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嫁と娘・R(3才)と息子・タク(1才)が千葉への旅行から帰って来る日。
何が何でも子供達が寝る前に帰らなければならぬ。数日間会ってないのにようやく帰って来たら既に寝ているなんて悲し過ぎる。
鬼神の如くなりふり構わず仕事をでっち上げ(端から見たら鬼神じゃなく単なる奇人だったかもしれない)、夜の星が瞬き始めた頃にとっとと帰宅。
「ただいま〜」
と顔を見せると
「ぱぱ、ぱぱ、ぱぱー」
仔犬のようにじゃれつくタクと
「ウギャアアア!ホギャアアアアア!」
絶叫して走り回るR。一応「パパと会えて嬉しい」というリアクションとして解釈してよいのだろうか。であれば早く帰って来た甲斐もあろうというもの。
「あなたへのお土産はこれよ!」
嫁が差し出したのは
「くじらカレー」
…また微妙なところを突いて来たものである。嫁のセンス、侮り難し。これを持ってオーストラリアに行けばシーシェパード(捕鯨を強く反対している団体)に袋叩きにあうこと請け合い。オーストラリアだってカンガルーとかオストリッチ(ダチョウ)食ってるくせに。オストリッチは僕も食べたことあるが…女子高生の黒タイツ足はチョットエッチ。
それにしても僕が留守番中に食べるように、と嫁が作り置きしていたのもカレーである。正直胸焼けしてしばらくカレーは見たくもなかったのにこのトドメの仕打ちは酷い。僕をインド人にしたいのか?
天竺か!(「欧米か!」のパクリ)
それでもまだ「○○まんじゅう」や「××サブレ」のような、ありきたりな「名物に美味いものなし」を地で行くような土産物ではなかったことだけは感謝したい。これは旅行前に僕が頼んでおいたことだ。そんなのだったらお土産はいらない、笑えるネタになるようなお土産の方がまだ良いと言っておいたのであった。観光地にはえてして珍妙な土産物が売っているものである。
「他になんか面白いのあった?」
「あなたがそそりそうなものは、いくつかあったけど…」
「え、どんなの?」
「変なのあったよ。『まめもっこり』とか『マメリンモンロー』とか」
「うおおおお!何そのしょぼいネーミング!何故買って来なかった!」
千葉で豆といえば特産物である落花生。それをネタにした物であることは容易に想像が付く。
「私が『もっこり』とかそんなの買える訳ないでしょう…」
しかし嫁の答えはつれないものだった。
「じゃあせめて写真ぐらいは撮ってくれてたって…お願いしてたのに…」
「私のデジカメが穢れる気がしてやめたわ」
くぬううううう!写真を撮れと言えば撮らないし、ある時はパンツを取れと言えば取らないし、なんて嫁!悔しかったので後でインターネッツで調べたところ、それらの正体が判明した。
…嫁の気持ちが分かった気がする。千葉は「あさリーマン(※)」といい、どうしてこのような破滅的なキャラが多いのか。浦安に侵略された洋物人気キャラに対する捲土重来を図っているのだろうか。
※あさリーマン
嫁の常識的な判断にひとまず感謝し、僕は大人しくくじらカレーを食べるべきであろう。但し今はカレー漬けで下手すりゃ吐いてしまうから、また今度…。
この缶詰を見るだけで…うぷ…。
クジラだからホゲー(捕鯨)
問題:嫁の伯父が「今度は旦那(僕)も来れば?」と誘っていたそうだ。それは何故でしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
家でひとりになるとまずろくなことを考えないもので、今宵は鬼子母神の話を頭の中で反芻していた。
鬼子母神はもともとハリティーというインドの夜叉である。クロマティではない。ハリティーには500人(1000人?)の子供がいたが、この子達のために人間の子供を攫っては食べてしまっていた。これを見たお釈迦様は彼女が一番可愛がっている子供を隠してしまった。
彼女は必死になって探すも見つからず、悲しみに暮れている時にお釈迦様が現れ、
「たくさんの子供がいるお前が、たったひとりの子を隠されただけでもどれだけ悲しいか分かったろう。お前ほどの子供のいない人間親達の、子供を攫われた辛さはいかほどのものだろうか?」
と諭してハリティーの子供を返してやった。その後ハリティーは改心し、巨人軍の主砲として活躍、じゃなかった、お釈迦様の教えに従い子供を守る神様となりましたとさ。
僕も娘・R(3才)と息子・タク(1才)がいないだけでこれだけ辛いとは。
僕も大量といえる「我が子」を殺しているわけで。ストレートに書くと生臭いので婉曲的に書くと「精」がつく単細胞の尻尾がある生き物。見殺しにした数は軽く兆の単位になっているはず。生き残ったのはRとタクのふたりだけ。凄まじいジェノサイドである。これもお釈迦様の罰か。
そんなことを考えつつの誰もいない我が家は絶好のエロスビデオ鑑賞タイムであり、ついつい無駄な殺生をしてしまうのであった。
僕は恐れ入谷のキモジジイ。
問題:ひとり生活でそろそろ限界に来てることは何でしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
ひ、ひとりでできるもん!
家の中で異様に存在感のある雛人形達は大人しくしており、昨日の日記に書いたような、気が付いたら三人官女の顔が全員瀬戸内寂聴になっていたり、五人囃子が寂聴ファイブ、じゃなかったジャクソンファイブになっていたり、一見異常がなさそうだがよく見たら全員額に「肉」と書かれていたり等の怪奇現象は幸いなことに起きていない。
置き土産である嫁が作ったカレーをネトネトと食べていると嫁からメールが来た。
「Rが作ったカレー食べてね!」
とのことだった。泣けてきた。オロロン。美味しい、美味しいよR。食べてる、食べてるよR。
その内嫁から電話がかかってきた。はいはいと出ると
「テレビ電話でかけてるんだけどー」
慌てて画面を見るのだがそうすると音声が聞こえず、どう設定すれば聞こえるのかポックリ忘れてしまっていたので携帯をアワアワお手玉してしまった。
画面の方もおそらく顔を近付け過ぎたためであろう、マーズ探査機が送って来た火星の画像のような何が何やら分からない状態で
「うわ、火星人!」
と思ったら嫁の顔だったりして、お前はいいから子供達を出せとまったく埒が明かぬ。いたずらにDoCoMoの懐を潤すだけであったので
「普通の電話でかけ直して〜」
最新技術を全く使いこなせない僕らであった。
「ぱぱ、うみがみえるのよ」
仕切り直して電話をかけてきたRは楽しそうな声。父がいなくても存分に楽しめることに少し嫉妬。しかし僕は知っている。Rは何か楽しいことがあるといつも
「ぱぱにおしえてあげよーっと」
と叫んでいることを。そして後で僕に一生懸命説明してくれるのだ。今回も至る所で叫んで欲しい。ていうか叫べ。世界の中心でパパと叫べ。おじさんの中心の黒バナナをお食べ。じゃないと僕はカレー鍋に顔を突っ込んで死ぬる。
「タクはいるかな?タクと変わってくれる?」
Rと喋っていると涙が出て来そうなのでタクの声を聞かせるようRを即すと
「いやー悪いねえ。今ホテルに着いたところなんだよ。目の前に海が見えていいねえ」
随分とペラペラと喋る1才児だなあと思ったら嫁父ではないか。呼んでねえー。結局タクは携帯を持たせると喋るより携帯いじりに没頭してしまうとのことでダメであった。聞こえてくるのは嫁一族の楽しそうな笑い声ばかり。
目の前に海原が横たわるホテルで一泊して水入らずの団欒…か。僕は
目の前に女体が横たわるホテルで一発して嫁いらずの淫乱…
だったらよかったのになあ。
問題:僕が嫁に釘を刺していることはなんでしょう?
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嫁が娘・R(3才)と息子・タク(1才)を連れて行ってしまう。
週末は嫁一族の旅行なのである。血の繋がりのない僕はひとり留守番である。出発前夜、荷物をまとめていた嫁は
「カレー作っておくから食べてね」
と僕に言った。明日はひとりで寝るのか…と思うと、狭い家なのにやたらポカンとした空間になることを感じた。今、寝る部屋に雛壇が飾られているのだが、僕以外無人となると、この人形達の存在が大きく感じられる。
「なんか…この人達にひとり見つめられて怖いなあ…」
「なに言ってるのよ」
「いつも人間サイドは4人いるから心強いけど、僕ひとりになると待ってましたとばかりに襲って来たりしないかな?」
「そんなわけないでしょ」
「人形苦手なんだよ〜。暗闇の中で彼らの目が光ってたらどうする?目が覚めたら全員が雛壇から下りて枕元に立ってたらどうする?怖い!」
三人官女がケタケタ笑い、五人囃子が楽器を凶器に持ち替えて襲いにかかり、ついでに七人ミサキ(※)も加勢して来たら…。
※七人ミサキ:
悪事を働いた者の魂が七人組となり互いの強い怨念で縛られ成仏できなくなったもの。絶対七人でなければならず、一人でも欠けると頭数を揃える為、人を殺し引き込む。地方によっては七人ミサキを見た者は必ず死ぬと言われている。
「江原なんとかにでも頼んで一晩中枕元に居てもらえばいいでしょ!」
「いや、それはそれで怖い」
嫁は馬鹿馬鹿しい話には付き合ってられぬとばかりに話を切り上げ、テレビにでっかく
「キムタク」
と書いたメモを貼り寝てしまった。出掛ける前にキムタク主演ドラマを忘れず録画予約する為のものらしい。お前の方が馬鹿馬鹿しいのではないか。僕は「ツユダク」と落書きして寝た。
翌朝。嫁子供達はいよいよ旅行に出発。僕は仕事。出掛ける前に子供達に別れを告げた。
「タク…しばらくお父さんと会えないけど忘れないでね」
「ぱぱ、ぱぱ」
「Rちゃん…お父さんがいなくても大丈夫かい?」
僕はRに「パパ行かないの?一緒じゃなきゃやだ」と駄々をこねて欲しかった。嫁は出鼻を挫くようなことはするなと怒るかもしれないが、それで寂しさを紛らわせたかった。しかしRの答えは
「だいじょうぶよ〜」
…僕はいつどこで野垂れ死んでもいいようだ。
仕事から帰って来ると、当然誰もいなかった。これから数日間、雛人形の恐怖と戦っていかなければならない。どう気を紛らわせば良いものだろうか。
七人ミサキ…。
五人囃子…。
三人官女…。
一人えっち。
問題:カレーを温めてさあ食べようという時にやらかした失敗は何でしょう?
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寝床で僕が嫁に「いいじゃないか」と迫ると手刀で跳ね返されプイと背を向けられる。これは水戸黄門が8時45分に印籠を出すと悪が倒されるように、我が家で何度も繰り返されるマンネリである。僕が陰嚢を出すと嫁に倒される。
嫁が駄目なら息子がいるさ、とタク(1才)に
「タク〜。お父さんと抱き合ってモフモフしてねんねしよう。こっちおいで」
と誘うのだが、タクは「まま!」と叫んで嫁に抱きついてモフモフしていた。
「あらタク〜。かわいいね〜」
嫁よ。僕は駄目で息子はいいのか。若い肉体がいいのか。それにタク。お前も女体がいいのか。さすが僕の息子。血は争えない。すなわちブラッド・キャント・ファイト。
それならば、息子が駄目なら娘がいるさ、とR(3才)に
「Rちゃん、お父さんとねんねしよう」
と迫ると嫁譲りの手刀で跳ね返され、プイと背を向けられてしまった。さすが嫁の娘。血は争えない。すなわちブラッド・キャント・バトル。
「Rちゃーん、寂しいよう〜」
全ての者にフラれ、親の威厳もあったものではないダダッコぶりを見せると、Rがくるりと振り返り、仕方ないわね、という顔で
「はいはい、じゃあちゅーしてあげるからね」
ちゅっと僕の唇に口づけをしてまた背をむいてしまった。
「うわ…ちょっと…R…」
あまりにも一瞬の不意打ちだったので呆然となった。というか鼻血が出そうになった。何この色っぽい男のあしらい方。Rは一体どこでこんなことを覚えたのだろう。嫁にはこんな艶のあることはしない!悲しいことにしない!3才の娘の方が親父の扱いを知っておるわ。
Rにツンデレな接吻をされ、もうこのまま永眠しても「我が生涯に一片の悔いなし!」と叫べる程浮かれあがってしまったが、それでも冷静に考えると嫁息子娘と全ての者にフラれたことには変わりがないので、振られ気分でロックンロールな僕であった。
振られ気分でロックンロールとは、「TOM CAT」というグループが1曲だけヒットした歌のタイトルである。すなわち一発屋である。
嫁と一発も出来ない僕はそれにも劣るわけであるが…。
問題:いつかはRに打ち明けたいこと。それは何でしょう?
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キッザニアに行って来た嫁と娘・R(3才)と息子・タク(1才)
仕事から帰って来たらまだ起きていたので、「どうだった?」と聞いてみた。
「いやー混んでたわ。何やるにも並んで…3つ回るので精一杯だったわ。」
「Rちゃんねえ、Rちゃんねえ…」
「ぱぱ!ぱぱ!」
嫁とRとタクが三位一体となって返事してきた。僕は聖徳太子か。
「まるでディズニーランドみたいだね」
とりあえず嫁に返事していたら
「Rちゃんねえ!Rちゃんねえ!」
Rが自分で説明したいようだった。
「ごめんごめん、Rちゃんは今日何してきたのかな?」
「えーっとねえ、ピザつくったの。ソフトクリームつくったの。バスのったの」
ピザ屋とソフトクリーム屋の職業体験と、はとバスツアーの「乗客役」として乗ったんだそうだ。バスガイド体験は決まったセリフがあるのでRには無理とのことで…。
「昨日言ってたパン屋はやらなかったのかい?」
「パンは混み過ぎてて出来なかったよ」
「Rちゃんねえ、Rちゃんねえ…」
「でもピザも似たようなものだからいいか」
「Rちゃんねえ!」
「はいはい、ごめんね。どうしても自分で言いたいのかな?Rちゃんは」
「キッザニアにいる間、何かっていうとすぐ『パパにも教えてあげよーっと』って言ってたよ」
じーん。実は僕は一緒に行けなくて寂しかったのだが、離れていてもRの心の中に僕はいたようだ。
タクは1才なので対象年齢外であり、参加は出来なかったのだがRが作ったピザを
「たっくん。ぴざどうじょー」
ガツガツガツ。
「これ、Rちゃんがつくったぴざよー」
ガツガツガツ。
姉の必死のアピールも無視して無言で食べたりしてそれなりに楽しんでいたらしい。外のテラスも気持ちが良く、そこでも遊んでいたようだ。
子供達も満足だったようだが、
「いやーいいわあそこ。楽しいわ」
嫁も殊更に気に入ってしまっていた。写真も見せてもらったら、各企業の体験ブースにいるRをカメラで撮りまくっており、上野動物園でパンダを見ている状態。
「大人用のラウンジもあったんだけどね。ネットが出来たりするんだけど。あなたにうってつけ」
「いくら僕がネット漬けでもさすがにここではやらないぞ」
何しろ各ブースでそれぞれのユニフォームに着替えたRが一生懸命職業体験をしている姿が可愛くてたまらない。このユニフォームというのもミソで、病院体験ならナース服、警察体験なら警官の制服、というように我が子が色々な服に身を包むコスプレ的な楽しみも人気がある要素のひとつと見た。
子供達はさすがに疲れてすぐ眠ってしまった。
「じゃあ嫁、子作り体験しようか」
「もうさんざんしたからいいです」
完。
問題:キッザニアでちょっと変なアトラクションがあったがそれは何でしょう?
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夜、会社から帰って来て子供の寝顔を見ようと寝室を覗いたら
「ぱぱー!」
布団の中から娘・R(3才)が飛び出してきてびっくりした。
「こんな遅くまで起きてたの?」
「えっとねえ、Rちゃんねえ、今日、パン作りに行くの」
Rは「今日を含むそれ以前」のことを「昨日」と言い、「明日」のことを「今日」と言う。1日ずつズレており「明日」という言葉はまだおぼろげにしか覚えていない。なのでこれを訳すと
「明日パンを作りに行く」
ということになる。
「Rちゃん、今日じゃなくて明日だね」
「あした?」
「そう。明日という字は明るい日と書くのね。若いという字は苦しいに似てるわ」
明日、嫁はママ友仲間と一緒にRと息子・タク(1才)をキッザニアに連れて行くのである。色々な職業体験が出来るキッザニア…。僕は金払ってまで仕事はしたくないが、幼いRには貴重な体験となるだろう。1才未満で対象外のタクが可愛そうではあるが。Rはここでパン職人の体験をしてみたいらしい。
「ぱぱ、いっしょにねんねしよ」
新妻のようなはにかみを見せて僕を寝床に誘うので、昔は嫁もこんな新鮮だった…と既に寝床で横たわっている現在の新鮮ではない嫁を横目にしながらいそいそとRと布団に潜り込んだ。
ところがRはちっとも寝ない。はしゃいでしまって寝ようとしないのだ。
「わくわくしてしょうがないんだね」
きっと遠足の前夜のように明日が楽しみで仕方がないのだろう。そんな感覚、とうの昔に忘れておった。そんな純粋なRを羨ましく思い、
「ほらほら、早く寝ないと明日起きられないよー」
と言いながらもなかなか言い聞かせられなかった。
様々な職業体験が出来るキッザニア…。大人向けにもないのだろうか。例えば学校とか病院とかで、女子高生や美人ナースがもてなしてくれるという…。
あ、そりゃイメクラか。
問題:キッザニアで嫁が色々心配していることは何でしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
娘・R(3才)とお風呂に入っていたところ、こちらにお尻を向けていたのでツンツンしてみた。
僕は変態おやじではない。あまりにも可愛かったから、猫の頭を撫でるような感覚である。それにもうひとつ、これはある謀略の伏線なのである。
「けひゃひゃひゃ、やめてよ〜」
3才児とはいえ、まいっちんぐマチコ先生並みの女の子らしい恥じらいと照れ笑い。男としてはまんざらでもないように思え、いやよいやよも好きの内、1月3日は幕の内、ふとももももももものうち、あと一押しだやったれやったれ、といったところである。
僕は変態おやじではない。あまりにも(中略)謀略の伏線なのである。
Rがこちらを向いたので今度はおっぱいを突っついてみた。重ね重ね言うが僕は変態おやじではない。あまりにも(後略)
「ぱぱ、さわらないで〜」
「はいはいごめんね。もう触らないよ」
Rが逃げる仕草を見せたのでこれでよしと思った。
翌朝、会社に出掛ける前に眠りから覚めたRをトイレに連れて行く。
「でたー」
Rの自己申告の後、さあここが謀略の見せ所である。
「パパはRちゃんには触らないと言いました。だから自分で拭き拭きしようね」
Rはまだ自分で拭けないのである。もう4月から幼稚園生なのにこのままではいけないので、敢えて汚れ役を買ったこの父の親心よ。さあ自分でトイレットペーパーを掴んでお股を拭くがいい!
ところがRは
「いやーっ。ぱぱやってー」
お尻よりもおっぱいよりもデリケートな部分なのに、父の謀略は脆くも崩れ去った。入園まで一ヶ月半を切ったというのに、どうしたらいいのだろう。
…困ったフリをしつつ本当は嬉しいんだけど。いつまでも絶えることなくRのお尻を拭いていたい。
いーつまでもーたえるーことなくー。お尻だから今日の日はさよオナラってやかましいわ。
結局Rのお尻を触ってしまって出勤する僕はサワリーマンである。
問題:Rのお尻を拭くとき、よく嫁に言われることは何でしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
娘・R(3才)は4月から幼稚園児になる。
このたび幼稚園より制服その他必要な備品が支給された。制服マニアの僕としてはいち早く着て欲しいところ。嫁も着せてみたかったようであり、何よりR本人が着たいようであり、
「みてみて〜」
丸い紺の帽子、紺のブレザー、そして膝上スカートに白タイツを召したRは僕にとっておきのポーズを作って見せた。こないだまでヨチヨチ歩きだったこの子がもうこんな立派な姿になって…ついこないだまでトイレで自分のお尻が拭けなかったRが…あ、今も拭けないか。まずいな。もうすぐ入園なのに。
ともあれ誇らしげなRの制服姿に感無量となった。しかし制服に厳しい僕はまじまじと見るにつれ、そのデザインの野暮ったさが気になって、
「なんか、田舎のデパートの受付嬢みたいだね」
と言ったところ嫁が苦笑いした。実際ラブ&ベリーかってぐらいのファッショナボーな3才児がいたらムカつくし、僕のような制服フェチがそそってしまうものだったら逆に誘拐などの危険があるので、保護者としては無難なデザインと言えなくもない。
余談であるが僕の友達の受付嬢にはこんな経験がある。デパートのインフォメーションボックスに座っていたところ、制服姿の男子高校生がツカツカとやって来た。高校生は彼女に100円玉を差し出した後、カウンターに肘を付いて腕相撲の構えを取り
「横綱でお願いします!」
と言ったんだとか…。
きっとこれをやりたかったんだと思う。
さて、あと1ヶ月ちょっとで幼稚園に通うことを考えると、実際かなり危なっかしい。当然嫁が連れて行くことになるのだけれども、本当は僕が連れて行ってやりたい。しかし時間が絶望的に合わない。Rの通園時間よりずっと早く僕は会社に行くのだ。
外には危ないことがいっぱい…。僕が子供の頃はドブに落ちないようにすること程度だったが今は違う。Rの胸に付いている名札もそうだ。最近では不審者に目を付けられるのを防ぐために登下校(園)時は名札を付けさせない学校・幼稚園がある。持ち物に書く名前も出来るだけ目立たない場所に書かせる等配慮しているという。
僕が中学生の頃は、胸にでかでかと名前が書かれたジャージでどこへでも行ったもんだが
「このご時世、名札もおちおち付けてられないんだねえ」
と嫁に言うと
「そんなこと知らないよ。Rには普通に付けさせるよ。何言ってるの」
ひどく無愛想な返事をされた。何かおかしいことを言っただろうか。僕はこんな話もある、と続けた。
「不審者対策のために『知らない人に挨拶されても返事しない』って学校からきつく教えられてる子供は、近所の人に名前を呼ばれて挨拶されても返事しないんだって。子供の安全のために地域のふれあいを切り捨てざるを得ないんだねえ」
しかし嫁は
「はあ?この辺じゃ普通にやるよ」
なんだか輪をかけて不機嫌な返事。僕はRの身の安全を心配してるからこそ言っているのに…無愛想な嫁なんか嫌いだっ。制服のRは大好きだっ。そんなわけで少し遅れた節分の豆撒きをすることにする。
鬼嫁は外。制服は内。
問題:Rの体操着を見て、ガッカリしたことは何でしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
嫁が花粉症で病院に行っている間、娘・R(3才)のリトミック教室に連れて行った。息子・タク(1才)だけ家に置いとくわけにも行かないので彼も一緒だ。
久しぶりなのでRの成長はどんなもんか見てやろうと思ったのだが、本来部外者であるはずのタクの立ち振る舞いの派手さに驚いた。
年齢不詳だが多分僕とそう変わらないだろうという妙齢のヨシコ先生が、
「あーなたのお名前は?」
そこはかとなく色っぽく、歌いながら生徒ひとりひとり聞くのだが、答えられない子がいると、タクが聞かれちゃいないのに
「んまんま、んー!」
すさかず返事をする。それに座っているママさんのところまでわざわざ歩いて行き、ひとりひとりの顔を覗き込んでニッコリ笑顔を振り撒く。お前は歌舞伎町のホストか。
レッスンの邪魔になりそうになるたびにタクを押さえ込みにかかるのだが、それでも限界があったのでヨシコ先生様に
「これじゃ月謝払わないといけませんねー」
「いやいやいや」
と謝ったりした。
レッスンの後、来年度の内容についてヨシコ先生から説明があったので親達が聞いていると、子供達はギャーギャー走り回って遊んでいた。先生が
「走らないでねー」
と注意するが、なかなか聞くものではない。そこへRが
「せんせいが走っちゃだめっていったでしょー!」
皆を注意していた。なんと、あの甘ったれなRが外ではRは委員長キャラだったのか?おもちゃを取られても文句も言えないようなおっとり屋だと思っていたのに、随分しっかりしたもだ…と感激した。
5分後、舌の根も乾かぬ内にギャハギャハ笑いながら追いかけっこをしていたが…所詮3才児である。
言ってることとやってることが違うと、どこかの政党の委員長みたいだぞ。
委員長の女の子と言うのは憧れるものがあるが、僕の心は暗いイ短調である。
問題:最近知ったヨシコ先生の驚くべき秘密とは何でしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
昨日の日記では、娘・R(3才)のパンツを脱がせないままおしっこさせてしまったり、僕がRのパンツを握り締めたまま歯磨きに没頭していたり、娘のパンツに対してぞんざいな僕、ということを書いた。
ちなみにタイトルの「パンツパンツレボリューション」とは、かつて流行った「ダンスダンスレボリューション」という音楽ゲームをやっている女の子を下から盗撮したエロビデオのタイトルである。
話を戻すと、ぞんざいなのはRのパンツだけではないということが今日発覚した。風呂に入ろうと思い服を脱いだ時に初めて気付いたのだが…
今日1日、ずっとパンツを2枚はいていた。
僕はどうして気付かなかったのだろう。二枚重ねってティッシュか。ビッグマックか。「でかいちんこ」を英訳するとビッグディック。なんつって。いや、でかくないし。
パンツボケネタがここまで揃うと、オチはおねしょなんじゃないかと警戒してしまう。三十路過ぎておねしょはかなり洒落にならない。父親の威厳が跡形もなく吹っ飛ぶ。
話は変わるが最近嫁が花粉症に苦しみだし、とうとう今日病院に行った。スギ花粉が飛び始めたようである。僕は花粉症ではないが苦しむ気持ちは分かる。
「スギ花粉大量発生!」などという文字を見るとどうしてもおすぎ(ピーコじゃない方の人)がお股のあたりから大量に花粉を飛ばしまくってるイメージが浮かんでしまい、大変気持ちが悪い。
東京都がこんなポスターを貼ってあるけれども、嫁の惨状を見るとJAROに訴えたくなってしまう。一体何をやっているのだろう。東京マラソンやってる場合か。
僕が花粉症ではないのは何故なのかと考えたことがある。結論としては僕が花粉のような存在であるからだ…このことである。
嫁に毎日花粉(のようなもの)を飛ばしまくろうとしては断られている。今苦しんでいる嫁の身になって考えてみると、花粉は飛んでくるわ自分のバカ亭主もなんだか飛ばそうとしてくるわで溜まったものではないだろう。
それは気の毒だったな…と省みつつ、ひょっとして僕がパンツを二枚重ねにしてしまったのは実は苦しむ嫁の念が僕を動かしたのであり、「飛散防止」のためじゃないのか…と強引に結びつけるのであった。
花粉はいいからウフンなことがしたい。
問題:花粉症のこの季節、かなりヤバイと感じていることは何でしょう。?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
朝イチ。
起きたばかりの僕はこれまた起きたばかりの娘・R(3才)をトイレに連れて行った。
「はい、おしっこしましょうねー」
パジャマのズボンを脱がせ、ダッコして便器にまたがらせる。
「でたー」
Rの自己申告と共に雪解けの小川のせせらぎのようなサウンドが聞こえ
「はい、おりこうさんだね」
ガラガラとトイレットペーパーを巻き、お股を拭いてやろうとした。
「あれ…なにこの感触」
いつものすべすべとしたRの肌ではなかった。じっとりとしてゴワゴワして、とてつもない違和感。ギャルのぱんてーに手を突っ込み、秘密の花園をまさぐろうとしたら秋の味覚マツタケが生えてました、みたいな…ってギャアアア!
「ごめん。パンツ脱がすの忘れた」
僕はRのパンツをはかせたままトイレにまたがらせてしまい、Rはそのまましてしまったのであった。寝起きでボーっとしていたせいで、つい…。本当はRが自分で脱げればいいのだが、僕がいると「パパやってー」と甘えてしまうので、僕がやらなければならないことが多い。
「ごめん…濡らしちゃった」
「なにやってんのあんたは」
びしょびしょのパンツをつまんで嫁に報告したら大いに呆れられた。
次の日の朝。僕は仕事に行くべく歯を磨いていたら、Rが僕の前でウロウロモジモジしていたので
「どうした…、あ、おしっこか」
と聞くとコクンと頷く恥じらい乙女。歯ブラシを口に突っ込んだままであったが、これまたトイレに連れて行った。今回はちゃんとパンツは脱がした。
速やかにトイレを済ませ、再び歯磨き。歯磨きに没頭している間、意識はどこか遠くの世界へ飛んで行ってるものである。
「じゃあRちゃん着替えましょうか」
「はーい」
隣の部屋で話している嫁とRの声がぼんやり聞こえた。
「あれ、Rちゃん、パンツは?」
「ぱぱがもってるの」
というところでハッと我に返った。あ…Rのパンツは僕が握り締めていた。僕は無念無想で歯を磨いていたのだ…片手に歯ブラシ、片手に娘のパンツで…。
「変態オヤジ」
また嫁から大いに呆れられたので悔しく思い、
「ハンカチだよ」
と、そのままパンツをポケットに入れて会社に行ってしまおうとしたが、Rの精神面に良からぬ影響を与えそうなのでやめた。
寝起きの呆けた状態であることを差っ引いても我ながらボケ過ぎている。Rの可愛いパンツを見過ぎた結果、それがショックとなり何か脳の障害でも起きているのだろうか。
これをパンツドランカーといいます。
問題:昔嫁が僕に買ってきた恥ずかしいパンツとは、どんなパンツでしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
子供用のパズルがある。
直方体(ましかく)の積み木が9個。その6面それぞれに違う絵が描かれている。それらを揃えて並べるとライオンやバンビ、ダンボ等の絵が出来上がる。
これを娘・R(3才)は出来そうで出来ない。チャレンジはするものの
「ぱぱー。らいおん作ろー」
僕に助けを求めてくる。とはいえ全部僕がやってしまうとRが成長しないのでその助け加減が難しい。
「ほら、これは逆さまだね。あとこれはライオンの足だねー」
などと出来るだけ最低限の手伝いに留める。ひとつが出来ると
「ぱぱー、ばんびちゃん作ろー」
「ぱぱー、ぞうさん作ろー」
「ぱぱー、ねこちゃん作ろー」
次々に別の面の絵を揃えようとチャレンジしていく。
「Rちゃん、全部出来たね。じゃあ別の遊びしようか」
全ての面をクリアして、違う遊びをしようと思ったところ
「ぱぱー、子供作ろー」
というとんでもない爆弾発言が飛び出して腰が抜けそうになった。子供の絵なんか描かれてないのに…。
子作りとなるとパズルとは別である。出来るだけ最低限の手伝いに留めて…なんてことはしない。全てを僕に委ねて欲しい。体を全部僕に預けて…痛いのは最初だけ…天井のシミを数えてるうちに終わるよ…などと僕なりのハウトゥー子作りレッスンを考えていたのだが、
「Rちゃん、確かにお父さんは君とタク(1才の子供)を作りました。でもね、君とは作れないんだ。それは許されぬ獣道…」
と言ったところでRは僕の言ったことをどれだけ理解してるだろうか。Rはしゅんとしている。ダメだということだけは伝わったらしい。
「Rちゃんはパパと子供作りたいのかい?」
「うん…」
しょぼんとしながら頷く姿にもう失禁してしまいそうになった。ビデオ撮って置けばよかった。
「子供はどうやって作れるか知ってるかい?」
ちなみにRの子作りの認識はどのようなものだろうと聞いてみたところ
「こーやって」
両手を組んでにぎにぎしていた。寿司かよ。
パズルに飽きた僕が別な遊びを提案したら、禁じられた遊びだった、というお話だったとさ。
問題:最近Rが出来るようになったパズルはなんでしょう?
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クリスマス、バレンタインと恋愛強制主義のイベントが度重なるこの時期は、相手がいない者にとっては辛かろう。こんな矢継ぎ早に続かなくてもいいのに。波動拳を食らった後に昇龍拳のトドメを食らうようなものである。
既婚者にとってはわりと蚊帳の外的な疎外感を受ける時期である。バレンタイン1週間前ぐらいには「チョコくれー」などと叫んではいたものの、いざ当日の朝となると頭から抜け、さて会社いくべとモソモソ準備をしていると嫁と娘・R(3才)もなにやらヒソヒソ密談していた。
「Rちゃん、なにしてるの〜」
近くば寄ってみると嫁がRへラッピングされた「ブツ」を渡すところであった。
「あっ!まだ来ちゃダメッ!」
時期的に察しろよ、というところであるが僕はポックリとバレンタインを忘れていたのである。
「ぱぱ、はいどうぞ」
フライングしてしまったとはいえ娘からもらうチョコは格別である。本命のハクいスケから貰った時とどちらが嬉しいかというと、どっちがおすぎでどっちがピーコか迷うくらい甲乙つけがたい。
そして嫁が冷蔵庫を開けて取り出したのはハート型のチョコレートケーキ。
「はいどうぞ。これはRと一緒に作ったのよ。ねーRちゃん」
「そうよー。Rちゃんがちゅったの(作ったの)」
Rは嫁と一緒にケーキのもとを一生懸命まぜまぜしたのだという。泣かせる話ではないか。
「Rの手作りか。どれどれ、では味見を…」
ハートの先端をちょいとつまみ、口の中に入れていたところ
「ぬをー!なんで食べてんのよ!まだ写真撮ってなかったのに!」
嫁に烈火の如く怒られた。「どうぞ」と渡されたから食べたのに何故それがいけない。何故食べてはいけない。何故カドを取らない(児玉清)
この様子を横からじーっと眺めていた者がいた。息子・タク(1才)である。お前もチョコ欲しいのか。彼も男である。当然嫁とRから貰う権利はあるのだが、嫁の方針でまだチョコを食べさせることは許可していないのである。なので
「ああ、これはタクは食べられないんだ。ごめんね」
とチョコケーキを冷蔵庫に戻したら
「うわあああん!うわあああん!」
オレも食べたいんだー!とばかりに大泣きしてしまった。
「はいはい、タクちゃんにはチョコは入ってないけどケーキがあるよー」
嫁が慌ててタク用のケーキを出し、つまんでポイとタクの口に入れるとようやく泣き止んだ。
「まったくもう!タクの前で食べたりするから!」
チョコを貰うのに都合3回も嫁に罵られた僕。バレンタインデーは甘いイベントではないようである。
バレンタインデー。嫁がツメタインでー…(去年と同じオチだ)
問題:2月14日は僕にとってある重要な記念日なのだが、それはなんでしょう?
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「わたしは、おえかきまんです」
娘・R(3才)がそう言うので、彼女はきっと「お絵描きマン」になったのであろう。どんなキャラか知らないが。
お姫様になったりアンパンマンになったりするRの「なりきりごっこ」はよく唐突に始まるので僕もわりと慣れっこである。
自分で「私は○○である」と宣言すれば何にでもなれる子供時代の素晴らしさよ。春先になると「オレはキリストだ」と言って包丁を振り回す人が現れることがあるが、彼らは幼い頃のピュアな心を失っていない人である。
僕なんかがいきなり「僕は新時代の神になる」などとほざけば間違いなく救急車を呼ばれる。
「みてみて、おどりをおどるのよー」
「はいはい、上手だね〜」
無視すると「ぱぱ!」と怒られるので正面に座り適当に相槌を打つ。
「みてみて、おうたをうたうのよ」
「上手に歌えてますね」
「えーっとねえ、こんどはねえ、はんばーぐをちゅくります」
「いいねえ、おいしそうだね」
お絵描きマンの癖に最後まで絵を描くことはなかった。なんなんだ一体。
このようなRの「なりきりごっこ」に付き合うのは結構大変である。Rの頭の中だけにあるミラクルワールドの設定を損なわないよう話を合わさなければならない。しかし自分の世界の登場人物になりきって遊ぶ様は本当に楽しそうである。
僕はお絵描きマンなどではなくただのサラリーマンなのだが、何かと息苦しいこのご時世、いつもの殻を破って違うキャラになりきり、演じてみるのもいいかもしれない。
僕の「なりきり」プレイ。現実の僕は貧相な体をしているのでいっそのこと
「おすもうマン」などはどうだろうか。
そりゃ「よりきり」だ。
問題:Rが最近僕にやらせる役柄はなんでしょう?
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息子(1才)にタクと名付けるほどキムタク好きな嫁。
かねてからキムタク主演の映画を観たいと言っていた。
「観てくればいいじゃん」
「でも子供達を連れてくわけにはいかないし」
「今日休みだし僕が見てるよ。束の間だけど、たまには子供から離れて羽を伸ばしてみれば」
理解あるいい夫を演じている風であるがそれは違う。夜の営みになると難攻不落になる嫁が、この見返りとして少しでも交渉し易くなれば…と腹黒くマラ黒く考えていたのであった。
「いいのかなー?じゃあ午前中行って来るから」
「ちなみになんて映画?」
「武士の一分」
一分とはまた短い…武士だけに「拙者、早漏にて候」なんつって。
嫁は「どこに行くの?」と問い詰める娘・R(3才)を適当にかわし、また、タクも自分が置いて行かれるとなると、わんわん泣くことは必至だったのだが、彼はなんだか知らんがタイミングよく押入れの中に入って行き、彼なりの大冒険を始めていたので、その隙に出て行った。
嫁が難関を突破した後は僕がRとタクを公園に連れて行く。
「おとーさんといっしょに♪キムタク♪キムタク♪」
と歌いながらふたりと力の限り遊んだ。今頃嫁は何をしているだろうか。スクリーンに釘付けになっているだろうか。それとも実はガーガー寝てたりして…などと考えつつ、嫁抜きの父子水入らずもたまにはいいものである。
全力で遊ばせたせいか、帰り道タクはベビーカーの中で寝てしまった。家に着くと
「ただいま〜」
当然嫁が家の中にいると思い込んでいたRが
「ままどこいっちゃたの?」
と悲しそうな顔をしたのでちょっとピンチ。
「は、は、は、すぐ来るよ。さ、トイレ行こう」
慌てて話をはぐらかせてRのパンツを脱がしたところで呼び鈴がピンポーンと鳴った。嫁がわざわざ鳴らすはずがない。月曜の昼飯時に来る者とは、さては洗濯屋ケンちゃんか団地妻の誘惑か…。残念ながら嫁はおらぬ。祝日だから僕がいるのだ!
「お父さんが出るからちょっと待ってね」
「Rちゃんもいくー」
「お前はノーパンだから来るなー!」
訪問者大好きRであるが、嫁入り前のあられな姿をどこぞの馬の骨に見せるわけにはいかぬ。Rを待たせて出てみると、生協の配達であった。冷凍食品が山ほど届けられ、どうやっても冷凍庫に全部入らない。
「嫁〜どうなってんだよう〜みんな溶けちゃうよ〜」
溶けちゃうのは濡れ場のAV女優だけにして欲しい、と子供達より泣きが入ったところでようやく嫁が帰って来た。
「食べる?おみやげ」
と手渡されたのはデブのアメリカ人がモサモサ食ってそうな馬鹿でかいカップに入った大量のポップコーン。
「いや僕は…。Rちゃん、食べるか?ポップコーン」
「ぽっくぽーん?」
「いや、ポップコーン」
「こっぷぽーん?」
だんだん正解から遠ざかっていくので押し問答はやめて食べさせた。
「それで嫁、どうだった?映画は」
「キムタクカッコよかった!始めは途中で寝ちゃうかな?って思ったんだけど、釘付けだったよ」
「実は僕も寝てたりして、って思ってたけどね。客はどんな人が多かった?」
「あんまり若い人はいなかったなー。時代劇だからかも。ひとりで観に来てるオバサンもいたよ」
「それはお前のことじゃないのか」
「そ、それはそうだけど!もっと年いってる人!」
言わぬが花、という言葉を思い出したが遅過ぎた。それでも嫁はキムタク効果か
「久しぶりに映画観たけどやっぱりいいわ〜。また行きたい。子供が寝た後のレイトショーとかどうかな…」
ポワーンと悦に浸っていた。じゃあ早速今晩僕が主演で嫁が助演のレイトショーをば、と銀幕が開くのを心待ちにしていたのだが…嫁は「眠い」と言ってとっとと寝てしまった。
映画館で寝てるべきである。
問題:「キムタク」と連呼しているが、それで僕が恐れていることは何でしょう?
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その名も「レインボーサイクル」という足こぎモノレールや、「滑り台マウンテン」」とでも名付けようか、遊具もたくさんあるのである。それらが全部タダで利用出来る。
最初に娘・R(3才)を道路コースをゴーカートで走らせようとしたのだが、これも足こぎ式で、いつも乗っている自転車とは勝手が違うためRは
「できないー!おとうさんやってー!」
と言うので僕も一緒に乗りこぎこぎ。交通公園だけあって信号機や「追い越し禁止」や「迂回禁止」等の道路標識も本物そのまま。「赤信号だから止まってー」などとRに教えながら乗っていたら、あとで公園の係の爺さんに
「中学生までしか乗れないんだ」
と怒られた。交通ルールを守る以前に公園ルールが守れてなかった。ほげー。
「じゃあ次はお父さんとレインボーサイクルに乗ろうか?」
オヤジと空中散歩しようぜーと誘ったところ
「いやっ。ままと乗るの!」
こんなオヤジと一緒じゃ恥ずかしいと思ったのだろうか、嫁と乗ると言って聞かなかったので僕は下から二人が乗るのを指を咥えて見上げていた。結構高い。
「高き哉 これじゃパンチラ 見放題」
気分はすっかり植草教授になり一句詠んで期待していたものの、残念ながら女子高生になって膝上スカートを履くにはあと10年ぐらい必要な乙女とそのママパパしか乗っていなかった。
さて息子・タク(1才)はレインボーサイクルに乗せるにはまだ小さ過ぎるし、ゴーカートも一緒に乗ろうとすると係の爺さんが飛んで来るだろうし、ということで公園の片隅で三輪車に乗せてレクチャーしようとしたところ
「ぽっぽー!ぽっぽー!」
ハトを見つけ速攻で三輪車を放り出し追いかけて行った。ものの10秒で挫折。
ふたりとも熱中できたのは冒頭で挙げた「滑り台マウンテン」である。ツルツル滑る斜面を子供達が勢い良く滑り降りてくる。受験生が見たら悲鳴をあげて側の旧江戸川へ身を投げそうな光景。
正直これを見た時、Rは普通の滑り台をも怖がってあまりやりたがらないので、これも無理かと恐れていたのだが、かなり気に入ったようで自分から何度もチャレンジして行ったのが嬉しかった。タクもヨチヨチ歩きながら果敢にチャレンジ。この子はとにかく怖いもの知らずで、猪突して猛進して肥溜めにはまるタイプだ。
「この石を取れ」と無茶なことを言う石マニア。
このような公園があるとは今まで知らなかった。この公園がある江戸川区は僕の住む練馬区とは都心を挟んでほぼ対極の位置にある。同じ東京23区といえど関わりがないととことん疎いものである。江戸川区民にとっても練馬区は練馬大根ぐらいのイメージしかないだろうが、僕も江戸川区といえば東江戸川大学と江戸川乱歩ぐらいしか知識がなかった。素晴らしき江戸川区。
子供達に交通ルールを学ばせることは大切である。夜は僕自らも学ぼうとしたのだが残念なことに嫁の体の奥の細道は進入禁止であった。
江戸川ちんぽ…。
問題:滑り台マウンテンで一番恥ずかしかったことは何でしょう?
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ラーメンが食べたかったので嫁子供達を「大勝軒」というラーメン屋に連れて行き、食べていたら
息子・タク(1才)が麺をすすりながら電池が切れたように眠りに落ちた。ラーメンアーメン。
夕方おやつを食べていた娘・R(3才)が、なんか静かだなーと思って覗いたら、お菓子を片手に撃沈していた。サスペンスドラマのダイイングメッセージみたいな有り様。
夜、嫁を襲おうとして風呂からあがるのを待っていたら、子供たちと一緒に轟沈しまっていた。轟沈ちんちん。昼間ラーメン食ったから夜は○ーメンにしようと思ったのに。
ふと気付いたら真夜中で、それでもまだ眠くて、嫁のオシリーナをひと撫でしたところで力尽きた。子供たちも僕も疲れているのだろうか。家族でラリホーをかけられまくったような1日だった。ひょっとしたら僕には嫁が風呂場から唱えていたのかも…奥様は魔女。
問題:ラーメン屋から帰る時に大変だったことは何でしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
夜、子供達が寝た後に帰ってきたら、娘・R(3才)が書いたと思われる落書きの紙がぶんながっていた。
「これは…数字じゃないか」
「そうなのよ。1、2、3に見えるでしょ?」
嫁が教えてくれたところによると、Rは急に字を意識して書くようになったという。
「Rちゃんねえ、いちにいさんが書けるの。みせてあげる」
翌朝早速Rが誇らしげに言ってきたので、ペンと紙を与えてじっと見守った。まずは「1」から…。
「見て見てー。いち、できたよー」
「おお、じょうずだねえ」
単なる縦の1本線であるが、これを「1である」と認識して書くようになったこの進歩は大きい。引き続き見ていると、次に書き始めたのはどうやら「3」のようだ。下から書いているが…。
「ほらできた、『に』」
悲しいかな、認識がズレている。それでもRはマイペースに今度は「4」を書いた。
「すごい!4も書けるのか!」
「はい、『さん』」
「いやだからそれは『よん』でさっきのが『さん』なんだけどナ〜」
もう合ってるか合ってないかはどうでもよい。初めてRが自発的に字を書き始めたのだから、そのやる気を挫かないよう無粋なツッコミはやめ、とにかく書きたいだけ書かせよう。そう思った。
すると見よ、Rはスラスラと書いていく。次に書いたのは「0」であった。素晴らしい。ゼロの観念も見に付いたのか。インド人もビックリ。
「すごいねRちゃん。ゼロも分かるんだね」
「これは、おだんご」
ズコー!忍者ハットリ君ばりにずっこけるところであった。数字の勉強はとっとと終わり、勝手にいつものお絵描きにシフトしていたようだ。所詮高校の時、数学で0点取った僕の娘。その数字苦手なDNAは伊達じゃない。
最後にRは以下のような、アラビア語かナメック語のような奇妙な字を書いた。
「::;〜;:^}」
「これはなんて書いたの?」
「たく!」
どうやらタク(1才の息子)の名前を書いたらしい。ふーむ。トンパ文字より難しい、と思いながらそういえば朝起きてからまだトイレに連れて行ってないな、と気付き
「はいおしっこおしこー」
と連れて行ったのであった。
トイレに行く寸前の状態と字の勉強は似ている。
どちらもモジモジ。
問題:Rがお絵描きする時にこだわっているものは何でしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
ハッピーラブラブ。
娘・R(3才)とアンパンマンを見ていたところ、ドキンちゃんという小悪魔的な女の子キャラが発した単語である。15年前の嫁が、ボロが出る前の僕に吐きそうな言葉だ。ドキンちゃんはしょくぱんマンという2枚目ポジションにいるキャラが好きで、
「しょくぱんマン様とハッピーラブラブ〜」
彼と結ばれることを夢見てそんなことを言っているのだが、これがRの心の琴線に触れたようである。ハッピーラブラブ、ハッピーラブラブと連呼し、
「えーっとねえ、どきんちゃんははっぴーらぶらぶなのよ〜」
唐突に嫁に言ったりして嫁の目を白黒させていた。Rは幸せと恋心という概念を分かっているのだろうか。この子がいずれ恋することになるなんて想像もしたくないのだけれども、現時点でRにとって一番身近な男といえば僕であろう。そういう自信があった。
「Rちゃんは誰とハッピーラブラブなのかな?」
朝ご飯の時にRに聞いてみたところ
「え〜」
ちょっと照れくさそうな顔をして笑った。3才でも恥じらい乙女の片鱗が見えてお父さんは少しときめいてメモリアル。そこで僕は満を持して畳み掛けた。
「Rちゃんはお父さんとハッピーラブラブだよね!」
「やだ!」
この胸を削られるような痛みは何。ああ、結婚してから忘れていたが、これは失恋の痛みだった。そうだよね。こんな変態親父、ラブラブの対象じゃないよね…。もう恋なんてしないなんて、言わないよ変態〜。
「じゃあ…Rちゃんは誰とハッピーラブラブなんだい」
「えーっとねえ、たっくん」
タク(1才の息子)か!タク…おそろしい子!私のライバル…。
「Rちゃんは優しいよね。昨日も児童館で障害物がある時はタクの手を引いてたし」
と嫁。そうか。Rはタクとハッピーラブラブだったのね。やはり若さには勝てぬ。あとは若い者同士でよろしくやってくれよ。
「じゃあ僕はママとハッピーラブラブかな!」
しょうがないので最後の砦の嫁にすがる思いで、半ば泣きそうな気持ちになって叫んだところ、Rとタクどころか嫁までノーリアクションにて無言。
「あの、ラブラブじゃないんすか…」
「ほらRちゃん、ご飯こぼれるよ」
しまった。思い切り会話が滑った。恥ずかしいことこの上なし。
僕のラブとハピネスはどこにあるのだろう…。
ラブアンドハピネス。
太った人がスポーツジムでダイエット。
それはデブアンドフィットネス…。
問題:Rがドキンちゃんのセリフから覚えたもうひとつの言葉はなんでしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
夜、布団の上で娘・R(3才)と息子・タク(1才)がじゃれていた。
うつ伏せに寝ているRの背中をタクがポンポンと叩いてボフッとRにボディプレスをかます。大して痛くないようでRもケタケタ笑っている。その繰り返し。
「タクがポンポンする手が可愛い!」
「可愛い、可愛い、可愛いですね〜」
僕と嫁ふたりはバカ丸出しでその様子を見ていたのだが、それが悲劇の伏線だったとは…。。
翌朝、起きたタクを抱いていたらパジャマのズボンが湿っている。おそらく昨夜大暴れしていたためにおむつがズレてしまっているのか、と慌てて換えようとしたら
「私がやるから」
と嫁が出て来たので僕は横で見ていた。
「うわあああっ」
タクのズボンを脱がせたところ、透明なゼリー状のものがどばっと溢れたのである。
「あっ。ここが破れてる!」
透明なものの正体はおむつの中身であった。僕は今までRやタクのおむつを、
「ずれまくってるじゃない。これじゃ横漏れするでしょ」
「だって僕生理用ナプキンとか使ったことないし…」
何度となく嫁にいびられながら換えてきたが、おむつの中身を見るのは初めてだった。
「うわー。なんかキレイだね…」
タクのをぱっつんぱっつんに吸い取ってキレイなわけないのだが、キラキラとしていてい「あしたのジョー」で表現されるところのキラキラ輝くゲロって感じだろうか。
おむつも何度も替えてりゃいろいろあるわなあ…しかし嫁にお股を広げ、気持ち良さそうにしているタクは可愛い可愛い可愛いですね〜。
おムツゴロウ王国。
問題:散らばったおむつの中身はどう処理したでしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
「あのー、お話が…」
「なんだよう、怖いよう」
嫁が遠慮がちに話し掛けてくる時は、だいたい僕抜きのイベントがある時である。
「月末の土日、私のおばあちゃんを連れてウチの一族で旅行するんだけど、行っていい?」
一族って牙一族かおまえんちは。もしくは犬神家か。
「R(3才の娘)とタク(1才の息子)も連れて行くんだね」
「うん。あと叔父さん一家と…老い先短いひいおばあちゃんの、多分これが最後の旅行になると思うから…」
「行っておいで」
嫁のおばあちゃんは少々ポヤーンとしている時があるのだが、Rやタクがいる時はシャキッとしてそれはもう嬉しそうにしているのである。僕は子供達と会えないし嫁とドエロ行為も出来ないが、ばあちゃん孝行を優先すべきだろう。
「次の週も旅行なんだけどね」
「あ、そうだった」
僕の母と行く旅行もあったのだ。タクが生まれる前に行った、河口湖。富士山のそばである。ふっじっさーん!ふっじっさーん!迷子はやばいぞ/^O^\ フッジッサーン!
つまり嫁や子供達にとっては2週連続の旅行になってしまう。これは僕も行くのだが、母がいるためこれまたドエロ行為が出来ない。2週続けて禁エロウィークエンドになるわけか。仕方がない。これも親孝行を優先すべきだろう。
それならば嫁一族旅行の出発前日に全身全霊を込めて…6つ子くらい孕んでしまう勢いで…と
黒い陰謀を抱いていたら
「出発が早いから前の日から実家に泊まるね」
ぎゃふん。お前今僕の心を読んだだろうと悲鳴を上げたくなる嫁の一声でぐうの音も出なくなった。それならばせめて…。
「じゃあ今晩、老い先短い僕のナニガシも旅行に連れてってくれまいか。洞窟探検がしたいと申しております」
いつまでも 勃つと思うな 僕のアレ、である。いつまでもバカの一つ覚えのようにそそり立ってる筈はないのである。ちんこ、じゃなかった栄枯盛衰である。旅立つ前に是非僕にもお前の奥ヒダ慕情を。しかし嫁の目が、柳沢厚生労働大臣を見る蓮舫のような視線になった。
「残念ですが、今出血大サービス中なので…」
洞窟は血の池地獄であるらしい。どうしてこう八方塞がりなのだ。嫁の体が近くて遠い。
こんなことでは家に誰もいないことを幸いに、エロスなサービス、「デリえもん」あたりに電話をし、お姉さんをデリバリーしてしまいそうで怖い。ハメを外してなんかハメハメハ大王になったら怖い。
旅は道連れ世は情け。
僕は度外れわかめ酒。
僕に自制できるだろうか。
問題:僕の母との旅行は前回と同じ旅館に泊まるのだが、その楽しみは何でしょう?
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日曜日の昼下がり、娘・R(3才)と息子・タク(1才)を公園で遊ばせていた。
「おうちかえる」
寒かったせいだろうか、ものの30分ぐらいでRが音を上げたのでウチに帰ることにしたが、外で遊ぶのがこれだけの時間だとつまらぬだろうと思い、
「じゃあお父さんと電車乗るか」
ちょうど来月の旅行のため特急券を買わなければならないので、Rを連れて最寄のJR駅に行くことにした。タクは昼寝してしまったので嫁共々留守番である。
「Rちゃんでんしゃだーいすき」
そうはしゃぎながら電車に乗るRを見て、こんなチープなことで喜んでくれることに愛おしさを感じてしまったり。駅に着いて切符を買う。
「僕が買うのは往復切符だが、Rへの切符は愛の片道切符…ワンウェイ・チケット・トゥー・ユー…」
ぶつくさ言いながらもすぐ終わってしまったので商店街をぶらつくことにした。留守番のタクが可哀想だからお土産を買うのである。洋菓子店のショーウィンドウにプリンがあったのが見えたので、それでいいかと考えた。(タクに生クリームはまだ禁止である)
「Rちゃん、プリンでいいかな」
「うん。Rちゃん、ぷりんたべたい」
「よし、そうしよう」
そうRと話がついたはずだった。しかしショーウィンドウ越しに店員に声をかけようとしたところ
「Rちゃんこれがいいの」
と指差したのはプリンの下に陳列されていたイチゴのショートケーキ。これを見付けてしまったがためにあっさり心変わりしてしまったようである。
「さっきプリンでいいって言ったでしょう」
「いやっ!これがいいのっ!Rちゃん、いちごだいすきなの」
プリン250円也。イチゴショートケーキ380円也。
「うーん…」
最近のケーキって高い…と引いてしまったのもあるが、最近僕はRのわがままを受け過ぎているのではないかと常々感じており、そのまま受け入れるのはどうしようかと迷ったのだが、結局Rの一途な瞳には逆らえず、プリンとイチゴケーキを2個ずつ買ってしまった。
帰りの電車の後、駅から家への道はRが
「おんぶ…」
と言うのでおぶって歩いた。これはわがままというより疲れだから致し方あるまい。むしろこのオヤジとデートに付き合ってくれたことに感謝すべきだ。そう思っておぶった。家に着くなり
「君とRがケーキね。僕とタクがプリンだから」
そう嫁に指示して、タクが起きてからおやつタイム。Rはケーキをガツガツ。タクにはプリンを口に運んでやったのだが、テレビチャンピオンより早く食べる食べる。
「はい、おしまい」
あっという間になくなってしまったら
「うわあああああん!」
余程美味しかったのだろうか、泣き出してしまった。
「わかったわかった、パパの残りをあげるから…」
どうやら僕はケーキよりもプリンよりも甘いようだ。
問題:Rをおんぶして大失敗だったことはなんでしょう?
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これも節分の日の話。
嫁と娘・R(3才)が買い物から帰って来たので
「まさか恵方巻きとか買って来なかっただろうな」
と念を押したら
「もちろん買ったよ」
と言うので
「あんなのはコンビニとスーパーが無理矢理流行らそうとしているだけだろうに。なんでコロッと乗せられるのだ」
地方の風習をネタにしているだけだろう、と。なんだったら僕の田舎で初午に食べる「しもつかれ」も流行らせてみろ。見た目ゲロだし味もゲロだから絶対流行らないから。
「乗せられてる人はいっぱいいましたけど。ガンガン売れてましたけど」
しかし嫁は口をとんがらせて言う。そういう人達がテレビ見て納豆買いまくって文句言うんだぞきっと…。
果たして夕飯の時にそれらは運ばれて来た。まずRと息子・タク(1才)に恵方巻き。ふたりともガツガツと食べている。
「あっ。今年の恵方は北北西よ!そっち向けて」
何が北北西だよめんどくせー。嫁が写真まで撮っているので僕もパチリ。
子供達の方がひと段落すると、嫁は更にぶっとい恵方巻きを2本持って来た。
「あなたは食べる?どっちがいい?」
「僕はいらない。僕は巻き寿司嫌いだって知ってるくせに…」
本当はコンビニに乗せられるな、とか言っているが、恵方巻きを嫌う真の理由は単に嫌いだからなのである。だが僕が断ると猛然と怒る者がいた。Rである。
「ぱぱ、なんでたべないの!」
「いや、パパ苦手なんだよ…」
「Rちゃんがママといっしょに買ってきたのよ!」
「うわあゴメンゴメン…」
恵方巻きがますます嫌いになってしまった。女子供を味方につければ商売は成功である。
夜、僕のぶっといエロー太巻きは嫁に相手にされなかったのは昨日の日記の通りである。
問題:こういう恵方巻きだったらいいのに、と思う僕の提案はどんなんでしょう?
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「近所の神社で豆撒きやるってさ」
「あ、そう」
ご近所の情勢に詳しい嫁が節分イベント情報を持ち込んできた。
「年男年女は豆撒けるらしいよ。あなた年男だから参加すれば」
「僕は永遠の17才だから該当しない」
年男なんて自分の増えまくった年齢を再確認させるための嫌味なイベントに過ぎないと思って拒否したのだが、ヒマだったので豆撒きはしないが見に行くことにした。
神社に着くと舞台の前に結構な人だかりが出来ており、皆言い合わせたように大きな袋を持っていたので嫁と首をかしげていたのだが、そのうちやって来たご近所さんが教えてくれたところによると
「豆以外にもお菓子とか撒くのよ」
とのことであった。やがて神主と裃を着た年男年女達が舞台に上がり、その通り豆やらお菓子やらを撒き始めた。なるほど建前のようなものか。僕が幼稚園児の頃、実家が新築された時に行われた建前の思い出が甦る。両親等と一緒に餅やお菓子を投げていた僕は、群衆の中にみごとなツルッパゲのおじさんがいたので、確かその禿げ頭だけを狙って
「たこ、たこ、あーたれ」
と投げていたと思う。
そんなことをボーっと考えていたら
「ぎゃあああああ」
チップスター(ポテチ)の缶が僕の頭に直撃。ああこれはあの時のタコオヤジの呪い…とかくこの世は因果応報…ていうかもちょっと撒く物を考えろよ…神社って無病息災とか言ってるくせに危機管理はぞんざいであることよ…などとやり場のない怒りを抑えつつポテチはゲットした。
家に帰ると嫁が娘・R(3才)と息子・タク(1才)に言い聞かせていた。
「おうちでも豆撒きをしますよー。鬼は外、福は内、と言ってパパに豆をぶっつけましょう」
ご丁寧に既に鬼の面も用意されていた。ええー。僕が鬼かよ。年男だから撒く方だろう。とも思ったのだが逆らうと我が家の真の鬼であるところの嫁の鬼の角が現れるので従うことにした。鬼の面を被り、
「鬼だぞー。がをー。…いいかいRちゃん。ここでね、鬼は外って豆投げてね」
「おにはそとー。おにはそとー」
「うわああ。豆は嫌いだー」
アンパンマンに出てくる悪のボスキャラをイメージして名演技したつもりだよ僕は。
「はい、タクも豆撒いてごらん。鬼だぞー。がををををを」
「がおー。けへへへへ」
タクは僕のマネをするだけ。豆を渡しても食べるだけ。仕方がないのでRを連れて玄関の扉を開け
「じゃあお外に向かって豆を撒こうね」
Rにも豆を投げさせようとしたのだが
「お外とにお豆が消えて行っちゃうの。いやなの」
という大変叙情的な理由からやりたがらなかった。
「じゃあ仕方ないネ。やめよう」
としたのだが、
「やんなきゃだめでしょ!」
誰もやらなきゃ自分が、と嫁が狂ったように叫んでは撒いていた。
子供達が寝た後は当然
「節分の豆撒きは終わった。さあ接吻と種蒔きをしよう」
と鬼に肉棒状態で嫁に擦り寄ったのだがいつもの如く断られてしまったので、やはり真の鬼は嫁だと思う。
問題:豆撒きの後、Rとタクが没頭していたことはなんでしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
「おとうさん、おとうさん」
眠っている僕の頭の中に娘・R(3才)の声が響き、それまで展開されていた夢の世界がするすると逃げていく。
目が覚めると、Rが布団の中に入って僕に抱きついており
「えへへ…おとうさんのふとんのなかであそんでるの」
悪戯っぽい笑顔で僕を見上げたのでズキューンと胸を撃たれた。Rの上目遣いと肌越しに伝わってくるぬくもりと。もう可愛いったらありゃしない。何この父親殺しのシチュエイション。
パネエくらいに娘LOVE。(パネエ=半端ねえ:念のため)
これは僕が好きなシチュエイションの1つで、例えば僕が大会社の社長で、激務の余り社長室の深々としたソファでウトウトしていた時、ふと気付くとデスクの下で美人秘書が跪いて僕の股間を一心不乱にむしゃぶりついており
「どお?」
と上目遣いで聞いてくる、というものに似ている。いや全然違うか。
「ぱぱ、ぱぱ、ぱっぱぁー」
僕が目覚めたので息子・タク(1才)も絶叫しながらヨチヨチと寄って来て、布団の上でこけた。よしよしお前も可愛いなあ。ふたりとも抱きしめ、思う存分ぬくもりを肌で感じ取った。
ぬくもりは大切である。南斗鳳凰拳伝承者・聖帝サウザーも、厳しい鍛錬の中にも、必ず優しく体を拭いてくれる師匠のぬくもりを心の糧に修行に励んだ。やがて北斗神兼伝承者・ケンシロウと闘い敗れていくのだが、最期の時もこのぬくもりを思い出しながら死ぬるのである。
「…おとうさん、Rちゃんねえ、あんぱんまん見たいの」
Rの真の目的はそれか!僕が会社に行くまでの間、アンパンマンのDVDを見せろというのである。
「まんまん!まんまん!まんまん!」
まだアンパンマンのことを「まんまん」としか言えないタクも、姉のひとことを聞きつけて興奮する。
「ふふふお前も見たいか。じゃあまんまん見ましょうかねー。ちんちん賃貸まんまんマンション」
そんなわけでアンパンマンDVDを回す僕。子供達、特にRのおねだりの仕方も手が込んできたものだ。断れないではないか。特に女の子は父親のツボを突いてくるのがそれこそ北斗神拳ばりにうまい、ということをよく聞く。Rだけが特別ではないのだろう。これぐらいで舌を巻いていてはキリがないのかもしれない。
そんな特別じゃない、どこにもいる幼女Rと幼児タクのぬくもりを僕は愛するのである。
ぬくもり明菜です。
問題:僕がアンパンマンを見ているといつも笑ってしまうことはなんでしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
片方のコンタクトレンズがなくなってしまったので買いに行った。
僕はメガネを持っていない。元々オタクな風貌なのに、メガネをかけることがトドメとなり、どこからどう見てもアキバ系になってしまうからである。
近頃は「メガネ男子萌え」などとメガネ男が好きだと言って憚らない女の子もいるが、これは罠である。メガネをかけてようがかけていまいが、どちらにせよベースがイケメンでないと女の子は萌えないのであり、その辺を分かっていないブサイクが得意気にメガネをかけても「オタ、きんもー☆」となるのがオチである。
それならばせめてオタクっぽくないメガネはどうか、と以前試着したことがあるが、これもドエロ産婦人科医みたいになってしまい、僕にはコンタクトレンズの道しかないのだと確信した。
片方のレンズをなくしてからしばらく裸眼で過ごしていた為、メガネ屋に行く前に眼科の検診のやり直しから始まった。
白衣の美人スタッフに案内され、これぞまさにハクいスケ(意味が分からない人はお父さんお母さんに聞こう)だな…と血湧き肉踊る。これから検査だってのに目が血走ったりして。眼球をじっくり見られながら
「僕の好きな人を知りたいかい?じゃあ僕の瞳を覗いてご覧。そこに映っている人がそうなのさ。EYE LOVE YOU…なんちゃってヨオオオオ!」
とか考えていたのでものすごいエロ目になっていたかもしれない。
検査が終わり、以下のような写真を見させられた。
「これは目の角膜内皮細胞というものです」
「ほうほう…これはまるで…
信長の野望みたいですね!」
「は?」
「いえ、なんでもないっす…」
危うくオタクがばれるところだった。白衣の美人が言うには、今の状態は良好であるが、
「コンタクトレンズをつけっ放しにしたり古いのをいつまでも使っていると、酸素の供給が減るので角膜内皮細胞がどんどん死んでいく恐れがあります。この細胞は再生されません。大きくなっている細胞は死んだ分をカバーしているのです。細胞の数が減ると危険なので、必ず定期検査を受けてください」
一気に脅しとも受け取れる説明をがーっと聞かされて少し怖くなった。それ以上に彼女は目を扱っている職業のせいか、美人だが僕を見つめる視線が鋭くて怖い。でも色っぽい。君の瞳に惨敗。
家に帰ってからインターネッツで調べると
「内皮細胞は眼球内部の水分が角膜に貯まりすぎるのを防ぐ役割をする。細胞が減り過ぎるとその機能が弱まり、角膜に水分が侵入する。これが「角膜浮腫」であり、角膜は白く濁り視力は急激に低下する。治すには角膜移植しか方法がない」
おおよそこのようなことであることが分かった。お、おっかねええええ。メガネと併用せよとはこのことだったのか。しかしメガネをかけるとオタク面の生き恥を晒して生きなければならない…。
メガネも地獄。コンタクトも地獄。どうすりゃいいの。レーシック手術でもしろってのか。恐れおののいた僕は…
コンタクトレンズを買わなかったかというと、
ソンナコトナイッス。
角膜を傷付けないよう、毎日呪文を唱えて使用しているのである。
カクマクマヤコン。
問題:中国ではコンタクト3枚も重ねて取れなくなり手術した人がいたが、僕がよくやらかしてたことはなんでしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
仕事を終えて家に着く頃には、ちょうど娘・R(3才)と息子・タク(1才)の寝る時間になっているだろうというタイミングだった。
実際家に着いて外から眺めてみると既に灯りは消えており、寝の態勢に入っていることが分かる。家に入りそーっと寝室を覗くと嫁と子供達は静かに布団の中に入っていた。顔は暗くてよく見えない。本当に寝ているのか、まだウトウトしている状態なのかが分からない。
寝入っていない場合、近付いて「ただいま」と言えばRは
「おかえり。いっしょにねんねしよ」
と言ってくれるしタクは「ぱぱ」と喜んでくれるし、眠気も吹っ飛んではしゃぐのが常。せっかく寝かせ付けた嫁には悪いが、たまに寝る直前でも帰って来れた時には子供達と少しでも遊びたいのである。
ただ今日は曜日が悪かった。明日は週イチ行われるRの「ぴよちゃん教室」という幼児教室がある日。これが朝早いので、嫁はそのために前日は何があっても子供達を早く寝かせているのである。
だから毎週この曜日は、文字通り「寝た子を起こす」ことは許されない。もし僕がそのようなことをしてしまえば嫁の逆鱗に触れるだろう。翌朝僕だけが目覚めぬことになるかもしれない。どうせ触れるのなら逆鱗より乳輪の方が良い。
そんなわけで僕は出来るだけ物音を立てず、覗くのも一瞬だけそーっと見るに留め、自室に籠った。そして考えた。Rとタクの寝顔だけでも見たい。仕事で疲れた身にはそれが何よりの清涼剤。しかし子供達が起きてしまい嫁が激怒する恐れもある。この悶々を紛らわすためには…おおそうじゃ、ゲームでもするかと携帯に入れておいた
「妹いじり」
という、寝ている妹を起こさないようにイタズラをする大変猥褻なゲームをポチポチとやっていた。
「…」(妹の服を脱がしている)
「…」(妹の○○を××している)
「あ、起きちゃって怒られた。ゲームオーバー」
などと没頭していたものの、やはりゲームの妹いじりより子供いじりがしたい!(猥褻な意味ではない)もうそろそろ寝入っていてもいい時間だ、と静かに寝室に忍び込んだところ、幸いなことにRもタクも寝息を立てていた。
嫁はどうか…と視線を移すと、嫁はいつの間にか暗闇の中でも分かるぎらりと光るその目で僕を睨んでおり、思わず失禁しそうになった。
「た、ただいま…」
「分かったからあっち行って」
子供達が起きちゃうでしょうシッシッ、とまるで犬を追っ払う手の仕草で僕に指図した。犬扱いするとはひどいことである。そりゃ年中腰振ってハアハア言っているけれどもあまりにもぞんざいな扱い。
本当は「嫁いじり」もしたかったんだけど。(猥褻な意味である)しかし寝ている妹や嫁を起こさないようにイタズラ…なんてのはゲームの世界の妄想であり、犬扱いされていることを考慮すると現実に実践しようものならゲームオーバーどころかラブイズオーバーでライフイズオーバー即ち人生オワタ\(^o^)/である。
大人しく自室に戻り「息子いじり(タクではない意味の息子)」をして寝た。
問題:「妹いじり」の結末はどうなったでしょう?
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