連続でがっつく。

ツツジ
こちらはポケモンのゲームに出て来るキャラのコスプレをしているお姉さん。

「なんのキャラでしたっけ」

「ツツジです!」

はにかみながら答えてくれたのでむねきゅん。

肝心のタクのバトルは残念ながらこの日も4連勝止まり。決勝トーナメント進出要件である5連勝にあとひとつ届かなかった。

でもまあよくやった方だと思うしタクもそのようで、残りの時間は仲間とチームを組んでバトルとかして時間いっぱいまで楽しんでいた。僕はさらにヒマになってすぐそばにあるデイリーヤマザキで酒とツマミを買って来ていい感じに酔いつぶれて会場外でゴザ敷いて寝た。幕張まで来てホームレス気分。

午後5時を過ぎるとタクの顔にクマができていた。徹夜明けの漫画家みたいなのでさすがに帰ることにし、ポケモンカードバトルを終えた。

決勝トーナメント進出は叶わなかったものの、会場に来た人がもらえる限定カードとか(バトルしない僕やRももらえた)3連勝でもらえた限定カードとか、レアっぽいカードをいっぱいゲットしたんである。

レアだけど大して強くないので、僕もタクも

「売っちゃおう」

という考えで一致した。面白いもので、そういうレアカード目当てに

「カードパック一袋と交換しませんか? 」

と声をかけてくる輩がいるんである。カードパック一袋は160円程度。しかし僕はもっと高く売れることを知っている。

「ははは、転売目的?」

とあしらうと

「いえ、そういうわけじゃ…」

ボソボソと言い訳みたいなことを言って去って行った。かたっぱしから声をかけて相場を知らないお父さんが釣れるのを狙っているんだろうなあ。

とは言ったものの、そんなに高くも売れますまい…と後日、特典でもらったカード、全部で10枚ぐらい秋葉原のカードショップに持って行ったら

「5,250円で買い取らせていただきますが、いかがいたしましょう?」

「え、そんなに?」

すぐさま買い取っていただいた。連勝しないともらえないカードなどが高かったようで。タク、決勝トーナメント進出は叶わなかったものの、頑張った甲斐があったな。交通費ぐらいにはなったわ。

そのお金は全部タクに与えた。臨時収入に大喜びしながら

「どういう風にお小遣い帳つけたらいいのォ?」

と戸惑うのが可愛かった。

ポケモン、モウケモン!なんちて。

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■ウォーター、ミー。
2015年05月14日(木)
前回の日記の続き。

息子・タク(9才)が参加したポケモンカードゲームの大会会場・幕張メッセからウチに戻って来た時は、既に夜の8時半ごろであった。

普段ならご飯を食べ終え、お風呂にでも入っている時間であるが、この時、ウチには嫁もいなかった。

「夜は職場の歓送迎会なんだけど、行っていいかなあ?」

嫁がそんなことを言っていたので、そりゃ行って来いよ、と返事をしたので嫁は既に近所の魚民に行ってしまっていたのでご飯の用意もない。

明日もタクがポケモンカードバトルに参加したいと言っているし、そのためにとにかく早く子供達を寝かせたいと思い、電車で帰る途中の新木場駅の立ち食いソバでも食わせりゃいいやと思っていたのだが、

「ボクも魚民行きたい!」

「Rも!」

娘・R(11才)もタクも揃って嫁がいるところに追いかけて行きたいという。昔なら子供を居酒屋に連れて行くとか狂気の沙汰かよという感覚があったけれども、今の魚民とか和民とかはは個室もありすんごいファミリー向けなんである。

「じゃあちゃっちゃと食べてすぐ帰るぞ!」

「うん!」

というわけで嫁達が飲んだくれる魚民に向かった。

「あらー、いらっしゃい!今日はお子さんと一緒?」

店に着くと速攻で女の子店員に声を掛けられた。この店、近所のオヤジソフトボールチームの飲み会でしょっちゅう来ているため覚えられてしまっているのだ。

「なんであのお姉さんパパのこと知ってるの?」

子供達が怪しげな目で睨みつける。単にオヤジ仲間といつも来てるからさ、と答えればよかったのに、

「まあ、大人の付き合いでね…」

気取って妙にもったいぶった答えをしてしまったので

「お、おとな?」

もっと怪しまれてしまったようだ。

嫁達のグループは、どこにいるか探そうとしたのだけれども一番うるさかったので速攻で分かり、

「ママ―」

甘えん坊のタクはすぐさま嫁に飛び付き、

「あらー、追いかけて来たの?」

嫁もなかなか嬉しそうであった。よかった。こんな時間に居酒屋連れて来るんじゃないよ!とか怒られなくて…。

一応僕も嫁職場の方々に挨拶してから僕らの個室に入り、お腹を空かせた子供達のためにいろいろと注文した。Rもタクも居酒屋という、ファミレスとはまた一味違った店の雰囲気が好きなようだ。実際子連れのママ友達が飲んでたりして、居酒屋は既に子供とって未知の世界ではなくなっている。

注文してからしばらく、料理が運ばれて来たので子供達に食べさせ、僕は適当に飲んだくれていると、

「やほー」

がらっと個室のフスマを開けて嫁がやって来た。

「抜け出していいのかい?」

「いやー、ウチのとこ、料理少なくてさ」

嫁は、せっかく腹を空かせた子供達のために頼んだチャーハンやらギョーザやらピザやらを取り皿にガサッと乗せ、もぐもぐ食べて戻って行った。なんて奴だ。酔ってるのか?

しかししばらくしてから嫁はデザートで出されたらしいシューアイスを3つほど持って来た。

「やったー!」

子供達は大喜び。一方僕は

「けっ。やっぱモンテローザは酒は薄いわ日本酒は臭いわ…」

などとグダを巻いていた。それでも酒をソコソコ飲み、子供達もいろいろ食べて満腹になったころ

「たっくーん!」

嫁の職場の同僚のお兄さんがこっちに飛び込んできた。何やらタクをお気に入りだという。

「いやー、あなたが旦那さんですか!たっくん可愛いですよね!」

「いや、ですよねとか言われても…」

僕もいい感じに酔っぱらってるつもりだったが、それよりぶっ飛んだ相手だったのでこちらが冷静になるほかない…。

気が付けば時計は午後10時。そろそろ帰らないと…ということで嫁職場のみなさんに挨拶して帰ったのであった。

ウチに帰ると子供達を速攻でシャワーを浴びせ、歯を磨かせとっとと寝かせた。いやー、僕が居酒屋に行くようになったころから比べると、居酒屋に子供なんてめったに見なかった。それが普通にファミレス並みにいるもんなあ…。

そして僕が大学生の頃はどこの街にもあったチェーン系居酒屋、つぼ八、白札屋、天狗、養老乃瀧、などは今ちゃんとあるのかなあ…そんなことを考えながら、酒を飲み過ぎてトイレが近くなった僕はなかなか眠れないのであった。

放尿の瀧。なんちて。

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■ポケモンはピカチュウ。オヤジはヒマ中。
2015年05月13日(水)
土曜日は息子・タク(9才)が楽しみにしていたポケモンカードの大会であった。

場所は幕張メッセ!遠すぎー!

開始時間は9時!早すぎー!

9時開始だからといって9時に着くのはお馬鹿さんである。このポケモン大会は全国から何百人というポケモン大好きっ子(&大人)が集結するわりには対戦卓の数は少ないので、遅く行っても座れなくて、席が空くまでずらーっと並ばされるのである。

まず予選から始まって、決勝に進めるのは先着順でランダムな対戦相手に5連勝した32名(だったっけ)のみである。だから並ばされた者は、先に対戦を始めたライバルたちが着々と白星を重ねて行くさまを間抜け面で見ているしかなく、めちゃめちゃタイムロスなのである。

僕は朝6時に起きてタクを叩き起こし

「40秒で支度しな!」

と急がせたのだが

「はなぢがああ〜」

タク、アサイチ鼻血で時間ロス。どんだけ興奮しているんだよ…。予定よりかなり遅れて出発した。娘・R(11才)も一緒に連れてきた。嫁が仕事なのでひとりウチに置いておくわけにはいかなかったのである。

Rも僕同様ポケモンカードにはビタイチ興味がないので、お互い1日をどうやってヒマを潰そうか…が大きな悩みとなった。

電車に揺られて1時間半、幕張メッセのホールに着くと長い行列が出来ており、やはり相当気合いの入ったポケモンカードマニアが集結しているようだ。

ここで子供達と同じ学校のポケモン仲間とそのお父さん達と落ち合う。開場時間になったので一緒に入場。集合場所を確認すると、僕とR以外はみんな

「それ並べ!」

と予選会場へ爆竹のようにすっ飛んで行った。残された僕とR。ベンチに座って

「気が散ってダメかもしんないけど宿題でもやりな」

一応持って来させた宿題のノートなどを広げさせたのだけれどもやっぱりあんまり集中できないようで、それからは僕のスマホで動画観たりipodで音楽を聴いたりしていた。それでもやっぱり飽きる。

レックウザメガバトル
時折ピカチュウの着ぐるみがチョコチョコ歩いて来るのだけれども、Rももう

「ピカチュウだー!」

とか叫んで飛びつく年頃ではない。しかし僕は、司会のキレイなお姉さんが歩いてくると

愛美お姉さん
「司会のお姉さんだー!」

とか叫んでがっついて写真撮ってもらう年頃であった。

「ねえパパー。ちょっとだけ外に行ってみたい」

Rがそんなことを言う。会場がでかいので出口と再入場口が離れているし、人が多いので、ポケモンだけに

「ちびっ子ゲットだぜ!」

とか攫われたりしないか少し心配だったので

「えー、君、迷子になりそう」

やめさせようとすると

「大丈夫だもん!」

ぷんすか怒ってとっとと出口から出て行ってしまった。あらら…と後姿を追って行ったが見えなくなり…再入場口で待っていたら5分後ぐらいに

「いえーい。大丈夫って言ったでしょー」

すんごい嬉しそうにニコニコしながら戻って来た。なんかカワイイ。

そんなことをしているうちになんだかんだでお昼ぐらいの時間になり、タクがすっ飛んで戻って来た。

「4連勝した!でもあと1勝で予選突破だったのに負けた…」

決勝進出までもう一歩足りなかったようだ。でも前回はボロ負けだったのでタクは満足だったようである。

決勝トーナメントは午後から始まるが、決勝進出できなかった大多数の負けプレイヤー達のためにもいろんなイベントが用意されていた。フリーバトルや3人組のチームを作っての3on3バトルとか。

昼飯を食べた後、タクは友達3人でチームを組んで3on3のバトルに参加したいと言う。

「じゃあ僕らちょっと散歩してくるよ。どうせしばらく戻って来ないんだろ」

「うん、いいよ」

というわけで、僕はRと外に出てみることにした。初めて歩く、幕張新都心の街。都内の再開発で出来た新しいオフィス街や横浜のみなとみらいなどと比べると千葉だけに(って言ったら千葉県民に怒られそうだが)うらぶれた感じであるが、

「なんかにおいがちがうー」

「たぶん、海の匂いだね…」

Rには新鮮であるようだ。

チームしゃちほこ
ポケモン会場の隣ではチームしゃちほこというアイドルのライブ。

東京チカラめし
駅の方に戻って行くと、あっ。今は絶滅寸前の東京チカラめしが!更に進むとマックもあって

「ポテト食べたい」

とRにおねだりされて買った。結構歩いて1時間ぐらいで戻って来た。タク達は結局3人組バトルで勝ち続けまくり、ほぼ午後の部の時間をそれで使い切った。

「ずっと勝ち続けたんだぜ!」

今日は満足なバトルが出来たようだ。タクは決勝戦も観戦たいと言い張り、すべて終わって会場を後にしたのはもう夕方の6時半ごろであった。これで休日まる1日潰れるとか、自分で自分を褒めてやりたい。いや、それよりもRが偉かった。ずっとヒマだったろうに、文句も言わずよく我慢したことよ。なので

「Rちゃん偉かったから何か本でも買ってやるよ」

「やったー」

帰り道の本屋で好きな本を買ってやった。これでようやくポケモンカードと幕張に縛られたイベントが終わった…と思ったら

「ねえパパ、明日も行きたい」

「えー!」

なんと、ポケモンカード大会は2日間あったのであった。

日曜も幕張メッセ。まじキレまっせ。

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■東武鉄道スマホないん。
2015年05月09日(土)
ゴールデンウィークの間は栃木の実家に帰省し、6日に帰ることにしていた。

嫁は仕事があって来れなかったので、娘・R(11才)と息子・タク(9才)が宿題をサボらないよう、僕がケツを引っ叩いたり、タクが3DSをやり過ぎないよう見張っていた。

でも一番怖いのは嫁であり、鬼の居ぬ間のなんとやらで僕だとどうしてもなめられてしまい、3DSなどは高橋名人の教えに従い「ゲームは1日1時間」の掟があるのだけれども余裕で破られてしまっていた。Rも一応

「たっくん、やりすぎ」

と注意するのだが姉の言うことをまともに聞く弟ではなかった。

そんな帰省もあっという間に最終日の6日になり、電車で帰る時が来た。母と僕の弟に駅まで送ってもらって

「おばあちゃーん!やっちゃーん!(Rとタクは僕の弟のことをこう呼ぶ」

改札前で抱きついたり、やたらと名残りを惜しんで電車に乗った。東武線の快速浅草行き。僕らは終点ひとつ手前の北千住で降りる。それまで1時間ちょっと。

「幸手を去って、杉戸を過ぎて、春日部かすって、越谷越して、草加そうかと来た千住」

沿線住民にこんな小唄が伝わっている。途中駅をもじったもので、これで主な駅名を覚えたものである。

駅に来る前についうっかりレモン牛乳だのカントリーマアムとちおとめver.とかいろいろお土産を買ってしまい荷物が増えたので上の網棚に乗せた。混んではいたがなんとか座れ、タクはまた3DSをやっているが他にやることもないし仕方がない。Rは僕が最近あげたipod classicを気に入っていて、Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅを聴いてご機嫌であった。僕はスマホをいじりつつレモン牛乳を飲んだり。

春日部をかすった頃、だんだん眠くなってきてしまった。北千住までまだ30分ほどあるはずである。ちょっと眠ろう…と目をつぶった。スマホを落としそうになったので膝の上に置いた。

…はっと気付いたら窓の外には「北千住」。うっそおんけっこうガチで寝ちゃったの僕。

「やべえ北千住だ!お前ら降りるぞ!」

「えー!寝坊しないでよ!」

子供達にブーブー言われながら慌てて網棚の土産物を降ろし、その他のバッグなども抱え、何よりもRとタクも置き去りにしないようせっついてなんとか降りるのに間に合った。ていうか子供達よ。どの駅で降りるか、先ほどの歌を交えて教えているんだから僕が寝てても気付いてくれてもいいお年頃じゃないんですかね…と言っても後の祭りである。ガーガー寝ていたオヤジが何を言っても説得力なしである。おまけに

「あ、スマホがない!」

膝の上に置いていたからバタバタ降りる際に落としてしまっていたのだ!

「パパ何やってんの!」

「パパどうすんの!」

父の威厳は落ちるところまで落ちた。せめて冷静にいようと思い

「まあまあ、まだ慌てる時間じゃない。こういう時はね、慌てず駅員さんに助けを求めるのさ」

内心ドキドキで汗がダラダラなんだけれども、駅の事務所に行って

「ささささっきの快速の中にスマホ忘れてしまったんですけど!」

カウンター越しの駅員さんに食らい付く勢いでヘルプミー。優しい駅員さんはすぐさま次の停車駅である終点の浅草駅に電話をしてくれて、到着したら探してくれるよう手配をしてくれた。そして連絡が来るまでドキドキ待つ…そして、10数分後

「あったそうです。浅草駅に行ってください」

「ありがとうございます!」

なんということでしょう。無事駅員さんが見付けてくれたのだった。本当にありがたい。僕はうっかりものなので、時々こういう落し物をする。でもほぼ親切な誰かが届けてくれて無事戻って来る。そんな経験をしているので僕もスマホや財布を拾ったらちゃんと届けているけれども、もし

「スマホ落ちてるしw落としたヤツダサ過ぎ」

とか意地悪な人が拾ってわざと壊したり水にポチャンとかする可能性もゼロとは言えないので本当に助かった。。財布とか拾ったことがあるけれども、全て届けているから

「よし、じゃあ浅草行くぞ」

「あさくさ?」

子供達にそう言って改めて電車に乗った。

「覚えてない?浅草」

「うーん」

浅草には花見とかスーパー銭湯でNegiccoのライブとか、子供達を何度も連れて行っているのだけれども、イマイチピンと来ていなかった。しかし浅草駅に近付き隅田川を渡るあたりで

うんこビル
このオブジェが見えたところ

「あ!うんこビルだ!覚えてる!」

「思い出した!浅草ってうんこがあるとこだったのかー!」

Rもタクもふたりそろってうんこうんこうるさい。普段だったら

「よそさまの前で汚いこと言ってんじゃないよ!」

と怒鳴りつけるところであるが、何しろスマホが見つかって安堵して上機嫌だったので

「あっはっは!浅草と言えばうんこだな!」

地元民に袋叩きにあいそうな返事をしてしまった。さぞやバカ親子と思われたであろう。

さて、浅草駅の遺失物取扱い室に行き、駅員さんにお礼を言って無事スマホを受け取った。

「恥ずかしいからママにはこのこと内緒にしてくれ」

と子供達に口止め要求をしたら

「じゃあボクが3DSやりすぎだったってこともママには言わないでね」

すさかずタクが交換条件を出してきので

「わかったよ!」

飲まないわけにはいかないではないか。だんだん磯野カツオみたいになってきたなこいつ。金色に光るうんこを眺めつつ、自宅方面の電車に乗る僕らであった。お世話になった東武鉄道のますますの発展と安全を祈るばかりである。

出発うんこー!(ひどすぎ)

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■かじ散歩。富田宿の遊郭探し。
2015年05月08日(金)
実家に帰省中のゴールデンウィーク。

朝ゴハンを食べてから、子供達に宿題をやらせ始めたので僕はヒマである。なので近所をぶらり散歩してみることにした。生まれてから18年住んでいたけれども、離れてから地元に興味を覚えることもある。

富田宿

富田宿
実家から程近いところにあるのが古い街道沿いの街並み。栃木県栃木市大平町富田。ここは「例幣使(れいへいし)街道」という街道の「富田宿」という宿場町であった。親から聞いたり学校で習ったりして子供の頃から知っていたのだけれども、今は単なる寂れた通りだったのでなんの興味も持たなかった。

しかしオッサンになってふと地元のことを調べてみると、この宿場町はかつて飯盛女が数多くいて大いに栄えたのだそうだ。飯盛女は宿場において旅行者の給仕・雑用を行なう一方でエロスなサービスもする。宿場町は単に旅人が泊まるだけでなく風俗街でもあったのだった。

僕の地元は何にもない寂しいところだとばかり思っていたのに、こんな色っぽい歴史があるとは意外だったのでつい引き込まれてしまった。

富田宿
ここは街道裏の川。地元の古老によると、ブラック職場に耐えられなくなった飯盛女が身を投げたりしたらしい。と言ってもドブ川程度の深さしかなく、スペランカーですら死ねないんじゃね?と疑問が残るのだけれども。昔はもっと深かったのも知れない。

江戸時代から明治になり、風紀的な問題からエッチな要素は街道から切り離され、隔離された一角にまとめられた。「遊郭」である。ただの田舎だと思っていたのに遊郭があったとは驚きである。それを教えてくれたのも地元の古老である。ていうか母だけど。ある日車に乗っている時に

「お母さんが子供の頃までね、この辺に遊郭があったんだよねー。子供だからよく分からなかったけど、なんか独特の雰囲気があった建物と空気だったねー」

ふと母が何気なしに言ったことがきっかけでその歴史を調べてみる気になった。図書館などで調べてみると、確かに遊郭が存在したことが記録されていた。しかし文献だけでは場所が特定出来ず、これも地元の古老…じゃなかった母に聞いてもはっきりしなかった。万事休すか、と思ったところ母が自分より年寄りのスーパー地元の古老に聞いてくれたので場所が判明した。

富田宿
「この通り(赤線が引いてあるところ)が大門通りって言ってね、この通りを挟んでぽつりぽつりとお店があったんだってさ。そういえばお母さんもこの辺のことを大門って言ってたよ…」

大門とは吉原大門のように、遊郭には付き物の建造物である。文献では店も2〜3軒ほどでそれほど多くなかったことが分かっている。これは信憑性が高い。早速行ってみたところ、

富田宿
現在の様子がコレ。遊郭の面影などはなにひとつ見つからないただの住宅街であった。おそらく遊郭が廃れてから半世紀以上経ってるのだから仕方がない。

遊郭跡地めぐりを終えて東武線の駅に近づくと、駅前からモモクロの曲がばかでかい音量で流れていた。何だろうと思って寄ってみると、

富田宿
小学生ぐらいのアイドル集団が踊っていた。周りにはバズーカのようなカメラを構えたカメラ小僧が何人も。なるほど、なかなかカワイイ…うちの娘・R(11才)ほどではないがな!ってオイ。昔も今も若い女で人を呼ぶのだろうか、この地元は。

結局遊郭に関連するものは何一つ見つけられたかったが、散歩している間、やたらと目につくものがあった。

富田宿
富田宿
富田宿
富田宿

「キリスト看板」である。東京だとまず見ないのに田舎に来るとザビエルが貼りまくってんじゃないかってぐらいあちこちにあるのだ。こういうまじめーなメッセージをいくつも見させられると、自分のいい加減な人生を振り返り反省したくなるものである。

キリスト御免。なんちて。

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■ラーメンつけ麺ホントゴメン。
2015年05月02日(土)
祝日の朝早くに電話が鳴った。

嫁が取ると、息子・タク(9才)がはまっているポケモンカードゲーム仲間のお父さんであった。僕が電話を代わって聞いてみると、今日、某所で開かれるポケモンカードの大会にお父さんの子ふたりを参加申し込みしたのだが、ひとりが体調悪くなってしまったので

「参加枠がもったいないのでたっくんどうかな、と思いまして…朝早くからすいませんが…」

というお誘いなのであった。ただし、意識高い系っぽい大会のようで、ポケモンカード会の頂点を目指すようなガチで強いメンツばかりの集まりなのだという。

「そうは勝てない相手だと思うんですが、それでもよかったら…」

とそのお父さん。そうは勝てない、というか絶対勝てないだろう。その話をタクにすると

「えー…」

さすがに引いていてあまり乗り気じゃない感じだったのだが、せっかく誘ってくれたのに断りにくいし、こういうのは場数を踏むことが大切であり、負けることでもたくさん学ぶことはあるだろう、ということで参加させてもらうことにした。

会場に着いて、誘ってくれたお父さん&息子さんに合流。そこは大人も子供もガチでポケモンカードに取り組む熱いバトル会場なのであった。始まる前に大会の進行の説明を聞く。

「予選では6回戦を行ないます。1回あたりの時間は30分までです。上位5名が決勝進出です」

えっ!6回も!さすが意識高い系。30分×6回で少なくとも3時間はかかるのか…。お昼ぐらいには終わると説明を聞いていたんだけど全然違くて、こりゃあデカいイベントに乗っかってしまったな…と、ちょっと気持ちが重くなった。

で、予選がスタートし、タクもバトルスタート。

1回戦!速攻で負け!

2回戦!速攻で負け!

3回戦!速攻で負け!

さすが意識高い系。全く相手にならずボロクソに蹴散らされ、次の4回戦に参加…することはせずに

「このラーメンおいしいね」

「うん。よかったね」

誘ってくれたお父さんに謝ってリタイアしてラーメンを食う僕とタクなのであった。もうタクのメンタルが限界で心が折れてしまったのである。せっかく誘ってくれたに申し訳なかったが、これ以上はタクが辛いだけだった。自分から出たいと言って出た大会ではないし、まだデッキ(カードバトルするための60枚セット)が完成していないこともあり、中断もやむなし、と思った次第である。

意識高い系の大会に出たら、意識他界系になってしまったでござる、という話でしたとさ。


ピーポくん
おまけ。帰る途中の中野駅前で。ピーポくん一家がこぞって護送車にブチ込まれているところに遭遇。扱いが容疑者で笑った。

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