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今日もアリガトウゴザイマシタ。
自分のおなかを気にする娘・R(3才)。幼児体型なのである。実際幼児なので当然なのだけれども、自分の体を気にするお年頃になったのであろうか、と思い
「そーだね、ポンポコリンだね」
などとダイレクトに言うことは控えた。
「でもかわいいおなかだよ」
すべすべしたRのおなかの触り心地は何ともいえない。触ってみると
「けひゃひゃひゃひゃ」
くすぐったがって身をよじる。その姿がなんとも可愛い。
「こら逃げるな。えい。なでなで」
「きゃははは。くすぐったいよう〜」
ほほほ。若い娘の肌はええのう。
「なでなでなでなで!」
「きゃはははは!やめてよう〜」
…いかん。つい興奮して親としての道を外れるところだった。
Rは自分の改めてじーっと見ている。
「ん?どうしたの?」
「Rちゃんねえ、おなか小さくなりたいの」
ああやはり。女の子の自覚が出て来たのであろうか、と思い
「今のおなかのままでかわいいよ」
フォローしてみたら
「ずぼんカッチンするところにおなかにあたるの」
要するに、ジーンズなど、社会の窓の上にある留め金具におなかが当たるのがイヤなのだと言う。なんだかメタボリックオヤジが言いそうなことである。
「じゃ、おなか小さくなりますようにってパパがマッサージしてあげよう。なでなでなでなで!うふふふふ」
「きゃははははは!パパいやーん」
幸いなことに僕はメタボリック腹など無縁なのであるが、単なるセク腹であった。
問題:Rのおなかが出ているもうひとつの要因は何でしょう?
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エンピツ投票。
今日もアリガトウゴザイマシタ。
タクが何やら股間をモゾモゾいじっていたので
「ん、かゆいのか?」
と問うたところ
「ちんちん!」
そのモノを指差して高らかに宣言した。我は股間をいじっている。そして我はこれを何と呼ぶか知っている。故に「ちんちん」と叫ぶ、といった心境なのであろう。
我思う故にちんちんあり。
朕思う故にちんちん。
コギト・エルゴ・ちんちん。
「うん。ちんちんだな」
タクよ、お前の言っていることは正しい、という追認の意味で僕は復唱した。するとRが
「Rちゃんにはちんちんないのよー」
と言った。
「うん、そうだね」
その通りである。
「ママにもないの」
「そうだね。Rとママにはないね」
「たっくんにはちんちんがあるのよ」
「うん、あるね」
Rは家族ひとりひとり、ちんちんの有無を確認している。そしてそれはそこまでは正しかった。しかし
「パパはちんちんあるの?」
と言われので僕はそのまま湯船に沈みたくなった。Rが生まれて3年余、毎日ではないとはいえ、一緒にお風呂に入れる日は出来るだけ入浴して来た。その間、僕の何を見て来たというのか。そんなに僕のちんちんは存在感がないのか。
でかいとは言わないが、大き過ぎず小さ過ぎず、贈って便利、貰って重宝、男女ウフーンのひとときにおけるマストアイテムだと思っていたのに。R自身、受精前の単細胞時代に通過した、いわば「いつか来た道」であるのに…。
この道ーはー、いつか来たみーちー。
あーあー、そうだよー、あやかしの魔羅が勃ってる〜♪
「パパもあるよ…パパとタクにはちんちんがあるんだよ…」
僕は落胆を悟られないよう、出来るだけ平常心を装い噛み含めるようにRに説明した。その後嫁には
「パパにはちんちんあるの?って言われちゃってさ…そんなに存在感ないのかな…」
と嘆いたら
「ないんじゃないの。あっはっは」
全くフォローしてくれなかったので、存在感を思い知らせるべく思う存分陵辱したが、我がイチモツが嫁にもRにも軽んじられていることが分かった今、どのように存在感をアッピールすべきか悩む。
今更ながら鍛えるか。しかしどうやって。誰かアメリカ軍隊式ちんちんエクササイズでも考えてくれないだろうか。
すなわちペニースブートキャンプである。
問題:最近お風呂に入る時、Rが得意気にやってることは何でしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
花のような息子・タク(1才)
髪が長いためか女の子に間違われることが多い。姉・R(3才)の影響もあってか、喋り方や仕草もどことなく女の子っぽい。末は日出郎か雁屋崎かと心配である。
しかし今年もこの季節がやって来た。
「タクを坊主頭にしよう!」
と嫁が言った。去年、髪がフサフサになったタクは頭に汗をかきまくり、痒くなったのだろう、引っ掻き傷や汗疹が多くなってしまったので丸刈りにした。今年もそうしようと言うのである。
「えー。かわいそうだからやめようよ…」
僕は中学時代、強制坊主頭の3年間を過ごした。中学入学直前、納得がいかないまま「校則だから」ただそれだけの理由で丸刈りにされた時は屈辱の余り本気で泣いた。その為坊主頭への恨みと拒否反応は大きい。去年丸刈りにされたタクの姿も見ていて痛々しくて辛かった。
「でも今年もすごい汗かいて、汗疹になってるのよ」
かさぶたになっている引っ掻き傷や汗疹を見ると確かに去年同様にしたほうがいいと思う。今も寝ているタクの頭周辺のシーツには汗の染みが出来ている。
「でもなあ…」
「じゃあタクの頭のにおいをかいでみなさいよ」
嫁に言われるがまま鼻をタクの頭に近づけてみると
「くっさー!」
「でしょう!」
「野良犬の臭いがする…」
あまりの臭さにチャーリー浜になってしまった。最早屈辱のノスタルジアなどに浸っている状況ではなく、自らの手で息子の髪を刈らざるを得なくなったのである。
夕方、風呂場で裸になった僕とタク。僕の片手にはバリカン。いよいよ断髪式である。
「じゃあ切れ味をば」
試しに自分のアンダーなヘアーを刈ってみようとしたが、よく考えると頭が痒くなる別の要因を伝染させるのではないか、と気付き思い留まった。嫁には断られた。
「ではタク、覚悟!」
ぶっつけ本番で一気に刈った。タクは大声で泣き叫びドアを叩き
「ママ!だっこ!ママ!だっこ!」
嫁に助けを求めるが当然嫁は耳を貸さぬ。タクの絶叫が響き渡り、バサバサと髪の毛が落ちる。風呂場は阿鼻叫喚の地獄と化した。僕も必死である。
「よ…よし。こんなもんか」
ようやく刈り終わりシャワーで体を洗ってやってようやく解放。タクはママだっこママだっことひたすらパニック状態であった。やはり坊主頭には強制と屈辱のイメージが付き纏う。
もう女の子に間違われることもなくなった姿。どこからどうみても男。漢。男闘呼組。サンバモードが解けた素の松平健のようである。
翌朝、タクの頭を嗅いだ嫁は
「臭くない!シャンプーの匂いがする!」
と大喜びであったが、僕はやはり坊ちゃん頭のタクが愛しい。それは一晩明けてからも変わらない考えであった。
これを坊主憎けりゃ今朝まで憎し、といいます。
問題:タクの頭を刈っている間、Rはどうしていたでしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
水辺には恥ずかしがることなく、ハニカミ王子ならぬ堂々たるフルチン王子の男の子達がおり、本物のやんごとなき王子様もフルチンになった時、
「朕のちんちんである」
などというインペリアルなギャグをかますのだろうか、とどうでもいいことを考えながら娘・R(3才)と息子・タク(1才)の遊ぶ姿を見守った。
その後嫁が買い物をしたいという。僕は子供達とカキ氷を食べながら待っていたが、なかなか戻って来ない。女の髪と買い物は長い、とのばあちゃんの格言を思い出し、
「子供達は預かった。返して欲しくば2Fの子供遊び場にに来い」
と嫁にメールを打って移動した。そこには子供用アスレチックがあり
「20分300円」
とのことだった。大人用遊び場の「80分25,000円」などに比べれば安いもんである。入ろう、と思った時に嫁がようやく買い物を終えてやって来た。
「20分で入ろうと思うんだけどいいよな?」
「うん、いいよ」
受付でお金を払おうと思ったら、店員のお姉さんが素晴らしく可愛く、
「40分15,000円…」
思わず大人向け相場を口走ってしまい、僕がハニカミ王子。ゴルフは出来ないけど、ゴルフ下ネタはお手の物だぜ。お嬢さん、あなたの19番ホールを…。加えてよしゃあいいのに
「あの子…すごい可愛いな」
わざわざ嫁に言ったところ「フン」と鼻で笑われたので逃げて子供達と戯れることにした。
ボールプールに飛び込むRとタク(この30秒後、2人とも溺れる)
あっという間に20分が過ぎ、可愛い彼女に出る旨を伝えたら
「風船をどうぞ」
子供達にひとつずつ風船をサービスしてくれた。それがまたでかい風船で、Rもタクもご満悦。僕はというと
「やっぱあの子可愛いなあ」
とまたもや嫁に言ってしまい、嫁の体から凍てつく波動がゴババババアと発せられるのを感じた。
僕は風船を貰ってないのに、風船の灯火。
問題:お姉さんにこっそり懺悔することがあります。それは何でしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
母と別れた後、Rがしょぼーんとしていた。
「ばあちゃん行っちゃって寂しくなっちゃったかな?」
「うん」
その姿が恋人と別れた後の少女のような、いとしさとせつなさと心細さを感じさせられ、新宿の雑踏の中に消え入ってしまいそうな気がしたのでたので、
「よしよし、パパがおんぶしてやろうなあ」
半ベソRを背負って歩いていたら、ゲーセンを通り過ぎたところで
「あっ、くまちゃん!」
とRが叫んだ。「ぼくはくま」のぬいぐるみがUFOキャッチャーに入っていたのである。
「ぼくはくま」とは「みんなのうた」で流れていた宇多田ヒカルの曲で、Rも息子・タク(1才)も大好きな歌。
ゲーセンはかつて僕が入り浸っていた場所。ビートマニアやダンスダンスレボリューション(DDR)を極めてブイブイいわしていた過去がある。
近頃はアメリカの軍隊訓練を取り入れたダイエットが大流行と聞く。なんでもその指導者が最近来日した際、何百人もの信者が「隊長!」「隊長!」と成田空港に殺到したという。
すなわち「ビリーズ暴徒キャンプ」であるが、そんなことをしなくてもDDRで体脂肪率1ケタになっていた。
そんな僕であるから「ぼくはくま」ぬいぐるみもあっさりゲット。Rの背の半分ぐらいあるかなり大きなものであった。Rもようやく上機嫌になり
「ぼくはくま、くま、くま、くまー♪」
と歌いながら家に帰った。それからが大変だった。タクも
「んま、んま、んまー!」
と大変エキサイトし、Rとくまの奪い合い。
「Rちゃんといっしょにねるの!」
「たっくんも!たっくんもー!」
ここは火種を持ち込んでしまった父が仲裁しなければなるまい。この子達の火種と子種はメイドイン僕。見事な大岡裁きにて治めてみしょう。
「んーんー。んんんんー」
大岡越前のテーマを口ずさみながらRとタクの間に割って入って
「まあまあ、ここは間を取ってパパと一緒に寝よう」
「やだ」
「やだ」
なんの解決にもならず一件未落着。争い疲れて共倒れし、ようやくふたりが寝静まった後、改めてくまのぬいぐるみを手に取り、付いているタグを見てみた。
「NHKみんなのうた ぼくはくま まくまくん」
まくまくん、という名前なのか、ふーん、と裏面に書かれた注意書きを見てみると
「誤飲のおそれがあります」
飲めねえよ!
問題:このくまのぬいぐるみ、ちょっと恐いことはなんでしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
なんと翌日もきよしコンサートだという。1日目が氷川きよしで2日目がビートきよしというのなら話は分かるが
「2日連続で同じの観んのー?キヨマニー(きよしマニアの略)。オタクー。マジきんもー☆」
と言ったところ
「2日目のチケット持ってた人が都合悪くてね。お母さんが譲ってもらっちゃった」
とのことであった。もう何も言うまい。つつくと右翼より尾崎豊フリークよりも怖いと言われる氷川きよしマニア。深く関わるのはよそうと思う。
1日目のコンサートの様子を語る母は大興奮で、
「前から2列目で、きよしくんと何度も目が合っちゃったー。そんでさ、周りの人がみんな同じような言葉しゃべると思ってたらさ、みんな栃木の農協でチケット取った人だったみたいなのね。だから周りみんな栃木弁」
東京のど真ん中で、「よかんべ」「すげんじゃねん」「ふんだっくれ」「でれすけ」等の栃木弁が飛び交うコマ劇場の様子を想像すると、都心に突然と出現した魔界のようである。
翌日のコンサートに備え鋭気を養うため、母は早々に寝た。いびきがうるさいのは相変わらずで、僕は嫁と腰を振ってズンドコ節といきたかったが、狭い我が家にいびきが響き渡ってしまい、さすがの僕も歯が立たなかった。いや、股間が勃たなかったと言うべきか。
翌日、僕が新宿まで送って行くことになった。
「お母さん、新宿駅から出られなくってさー」
1日目は散々迷ってえらい目に合ったそうだ。確かにJRや私鉄の駅、さらに駅ビルやショッピングモール等がごてごてと重なる新宿駅は、母にとってはドラクエ2のロンダルキアの洞窟並みのダンジョンであろう。
「R(3才の娘)も付いていくか?」
「うん」
息子・タク(1才)は昼寝直前で眠くてグズっていたので嫁と留守番。電車に乗り、アルタ前迄案内してやったら
「ここからなら分かるから」
ということでここでお別れということになった。最後に母とRを写真に撮ってやった。デジカメのモニタで写り具合を確かめた。
「…ふたりとも同じ顔で、Rがとても可愛そうなんだけど」
「何言ってんの!お母さんだって若い頃は痩せてて可愛かったんだかんね!」
新宿の中心で否と叫ばれてしまった。
「私に似てRちゃんもタクも可愛いじゃないの!お母さんはね、お父さんを亡くした時はどん底だった。その頃はまさか孫の可愛い顔が見れる時が来るとはとても思えなかったよ…」
「わかった、わかったよ母さん…」
アルタ前で「ドキュメント女ののど自慢」みたいな語りに入られて困ってしまったが、母なりの山あり谷ありの人生60数年の労苦が偲ばれた。僕と弟を育て、夫に仕え、今ようやく自分の好きなことを気ままに楽しめる時期にいる母。
たまには僕も氷川きよしのコンサートのチケットでも取ってやるかという気持ちにもなった。少しずつでも、恩返し。
小さなことからコツコツと。
そりゃ西川きよしだ。
問題:母がコンサートに必ず持って行くものは何でしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
飲みながらの話はあらぬ方向へ反れ、上司の風俗体験話になってしまった。上司は昔ススキノ(札幌の風俗街)によく通っていたようで、セクキャバなるエッチなお店について熱く語った。セクキャバとはセクシーキャバクラの略なんだろうが
「東京の普通のキャバクラの値段で、ススキノだったらおさわりが出来る!」
ということらしい。らしいというのは僕は風俗店に行ったことがないからである。誰も信じてくれないが本当である。
「おっぱい揉んだりお股をいじったりできるからいいぞー!北海道はいいぞー」
北国の風俗がいかに熱いかを語られたところで現在は東京にいるのだからあまり興味が湧かず、北海道といえば「北の国から」であることよなあと、僕の頭の中にはさだまさしが歌うテーマソングが流れていた。
あーあー、あああああー。
父さん…
僕は…エッチなお店に行って…
キャバ嬢のお股にタッチしていたわけで…。
北のクンニから。なんつってぷー。
よしんばそんな店に行ったとしても、ばれたら嫁に処刑されるに決まっている。
札幌処刑台。なんつってぷー。
ようやく家に帰った時には当然子供達は寝ており、
「起きてる顔を見たかったな…」
絶望のまま布団に沈没。翌朝、
「ぱぱ、おきてー」
娘・R(3才)に起こされた。昨夜見たかった愛しい笑顔がそこにあった。
「…Rちゃん、ちゅーして」
「ちゅ」
最近のRはごく自然に、また自然ゆえになんだか色気も感じられるキスをしてくるのでドキドキしてしまう。続いてRは僕に向かってお尻をフリフリし
「みてみて、Rちゃんのお尻かわいいの〜」
とアピール。
「ほんとにかわいいなあ。えい。なでなで」
「きゃー」
「なでなでなでなで」
「きゃー」
キャバ嬢にお触りするより100倍楽しいと思う。おっぱいは揉めないが…。
そういえば昨夜の上司がこんなことを言っていた。
「北海道の女の子は胸が大きいんだぞ」
「そうなんですか?」
「おっぱいどうはでっかいどう!」
「…」
はて…どこかで聞いたような。あ、以前変な風俗店名を探していたときに見つけた
これのことか!
いつも下らない駄洒落でこの日記を締めくくっている僕も、いぶし銀のオヤジによる本場もんのオヤジギャグにはまだまだ足元にも及ばなかったとさ。
問題:Rは嫁にはもっとすごいお尻フリフリをしていたらしいが、それはどんなものだったでしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
という娘・R(3才)の声で目が覚めたような気がする。
少し目を開くと明るい光が差し込んできたので、もう朝なのであろう。夢心地のままもう一度目を瞑り、耳に入って来るRと嫁の声をしばらく聞いていた。
「パパ、まだねてるの」
「そうだねえ」
「Rちゃん、おしっこしたいの」
「早くトイレに行っておいで」
「パパとトイレにいきたいの。でもパパ寝てるの」
「早くパパが起きるといいねえ」
というような会話があって、やがてRが近付いてくる足音が聞こえ、
「パパ、おきてー」
ポンポンと叩かれた感触が肩に伝わって来た。
Rは僕が家にいる限りは僕とトイレに行きたがる。朝イチのトイレは特に甘えん坊モードなので、毎朝僕がだっこして連れて行く。そんな訳で起きなければなるまい。
考えてみればこれは寝起きが超悪い僕を起こすのに非常に有効な手段である。例えばこちらは眠くてしょうがないというのに
「パパ、起きて!休みなんだからどこか連れてって!」
と闇雲にねだられたとしてもなかなか寝床を離れる気にはなれぬであろう。しかしこの「パパとトイレに行きたいから起きて」は違う。俄然起きる気になってしまう要素が3つもある。まずは
「パパと一緒じゃなきゃダメ」
という気持ちが強く伝わって来るのがひとつ。次に
「いつまでも娘と一緒にトイレに行けるものではない」
という期間限定的プレミア価値があることがひとつ。いつまでも甘えてだっこを迫ってくる訳ではない。いつまでも娘のパンツを脱がせられる訳ではない。いつまでも用を足している間のRのお股を眺め、拭いてあげられる訳ではない。このトイレでの一連の幸せなひとときは、もし気まぐれにでもRの心境が変化し、「自分でやる」と言い出したらもうそれ以降永遠に味わえなくなるのである。あなたたけに!今だけのチャンス!なマルチ商法的誘惑。
そして最後のひとつは
「放っておくとおしっこを漏らしてしまう」
このことである。よって僕はまだまだ眠かったが取り敢えず起きた。
「あ、ぱぱ、おきた」
「Rちゃん、おはよう」
「ぱぱ、おきたー」
「タク(1才の息子)、おはよう」
ふたりの子供達が飛び付いて来て
「ぱぱ、おしっこ、いくー」
早速Rが急かす。しかし僕はやはり眠かった。時計を見ると目覚ましが鳴る10分前の時間であった。
眠いからあと10分ぐらいならば…いやいや何よりもRが漏らさない内におしっこさせなければ…でも眠い…やっぱり寝ていたい…しかししかしRとのプレミアタイムが…
散々迷った挙句
「うーん。ごめん。あと10分寝かせて…」
僕は眠気に屈してしまった。
「ぱぱ、おしっこー」
「ごめん…暫し時間をくれたまえ…」
10分だけの猶予を求め、布団に崩れ落ちたのであった。
これを「おしっこー猶予」といいます。
問題:朝のトイレはいいのだが、ちょっと心配なことは何でしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
僕は女体に興味を覚えるお年頃。
我が家のトイレにひらがなの表が貼ってあるのだが、Rは便器にまたがりながら読める字をひとつひとつ指差して
「あ、そ、ぼ」
などと単語にして読んでいる。女の子がノーパンで「遊ぼ」などと言うのは如何なものか、と考え込むのだが、字を覚えることは良い。
「Rちゃん、パパのなまえもわかるのよ〜。みててね〜。か、じ、り、ん」
「おお、すごい。パパの字も分かるのか」
後で嫁に聞いたところによると、僕の字をひらがなでどう書くかを聞かれたのだという。
「Rちゃん偉いねー。勉強してるのねー」
教えながらRを褒めると
「だってパパがだいすきなんだもん」
と言ったのだそうだ。もう勉強なんかしなくていいからずっとパパだけを好きでいて欲しい。
一方でRは嫁の名前については何故か興味がないようで未だに覚えず、
「ママの名前をいってごらん」
聞いてみても
「やすこ」
僕の母の名前を答えたりする。それを聞いた嫁は
「なんだとおおお!」
と、ひっくり返っていた。嫁にとっては産みの親である自分を差し置いて姑の名前を先に覚えられるとは。更にその名で呼ばれるとは。
空気が震えそうな程の怒りに満ち、生きた心地がしなかったものである。
このように迷走しながらも文字を覚えようとするRの影響を受けてか、息子・タク(1才)も興味を持ち始めたようだ。絵本を読んでいると
「あ!」
と言って指差すのである。指の先にはちゃんと「あ」の字が。
「おー。タクは『あ』が分かるようになったんだね。偉いぞ。何事も興味を持つのはいいことだ。好きこそものの上手なれ…」
「ちんちん!」
「いや、そっちは指差さなくていいから」
文字はいいが、泌尿器に興味を持つのはまだ早い。
だって「興味ちんちん」になってしまいますもの。
問題:タクに「あなたの名前は?」と聞くとなんと返事するでしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
駅弁ファックはさせてくれない。口惜しいことである。
毎朝弁当を持たせてくれるので、娘・R(3才)にも馴染みの風景となり
「ぱぱ、おべんとー持った?」
いっちょ前に僕に確認してくる。そして何を勘違いしたか、僕が会社でやることは弁当を食べることだけ、と思い込んでいる。朝から夜まで食べ続けることになり、無駄に豪華なローマ皇帝の大宴会のようである。
「パパはね、会社でお弁当を食べるだけじゃないんだよ」
とRの勘違いを修正しようとするのだが
「じゃあ電車の中でお弁当食べるの?」
どんどんズレた方向に行ってしまうので、何だか別にどうでもよくなってしまった。
今朝もいつものように嫁が台所で弁当をこさえていた姿があった。何気なく眺めていると、絵を描くようにケチャップをぐりぐりと絞っていたので嫌な予感がしたので覗いてみると、
「わあああああ何を描いてるんだああああ」
なんとオムライスにケチャップでスマイルマークを描いていたのである。
(^―^) ←こんな感じの。
「え、だめ?」
「当たり前だ。こんなの会社の人に見られたら恥ずかしくて」
「あっそう」
と言いながらも嫁はやめるどころか、スマイルマークのほっぺたにまでぐりぐりとケチャップで赤い丸を描き、
(●^―^●) ←このようになってしまい、より被害が大きくなった。
「何付け足ししてんだよー!これじゃピカチュウのほっぺたじゃないか…」
空中元彌ケチャップをお見舞いしてやろうかと思った。しかし「嫌なら食うな」方式の我が家である。嫁がそう作ったのならそれを有難くいただかねばならない。いつもより重い気がする弁当箱をカバンに入れ、会社に向かった。中から笑い声が聞こえたらやだなーとか考えながら…。
仕事が始まり、昼休みが近付くつれ憂鬱度が増した。出来れば他のみんなは外に食べに行ってしまいますように…そのためならドラゴンボールを今から集める旅に出てもいい、とさえ思ったが、そんな短時間で集めるのは無理だった。
結果、オフィスで弁当を食う人が多く残ったまま昼休みとなってしまった。いっそのこと昼飯抜きにしようか、とも考えたが腹は減っている。
「えーい、ままよ!」
わしも男じゃ、と腹を決めて弁当箱を開けた。すると…
持ち運びが荒かったせいか、ケチャップが蓋に付いたりしてスマイルマークは見るも無残に崩れてしまっていた。お陰で誰にも何も言われないで済んだが、これはこれで何故か寂しい気持ちになってしまった。一生懸命作った雪ダルマが溶け、顔が崩れてしまった時の悲しさと言おうか。
こんなお茶目な弁当を作ってくれる嫁を暖かく受け入れていればよかったのである。そしてケチャップ顔が崩れないように大事に持ち運び、例え昼休みに同僚にからかわれても
「いやー、うちのかみさんがねー」
と刑事コロンボ風に頭を掻いて軽く流せばよかったのだ。それだけで充分幸せなのではないか。それを大の男の弁当か、などとつまらぬ見栄を…その方が笑ってしまう。
あまり多くの物を求めても、真に大切な物を見失ってしまうのね…と、ケチャップを舐め舐め考えたのであった。
「人生には三つのものがあればいい。希望と勇気とサム・マネー」
Byチャーリー・ケチャップリン
問題:最近嫁の弁当で苦悩していることは何でしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
ずっと鼻水をズルズルしていたのだがとうとう熱が出て、土日は外に出せず仕舞となってしまった。。先週末は娘・R(3才)が熱を出していたので、入れ替わりのようになってしまった。
既に金曜日に嫁が病院に連れて行っていたので薬はあり、安静するのみ。嫁は心配してオムツ換えの時に
「昨日は袋がびろーんとしてたけど今日は縮んでるわ…」
タクの可愛くて小さいアレまで細かく観察していた。嫁とは違いアレとの付き合いが長い僕でも、それがどういう健康状態を表しているのか分からなかったので
「まあ、一寸のちんちんにも五分の玉金…」
と話すしかなかった。
また、安静とはいってもタクは1日中布団の中にいるわけはないので、
「ぱぱ、ぱどる(パズル)」
家の中でジグソーパズルなどをして遊んでいた。しかし体調が悪いと情緒も不安定で、いつもならサクサクこなせるアンパンマンのジグソーパズルも、
「うわあああん!うわああん!」
ちょっとピースを嵌め込めないだけで思考停止にて大泣き。夕ご飯の時も
「うっぎゃああ!うっぎゃあああ!」
怒りが混じった大きな泣き声を上げるので
「どうしたのかナ?食欲ないのかな?可愛そうに…」
と近寄ってみるといきなり僕の胸倉を掴まえてガックンガックン揺するではないか。
「ふおおおお!ちょっと、タク、離して」
普段は虫一匹殺さないおっとり屋のタクなのに、栃木のヤンキーの霊が憑依したかのようなこの荒々しさ。すいません。僕お金持ってません。
「何かしたいの?何が欲しいの?」
と聞いてもぎゃあぎゃあ泣き叫ぶだけでまるで分からぬ。もう眠いのかな…などと考えていたら、タクがぶん投げたスプーンがすこーんと僕の顔に当たった。
匙を投げたいのは僕も一緒。
問題:ぐったりしているタクにRがしてあげた優しい行動はなんでしょう?
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「びしっとスーツを着て先生(美人)に印象良く思われよう」
朝、張り切って着替えようとしたら
「動きやすい格好でお越し下さい、ってお知らせに書いてあるでしょ!」
嫁に止められたので特に何も考えず無雑作に選んだTシャツに袖を通したところ
このようなTシャツだったためこれも嫁に止められた。
「じゃあR、行くぞー」
着替えに時間を取られてちょっと遅れ気味に幼稚園に到着。ゾロゾロと入園する子供with親父達を先生が総出でお出迎え。若くて可愛い先生が多い。ひとりだけ銀座のママ風味な貫禄のあるおばさんがいたが、多分あれが園長だ。
初めて入るRの教室。何もかもが小さい。担任の先生(美人)が好きだというリロ&スティッチの絵がたくさん貼ってあった。ちなみに僕はロリ&どエッチ。
「Rのロッカーはどこかな?パパに教えて」
と帽子やリュックをしまうように言ったところ、
「ここだよ、ほらー」
Rは自分のロッカーにゴソゴソしまいながら、ある物を取り出して僕に見せた。それは「おとうさんありがとう」と記された、おそらく僕の似顔絵だった。
「R、多分それは今日最後に見せるものなんじゃないかな…」
「?」
「ほらっ誰も出してないでしょ!早くしまいなさいっ!」
いきなりフライング気味のRである。ポートピア連続殺人事件をやろうと思ったらいきなり「犯人はヤス」と言われてしまったような脱力感を味わってしまった。
「はい席について〜。出席を取ります」
先生がひとりひとり名前を呼び、子供達が返事をする。そのさまを親父達が熱い視線を送る。本番まな板ショーのストリップ小屋と何ら代わりがない熱気であった。
「えー、今日は○○ちゃんは風邪のためお休みです」
「お休みです!」
休みの子の確認の時だけ、何故か先生の後に風にリフレインする子供達。何か意味があるのだろうか。卒業式の「僕達」「私達は」「卒業します」「卒業します!」のようである。
程なくして体操を始めるので全員外に出るよう先生の指示があり、園庭は人でごった返す。
「クラスごとに並んでねー」
と言われるがRは人の波に飲まれて動きが取れず、泣き出してしまった。幼稚園では泣き虫とは聞いていたが早速目の当たりにすることとなった。こんなことでいちいち泣いてたら確かにキリがないことであるよ…と見ていたら、さすが担任の先生(美人)である、手馴れた様子で通常の3倍の速さで飛んで来て
「大丈夫よー。はい並ぼうねー」
ぎゅっと抱き締めてフォロー。いいなあ。僕も嫁がやらせてくれない、と泣いてみようかと考えた。彼氏いんのかなー。
泣き止んだものの、余韻が残るR。
体操の後は教室に戻り、先生(美人)のピアノ伴奏により合唱。
みんなよく歌えており、さぞかしこの日のために練習したのであろう。Rの一生懸命やってる姿を見て、泣き虫だが彼女なりに頑張っているのだなと思うと目頭が熱くなった。親父参加のゲームなどもあり、あっという間に終わりとなってしまった。
「じゃあ最後に、お父さんありがとうって似顔絵を渡しましょー」
予想通りRが先走ってしまった似顔絵授与イベントで締めくくり、親父達大感激。僕も改めて似顔絵を見るとキャイーンのデブの方の顔に似ていた。いや、美醜はともかく
「あれ、お目々の周りに黒い円があるけど、これってもしかしてメガネ?」
「そう、めがね!」
「でも僕はメガネしてないぞー」
「描いてる時にね、せんせいがね、パパめがねしてる?って聞いたの」
「まさか、『うん』って返事したとか…」
「そうだよー。じゃあめがね描きましょうねーってせんせい言ったの」
「お前は生まれてから3年半、父親の何を見ていたというのだー!!」
そりゃ確かに担任の先生(美人)を色眼鏡エロ眼鏡で見ていたけどさ…。
問題:担任の先生(美人)の恐るべき事実が判明した。それは何でしょう?
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エンピツ投票。
今日もアリガトウゴザイマシタ。
泣き虫というのはえてしてからかわれる。僕が小学生の頃、国語の授業などで教師に当てられて教科書を朗読することがあるが、読んでいる内に恥かしさが爆発して泣いてしまうモリミツという子がいた。必ず泣くのでモリミツが教師に指されて読む番になると
「ほら、だんだん顔が赤くなって来たぞ。声が震えて来たぞ。そら、泣いたー!」
子供ゆえの無責任さと残酷さから僕らはワクワクして見ていたものだ。
Rもそんな目で見られていないか…と心配になったが、嫁が担任から聞いた話だとどうもそうではないらしい。
なんと、Rが涙を見せるとクラスの男の子が2、3人駆け寄ってきて慰めてくれるのだそうだ。おのれうちの娘に近寄るんじゃねえ、じゃなかった、まことにありがたいことである。いじめが蔓延するこのご時世に、ナイトよろしくRを守ってくれる男子がいようとは。ナイトなど日本には内藤陳しかいないと思っていた。
しかし男受けがいい女は、一方で同性には嫌われるのが世の常である。西原理恵子のマンガに、女の涙が武器として通じるのは
「自分に気のある間抜け男のみです。一番効くのは父親」
と書いてあったがその通りである。
「なによ、なにかっつーとすぐ涙流して男に注目されて。ミエミエなんだよこの東洋毒婦が」
などと妬みを買い、靴の中に画鋲を入れられる恐れがある。ところがRの場合はこれも違うらしい。これも嫁から聞いた話だが、ある日幼稚園が終わって迎えに行った時、
「今日はどんなことがあったの?」
とRに聞くと
「みっちゃんとマユちゃんがケンカしてたの」
と答えたそうだ。みっちゃんもマユちゃんもRの仲良しである。マユちゃんは昨日の日記にも書いた、Rにベタベタしまくる女の子だ。何故ケンカをしたのかをRに聞いても要領を得なかったが、観察していたらしいモナちゃんというこれまたRの友達が言うには
「どっちがRちゃんの隣に座るかでケンカしてた」
とのことだった。R、女の子にも引っ張りだこ。ケンカの原因を言えぬRのことだから、仲裁することもなく
「きっとケンカしてるのをボーっと見ていたんだろうね」
「そうだね…」
嫁としんみり呟き合った。
このようなことがあったので、頼りなくすぐ涙を見せ、おまけにクラスでも一番ちびっこいRのことだから、友達が仲良くしてくれるというよりも、妹的存在、悪く言えばミソッカス扱いされているのではないだろうか、ということが最近の痛し痒しな思いである。
みっちゃんもマユちゃんも公園などで息子・タク(1才)を弟のようにとても可愛がってくれる。Rとの接し方もそれと同じのような気がしてならない。
ちょっとだけRを千尋の谷に連れて行きたくなったようなそうでもないような。せめて泣いてばかりいる子猫ちゃんではなく、もう少し知恵なり行動力を身に付けて
「じゃあ誰が私と座るかクジで決めましょー」
などと機転を利かせてもらいたいものである。
どんなクジにするかというと、もちろんナミダクジである。
問題:Rが今日わくわくして言っていたことは何でしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
朝、眠い目を擦りながら渋々起きたら、既に5時半から起きているという息子・タク(1才)が飛び込んできたので戯れていた。
すると僕の隣で寝ていたはずの娘・R(3才)が突然
「うわああああん!」
と大泣きし僕の胸に飛び込んできた。
「どうしたんだ。なんで泣いているの?」
「うわああああん!」
「ひょっとして、あれか。僕が起きた時Rちゃんも起きてたの?」
Rはコクンと頷いた。
「それで僕にだっこして起こして貰いたかったのかな?」
再び頷いた。
「なのに僕が見向きもしないでタクと遊んじゃったから悲しくなったのかな?」
ようやく小さな声で「うん」と返事をし、僕にしがみ付きまたうわああんと泣いた。
「あああ、ごめんなー」
ぎゅうと抱きしめながら、こんなことならお早うのチューでもしてやれば良かったとRを愛しく思った。
こんなことですぐ泣くRなので、幼稚園でもよく泣く子として既に認知されているらしい。幼稚園の先生が書いてくれる連絡帳にも、ヘアピンが取れたといっては泣き、友達のマユちゃんがベタベタ付き纏っては泣き、とにかく泣いたことがたくさん記述されている。泣かなかった日などは
「今日は泣きませんでした!スゴイです!」
泣かないで当たり前なのにこんなことを先生に書かれてしまうあたり、よっぽど泣いているのであろう。
マユちゃんのベタベタぶりは僕も知っている。Rを妙にお気に入りらしく、ある日公園で会った時などは
「Rちゃあああん!Rちゃあああん!」
幼女ながらレズビデオかと思わせるような色っぽい声と妖艶な手付きで、Rの頭やほっぺを撫でたりまさぐったりする。将来が楽しみな幼女だ…じゃなくて、Rはそれが嫌いなようで
「うわあああん!パパー!」
と泣いて僕のところまで逃げてきたものである。実はRが泣く理由の半分ぐらいはマユちゃんが原因なのでは…と読んでいるのだがどうだろう。
そんなことを考えながらRの頭を撫でていると、ようやく泣き止んだようだった。
「しかしなあ…Rちゃん。こんなことでいちいち泣いてたらきりがないぞー」
泣くのも自己主張のひとつであるが、だんだん強くならなければ…と、
「Rちゃああん、Rちゃあああん」
マユちゃんのマネをしてRのほっぺたを撫でまくったら
「う…うわあああああん!」
しまった。また泣いてしまった。
「あ…ゴメン」
「何やってんのあんたは」
嫁にまで呆れられた。朝起きてからものの30分で2回も泣かしてしまうとは。実はマユちゃんなんかよりも僕の方がRを泣かしていた、というオチが付いてしまった。
泣きっ面にオチでございます。
問題:これだけは泣かなくなった!というRの数少ない強いところは何でしょう?
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それを見かねた嫁が本棚を買った。
「あなたも手伝いなさいよ!」
嫁にケツを引っ叩かれながら組み立てたら、大学教授の書斎にあるような馬鹿でかい本棚になった。実は地下室への隠し扉になっていたりして。
将来地下にお仕置き部屋を設けた家を建てたいものだと悦に浸った。本の奥にある隠しボタンを押すとゴゴゴと本棚が横滑りし、地下へ続く階段が現れる。燭台に火を灯しコツコツと石階段を降り、突き当りの重い鉄扉を開けるとそこがお仕置き部屋であり、様々な拷問用具が蝋燭の灯りに照らされて浮かび上がるのだ。部屋の真ん中には高校生ぐらいになった娘・Rが目隠しされて座らされている。
「君は黙ってお父さんのエロスビデオを見たね…いけない子だ…」
「だって『ちびまる子ちゃん』とかラベル貼ってカモフラージュしてるからでしょ!紛らわしいのよ!」
「ふふふ、あれは実は『ちびま○こちゃん』なのだ」
「どーでもいーよ!」
「しかしお父さんの物を勝手にいじったことは事実。さあお尻を出しなさい」
父の威圧感とお仕置き部屋のおどろおどろしさに負けたRは素直にパンツを脱ぎ、地下中にペチペチとお尻を叩く音が響き渡るのであった。
ああ、いいなあ…。お仕置きするなら地下に限る…と、本棚を組み立てたことで充実してしまった。
「そろそろ本を入れなさい!」
1週間後、とうとう嫁に怒られたので渋々新旧合わせて全部の本棚とシステム机の本を整理した。
「終わったよ」
僕の報告を聞いた嫁は、シゲシゲと本棚を眺めた後、まだ全体の3割ほど空いている棚のスペースを指し
「ああっこの隙間が気になる!」
と訳の分からないことを言った。
「まだキャパに余裕があるんだからいいことじゃないか。」
「だめよ!みっしりと詰まってなきゃならないの!隙間なくみっしりと!」
「うわあ…みっしりマニアかお前」
病的にこだわる嫁を少し怖く思った。そんな隙間にこだわるなら、女体の隙間に僕の突起物をいつでもみっしりと埋め込んでやるのに、その提案はいつも拒否される。
更に嫁は本棚を舐めるように見、せっかく僕が並べたマンガを入れ替えを始めたので
「僕の整理の仕方に何か文句でもあるのか!」
と詰め寄ったところ
「あなたね、ちゃんと1巻2巻3巻って順番に並べなさいよ!」
見事に反撃され、将来嫌な姑になりそうだなあと思った。
「別にいいじゃん。こだわんなよ。お前O型だろ?O型って大雑把じゃん」
「あなたこそ本当にA型なの?ガサツ過ぎるのよ!」
「本当にA型だ。親父もお袋もA型だし、ついでに言うと親父の生まれは新潟だ。」
結局O型の癖に、A型の癖に、という不毛な争いになってしまった。
こういうのも「血で血を洗う争い」というのだろうか。
問題:いらない本を50冊以上ブックオフに持って行ったらなんと言われたでしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
嫁からもらったチラシをワナワナと震えながら眺めていた僕。
娘・R(3才)が通う幼稚園の授業参観日である。日曜日に行われるということは、父親に来いと言っているようなものだ。いつの日か授業中のRの姿を見てみたかった。Rを幼稚園に送ってもいつも外でバイバイしなければならないので、それが心残りであったのだ。
吉原遊郭の大門にある柳の木は、遊んで帰る客が名残を惜しんでこの柳のあたりで振り返った、ということから「見返り柳」の名があるが、まさにそんな心境である。幼稚園にはそんな趣のある柳はないので、別れた寂しさを抱えつつ帰ってウナギの寝床で「寝返りウナギ」になるだけなのである。
そんな僕に授業参観はまたとない朗報。いつもは「月火水木金正日」とかいうバカなTシャツを着ているが、ビシッとスーツで決めていかねばなるまい。
できればビデオも撮りたいが、そういう雰囲気ではないだろう。もっと厳粛とした教育現場のはずである…と思ってたら
「あなた、撮影係よろしくね」
と嫁に言われてしまった。
「え、いいの?」
「たぶんあなたみたいなオヤジ達が必死でビデオ回してるはずよ」
そんな公開エロビデオ撮影みたいに言わなくても。
もっと緊張感溢れる教室を想像していたのだがそうでもないらしい。尤も僕が小学校の授業参観日を勝手にイメージしていたので、幼稚園と小学生は随分雰囲気が違うのだろう。
あの地獄のような小学校の授業参観日…場末の熟女専門ソープランドのような禍々しい化粧の臭いに溢れ、背後にずらりと並んだ熟女ソープ嬢、じゃなかった母親達の痛いほどの視線を感じ、ものすごいプレッシャーであった。
そのわりに油断していた僕は教科書にうんこの絵などを落書きしていたので、わざわざ教室をツカツカと横断して来た母親に殴られたものだ。
恐らく僕はそこまで熱くならないけれども、Rと仲良くしている男の子がいたらやはりツカツカと教室を横断してその男の子を殴ってしまわないよう気を付けねばなるまい。また、願わくば僕も童心に帰って授業を受けたいのだけれども、
「せんせえ、僕も3才でしゅ。3才と384ヶ月でしゅー」
「帰って下さい」
このように殴ったり浮かれ過ぎたりで追い出されないよう心掛けるばかりである。追い出されたら帰るのみなのだから。
さらばー、娘よー♪旅立ーつバカはー♪
授業参観ヤーマートー!
問題:Rの担任の先生に聞いておきたいことは何でしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
娘・R(3才)が風邪のためハナミズと咳が続き、体温も微熱が出たり下がったりで長引いている。
「ただの風邪だったらいいんだけど…なんか違う病気なんじゃ」
なかなか治らないので何かと心配症になってしまう僕と嫁。
「じゃあ医者に診せるか。日曜だから休日診療所だよな」
医者、という言葉を聞いただけでRの顔が曇った。Rは大の医者嫌いなのだ。
「Rちゃん、お父さんと一緒にお医者さん行こうね」
「うわああああん!やーだーやーだー!」
案の定号泣。あまり泣かせたくはないが仕方がない。ここは心を鬼にして連れて行く。外は雨。休日診療所は若干遠い。そして我が家は貧乏なので車がない。従ってタクシーを捕まえることにした。
幸い、ウチのすぐそばが大通りなのでタクシーはすぐ捕まる。僕は「空車」を探しながら余計な事を考えていた。
「空車」「賃送」「迎車」「回送」などの表示の他に
「空腹」「敗走」「芸者」「瞑想」などもあれば面白いのに…
と思っていたら本物の空車が来たので手を上げた。
「どちらまで」
「前の車を追ってくれ」
タクシーに乗り込むやいなや警察手帳を見せて尾行を指示する…というシーンが刑事ドラマではよくあるが、僕も
「前の車を追ってくれ」
と言って健康保険証を見せる、というギャグはどうか…いや、「どちらまで」「また遭う日まで」の方がいいかな…などとネタが頭に泡のように浮かんでは消えた。Rが泣き叫ぶからである。
「やーだー!やーだー!」
「すぐ終わるからねー」
「やーだー!おうちかえるの!」
「全然痛くないからねー」
まるで幼女誘拐である。運転手が変な機転を利かせて最寄の警察署に向かっちゃうんじゃないかと冷や汗が出たが、無事休日診療所に到着。
思ったほど待たされず診察を受けられ、診てくれた薄幸そうな女医が言うには
「風邪ですね…」
とのことだった。Rより女医のほうが顔色が悪かったがひとまず安心して帰った。
なかなか治らないのは何故だろう…と考えてみると、いや、考えるまでもなかったのだが、Rだけではなく僕を含め程度の差こそあれ全員が風邪を引いているのである。みんながみんな風邪菌を撒き散らしているのでなかなか治らないのであろう。
家に帰っても
「おはな」
Rがハナミズを拭ってくれ、と言っていると思えば
「おはな」
息子・タク(1才)もハナミズがだらーんと垂れている。何をしようにも交互にふたりのハナミズを拭いてやらないと物事が始まらない1日であった。
これを「ハナはじめ」といいます。
問題:Rの症状に対し、女医が物憂げに言ったことは何でしょう?
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エンピツ投票。
今日もアリガトウゴザイマシタ。
2年ほど前になるだろうか、横浜中華街で娘・R(3才)にチャイナ服を買ったものである。
こんな服なのだが、もうRには着れなくなってしまっていた。
「捨てるのはもったいないね」
「でもこのままじゃタンスの肥やしに」
と嫁と話していたが、
「そうだ、タク(1才の息子)に着せたらどうだろう」
革命的アイデアを思いついた。
「えー。オカマっぽくなるんじゃないの…」
困惑顔して反対する嫁を退け着させてみた。
「嫁、どうだろう」
「か…かっこいい!オカマっぽくない!」
「うーん」
僕が思ったのは、かっこいいというよりも、
ゼンジー北京のようであった。
「中国は広島生まれ。タネ、仕掛け、チョトあるよ」
という往年のニセ中国人風のマジシャンである。
この格好のまま近所の公園で遊ばせることにした。
「しべりだい、しべりだい」
タクは滑り台をやりたがり、駆けて行ったらちょうどそこにいた小学生男子に
「あっ!中国みたいのがいる!」
非常に大雑把なツッコミを受けていた。
家に帰ってから嫁に
「君用のチャイナ服は無いが、ナース服もセーラー服も体操着ブルマもあるんだから、どれか着てみようぜ」
と暗に夜のコスプレドエロナイトを勧めてみたところ
「やだ」
タクのように素直でない嫁はあっさり断ったのであった。
僕は中国は栃木生まれ。子ダネ、色仕掛け、かなりあるよ…。
問題:もうひとつ、Rのおさがりを着せてみたいのがあるのだが、それはどんな服でしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
時間を確認すると起床予定時間の30分前であり、何故そのようなことをするのだろうか、と寝惚けた頭で考えていたら、どうやら嫁は掛け布団のカバーを洗濯するようであった。
なかなかマメな家事をする嫁であることよ…と感心したが、洗濯のためなら寝ている天使のように安らかに眠る旦那の布団をも剥ぎ取ってよいのか、という真っ当な怒りが込み上げて来た。
「洗濯ー!洗濯ー!さっさと洗濯ー!」
ある朝目覚めると嫁が引っ越しおばさんになっていたことに気付いた…なんてグレゴール・ザムザも真っ青である。しかし唐突に掛け布団を略奪され、寝起きで頭が回っていない僕は殻を失ったカタツムリの如く無力で、
「嫁…布団…かけて」
弱弱しく懇願するのが精一杯であり、「顔にかけて…」とおねだりするAV女優になった気分であった。
「R、あなたの布団をかけてあげて」
嫁は面倒臭そうに娘・R(3才)にそう指示した。自ら手を下さないところを察すると、家族の中で一番最後まで布団に突っ伏している夫など、モンキッキーと改名したおさる以下の価値しか見出していないのだろう。一方Rは
「はーい。たっくん、おいでー」
と素直に返事をして息子・タク(1才)を呼び、共に僕の枕元に寄って来た。やはり娘は優しい。
「ああ、君達ありがとうね…」
ふたりの天使達の手により僕は再び眠りの世界に行くのだ…と瞼を閉じた。
「じゃあたっくん、いくよー」
Rがタクに教える声が聞こえる。きっとふたりで布団を持ち上げ、僕にかけてくれるのだろう…そして布団が僕をふわりと包んでくれるのだ…と待ち受けていたら、
「せーの、ぱぱ、起きてー」
「ぱぱ、おっきってー」
Rとタクは交互に僕をボコボコ叩くではありませんか!暖かい布団の抱擁どころか激痛が走った。
「うわあああ!違う!違うんだ!やめてくれええ!」
「ぱぱ、起きてー」
「ぱぱ、おっきってー」
天使と思ったらとんでもない悪魔だった。このふたりの小悪魔は僕に布団ではなく顔に白い布をかけに来たに違いない。もう彼らから逃げるように起床するしかなかった。まさに最悪な起床。
「Rちゃん、パパを起こす時はチューして起こしなさいとあれほど言ってるのに、どうしてできないの?」
「ぱぱ、おしっこー」
「トイレ行きなさい」
「やだー。ぱぱと行くー」
Rを問い詰めても聞く耳持たず、僕に甘えて尿意を訴えるばかりだった。尊皇尿意かっつーの。
「あら、漏れちゃうといけないから早くトイレ行きなさい」
小悪魔の総元締めであるところの嫁サタンもそう言い、既に僕の起床についての訴えを聞いてくれる者はいなかった。最早これまで、と僕は屈服しRをトイレに連れて行くしかなかった。
悔しいのでRのパンツを半分だけ下げるに留めた。
「あとは自分で脱ぎなさい…」
起床半ケツである。
問題:僕が起きるとすぐ、タクがおねだりしてくることは何でしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
娘・R(3才)であった。
このところずっとハナミズを垂らし、咳き込み、風邪っぽい症状が続いていたのである。
「大丈夫かい?今日も寝苦しいのかな…」
おでこに手を当ててみたら熱い。
「嫁、こりゃ熱があるぞ!」
慌てて水枕などを用意して
「かわいそうに。辛いかい。大丈夫。みんなここにいるよ」
これまた熱くなっているRの手をそっと握った。ようやく泣き止んだものの、瞳は涙で濡れ、顔には苦しみと不安がないまぜになって表れていた。Rには申し訳ないがその表情が惚れ惚れするほど美しく思えた。美しいが故に尚更守らなければならぬ。
午前2時過ぎの真っ暗な寝室。本来Rが来起きているはずがない時間帯。未知の世界にいる心境であろう。僕は子供の頃そう感じていた。極稀に何かの拍子で深夜に目覚めた時の心許なさと言ったら。親は寝ている。テレビもやってない。周りは闇。自分だけ取り残された世界に迷い込んだように思えたものである。
また、唯一例外として深夜まで起きていたのは大晦日の夜であったが、除夜の鐘を聞きながら初詣に行く途中、車の中からセブンイレブンが閉まっているのを見て(田舎なので店名どおり11時に閉まるのである)
「セブンイレブンの明かりが消えてる…!」
大層ショックを受けたものだった。夜11時までの営業なんてのは今は何のインパクトも無いが、当時としてはほとんど不夜城のイメージに近かった。
「それすら闇に飲み込まれている深夜って…」
光も届かない深海の水圧のような闇の重圧と、今にも百鬼夜行が飛び出して来そうな恐ろしさがあった。大人になってからは夜こそお楽しみのエロスタイムであり、闇の重さ・怖さを感じるのは闇鍋ぐらいとなってしまった。しかし子供の頃は闇に対する畏怖の念が確かにあった。
3才のRにとっては尚更心細く感じるであろう。加えて体調を崩している。だから水枕や冷えピタなどの処置はともかく、「パパもママもいるよ」と安心させることが大切なのではないか、と手を握り続けた。
そしてもう一度おでこを撫でてみる…。
「あれ、熱が下がっちゃってるよ」
先程手を当てた時からほんの10分、体全体は確かにほんのり熱いが、その時感じたおでこの熱はあっという間に消え去っていた。子供の体温はガンと上がるとは聞いていたが、下がるのも急なのだろうか。
しかし1時間後に確認したら再び熱くなっており、痛々しくぐったりしているRの姿を嫁と眺め、代わってやりたいよと話した。
そんなことをゴソゴソやっていたせいであろうか、息子・タク(1才)も目覚めてしまった。タクはむっくり起き上がるなり
「ぱぱ、なにいてんの?(何してんの?)」
いきなりニコニコ超ハイテンションで、立ち上がり踊り出す始末。お前こそ何しとんじゃ。闇を闇とも思わない子供がここにいた。
「頼むからお前は寝てくれー」
寝苦しくして眠りが浅いRが雑音でますます眠れなくなってしまう。
闇とはすなわち「病み」である。明るいRの姿が見たい…。
まさに女医スティックになってしまうではありませんか。
問題:水分補給が必要だろうとRを麦茶を飲ませながら考えていたことは何でしょう?
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娘・R(3才)とお風呂でお医者さんごっこをしてしまった。
「Rちゃん、おいしゃさんやるー」
つい最近風邪気味で嫁に医者に連れて行かれた影響か、そんなことを言ったのでお医者さんごっこが始まった。
「じゃあ僕が患者さんか?」
「そうでーす。どうしましたか?」
「もう始まりかよ。えーと、ち、ちんちんが…」
と言おうとして口をつぐんだ。待て。実の娘に何をしようとするのだ。確かにお医者さんごっこの醍醐味はほのかなエロス行為である。しかしRの穢れなき手に僕のなんだか得体の知れないものを触らせるのはどうか。幼児期の思い出作りに、と一瞬心が揺れたであった。しかし
「お前はなー。小さい頃お父さんのちんちんをまさぐってたんだぞ」
と成人したRに言ったところでドン引きすること間違いなしである。あまりのショックの反動でどこぞの男のちんちんをまさぐりに飛び出してしまうかもしれない。
「じゃあまあノーマルなプレイで…お腹が痛いです」
と言った瞬間Rにお腹をぐぼぐぼと揉まれた。ちんちんと言わないで良かった。もし言っていたらどんなハードコアなプレイが展開されていたことか知れたものではない。やはり親として自重して良かった。
「ぐお。R、ちょっと、苦しい」
女医Rは人を悶絶寸前にした挙句
「えーとねえ。どうやって治そうかなー」
こんな女医ヤダ。
「お薬下さい。お薬」
僕が助け舟を出すと
「そーですね。じゃあお薬をだしましょー」
口を開けさせられバケツに入ったお湯をどばどば流し込まれた。
「あ、あの…もうお医者さんごっこ終わりにしませんか…げほげほ」
とんだヤブ医者ぶりに音を上げた僕であったが
「だめ!もっかいするの!」
Rはまだまだやる気満々のチャレンジ女医。
「えー。じゃあもう一回だけだよ…」
「はーい。どうしましたか?」
「…頭が痛いのです」
「お薬でーす」
今度はバケツで頭からお湯をかけられた。
「先生、ひどい!」
「いいのです。これでおしまいです。ありがとうございましたー」
ダメだこの女医。一から十まで間違っておる。
「もう終わりにするぞ!さ、お風呂出るぞ!」
いい加減限界となったので湯船を蹴るように飛び出したら
「ちんちんは痛くないですか?」
なんと、あれほど差し出すのは避けようと思っていたモノを指差すではないか。Rは僕の心を読めるのか?
「いや…痛くないです」
こんなヤブ女医に触らせるわけにはいかぬ。どんなおもちゃにされるか分かったものでない。
まさに女医スティックになってしまうではありませんか。
問題:Rに拷問診察を受けながら考えていたことは何でしょう?
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娘・R(3才)も息子・タク(1才)もまだ寝ていた時、嫁が苦笑しながら言った。
「Rがよくままごとで『たんじょうびおめでとー』とかやってるでしょ?」
「うん、やってるね」
Rはままごとをよくやっているのだが、その中でも「誕生日ごっこ」がお気に入りのようで、ケーキを作る真似事をしたりして、
「きょうはままのたんじょうびです。はい、けーきでーす。はっぴーばーすでーとーゆー」
などと歌っている。嫁はそのことを言っているのである。
「でも昨日に限っては全然やってくれなくてさー」
「そりゃ昨日がお前の誕生日だなんてRには分からないだろう。やったとしても偶然だよ」
「偶然でもいいから『ママ誕生日おめでとう』ってRの口から聞きたかったな」
母の日でも僕がカーネーションを用意し、メッセージを書き、手渡しするのだけは子供達にやらせよう、と考えていたら嫁に断られた。ヤラセをしてもらっても意味がない、子供達が自分の意志でやってくれてこそ嬉しいのだ、という考えの嫁である。この発言も分かるような気がした。
こんな話をしていたらRもタクもむっくり起き上がったので
「R、ちょっとこっちにおいで」
僕はRに手招きをして隣の部屋に連れ込んだ。
「なーにー?」
「ママにな、誕生日おめでとう、って言っておいで」
もう誕生日は終わってしまったのだが、そう言うようにヒソヒソ声で耳打ちした。しかしRは
「わかんない!」
声が小さ過ぎたらしい。もう一度Rの耳を寄せてヒソヒソと囁いたが
「わかんない!いやあああ!うわあああん!」
どうやら耳をいじられるのも嫌なようで、泣き出してしまった。そうか、嫁に似て耳を攻めると弱いか…じゃなくて、Rにはまだそのような策略は通じないようであった。
「ごめんな、パパが悪かった」
もう少し前もって入念に仕込めばよかった…と泣いてるRをだっこして部屋に戻った。そしてタクに視線を移すと、なんだか女の子っぽい。よく見たら女の子用の肌着を着ているではないか。
「なんでだ?胸にピンクのリボンなんか付いちゃって、まるで女の子みたいじゃないか」
「Rのお下がりに決まってるでしょ!」
「面白いから写真撮っておくか」
昨日嫁にプレゼントした花束をタクの側に持って来て、「はいタク、にっこり笑ってー」とパチリ。
撮ったこの写真を嫁に見せたら
「雁屋崎みたい」
ひどいコメントであった。よく見たらハナミズが垂れているし。
「ほいタク、チーンできるか?」
ティッシュでタクの鼻をぬぐった。花も恥らうハナミズ息子、か。
すなわちハナカミ王子である。
問題:僕の母から貰った花も一緒に写せばよいのに、と嫁は言ったのだが
気が進まなかった。何故でしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
「今日の日付は6月4日。6月4日…なんか見覚えのある日付のような…ってギャース!」
嫁の誕生日であった。一昨日ぐらいまではしっかり覚えていて、プレゼントどうするかなあ、などと日記にも書いてあったくせに、当日になったらすっかり忘れていた。
朝、「おめでとう」も何も言わずに会社に来てしまったことであるよ。これは帰りに何か買って行って白々しくプレゼントするしかないか…と思った。まさに手ぶらで帰れぬ状態。
仕事を早めに切り上げ、無い知恵を絞り、どんなプレゼントが良いのやらと考えた結果、オーソドックスに花束がよかろうとの結論に至った。花といえばバラであろう。
僕の好きなマンガ「ガラスの仮面」において、速水真澄という芸能プロダクション会社社長は、女優・北島マヤに対して特別な感情を抱きつつも
「仕事の鬼と言われるこの俺が…!相手は11も下の少女なのに…」
と悩み、その結果、マヤに悟られないように彼女の人生の節目節目に紫のバラを贈り続け、「紫のバラのひと」として影ながら応援していたのである。
そんなわけでバラといえば紫のバラである。ロリコンなところといいストーカーっぽいところといい、僕にピッタリだ。早速花屋に赴き、紫のバラを所望したところ
「ありません」
「じゃ、普通のバラでいいです…」
見事打ち砕かれた紫のマラのひと。しかしそれでも見事な花束を作ってもらい、それは惚れ惚れするような美しさであった。嫁なんぞにあげるのはもったいないとすら思った。
「百万本のバラのー花をー。あなたにあなたにあなたにあーげーるー」
もう気分は加藤登紀子であり、この歌を歌いたい気分。花束を抱え歩いて家に帰ると子供達は寝ていたが嫁は起きていた。
「嫁、誕生日おめでとう。ラ・ビ・アン・ローズ。花言葉はジュテーム…」
「あら、あなたも?」
「あなたも…とは?」
何かいやな予感がした。
「あなたのお母さんもお花送ってくれたのよ」
なんと、部屋の隅には既にもうひとつの花束が飾られてあったのだった。母め、なんというメルヘンなことを。嫁姑というものは普通もっと殺伐としているであろうに。おかげで僕のプレゼントの効果が半減してしまった。
そんなわけで
「あなた…ありがとう…このお花奇麗ね…」
「ふふ…お前のほうが若干奇麗だよ…多分」
「ウフーン」
といった展開にはならず、
「じゃ、ごはんたべる」
「うん」
極々普通の日常生活の夜が更けていったのであった。
せめて、せめて僕も今年の誕生日の時には
「百万個のマラの穴をー。あなたにあなたにあなたに開ーけーるー」
と歌いながらバラエロの生活にしたいものである。
問題:花を買って帰るとき、いつも思うことは何でしょう?
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嫁は何度か子供達を連れて来たことがあるようだが、僕は初めてであった。どこにでもあるような小ぢんまりした公園だが、成る程遊具がピカピカである。
些か変な名前で、「えごのみ公園」という。由来が分からない。小さい公園だから「エコノミー公園」か?近くにゴージャスな「ふぁあすと公園」とかあるのだろうか。ちなみに近所には「どれみふぁ緑地」という公園と、その続編(?)となる「そらしど緑地」という2つで1オクターブの公園が存在する。
それはともかく、わらわらと集まった近所のちびっ子とその親を前に、町内会長の開催の挨拶が始まっていた。
「えー皆様。本日は…」
かなりのご高齢の様子で、ゆるゆるとしたこの挨拶にはラリホーの効果があったらしい。聞いている内に息子・タク(1才)がとっとと嫁に抱かれたまま寝てしまった。
タクはよくランチを食べに行くとか、どこかに遊びにいくとか、一番おいしいタイミングで寝てしまう。将来せっかくギャルとラブホテルに行ったのに途中で寝てしまうとか、損な人生を送りそうで親として心配である。のび太かお前は。
そんなわけで娘・R(3才)だけがイベントに参加。最初は「パン食い競争」であった。大人向けの「パンツくいこみ競争」とかはなかった。
Rの手を引いて列に並ぶ。Rはこのような大人数がいる場は苦手なので、今回はどうであろうなあ…と思って顔色を伺ってみると
「ぱぱ…ぱぱぁああああ」
既に半ベソにて絶望。
「よーいスタート」
「うわあああん!」
本番になったら本泣き。仕方がないので僕が手を引きパンがぶら下がるところまで連れて行っても、泣いてばかりいる子猫ちゃん。
「手で持ってっちゃっていいですよ」
パンを支える実行委員おばさまに暖かい言葉を賜り、僕が掴んでゴールした。お情けでバターロールパンをゲット。他のちびっ子達は飢えた獣のようにパンに飛び付いているのに、どうしてなのだろうか。
うちの子にかぎって…。
続いて参加したのは「輪投げ」であった。大人向けの「朝青龍が負けて座布団投げ」とかはなかった。空き缶が立てられており、輪っかを投げて空き缶がスッポリ入れば賞品がもらえる。しかしここでもRは大泣きし
「うわああん!パパやってぇぇぇぇ」
輪投げを僕に丸投げ。残念賞のキャラメルひと粒をもらって退散。他のちびっ子達は忍者のようにしゅしゅしゅと輪を投げているのに、Rだけ号泣。どうしてなのだろうか。
うちの子にかぎって…。
もうこうなると痛々しくて他のイベントはリタイア。「綱引き」もあったのだが眺めているだけであった。大人向けの「ブラ引き」とか(略)。他のちびっ子達は地引網のようにオーエスオーエス引っ張っているのに、どうしてなのだろうか。
うちの子にかぎって…。
「泣いてるのなんてRだけだよ」
「タクが起きていれば、きっと何も考えずに飛び込んで行ったわよ」
「そのことよ」
まだ涙目のRに聞こえないように嫁と残念がった。イベント終了時、全員にヤキソバ1パックずつ振る舞われた。僕らもありがたく頂戴し、家に帰って食べることにした。
さすがにRはもう泣くことはなく、タクも目覚めてふたり揃って手掴みでワシワシ食べていた。人前だと繊細なR。どうしてこういうところだけ無駄にワイルドなのだろうか。
うちの子が油ぎって…。
問題:パン食い競争のパンを美味しく加工して食べてた子がいた。それはどんなやり方だった でしょう?
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例えば息子・タクが2才の誕生日を迎えるとなると年齢がなんと2倍!ポイント2倍!界王拳2倍!ニバイニバーイみたいな感じでそりゃもう派手に祝おうという気にもなるが、もう僕や嫁の年齢がひとつ増えたところで今更どうってこともない。
まあとりあえず目出度いのでイベント的なことはしようかと思った。去年の僕の誕生日だった時も、別に何もしてもらわなくてよい、と特段何もリクエストはしなかったが、嫁が腕時計をプレゼントしてくれた。
数日後ジャパネットたかたの広告でその腕時計が投売りされているのを発見してしまい、非常に悲しくなったことが今となっては良い思い出だ。
「嫁、なんかプレゼント欲しい物ある?」
「えー別に。わざわざ貰わなくてもウェストポーチあたりを勝手に買おうかと思ってた」
やはり嫁も非常に醒めた答えであった。しかもウェストポーチとは、なんというアキバ系オタク的発想だろう。どうせならセーラー服とかブルマとかメイド服とかプレゼントたるにふさわしいアイテムをリクエストして欲しいものである。さすればそれを着用してバースデーコスプレナイトとか夢のある発想に繋がってもいくというもの。
「なんかこう、もっと違うのないの?」
「うーん。それじゃあ一日ご飯を作らなくていい日とか欲しいわ」
「それじゃあフランス飯でも食いにいこうぜ。誕生日豪華ディナー」
「子供達連れてくの?ただでさえ風邪引いてるっていうのに、あまり遠出は…」
「近所にあるだろ。フランス飯屋。前行ったことあるじゃん。あそこならいいべ」」
「でもあそこ不味かった」
生意気に食通家ぶったことを言いやがって。ペッパーランチでも食ってろ。
「もう何もネタないね…」
「んー。子供達と切り離された時間が欲しい」
「じゃあ明日僕が子守してるから好きなことするがいい」
「池袋にあんみつでも食べてこようかな。美味しいところあるのよ」
「ふーん。でも楽しいのか?あんみつウマーイ!でもひとりポツーン!みたいな」
「た、楽しいよ。それなりに…」
「ひとりでポツンと店にいる人に限って携帯であんみつ写真撮ってたりするよね。絶対ブログとかmixiに載せてるんだよきっと」
「はあ…」
「てかさ、あんみつ食べに行くだけならわざわざひとりで行くこともなかろうに」
「それもそうか」
なかなか煮え切らないまま嫁の誕生日を迎えそうである。もう残されたアイデアとしては、ちんちんにリボンを結んで贈るしかない。
オンリーワンなプレゼント、と言えば聞こえがいいが…
世界にひとつだけのマラ。
問題:ひとつだけまともに喜びそうなプレゼントはなんでしょう?
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汁マニアファミリーである。
タクなどは39度まで発熱してしまった。寝苦しいのか夜中起きてギャンギャン泣いていた。
「おおかわいそうに…」
水枕を用意しつつも実は僕も伝染させられてしまい、かなり辛い体調であったので倒れるように寝てしまった。翌朝、タクの熱は下がったが僕はそのままだった。
喉が痛い。頭が痛い。全身がだるい。関節が痛い。お股の特定部分だけは異常に元気。
すなわち風邪特有の症状である。
また風邪とは別にヒゲソリの際にカミソリ負けしてしまい、顔に赤い腫れがいくつか出来てしまっている。これが痒くてイライラしていたし、風邪で辛いし、ひどい有り様で仕事をしていたら同僚から
「熱っぽいし顔に発疹があるし、はしかじゃないの?」
と言われてしまった。ナウなヤングに大流行のはしかっすか…。
「いやいや違いますよ。風邪ですし、腫れはカミソリ負けですし、今大学生に流行ってますけど僕はそんな若くないですし…第一小さい頃にもうやってます」
「記憶あるの?」
「いえ、やったと母から聞いてます」
「怪しいんじゃないのそれー?」
「いやいや風邪ですって。うちのチビ達から伝染されたのです」
ねちっこくつきまとう同僚は、僕をはしか認定して面白がりたい意図が見え見えであった。とは言うものの弱り目に祟り目、同僚の言うことを真に受けてしまったわけではないが、母にメールしてみた。
「僕、はしかやってるよね?」
母からの返事は
「やってるよ!でも気になるなら医者に診てもらえ」
なんとも玉虫色なお答えで、ますます不安になってしまった。
更にその次の日も相変わらず不調で、会社では再びはしか疑惑をかけられたが、それに加えてもっとひどい疑惑を投げかける者がいた。
「エイズだったりして」
あんまりだ…。
いやらしい目で僕を見つめる同僚。ただれた性関係などを想像しているのだろうか。
「なんでそう最悪な方向に持ってくんですか…僕は嫁一筋ですよ」
「潜伏期間長いんだから結婚前まで過去を振り返ってみな?昔、行きずりの女と…とか」
「そんなやり捨てみたいな鬼畜なことはしてないっす!やるときはちゃんとした相手に、誠意を持ってコトに及びましたよ。当然結婚してからは嫁に誠意を持って」
「どうかなー。よく言うよ」
「それこそ誠意大将軍ですって。はしか疑惑の上にエイズ疑惑なんてひど過ぎますよ。幕府開きますよホントに」
誠意大将軍、はしかが尊氏。なんつって。
問題:唯一まともなことを言ってくれた人の話はどんなものだったでしょう?
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マリリンモンローのように香水だけ身に纏って寝ろということか。カステラ1番電話は2番。シャネルの5番はププッピドゥー。ココシャネル。ココ山岡。ココ壱番屋。
そもそも家にそんなパフュームはないので嫁にパジャマの在り処を聞くしかない。
「嫁、僕のパジャマのズボンどこ?それかシャネルの5番」
「あー。今まで冬物の厚手のやつ着てたでしょう?夏物の薄いのに替えようと思ったんだけど、それが見付からなくて…」
「冬物でもいいからくれよ」
「どこ行ったのかなー」
「僕はここ3日ほどずっと下半身はパンツのみで寝ているんだぞ!」
この方が快適であるといえばそうなのだが、よこちん事故が多発する恐れがある。それに朝パンツを押しのけてMorningBockingが隆々と屹立していたら大変である。息子・タク(1才)や娘・R(3才)にどう映ってしまうか、考えただけでも恐ろしい。
「ほれ」
結局今まで着ていた冬物のパジャマを嫁が投げてきたので着用した。ああ、これで落ち着く。ただなんとなく夏物のパジャマが着たかったような。嫁に言われたら言われたで、この冬物がモコモコして暑く感じられるようになってしまった。まったく知らぬが仏だったのに。そこで僕は嫁の背後から抱き付き
「薄手のパジャマはなかったが、薄手のゴムを付けようと思うんだけど」
婉曲的な表現でまぐわいを欲した。
「あのね、今出血期間なの!」
「なんだってー!」
ところが結果は死刑宣告にも等しいものだった。
「トイレに生理用品が置いてあるの見えなかった?そういうことよ!」
「あったっけ?」
「あるのよ!」
悔しいのでわざわざトイレに入ってみると、なるほどゴミ箱の奥にソレは置いてあった。堂々と真ん中にあるのならともかく(それはそれで嫌だが)奥の角に隠すように置いてある物を見落としたとしても、それほど責められることではないと思うのだが。
「確かにあったけど…」
「もう、どこ見てんだか。察しなさいよ!」
生理用品を見落とした僕はアンポンタンポンのようである。
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