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栃木の実家に帰る準備をしていた。
「はい、じゃあ君達も着替えましょう」
嫁がセレクトした服を、僕はRに、嫁はタクにそれぞれ着替えさせる。嫁はタクのおむつを替えていたのだが、その僕譲りの伝家の宝刀をフキフキしながら
「タクのは本当に可愛いよねえ。こんな可愛いのを見たら大人のなんて怖くて見られないわ」
などとほざくので
「子供ふたりも産んでおいてそりゃないだろ」
と一応突っ込んでおいたが(物理的に突っ込ませてくれないので)、
「タクとパパはいい勝負ね」
などと言われるよりはましかもしれないと複雑な心境になった。もしそんなことを言われたら僕のテポドン2号は二度と飛び立てなくなることだろう。
着替えが終わると
タクはジャージにRはセーラー服になっていた。嫁が得意気に
「今日のテーマは体育教師と女子高生です」
と言うので
「なんだその日活ロマンポルノみたいなシチュエイションは」
かつて女子高生だった嫁にそんな思い出でもあったのか…と変な勘ぐりをしてしまった。が、今僕の横に嫁がいるのでこれ以上書くと僕の身の危険が増すので、ここまでにしとうございます。
問題:今この日記を書いてる横で、嫁は何をしているでしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
友達の羽奈ちゃん(URL)がコミケでコスプレするというので、娘・R(3才)をコスプレさせている僕としては非常に気になったので行ってみた。
コミケとは、盆暮れに開催される日本最大規模の同人誌販売イベントである。コミケでバイトしていた店員のブログに書かれていた
「みんな頑張ってバイトしています!まぁお客はみんなオタ」
「これがぶぁぁぁぁあっているの。恐い!きもい!」
という有名な文の通り、日本中のきもいオタクが集まることで有名であるが、実際行ってみた感じはそれほどでもなかった。近所の中高一貫某有名男子校の登校ラッシュの方がきもい。
コミケは同人誌発売の場であると同時に、何故かコスプレを披露するコスプレイヤーの晴れの舞台でもある。ちゃんと「コスプレ広場」なるスペースが用意されていた。
「寒くて中に入っちゃいました」
と言う羽奈ちゃんのコスプレは「デスノート」のヒロイン、ミサミサ。デスノートとは、名前を書かれた者は必ず死ぬという、死神が落としたデスノートを使い、悪者を次々と粛清していく主人公とそれを巡る戦いの物語である。
「いやほんとに寒そうだ。こんな薄着で」
「Dカップ強調しまくりですよ!」
「こんなとこでDカップとか大声で言うな!」
「ヌーブラ見えちゃいそうです」
え…まじ。と胸元に視線を奪われながら
「んじゃ写真撮るよ」
「どんなポーズがいいですかね!ミサミサっぽいポーズないですか?」
「…さあ。ジョジョ立ち(※)とかどう?」
※ジョジョ立ち
「いやです!」
「じゃあ、そのでーかっぷを強調したポーズでよろしく」
ほんとにそんな写真になってしまった。
「しかし可愛いねー。いっぱい写真撮られたでしょう?」
「もう立ち止まるたびに撮られました!」
しばらくして、これでもう引き上げると羽奈ちゃんが言ったので、僕も帰ろうと思い付いて行ったら
「こっちは女子更衣室ですよ!」
あわや犯罪者となるところだったので、そそくさと引き上げることにした。
ばれたら嫁にデスノートに書かれるのでコッソリ帰らねば…。
問題:ウチにある誰も着ていないコスプレ衣装はなんでしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
「Rちゃん、今日はなにしたの?」
娘・R(3才)に僕が会社に行っている間のことを聞くと、いろいろと教えてくれる。
「きょうはねえ…こーえんいったの」
「あいすたべたの」
「がっこうようちえんいったの」
などなど。ちなみに「がっこうようちえん」とはRが来年行く予定の幼稚園である。何故かわざわざ学校とくっつけて呼ぶ。
「Rちゃん、今日はなにしたの?」
「きょうはねえ…Rちゃんねえ…えっとね〜」
「いやん、じらさないで教えて〜」
「Rちゃんねえ、うんちできたの」
「へえ、できるようになったの!」
Rはなかなかトイレでできなかったのだ。連れて行くと泣いて暴れて収拾がつかなかった。嫁にも聞いてみると
「そうなのよ。ふんばってたから『もしや』と思ってトイレにつれてったらあっさりできたのよね」
「いつになったらできるようになるかと心配だったけど、タイミングなのかね、こういうのって」
しかしRは、ちゃんと用を足したというのに、その後便器にまたがったまま泣いてしまったのだという。
「なんでだろうね。感極まっちゃったのかな」
「分からない。すんなり出来過ぎて、自分が一番驚いたとか」
子供の頃というのは怖いことや嫌なこと以外にも、「なんで自分がこんなことに」という予想外の状態になってしまった時にも泣きたくなってしまうものである。褒められまくった時とか「えー。なんで僕が」とパニクった思い出がある。
「嫁、そういえばお前、初体験の時も泣いてなかったっけ」
「さあ〜忘れた」
ちっ。僕も忘れたので思い出を美しいものに捏造しようとしたのに。
ともかく、Rおめでとう。今度お父さんにも見せてね。
問題:Rのトイレの様子を観戦していた息子・タク(1才)は何をしていたでしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
ああ、下腹部がジンジン痛む。
これはもしや、この冬巷で大流行の…
エロウィルス!
おへその下が熱を持って痛いのよー。治療方法はただひとつ。女体への注射である。そもそも普段から嫁とのランデブーの機会が希少なのである。思わずランパブーに行きたくなるのである。
そしてクリスマスという大事な大事なアタックチャンスににおいては、僕はとっととガーガー寝てしまい、女体を掘らずに墓穴を掘ってしまい、ますます機会がなかった。今宵こそは契ろうぞ、と家に帰ったのはアバウト夜の11時。
嫁は当然寝ていた。今夜もだめかな…と寝顔を覗き込んでいたら、嫁が目を開いた。手をヒラヒラと振って「おかえり」と言った。そしてモゾモゾと起き出した。僕を見てモジモジしている。なんだかいつになく淫靡な雰囲気。もしかして嫁は、イエスノー枕に例えれば、イエスをそーっと出そうとしているところではないだろうか。
「あなた、あのね…」
嫁が照れ臭そうに笑う。これはおねだりモードなのか…と、喉がまじでグビリと鳴った。
「な、なんでしょう」
「…」
「…」
「…4年ぶりに生理が来ました」
ズコー!
この4年間…嫁は娘・R(3才)を妊娠し、出産。そして生理が戻らない内に再び身籠り、息子・タク(1才)を出産。それまでずっと中断していたわけで、僕も生理という名のエロ魔獣に神が与え給うたインターバルタイムの存在をぽっくり忘れておったわ。欲望がまた遠のいた。
「ま、まあ、これもおめでとうっていうことなのかな?よかったじゃない」
「いやー私もあんまり久しぶりだからオロオロしちゃって」
「でもタクが生まれて1年ちょい…回復するのにそんな時間がかかるもんなの?」
「授乳している間は止まるのよ。タクこないだ卒乳したでしょ。それで母乳も出なくなったし」
「母乳が止まると再開するのか?」
「全ての女性がそうとは限らないけどねー」
ということは女性は絶えず赤い液体か白い液体を出しているというわけだな。男は白だけだというのにやはり女体は神秘。赤と白が交互でめでたい。
紅白まんじゅうならぬ紅白まんk(お下品)
問題:4年ぶりということで、思わず口走ってしまったことは何でしょう?
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クリスマス最大の山場は濡れ場の夜である。
否、子供が寝静まってからプレゼントをそーっとあげる夜である。そんな年頃になった僕。毎度ながら寝る前の娘・R(3才)と息子・タク(1才)ははしゃいでしまってなかなか寝てくれない。
「ほらほら、早く寝ないとサンタさんが来てくれないぞー!」
サンタをダシにして寝かし付けようとしてもなかなか寝ず、その内
「ほらほら、悪い子はサンタに連れてかれるぞー!」
サンタがナマハゲになってしまった。ようやく子供達が静かになり、添い寝しながら、これで間もなく眠りにつくだろう…と思ってたら自分も寝てしまった。気付いたら朝6時だった。しまった!嫁とクリスマスチョメチョメできなかった!じゃなかった、プレゼントを仕込まなければ!
押入れからそーっとプレゼントを取り出して、子供達の枕元に置く。このドキドキ感がたまらない。昔、寝ている嫁のパンツをこっそり脱がそうとした時の興奮に似てる。
クリスマスイブの夜、どれだけの親たちが僕と同じようにしているのだろう、と考えると顔が綻びて来た。同じくクリスマスイブの夜、どれだけの数の男女が淫獣と成り果てて、後ろから前からジングルベルしているのだろう。
獣のように突き上げて
怒号のような雄叫びを
もっともっとと吠え立てて
そびえる怒張は三千丈
溢れる蜜は三万トン
大きな大きなプレゼント
どうぞ私にぶちこんで
ドント・ワナ・ショート・ディック・マン
そんなことを考えると顔が引きつって来た。いかぬ。僕の人生はもうそういう時期は終わったのだ。僕は子供達と共に…とブツブツ考えていると、まずタクが起きた。
「おや、タクおはよう」
ほら、枕元にプレゼントがあるぞ、気付け、気付け…と念を送ってたのだが
「ぱぱ、ぱぱ、ぱぱー」
タク、プレゼントをスルーして僕に抱いてくれとせがむ。ああ、うまくゆかぬ。しかし次に起きたRはさすがであった。
「あー!なんだろー!」
速攻で飛び付きガサゴソと袋を漁った。
「はい、Rちゃんには冷蔵庫のおもちゃ、タクには救急車のおもちゃです。サンタさんがね、君達が寝ている時に持って来てくれたんだよ」
「うわーい!」
「んまんまんまんま!」
ふたりともすぐ夢中になって遊び始めた。
「サンタさんにありがとうって言いなさい。っておい。君達、聞きなさい」
遊ばせる前に言わせればよかった…と多少の反省点はあったものの、今年のクリスマスは成功と呼んでいいのではないだろうか。性交はしてないが。僕は手ごたえを感じて会社に出かけたのであった。
家に帰ってから
「おもちゃは気に入ってもらえたのだろうか」
嫁に聞いてみると
「ずっと遊んでたよ。Rは夢中になりすぎておしっこ漏らしてたよ」
プレゼント多難。
問題:救急車のおもちゃの、わりと怖いところは何でしょう?
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クリスマスのご馳走といえばクリスマスケーキとチキンであろう。
「いや、なんと言ってもクリスマスのためにゲットした彼女の女体でしょ」
と反論する奴、ちょっと体育館の裏に来い。すみません、お願いですから僕の目に付かないところでイチャイチャして下さい。
ケーキは近所の洋菓子店で買ったが、チキンについては
「ケンタッキーあたりで買って来ようかしら」
嫁がそんなことを言って出かけたと思ったらプリプリしながら帰って来た。
「ケンタッキーでさ、『予約がない方は3時間待ちです』って言われちゃった」
「まじで?ビッグサンダーマウンテンだってそんな待たないぞ」
「それで、『こちらのセットならすぐ用意できます』って言われたのが2300円のパックで」
「それだったら他にもっと美味いのにお金使いたいよね」
「しかも冷えてるの勧めるのよ」
それって…
まさにこれである。
「私の後ろに並んでた人、『ふざけんな』って言ってた」
きっとその人はこう言いたかったに違いない。ケンタッキーだけに「チキン野郎」と。
ただこれはケンタッキーを滅多に利用しない僕らが無知なだけであって、よく買う人にとっては常識なのだろう。だから賢い消費者は予約をしているのだ。クリスマスという異常事態だけを取り上げて責めるのは酷であろう。
「じゃあメリークリスマス」
しかし夜になって開かれた宴には、ちゃんと鳥の唐揚げとローストチキンが食卓に並んだ。
「お、これもうまいじゃないか。結局どこで買ったの?」
「西友」
せめてデパ地下とか…まあいいけど。西友はクリスマスだろうがいつでも僕らに優しいのさ。
娘・R(3才)と息子・タク(1才)はチキンよりケーキに大興奮。タクはまだかわいそうだがクリームを食べさせるのは早いので、スポンジだけばくばくと。一方Rはケーキよりもその上に乗っているチョコのプレートやサンタクロースの形をした砂糖菓子が大好きで、早速食べ始めていた。
容赦なくサンタの体をガリガリ齧っていくR。
「さんたさんでーす、こんにちわ」
食べかけのサンタを使って人形遊びを始めた時には
「うわああ。もう頭がないじゃないか」
怖いし。
「さんたさん、あたらしいかおよ」
アンパンマンと勘違いしてるし。
チキンよりアカズキンの爺さんが好きなR。彼女に屠られたサンタを偲んで祈りましょう。
チキンアーメン。なんつって。
問題:翌日、嫁が作ってくれた弁当を食べながら気付いたことは何でしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
「クリスマスにプリクラを撮りたいのよーッ!」
と嫁が叫ぶので、一体どこがどうなったらそういう思考になるのだろうと頭の中を覗いてみたかったが、かつそのついでにパンツの中も覗いてみたかった。
「デジカメで毎日撮ってるからいいじゃん…」
「プリクラがいいの!」
僕はイメクラのほうが良かったが、仰るとおりに子供達を連れてゲーセンに行った。
娘・R(3才)が産まれた頃には何度か撮ったことがある。その時はゲーセンの爆音でRが泣き出したり、加えてタバコまみれの空気が漂い、子供にとってはいいところではないね、ということでそれ以来足が遠のき、息子・タク(1才)が産まれてからは行っていなかったのである。
「タクちゃんのプリクラも撮ってあげなきゃかわいそうでしょう…」
嫁の言わんとすることはこのことであった。
「じゃあこれにすんべよ」
かつて僕が入り浸っていたゲーセンのプリクラ…。僕がゲーマーだった頃には邪魔者以外の何物でもなかった。ゲーセンの中はオタクだらけなのに、プリクラコーナーだけはいつもギャルで溢れておった。場違いなパンツ見えそうなギャルを見るたびに彼女らに駆け寄って
「ほーらオタクだよーん!」
と脅かしたい衝動を抑えてきたものだ。
3才に成長したRはもうゲーセンを怖がらなかった。タクなどは怖がるどころか目を輝かせており、1才にして父を継ぐオタクゲーマーになりそうな予感がして悪寒。
Rとプリクラを撮った時も数年ぶりであったが、今回もまた2年ぶりぐらいではないだろうか。その度にプリクラは進化し、どんどん複雑になっているので舌を巻かれる思いだ。今回もとっとと撮りたいのに
「撮影コースを選んで下さい」
と画面に出ると「わく撮り」「重ね撮り」「きれい撮り」の三種類から選ばなければならず、
「どうしよう。意味分かんない。隠し撮りしか知らない」
「えー適当でいいよー」
と嫁とオロオロしながら操作し、それが終わったと思ったら今度は
「肌の写りを選んでください」
と出て「エロかわ」「姫かわ」「ギャルかわ」なるものから選ばなければならず、ぶち切れてちんちんのかわを出してやりたくなったが、嫁に堪えろと言われ、それからはもう適当に選んで撮りまくった。なんか昔と違って撮影回数も撮影時間もたんまりあるので疲れた…。
撮影が終わった後は「らくがきタイム」と称するタッチペンで色々字を書いたり絵のスタンプを押したりで、これまた時間がたんまりある。
「ねねね、『アキバ系』のスタンプとかあるよ」
と嫁が教えてくれたので見ると、「((((;゜Д゜)))ガクガクブルブル 」とか「キタ━(゚∀゚)━!!?」とか、あとデブメガネ長髪の典型的オタク男の顔などのスタンプがあった。誰が使うんだこんなもん。つくづくアキバ=オタク=気持ち悪いというカテゴリでネタにされてるんだなあと苦笑いした。
そんなわけでドタバタしながら完成したプリクラは、特にRのお気に召していたようで、家に帰ってからシゲシゲとずーっと眺めていた。
「みんながうつってるの!」
「そうだねえ。Rちゃんもタクもかわいいね」
「Rちゃん、みんながすきなの!」
「おおそうか。パパもママもか」
Rは嫁やタクの顔をひとりひとり指差しながら言った。
「ママもすき。たっくんもすき。Rちゃんもすき。コレもすき!」
Rよ。何故父だけ「コレ」扱い…。
その後タクもノタノタと近付いて来て、Rとプリクラの奪い合いとなった。
プリクラまんじゅう、押されて泣くな。
問題:プリクラにまつわる、僕の恥ずかしい過去はなんでしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
10:00〜11:00の間出ます。→
娘・R(3才)と息子・タク(1才)のクリスマスプレゼントを買うため、池袋のトイザまス(仮名)に赴いた。
さすがにこの時期、店内は家族連れでごった返していた。ひとりで来ていた僕は、カップルだらけのデートスポットに一人ポツンと取り残されたような孤独感を味わい、惨めな気持ちになったのである。
いや待て。僕は敢えてひとりで来たのだ。Rとタクにはサンタの存在をまだ信じて貰いたい。そのために昼飯食った後
「ぱぱどこいくの」
と言うRに
「ちょっとお出かけしてくるね!」
適当にごまかしてそそくさと出て来たのである。それが店内にはサンタを信じることが出来そうな幼稚園〜小学校低学年のチビッコ達が、「僕これがいい」などと親達と品定めしているのはどういうことだ。
惨めな気持ちは怒りに変わってきた。もうネタバレしてどうする。子供にウルトラマンショーを見せる前に、楽屋に乗り込んで着ぐるみに着替え中の中の人を見せるようなものではないか。ウルトラマンの着ぐるみは特に通気性が悪く、中に入っていられるのは30分が限度なのだそうだ。本物よりは長く地球に降り立っていられる計算になる。
話を戻す。
会社に小学3年の子供がいる女性がいて、やはりいつまでサンタを信じさせるか、と話したが、その子供はまだ信じていると言っていた。店の中を見回してもかなりの数の子供がいる中、それは至難の業と考えざるを得ない。いくら信じている子がサンタの存在を主張しても
「俺、パパとママと一緒にトイザまスに買いに行ったんだぞ!サンタなんかいないよ!」
と言われたらおしまいのような気がする。
「でも…いるんだもん…」
「見たのかよ!」
「み…見たもん」
「へー!いつ見たんだよ!何時何分何秒?地球が何回回った時?」
「夜中…ママがサンタ服着てオッパイ出してパパがだっこしてたもん…」
思わず夫婦のマニアックな性生活が暴露されちゃったりして。
しかし…考え直してみればサンタを信じさせるなどということは親の勝手だし、この殺伐としたご時世には、プレゼントを買ってあげるのは他ならぬお父さんお母さんなのです、ありがたく思うように、と教えるのが当たり前なのかもしれない。わが子がどこぞの実在しない爺さんにお礼を言わせる筋合いはないと。
もしかしたらサンタを信じている小3の子も、親に対してはそう言っているだけなのかもしれない。小さな子供でも、親が子供らしい態度を期待している時にはそれを察して、その期待に沿ったリアクションをしてやることがある。僕もそうだった。「将来何になりたい?」とよく聞かれたが、そんなもの別になかったのでそう答えようとしても「なんて夢のない子」と言われるのが嫌で、適当な答えをでっち上げたものである。
サンタが大人が作り上げた幻想であると同様に、サンタを信じる子供というのも大人の幻想なのかもしれない。池袋駅からトイザまスに行くまでには
こんな看板を持った人達が毎年この時期になると現れるが、まったく神も仏もサンタもない世の中である。
僕はこんな小冊子まで貰ったというのに。イエス様の物語を読みながら家路に着き、
「ただいまー」
プレゼントは玄関の外に隠したまま扉を開けると
「ぱぱー!」
とRが走り寄って来たので、嫁と阿吽の呼吸で
「Rちゃん、トイレ行きましょ!」
嫁がRをトイレに入れ、その隙に猛ダッシュでプレゼントを押入れに隠した。
「そんなわけで、サンタなんて出る幕もない家族で一杯だったよ」
トイザまスでの家族連れの多さを嫁に話したところ
「でもRにもタクにも当分はサンタを信じさせるのよ!」
「真実を見た子がひとりでもクラスにいたらもうおしまいじゃない?」
「他の家には来ないかもしれないけど、これこれこういうわけがあったRにはサンタさんが来るんだよ、っていうお話を作る!」
なんだか今から壮大な物語を構想しなければならない予感。
クリスマスのおもちゃ屋は家族連れがごった返し。
クリスマスのホテルはカップル風情がまんぐり返し。
これが日本のクリスマス。
問題:トイザまスでまったくもって一番ムカついたのは何だったでしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
あまり露骨に書くと生々しくなるので遠回しに書くと、子供達が寝静まった後、嫁と念願のいんぐりもんぐりの契りを交わしていた。
そしてこれも露骨に書くと生々しくなるので野球のピッチャーに例えて書くと、僕はほぼいつもオーバースローで投げているので、たまにはアンダースローで放ってみたいのだった。なので嫁にうつぶせに寝るよう提案したところ
「えええええー」
とてつもなく面倒臭そうな声を上げて渋った。まるで馬鹿でかい粗大ゴミを捨てなければならない時のような、非常に「うざってー」という表情が忘れられない。
「たまには変化があってもいいじゃないか」
いつもオーバースローのストレートしか投げられないマンネリは嫌だ。もっとカーブとかフォークとか投げたり、時には暴投やデッドボールのハプニングもあったり、隠し球や牽制球のかけひきもあったり、いろいろなことをするのが楽しいのではないか。全力投球したいのだ。事が事だけにタマキン全力投球。しかし嫁の返事は
「なんかねー。もうそういう変化とかいらないんだ、私。疲れちゃって。安定がいいの。安定こそ一番。もう私は守りの人生なの」
なんとも退廃した、「夢を失った大人よ〜。盗んだバイクで轢き殺す〜」と尾崎豊にネタにされて歌われそうな、輝きを失った嫁の言葉であった。猛々しく打ち上げられた僕のテポドン2号も失速して日本海に落下する思いである。それでも嫁を渋々うつ伏せにさせたのだが
「いつもの体勢じゃないと、どこに力を入れていいかわかんなくなっちゃった」
女体の神秘に関わる難解な言葉を吐いたので、僕は
「そういうものなんだろうか…」
女体というものはそこまで奥深いものなのか…と感心して口を噤んでしまった。今思えばもっと嫁に根掘り葉掘り聞いておけばよかった。
いや、掘ることは掘ったのだけれども。女体を。
夜はこれから。
掘るもこれから。
問題:嫁といんぐりもんぐりしながら、「ひょっとして…」と思ったことは何でしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
朝の娘・R(3才)はCCガール。
すなわち、おしっこしーしーガール。最近、朝起きたら
「Rちゃん、トイレいこ」
Rをトイレに行くように誘っていたら
「うん!おとうさんといっしょに行くの」
僕とじゃなきゃイヤなの、ということを言うようになったのでもうメロメロ。これは女の子とデートして酔っ払った後、
「ねえ、いっしょに行こうよ…」
と彼女が指差す方向には「ホテル・アナリスク」という看板があった時にも勝る超興奮である。不倫ではない。その女の子は何故かモニタの中から出て来ないシャイガールだからだ。
そんなわけでRとトイレに行き、パンツを脱がせて用を足させていると、そこにやって来るのは息子・タク(1才)である。誰がトイレに入っていても必ずやって来て
「ばあー!」
とドアを開けて覗く地獄の使者である。この時もトイレのドアを開けて姉の様子をニコニコ伺っている。やがてRは用を終えると、いつも
「でたー!」
と言うのだが、最近はタクもRの真似をして
「でだ!でだ!でだ!でだ!」
と連呼する。また変な言葉から覚えるなあ…とタクの身を案じていると
「たっくん!『でた』はRちゃんが言うのよ!」
Rが怒りおった。しかしタクには通じるはずもなく
「でだ!でだ!でだ!でだ!うきゃきゃきゃ!」
「たっくーん!Rちゃんが言うのRちゃんが言うの!」
狭いトイレの中だというのに収拾つかなくなってしまった。
これも「出た」とこ勝負、と言うのだろうか。父としてこのコンフュージョンを収めるべく
「尿がーでたでーた、尿がーでたー。よいよい!」
はいおしまい、とふたりを抱えてとっととトイレを脱出するのであった。
問題:タクがトイレを開けると嫁のトイレシーンも見えてしまうが、その時僕はどうするでしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
ちょっと早めに会社から帰って来て寝室を覗くと、娘・R(3才)と息子・タク(1才)が今まさに夢の世界へ飛び立とうというタイミングで、トローンとしていた。
僕の顔を見るなり嫁が「シッ!」と手を払った。「出て行け」ということなのである。
僕の帰りがもう少し早く、子供達の眠気ももう少し浅かったなら、僕の顔を見るなりタクは
「ぱぱ!ぱぱ!」
パパパパパフィーと言いたくなるほどパパパパを連発して寝床から飛び出し、Rも
「ぱぱ見て見て〜」
全力であやしい踊りを踊りまくり僕から笑いを取ろうとするだろう。嫁の寝かし付けの努力が水のバブルと化すわけだ。泡のお水でバブルムダー。僕を追い払うのはそういうことである。
だがちょっと待って欲しい。いくらなんでもその「なんでやねん」と突っ込みを入れるような手の仕草はどうかと。僕が嫁に肉体的に突っ込もうとすると怒る癖に。しぶしぶ隣の部屋に閉じこもると、僕の机の上に絵が置いてあった。Rがクリスマス会で描いたであろう、サンタの顔であった。
かわいく描けているではないか。絵が上手になっているではないか。目が3つあるけど。ああ、今Rの寝床に飛び込んで
「上手に描けたね〜」
とほめてやりたい。ほめて抱いてちゅーしたい。
そして取って返して
嫁をはめてやりたい。はめて抱いてちゅーしたい。
しかしそれは叶わぬ夢。僕の部屋と寝室を隔てるドアはベルリンの壁より厚い。今行ったら嫁に殺される。
…30分後恐る恐る覗いたら嫁もRも寝ていたのであった。
僕も泣き寝入り。
問題:Rがクリスマス会でもらったプレゼントは何でしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
画用紙で作った三角帽子。お菓子の入った赤い長靴…。娘・R(3才)が次々とクリスマス会に参加しているためである。
児童館でのクリスマス会。
リトミック教室でのクリスマス会。
ぴよちゃん教室(幼稚園の未就園児対象の教室)でのクリスマス会。
リトミック教室の生徒とそのママさん達だけのクリスマス会。
一体どんだけクリスチャンなんだよと言いたくなるほどの頻度である。サンタだって無理出来る年齢じゃないんだからちょっとは労わってやれよ。いっそ洗礼してしまえ。宗派とか選んで…。
「カヨちゃん、クリスチャンはええで。クリスマスにはケーキ食えるわ七面鳥食えるわ」
「食べることばっかりやないの」
「あと山下達郎とワムが歌いまくるわ」
「もうええねん」
「で、クリスチャンになろうと思うんや。宗派決めたいんだけどどないする?」
「どんなんがあるのよ」
「まずはカトリックやな」
「カトリックというとパソコンでいつもやってるアレですのん?」
「そりゃダブルクリックやアホ。それとプロテスタントもあるな」
「私ダイエットしてるから毎日飲んでるわ」
「そりゃプロテインや。魔女狩りしたろか。キリスト教やて。クリスチャン」
「おっかのうーえーひーげなしーの花でー♪」
「…なんやそれは」
「アグネスチャン」
「…火あぶりの用意するから待ったれや」
「そんな言われても分からへんもん。ウチ真言宗なのよ?イエス様より弘法大師様なのよ?」
「ケーキ空海?」
「あんたこそオヤジ狩りしてくれるわ」
と、思わず漫才をしたくなるほどRはクリスマスに染まってしまっている。
「ぱぱ、みてみて〜」
クリスマス会で貰ったプレゼントや工作物を嬉しそうに見せてくれる。一方で僕はといえばオヤジらしく忘年会しかない。イマイチ華がない。
クリスマスにはなんかやるにしても、嫁も子もある僕としては家族でまったり過ごす、ファミリーイベントになるだろう。それはそれで良いが、街中に飾り付けられたイルミネーションを見ると、外に出てイチャイチャベタベタぬちゃぬちゃなゴージャスかつエロスな恋人同士のクリスマスも久しぶりに送ってみたい気もする。
ハクいあの娘とのクリスマス会。
水着ギャル達とのクリトリス会。
セーラー服と一晩中ここがええん会。
その後たぶん嫁にオホーツク海(に沈められる)
「まあまあそんなわけでカヨちゃん。とにかく僕真剣にクリスチャンになろう思うて聖書も用意したんよ」
「用意したかて中身理解できひんやろ?」
「こんなんはな、適当なページ開いて『君が代』を歌ってればええのや。これがホントの国家聖書ーってやかましいわ」
問題:プレゼント交換(500円以下)があるので僕と嫁が悩んで選んだ物は何でしょう?
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娘・R(3才)がいきなり
「Rちゃんは、ミミカです!かれーぱんつくりまーす」
と宣言したので、またゴッコ遊びが始まったな、と思った。
ちなみにミミカとはNHK教育テレビでやっている料理アニメの主人公である。ところがRは自分だけでなく嫁に向かって
「ママもミミカです!」
と指差して宣言するし、栃木から来ている母に向かっても
「ばあちゃんもミミカです!」
しまいには僕に向かっても
「パパもミミカです!」
とうとう三十路オヤジの僕も小学生美少女にされてしまった。なんだかちょっと嬉しい感じ。何故Rが僕ら全員をミミカにしたいのか。また、ミミカにさせて何をしたいのか。そんな理由を考えても意味がない。3才児の頭の中はワンダーワールドであり、Rが全員ミミカになれと言ったら皆そうせざるを得ないのだ。我が家ではRは神である。僕らオトナは
「ハイ、ミミカです〜」
とリアクションするのがベストの対応と言えよう。
いや、全員ではなかった。息子・タク(1才)がまだ残っていた。Rの家族ミミカ計画は当然タクにも襲い掛かったのだが
「たっくんも…」
と言ったところで止まったしまった。Rは躊躇していたのである。何故ならば、その日のタクは
こんな格好をしていたため
「たっくんは、ピングか…」
ペンギンの群れに紛れ込ませても全然違和感なさそうな姿に、さすがのRも認めざるを得なかったようだ。こうしてRのミミカ計画は唐突に終了した。それどころかRも
「Rちゃんもピングになりたいのー」
と駄々をこね始めたのでなんじゃそりゃー。ミミカはどうしたのだミミカは。
「今はタクが着てるの!脱がせたらタクが寒くなっちゃうでしょ!」
「いやー。Rちゃんもピング着たいのー」
「じゃあタクがお風呂入る時にね、脱ぐからね、その時に着せてあげるから」
「うん」
Rは満足したようである。
自分を含めた家族全員をミミカにしたり、したと思ったらピングになりたがったり、元々少し不思議ちゃんなところがあるRだが、最近それに磨きがかかって来たような。いや、将来どんな変な娘になろうとも僕は愛している。Rの全て受け入れていきたいと思う。
すなわち肯定ペンギンである。
問題:被り物姿のRを見て、つい思い出してしまった池袋ラブホテル街の光景は何でしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
娘・R(3才)が通っているリトミック教室のクリスマス発表会があった。
栃木から来ている母と息子・タク(1才)も見ている中、Rは一生懸命やっていた。この年頃になるとテレが出てくる子もいて、モジモジしていたりもするが、その辺Rは素直というか幼いというか、口を大きく開けて歌っていたことであるよ。おそらく一番上手に出来ていたのではないだろうか。殆ど他の子は見てないけど。
子供達の発表の後は、リトミック教室のマスター・ヨシコ先生によるピアノ演奏会(本業はピアノの先生であるらしい)。この時も他の子供達は飽きてふざけ始め、親達が次々と外に連れ出して席が空きまくるというジャイアンリサイタル状態であったが、Rはお友達のリッちゃんと最後まで大人しく聞いていたので偉い。うちの娘は世界一ィィィィ!
「Rちゃんねえ、おうたできたのよ〜」
「見てたよ。上手だったね」
終わった後もRは得意顔。発表会の後は場所を移してお茶でも飲みましょうというヨシコ先生の提案だったが、店にあまり人数が入れないとのことだったので僕は母とタクを連れて家に帰った。
美人だが年齢不詳であり、プライベートをあまり語らないヨシコ先生の身の上話を聞くまたとないチャンスであり、
「ヨシコ先生にいろいろ聞き込みして来てくれ」
と嫁に言うと
「うん。他のみんなも聞き出してやろうと言ってる」
他のママさん達もそう企んでいるようであった。僕は母とタクと家で待ちながら、彼氏いるのかな〜いないといいな〜などと考えていたが、嫁が帰ってくるなり
「ヨシコ先生、最近結婚したんだって!」
なんだよそれー!いきなり爆弾宣言を聞かされて非常に落ち込んだのであった。ヨシコ先生…クリスマスには旦那と「真っ赤なお鼻のトナカイプレイ」とかしちゃうんだろうか…羨ましい。
「で、どんな旦那なの?いつ結婚したの?」
「それが、相変わらず口が堅くて詳しいこと話してくれないから、今度ママさんみんなでヨシコ先生に酒でも飲ませていろいろ吐かせようと…」
クリスマス会の最後は魔女のサバトと化していたようである。
問題:発表会の途中でタクがやらかしたことはなんでしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
栃木の母がやって来た。金曜日の夜、
「有楽町で氷川きよしのライブ見てっからさ。その後行くからね!」
「なにそのバンギャみたいな行動力」
60を過ぎてますます盛んな母である。ちなみにバンギャとは、ゴスロリ等の変な(マニア=つまり僕にはたまらない)服を着て、主にビジュアル系のバンドを地獄の底まで追いかけるドリーミーな少女たちのことである。
夜中にやって来たので娘・R(3才)と息子・タク(1才)は寝ていたが、朝起きると
「あ、ばあちゃんだー」
Rは大喜び。タクも母に懐いているので大変喜ばしいことではあるが、
「R、そろそろおしっこでしょ。トイレ行こう」
と言うと
「いや!ばあちゃんと!」
いつも僕と一緒にやってることを全て母とやりたがる。
「R、ご飯食べよう」
「いや!ばあちゃんと!」
いつもは僕の膝の上に座って食べるのにこれも母と一緒。
「R、着替えさせてあげるよ」
「いや!ばあちゃんと!」
「R、歯を磨くよ」
「ばあちゃんと!」
「R、お風呂入ろう」
「ばあちゃんと!」
何から何まで全ておばあちゃんと一緒。まあたまにしか会えないし、母もデレデレなので親孝行だと思えば別にいいんだけどさ…。Rとお風呂に入るのが何よりの楽しみなのに。昔、小学生のころ
「ねえ、ちゃんとお風呂入ってる?」
と聞いて、相手が「うん」と答えると
「姉ちゃんと風呂に入ってるんだ〜!スケベ!ドエロ!」
と鬼の首を獲ったようにからかう罠問答があったが、今だったら
「女子高生ぐらいの姉ちゃんが欲しかったよ!姉ちゃんと入りたかったよ!」
堂々と胸を張って言える。そんなことを考えながらひとり取り残された風呂に入りながら考えた。
「Rちゃん、そろそろねんねするよ〜」
「ばあちゃんと!」
…エビちゃんとねんねしたい。
問題:母とRが並んでいると恐ろしいことに気づく。それはなんでしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
「うー寒い寒い!」
夜中、嫁が震えながら布団に入ったので
「みんなで寝ればあったかいじゃないか。特にタクはあったかいぞ」
と僕も布団に入った。僕と嫁と息子・タクはひとつの布団に寝ているのである。娘・R(3才)は隣の布団でカーカー寝ている。
「うふふ、じゃあタクを抱いて寝よー」
「うん。タクは湯たんぽ2つ分の温かさがある」
ひとつ分で体が温まり、もうひとつ分で心が温まる。
「嫁よ。湯たんぽもいいけどちんぽもどうかね」
「いらない」
「僕に抱かれればもっと暖かくなるぞ」
「あなたはごく一部分だけが熱いだけ!」
まあ。なんて破廉恥な。嫁はタクにだけ密着してとっととガーガーと寝てしまった。ちっ。嫁の体内に僕のふたご座流星群を大放出しようと思ったのに。
取り残された僕はいじけたのですぐに寝る気にはなれず、マンガを読んだりインターネッツをしたり流星群が暴発したりしたのだが、明け方近くにようやく寝ることにした。
さすがに寒い。この時こそ湯たんぽふたつ分のタクである。僕の隣でスヤスヤと眠るタクをそっと抱いてぬくもりを味わった。そして嫁は僕に背を向けて寝ていた。しかもお尻をむりりっと突き出して。先ほどの拒絶の態度を思い出してムラムラとした僕は、カンチョーを一発見舞っておいた。嫁がビタイチ気付かなかったことが滑稽であり、おおいに満足した。
タクは湯たんぽふたつ分の温かさ。
嫁にはあんねたんぽんひとつ分のカンチョー。
問題:この夜僕が嫁を口説いた理由は何でしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
幼い子を持つ親としてあるまじき行為と言われるかもしれないがスモーカーである。
また、妻を持つ身としてアルマジロ行為と言われるかもしれないがストーカーである。とうに連絡がつかなくなったお気に入りの美少女・Rちゃんとの思い出をいつまでも引き摺り、mixiで奇跡的にそっくりな女の子を見つけ(しかも誕生日も一緒)
「お友達になってください!!」
とメッセージを送ったりした。1年ぐらい経ったがまだ返事が来ない。んもう照れ屋さんなんだから。
ストーカーについてはさておき、スモーカーはタバコを吸うのでタバコを買う。僕はいちいち1箱ずつ買うのが面倒なので、2年ぐらい前からカートンで買っている。カートン買いすると必ずお店の人がオマケでライターをくれるのがこの国の風習なのだが、これが痛し痒しなのである。
最初の頃は嬉しかろう。しかし毎回カートン買いしていればライターが山のように溜まるのは火を見るより明らかである。ライターなだけに。ドラマの中で
「今度僕結婚するんです」
というセリフを喋った男は必ず無残な死に方をして葬られるのと同様、誰にでも分かることである。もう僕の部屋にはライターが山のようになり、産業廃棄物の不法投棄場みたいになってしまっている。
そりゃカワイイ女の子店員がライターをくれれば、例え家がライターで溢れることになっても
「君がライターをくれるたびに、僕のハートにも火が灯るのさ。僕のフェバリットのシガレットは、セブンスターメンソールさ。覚えておいてね。ふふふ」
と言って喜んで貰う。
「ブルーレットでも吸ってろ」
とか言われそうだけれども。吸うべきか、吸わざるべきか。それが問題だ。シガレットのハムレット。なんちて。
しかしながら現実はそんなかわいい子はおらず、いつもウドンが伸びて溢れそうなドンブリみたいな顔のおじさんが当たるので、そういう気にはならない。僕のような悩みを持った喫煙者は沢山いるだろうけれども…皆どうやって解決しているのだろうかと悩む毎日であった。ライターを早く処理したいがために放火魔になった人もいるかもしれない。
「ライターはいりませんので」
と店員に初めから断っても
「ふ、ふんだ。最初からあげる気なんかなかったよーだ」
ヘソを曲げられそうで怖い。かといってライターを袋に入れてから言っても
「最初から言えよ…」
戻す手間がめんどくてウザがられそうでこれも怖い。他のコンビニでは
「ライターお付けしますか?」
と予め言ってくれるところもある。その時にいらないと返事をすれば良いのでこの場合は悩むことがない。しかしこの店は遠いのだ。ついつい会社帰りに駅前のいつもの伸びウドンコンビニで買ってしまう。そしてライターがまたひとつ増える。
ああどうしたら…ヤッターマン、コーヒー、ライター…とブツブツ呟き家に帰るのを繰り返して早幾年。最近ようやくライタースパイラルから逃れるアビリティを身に付けた!
そんな大袈裟なことではないのだが、もう何度となく伸びウドンの接客動作のパターンを掴み、彼が今まさにライターに手をかけようとした時に
「あ、ライターはいいですよ」
と一声かけるのだ。ザリガニに取り網をそーっと近付けて「今だ!」と掬い上げる感じに似ている。それが一番いいと思った。それにいい加減伸びウドンとも顔なじみになってきたので、わりとフレンドリーに接することが出来るようになったのも大きい。
些細なことではあるが、僕は呪縛から解放された。ようやく強制オマケライターから自由になったのだ。
すなわちフリーライターである。フリーターではない。
問題:僕が持ってる中で一番恥ずかしいライターは何でしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
ゴハンを食べる時、息子・タク(1才)に
「はい、食べる前にいただきますしてー」
と言うと、ニコニコしながら手をパチンと合わせる。わりと良い子である。お手々の皺と皺を合わせてしあわせ。お尻とお尻を合わせてお知り合い。お菓子とお菓子を合わせて犯し合い。
最近は更にタクの良い子ぶりに磨きがかかり、食べ終わった後に自分の食器を台所まで運ぶのである。まだぎこちない歩行でエッチラオッチラ、からくり茶運び人形のように食器をひとつずつ持って行く。
「タクは偉いねー。お手伝いしてくれて」
タクを褒めつつ娘・R(3才)に
「Rちゃんも自分の食器を持って行ってくれたら偉いんだけどなー」
と言い、Rもタクみたいにお手伝いしてくれたら…と願った。この僕のひとことが効いたようである。次の日、Rに変化が起こった。
なんと、Rは自分の食器を
「たっくん、これ」
…タクに運ばせていた。
「あ、あのね。お父さんが言ったのはそういうことじゃなくて」
しかしタクはとにかくRに構われるのが好き。パシリにされていることすら嬉しいらしく、ニコニコしながら運んで行く。
「タクは何をされてもお姉ちゃんが好きなんだね」
「うん。そうそう」
同じく弟がいる嫁は頷けるところがあったのか、そういうもんだよと言った。こうしてタクは一生忠実に姉のパシリになるのだろう。その原点を見た気がした。
更に今朝のタクは、運び屋パシリ人生に生き甲斐を見出したのか、毎朝嫁が作ってくれる愛妻良妻賢妻弁当(嫁を褒め殺ししているのである。夜はハメ殺しにしようという魂胆である)をも僕に運んで来てくれた。
…ただし弁当箱の蓋だけ。
「まだママがお弁当作ってる最中なんだよー。持ってくるのちょっと早かったかなー」
これを先パシリといいます。
P.S.ハメ殺し作戦は嫁のツッパリにより失敗に終わった。
エロスは激怒した。
問題:タクがいつの間にか僕の机に持って来た変なものは何でしょう?
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朝、娘・R(3才)が
「Rちゃんねえ、おじいかん(児童館)のくりすますにいったのよ〜」
と言って歌って踊りだすので
「児童館のクリスマスイベントに行って、いろいろ歌ったり踊ったりしたの」
嫁が通訳した。
「タクも行ったんでしょ」
息子・タク(1才)はどうだったかを聞いたら
「それがさあ〜」
と嫁が苦笑いしながら言うには
「他の女に抱かれてたのよ!」
「なななな、なんだそれは。羨ましい!」
タクは嫁の目を盗んではバブバブ言いながらヨチヨチ歩き、気が付いたら知らないママさんにすがり付き、抱かれていたらしい。さすが抱かれたい男ナンバー1(自分が)のタクである。
「その人が私より断然若い感じだったから悔しくて…浮気されたああああ」
愛する息子が初めて見ず知らずの女に抱かれていたのが相当ショックのようだ。
確かに僕もRが見知らぬ男に抱かれていたらそりゃもう刃物を持ち出すかもしれないが、それは仕方ないことであろう。
「ぱぱ、ぱぱ、ばぶー」
そんな話をしていたらタクが僕にすり寄って来た。その無垢な瞳でニコニコ見上げられたら、確かに断れずに抱いてしまうだろう。mixiあたりでネットナンパしている男どもよりも効果があるかもしれない。
嫁よ、これは仕方がないことなのだ。タクとて男であるから若い女が好きに決まっている。ましてやロリ系大好きの僕の血を引いているならより若い娘を追い回すであろう。ロリ親子万歳。
なんていらんことを言っても嫁が激怒するだけだと思ったので言うのをやめた。こんなことで亀裂が入って離婚なんてことになったら…。
まさにロ離婚。
問題:タクが抱かれていた女の人はどんな感じだったでしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
「除夜のテキスト祭」(12/24〜12/30)に出ます→
サザエさんの要はイクラちゃんである(異論は認めない)
別にカツオでもいいのだが(認めてるじゃん)、イクラちゃんは
「ハーイ」「チャーン」「バブー」
の3語だけで世の中を渡っているある意味最強のキャラである。よく声優さんが
「それ以外も喋らせろオオオオオ」
とぶち切れないもんだと感心しながら見ている。さて、その中の「バブー」であるが、僕はこれまで赤ちゃんが実際に言っているのを聞いたことがなかった。娘・R(3才)も言わなかった。だからニワトリといえば「コケコッコー」のように、
「正確にはそう発せられてはいないが、だいたいそんな感じに言って(鳴いて)るし」
という風に定着したマンガ的表現だと思っていたのである。それが息子・タク(1才)が最近
「ばぶー」
ホントに言うようになったのである。この時の感動をどう表現したらいいだろう。「行け!稲中卓球部」というマンガの中に、自転車でソバの出前をしている少年がひっくり返り、セイロとスダレが頭の上に乗っているのを目の当たりにした主人公達が
「の、のってるぅー!」
と大感激して記念撮影までしてしまった、という話があるがそれに近い。バナナの皮で滑ったとか、マンガではお馴染みのパターンだけれども現実にはなかなかお目にかかれないものである。赤ちゃんて本当に「ばぶー」って言うんだ…ということが分かったことだけでも子供を持ってよかった、と感激した。
もしタクが7歩歩いて「天上天下唯我独尊」と言ったとしてもこれ程感動しなかったであろう。そんな生意気なガキは嫌である。
こうしてまたひとつ単語(?)を覚えたタクではあるが、語彙はまだ全然なく、未だ「ママ」すら完全には言えない。時々嫁に向かって
「ばばー。ばばー」
と言っては
「ババアじゃないの。いい?ママなのよ」
嫁の厳しい訂正を食らっている命知らずな今日この頃である。そして僕は
「ばぶー。ばぶー」
と赤ちゃんプレイを嫁に挑んだところけんもほろろに寝床を追い出された今晩である。そういう高度なプレイは嫁には無理か。そういうお店に行っちゃおうかな。
僕、イメクラちゃん。ハーイ。
プレイ料金はイクラちゃん?ばぶー。
問題:「ばぶー」をマスターしたタクに、次にやってもらいたい事は何でしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
娘・R(3才)とお風呂に入って
「ねえ、かわいいメイドさんやって〜」
としつこくお願いをする僕。(二つ前の日記参照→こちら)
ガーゼタオルを胸に当てて
「かわいいメイド〜」
というRの一発芸を期待しているのだ。しかしRは
「Rちゃんねえ、メイドさんすきじゃないの」
いきなり嫌い宣言。おととい嫁にやってたくせに!女心の気まぐれはこれだから怖い。それどころか
「では、お鼻みまーす」
と言って僕の鼻にジョウロのおもちゃを無理やり突っ込んだり
「つぎはお口をあーんしてくだしゃい」
僕の口を無理矢理こじ開けてまたジョウロを突っ込む作業を始めた。これは…耳鼻科だ!先週あたりにRがハナタレなので何度か連れて行った耳鼻科の真似をしているのである。診察の時はギャンギャン泣いていたくせに、ちゃんと観察していたのだなあ…。
Rの夢は女医に移ったようである。メイド服も捨てがたいが、白衣の女医もそそるものではある。是非女医の道を進んで欲しいものである。どうせ3日ぐらいで飽きると思うけど…。
チャレンジ女医。
問題:Rがメイドになるために密かに仕組んでいたことは何でしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
友人5人と集まって忘年会というかそんな感じの飲み会。
いろいろ喋ったけれども衝撃的な話をひとつ。僕は江古田というところに住んでいるのだが、
「カジリンさん江古田だっけ。『江古田ちゃん』っていうマンガ(後述)面白いよね」
「僕も好きだよ。単行本持ってる」
「そういえばY子ちゃん(参加者のひとり)って江古田ちゃんに似てるよね」
「ああー。似てるかも。雰囲気がそんな感じ、かな」
という話の流れで「似ている」と名指しされたY子ちゃんは「江古田ちゃん」を知らず、当然
「どんなマンガなんですか?どういうキャラなんですか?」
と気になるのが人情であろう。ちゃんと説明しようと思ったのだが、ちょっと戸惑った。というのもこのマンガの内容が…。
「4コママンガでね、えーと…江古田ちゃんは…
(「臨死!!江古田ちゃん/瀧波ユカリ)
家の中では全裸の女の子なんだ…」
さすがにY子ちゃんに怒られるかと思ったが
「あ、近いものがありますね。私も暑い時は家じゃ脱いでます」
と飄々と答えるものだから一同びっくらげーしょん。
「ひ、ひとりぐらしだよね?」
「いえ、家族と一緒で」
ビールと手羽先噴き出しそうになった。
「そんなんで親御さんとかは…なんか言われないの?」
「あ、ちゃんと下(ぱんてい)は履いてますよ」
「いやそういうことじゃなくて」
ぱんてい1枚だけじゃ包みきれない問題のような気がする。
「たまに家を出ようとする時、なんか今日はスースーするなー、薄着すぎるかなーって思ったら、着てなかったってこともあって…」
薄着っていうレベルじゃねーぞ!
財布を忘れたサザエさんを余裕で超えている。…おそろしい子!たとえ年頃の娘であっても、乳出しで家をうろつくのが常態になると
「お、今日もたわわに揺れてるわ」
ぐらいにしか思わなくなるのかもしれない…と納得しようとしたがやはりちょっと無理があるだろ。いやしかしうーむ。翻って見るに我が家ではどうか。娘・R(3才)が将来そうなったらどうするか。嬉しいのだろうか。見てるこっちが恥ずかしいのだろうか。ていうか親として止めろよ、とか。そんなことを考えていたら酔っ払っていた。なかなか感慨深い飲み会であった。
翌日、Rとお風呂に入っている時に再びそんなことを思い出していたら、Rが僕のティクビを
「おっぱい」
と言いながらつまむので、僕もお返しに
「おっぱい」
ツンツンしてやったら喜んだ。するとまたRも
「おっぱい」
とやり返すので
「おっぱい」
「おっぱい」
「おっぱい」
(以下繰り返し)
…ああ、やっぱ裸最高!Rとは裸の付き合いを続けていきたい。肌と肌の触れ合いを実感し、つくづくそう願った次第。しかし現実的に考えると嫁あたりが阻止すること必死なので、叶わぬ夢なのであろう。
嫁が立ち裸る。なんつって。
問題:酔っ払って家に帰る途中、記憶にないけどやってたらしいことは何でしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
「R(3才の娘)がね、お風呂ですごいことしてたのよ」
子供達が寝静まった夜、嫁が苦笑いしながら話すので、また浴槽でうんちでもしたかと思ったら違うという。
以下は嫁の証言に基づき作成した再現フィルムです(あなたの知らない世界風)
ヒョルヒョルヒョオオ〜(なんか陰気なBGM)
その夜、私(嫁)はRと息子・タク(1才)と共にお風呂に入っていました。お風呂に入る時には、Rとタクにはいつも薄い白のガーゼハンカチを持たせています。いつもと変わらない入浴の筈だったのに、この夜はRのとんでもない行動で大きな衝撃が走ったのです…!
Rは濡れたガーゼハンカチを胸にペタリと貼り付け、
「みてみてー。かわいいメイド」
と言ったではありませんか!
キャアアアアアアアアア(絶叫の効果音)
なるほど、近頃アキバ系だとかでもてはやされているメイドさんは、よく白いブラウスを着ています。Rはそれを模したものでしょう。しかしいつの間にRがこんなメイドプレイまがいのことを覚えたのか、それが不思議でならないのです…。
(再現フィルム終わり)
「ぼ、僕じゃない!僕はそんなみだらなプレイなんて仕込んでない!」
「あのハンカチって薄いでしょ?だからハンカチからRの肌が透けて見えて、それがまたなんとも…」
「エロス!」
「一体どこであんなこと覚えたのかしら…」
「確かに『メイド』自体は僕がメイド喫茶に連れて行きまくったことが原因だろう。秋葉原に吉祥寺に中野に池袋に…」
しかしいくらなんでも愛娘に
「奉仕しろ。ほれほれ」
「はいご主人様」
などという、ひょっとしたらお医者さんごっこよりもみだらな「メイドとご主人様ごっこ」なんて断じてしてませんからね!
とはいえRのそのメイドなりきり姿を僕も見てみたくなったのは事実。翌朝Rが起きた時に頼み込んだ。
「お父さんにもメイド見せて」
「いやっ」
「えー。メイドやってよー」
「だめ!おとうさんがやって」
「え。僕が?」
「うん」
「お…お帰りなさいませ、お嬢様」
まだアキバにもない、斬新なオカマメイド喫茶になってしまった。
問題:Rにはメイド喫茶だが、タクにはどこに連れてってやる予定でしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
仕事中、午後6時になったのを見計らったかのように嫁からメールが届いた。
「タク(1才の息子)が38度の熱出して泣きっぱなし。早く帰って来て〜」
すわこりゃ一大事。すぐさま家に電話してみると
「あなだばやぐがえっぎでー!」
既に半ベソの嫁の震えた声の後ろからタクの「ぶわあああ」という泣き声が。なんだかもう火星人が攻め込んできたような臨場感溢れる修羅場であった。
「わかった。すぐ帰るから。何か買って来て欲しいものはあるか?」
「こんなんじゃゴハンも食べられないだろうから、アイスでも…」
嫁よ子供達よ今行くぞ。すぐさま仕事をうっちゃってオフィスを出、エレベーターの予備ボタンを押す。
チンと鳴ってエレベーターの扉が開いたので乗り込もうと思ったら
「勉強しまっせ引越しのサカイ〜」
と歌いながら出てくる男が…というのはウソで、携帯が鳴った。エレベーターの中では電話が切れる。やむを得ずそれを見送り、電話に出た。
「はいはい」
「もしもし、おとうさん。Rちゃんです」
娘・R(3才)が出た。しまった。忘れていた。僕が嫁に電話をかけると、Rも喋らないと気が済まないことを…。さっきは慌てて切ってしまったが、いつもは嫁と話した後必ずRが出て喋ってくるのである。
「Rちゃん、おしゃべりしたかったんだね」
「おとうさん。はやくかえってきてね」
お父さんも一秒でも早く帰りたいんだけど、電話がかかってきたからエレベーターに乗れなかったんだけどナー。
「じゃあ今から帰るからね」
「うん。きゃはは」
電話を切った後は迅速に90m/min.の高速エレベーターで降り、高速歩きで駅に向かい、高速各駅停車でわが街の駅で降り、駅前の高速コンビニに入ってアイスを探した。
僕は丸いカップに入った100円の、ごくごく普通のバニラアイスを買おうと思ったのだが、その超スタンダードと思われるものがなかった。スーパーカップとか書いてあるやたらでかいのとか、なんとか最中とかそんなのばっかり。何故ごく普通のバニラアイスがないのだ。
30円か50円のアイスしか買えなかった子供の頃、いつも駄菓子屋のアイスケースに鎮座しており、羨望の眼差しを送るしかなかった100円のバニラアイス。最近はないのか?
あの頃覗いていたアイスケースの中身とあまりにも違うことに愕然とした。フタバ食品(※)のアイスがないことにも違和感がありまくりだった。
栃木県にある主にアイスを製造する会社。栃木の子供は皆ここのアイスを食べて育ったのである。栃木のキワモノ名物「レモン牛乳」をアイス化したことでも有名。
栃木が誇る「レモン牛乳」
レモン牛乳アイスについては→こちら
ここは東京だからなくて当たり前なのだが、今更そんなことに気付くなんて。そういえばコンビニでアイスを買うなど初めてかもしれない。冷凍ケースなんて覗いたことなかったもんなあ…。
やむを得ずスーパーカップバニラ味なるものを買って帰った。嫁がAカップなのにスーパーカップだなんてとんだお笑い種だ。
「ただいま!タク、だいじょぶか!」
家のドアを開けると
「ぱぱ、ぱぱ。ぱっぱー!」
1時間前、電話の向こうで号泣していたタクは、いつものひょこひょことした軽い足取りで僕に纏わり付く。おでこに触ると…平熱じゃん。
「なんか、熱、引いちゃったみたい。てへ」
嫁が照れながら言った。どうやらよくよく聞いてみると僕にメール入れる前には病院に行っており、僕との電話の後に貰った薬を飲ませたらブラックマンデーの株価の如く体温がストンと下がったらしい。
「でもおそらく薬で熱を抑えてるだけだから要注意だ」
「すぐ薬飲ませるのもいけないんだけど…あまりにも泣くわ喚くわでひきつけ起こすかと思ったから…」
アイスも取り敢えず冷凍庫行きとなった。僕のゴハンを横からガツガツとつまみ食いしまくる程の食欲だったからである。タクはその後コロンと寝、熱がぶり返すこともなかった。あの電話越しのパニックがウソのようである。
一時はどうなることかと…ほっと一息ついた。カナダでは発熱した赤ちゃんを冷凍庫に入れて凍傷を負わせたバカ男がいたそうだが、僕が冷凍庫に入れたのはアイスであったのでよかった。
翌朝も僕が起きた時にはタクは既に起き、元気に僕の携帯をガリガリと噛んでいた。
「わー。ちょっと、やめて、ね」
ガリガリ君アイスにすりゃよかった。同じ坊主頭だし。
問題:家に着くまでの間、僕はオドオドとどんなことを考えていたでしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
なんと。昨日の日記の続きである。
年賀状用に家族写真を急遽撮った僕ら。
今度は嫁がパソコンを開いて、ネットで注文できる年賀状作成サービスに頼もうとしていた。いくつもある出来合いのデザインから選ぶことが出来る。
「去年は自分で作ったけど、今年はやるヒマがないから…」
僕がやらなくてどうもすみませんねえ…。僕がやるとしたら、写真は却下で非常にシンプルな奴を速攻でコンビニに頼んでおしまいである。
「ねえ、これとこれ、どっちのデザインがいいと思う?」
嫁がふたつのデザイン例を見せてきた。写真が入るところにはモデルのにこやかな家族写真が取り込まれていた。このデルモ家族が曲者だ。曲者曲者。くせえものには蓋をしろ。ムカつくことに旦那が超カッコいい。母親も美人。うちのと替えてくれ。子役もカワイイ。そのファミリーが醸し出すオーラは、バラの花びらしか食ってないんじゃないかってぐらいのきらびやか&爽やかさ。
それに引き換え僕らの写真は…。生活感だだ漏れリアリズム。貧乏だだ漏れペシミズム。快感だだ漏れオルガズム。
こういった見本にはあまり美し過ぎるモデルを使ってはいけないのである。とある結婚式場のパンフレットでは、特にすごい美人は使わないのだそうだ。理由は、そんなハイレベルの美人がウェディングドレスを着た写真に、加えて
「幸せのライスシャワー。夜は顔面シャワー」
などという甘いコピーが散りばめられたものを見させられても、
「私が同じ場所で同ドレス着てもこんな見栄え良くはならない…いいんだろうか、私がこんなことしても…」
客がどうしても見劣りを感じ、せっかく浮かれまくった新婦予備軍のウェディングハピネスに水をぶっ掛ける恐れがあるからなんだそうだ。だからどっちかっていうと美人レベルのモデルか、初めから上がる土俵が違う美形外人を使う、と聞いたことがある。
しかるにこの年賀状モデルは違反である。もうちょっとレベルを下げてくれれば僕も引くことはなかったのに。イケメン旦那だけどホクロから毛が出てるとか。美人の奥さんだけれども、歯に青ノリが付いてるとか。カワイイ子供だけれども、青ッパナが出てるとか。
「ねえ、どっちがいいの?」
嫁が再び聞いた。見目麗しい家族だったらより映えるデザインを選んだ方がいいが、僕らはデザインひとつでどうにかなるレベルではない。よってどっちでもいい。
「いいよどっちでも」
「フ…いいよ、ありがとう。もういいから。自分で決めるから」
一方で強くこだわっている嫁はにへらと笑い、あんたは御役御免とばかりに手でぐいと押されて引き離された。
「あけましておめでとうございます。
昨年はお世話になりました。
今年もよろしくお願いします」
年賀状の常套句。そんな中に
「あけましておめでとうございます。
今までお世話になりました。
慰謝料よろしくお願いします」
嫁から離縁状が来そうで怖い。
問題:来年は亥年だということで、今更気付いたことはなんでしょう?
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「Rとタク(3才の娘と1才の息子)が一緒に写ってる写真ない?」
と嫁が聞くので、何に使うのだと問うたところ、年賀状に使うのだと答えが返ってきた。そうか、もうそんな時期であるか。ただ子供の写真を載せた年賀状はどうかと思った。正月からコナカのダイレクトメールみたいにウザイものを送りつけられて辟易する人もいるのではないのだろうか。
来年は亥年であるからウリ坊のイラストでも入れて
こんな感じでいいんじゃないかなあと思ったのだが
「親戚用には写真じゃなきゃダメなの!」
まったくもっておっしゃるとおりでございます、としか言い返せない嫁のひとことでそうすることにした。しかしRとタクが一枚の写真に収まり、なおかつイイ感じのものというのは皆無に等しい。子供というのは思うどおりに写真を撮らせてくれない生き物であるから、どちらかがよく写っていてもどちらかはブレているとかそんなんばっかである。
「うーん。あんまりいい写真がないねえ」
「じゃあ今から撮りましょう。どうせならみんな一緒で」
「えー僕も写るのー?」
「親戚用には…」
「はい分かりました」
そんなわけでタイマーセットしたカメラをテーブルに置き、部屋の片隅で嫁と子供達とパチリ。繰り返すが子供というのは思い通りに写真を撮らせてくれない生き物であるので、何枚撮ってもいい感じの写真が撮れず、そのうち子供達が飽きて暴れ始めたので、
「もうこの中から選ぶしか…」
と選ばざるを得なかった写真には、どれも生活に疲れたうらぶれた家族しか写っていなかった。近況を伝えるために写真を載せる、という意味では正しいセレクトなのだが、あまりにもリアリズムに溢れる情景なので写真を見て新潟の親戚などが米でも送って来たら惨めである。
きんがしんねん。みすぼらしいんねん。
問題:過去貰った中で、一番ムカついた年賀状にはなんて書いてあったでしょう?
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今日もアリガトウゴザイマシタ。
娘・R(3才)も息子・タク(1才)も再びハナタレになってしまった。
Rの方が咳も出ていてひどいので、チャリで2分の耳鼻科に連れて行くことにした。
「じゃあお父さんといっしょに行こう!」
行き先を告げずにRを誘うと
「なんのお買い物するの?」
何も知らないRはニコニコしていたが、
「ごめん…お医者さんなんだ」
耳鼻科に着いてチャリから降ろした途端
「ウギャアアアアアアア!」
幼女誘拐犯として通報されてもおかしくないぐらいの絶叫を上げた。ごめんR…決して騙まし討ちをするつもりじゃなく…いやごめん、初めから騙すつもりでした。だって初めに言ったら最初から絶叫しまくりで手に負えないんだもん。
耳鼻科での診察の後にもRの受難は続く。朝は寝ている間の鼻水が詰まっているため、また夜寝る前には寝苦しくならないようするため、朝晩2回鼻水をチューブで吸引するのである。これはタクにもするのだが、ふたりとも全身全霊を込めて泣き叫ぶ。
こんなことを繰り返していては、パパ嫌われちゃうんじゃないかしらん…とこちらの神経も擦り切れそうであったが、この土日は外に出ず家の中で遊んでいたが、Rもタクも僕にべったりくっついて離れなかったのが嬉しかった。
しかし昨晩…。夜の吸引を終えた後に子供達は寝たが、ものの1時間で再びRの鼻が詰まって来たようで、うーんうーんと寝苦しそうにしていた。寝ているRに再び鼻吸引をすべきかどうか。嫁と迷った。
「いくら吸ってもキリがないのなら、やるだけかわいそう」
「でもこんなに寝苦しそうで見ていられない」
「うーん…」
しばし考えた後…
「ウギャアアアアアアア!」
結局吸引断行。許せR。騙まし討ち後は闇討ちだ。そりゃ怖いだろう。嫌だろう。何しろ寝ている間にいきなり鼻の穴にチューブを突っ込まれて、目を開けたらオヤジが馬乗りになってチューブを咥えてるんだもの。トラウマになりやしないだろうか。
翌朝…寝苦しかった夜を過ごしたであろうRは、布団にくるまり誰よりも最後まで寝ていた。僕は会社に出かける時間になったので
「Rちゃん、起きる時間ですよ〜」
と声をかけたら目がパチッと開いた。しかし僕と目が合った途端、いつもならラブラブ抱擁を求めてくるのに、サッと布団の中に潜って隠れてしまったのである。また吸われると思ったのだろう。
「Rちゃん、吸わないから出ておいで」
「だめ!」
「パパ会社行っちゃうよ。ばいばい」
「ばいばいしない!」
「じゃあパパは寂しく行くよ…サヨナラ、サヨナラ」
あああ、完璧に怖がられてしまった。見送りのない出勤はなんと侘しいものであることか。
コノ鼻水を吸ワセテオクレ
サアナミナミト吸ワセテオクレ
鼻ニチューブノタトヘモアルゾ
サヨナラダケガジンセイダ
問題:Rがもうひとつ怖れていることはなんでしょう?
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「タク(1才の息子)がオッパイ卒業しました…」
「よかったじゃん。どうやってオッパイ離れさせたの?」
嫁が悲しそうに言った。タクはさすがに毎食飲んでいる訳ではないが、ほぼ毎晩夜泣きをするので最近はその時だけ与えていた。いつまでもオッパイをさせてるわけにはいかないが、オッパイ離れしたらしたで母としては悲しいのだろう。僕もあのスヤスヤと眠りながら飲んでいる姿をもう見られないのだと思うと少し寂しいような気もする。
と思ったら違った。
「いつものように夜泣きしたからオッパイあげようとしたけど拒否されて、抱いてるだけでまた寝ちゃうの。それでもう4日ぐらいあげてません。そんなわけで勝手に卒業しました」
なんて手のかからない子!娘・R(3才)の時はあれこれ仕込んで卒業させたのだが、タクが自分から離れていってしまったのが悲しいようだ。
「これで私のオッパイはどんどんしぼんでいくのね。また元の小さな胸に…。全盛期に写真撮っておけばよかった」
「あほか君は」
これも悲しい原因のひとつなのかもしれない。しかしこれからタクは母の使用済オッパイから離れた後、性の目覚めとともに若い娘のオッパイを求めていくことになろう。
「まあそんなに悲しがらずに…まだ僕が卒業してないからいいじゃないか。さあ吸わせろ」
と嫁を慰めたら
「あんたは早く卒業しなさい!」
僕はいつまで自分で自分を慰めなければならないのか。タクはこれからいくつものオッパイを揉み歩く人生が開けているが、僕にはお前が最後の乳なのに。
「タクよ。世の中は広い。オッパイがイッパイでいいぞ」
それはそれとして僕はタクの成長を喜んだ。これからタクも僕が歩んできた同じ道を辿るのだ。このクリクリした瞳の中に、これからどんなオッパイが映っていくのだろう。
君の瞳にオッパイ。
問題:Rの時はどんな手を使って卒乳させたでしょう?
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娘・R(3才)と「めばえ」を読んでいたら、ここぞとばかりおもちゃの広告が出まくっているので、それを見る度に
「ぱぱこれ買ってー」
援助交際の女子高生のようなセリフを吐くのでパパは悲しくなってしまった。いや援交ギャルじゃなくても言うだろうが、Rはこれまでは欲しいものがあっても
「Rちゃん、これ遊びたいの…」
と遠まわしにアピールする奥ゆかしい子であった。しかしこれも成長の証なのだろうか、よりストレートに主張したほうが良いと判断するようになったようだ。謙譲は美徳ではなくなり「言わない方が悪い」「言ったもん勝ち」な世の中になった今、この方が悲しくも正しいことかもしれない。
「いくつも買ってあげられないんだよ。クリスマスにひとつだけサンタさんから貰えるから、どれがいいか言ってみなさい」
「いや!サンタさんいや!」
「えー。なんでサンタさんいやなの?」
「サンタさんこわいの。ぱぱがサンタさんになって」
Rはどこぞの見知らぬ爺さんは怖いようである。これもまた、どこぞの爺さんが「可愛かったから」という理由で子供を家にあげただけで逮捕されるご時世である。
「子供に夢とプレゼントを与えたかったから」
という理由だけで赤い服を着た老人が子供の枕元に立つなんてことは許されない。21世紀の子供達にはサンタといえど、見知らぬ大人に声を掛けられてもとりあえず逃げろ、と教えていた方が無難なのかもしれない。
「子供達にはいつまでサンタを信じさせておいてやろう」
なんてことを考えていたが、Rは
・サンタはいることはいる。
・でもパパでも誰でもサンタになれる。
・本物のサンタは怖い。
という認識らしいのであまりそれも意味がないのかもしれない。むしろサンタをナマハゲの仲間かなんかにして
「悪い子には夜にサンタがやってきて、お前の枕元にサバの味噌煮を置いてくぞー」
しつけのための悪役キャラにデッチ上げた方がすぐ信じてしまいそうだ。そういえばブラックサンタってのがいたな。
「誰でもサンタになれる」というのは嫁やRにサンタのコスプレをさせていたからであろうか。自分の変な趣味がひとりの少女の夢をいびつな物にさせてしまった。これからこの子が人生を送っていく21世紀は、どんな世の中になっていくのだろう…。
とりあえずRと「めばえ」を読んだ感想としては
リカちゃんが「サンタになっちゃった」とか載ってても、とても小学生には見えず
「コスプレデーのキャバ嬢か」
としか思えない。こういうサンタさんが来てくれるんなら、当然プレゼントはアレだよなあグヘヘ…。
しかし教育上よろしくないので嫁で我慢することにする。
問題:Rはどんなプレゼントを欲しがっているでしょう?
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我が家で一番遅くまで寝ているのはだいたい娘・R(3才)である。
僕はそれはもう優しく、ラブラブ新婚家庭における新妻が夫を起こすが如くテンダリーかつソフトリーに起こすのだ。さすればRは
「うーん。ぱぱ、ててつないで〜」
「うーん。ぱぱ、だっこして〜」
と甘えてくるのでもう朝からラブネスでありハピネスであり僕と嫁はセクスレス。
「Rちゃん。起きて〜。朝ですよ〜」
今朝もマックスコーヒーのように甘い声で起こしたのだが、今朝はRの様子が違った。寝起きざまにムックリ四つん這いになって
「わんわん!」
いきなり犬になってしまったようである。
「…君は犬か」
「わんわんRちゃんです」
朝起きたら虫になっていた男の話は知っているが、犬になった幼女の話は聞いたことがない。とりあえず「お手」でもさせてみようか、と考えた時、頭に猛烈なフラッシュバックが起きた。いつか見たわいせつビデオ。全裸で四つん這いになった女を
「この雌ブタめ!雌ブタめ!」
男が激しく罵る光景が脳裏に甦って来たのだ。まだRには早すぎるプレイであると判断し、やめた。Rは四つん這いのままノタノタと家の中を歩いて行く。まるで赤ちゃんの頃に戻ったような…これも退行と呼ぶものであろうか?いや、退行というより獣化のようだし…。
「わんわんRちゃん、君はどこに行くの?」
「にゃんにゃん。にゃんにゃんRちゃんです」
Rは既に猫になっていた。そのうちパオーンとか叫びかねないので、とっとと会社に行くことにしよう。
嫁も夜には獣になって、四つん這いでスタンバイしてくれてたらいいのに。
問題:嫁はどうやって僕を起こしてくれるでしょう?
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ゲーセンの前を歩いていたら、UFOキャッチャーの中にいたトロのぬいぐるみと目が合ってしまった。
「取ってニャー」
というトロの訴えが確かに聞こえてきたのでついゲットしてしまった。
かつての僕はトロのグッズを、二十世紀初頭の千島列島におけるラッコ猟ばりに乱獲していたが、久しぶりにゲットしたトロであった。3年ぶりぐらいだろうか。
それだけブランクがあると、昔は屁とも思わなかったことが今では引っ掛かる。トロを抱いて持ち帰るのがとても恥ずかしいのだ。僕をちょっと羨ましげにチラ見しているカップルの視線が痛い。
「いや…これは子供達のためだ」
そうだ。子供達へのプレゼントなのだよ。決して僕が欲しいわけじゃないんだよ!僕は自分にそう言い聞かせると、自然にシャイネスも吹っ飛んだ。
ほらほらそこのカップル。君達もこんなゲーセンでインサートコインなんかしてないで、早く帰ってインサートチンコでもしたまえ、と意気揚々と家に帰れたのであった。子供を理由にした大義名分は便利である。
子供達のため、というのは無論ウソではない。帰宅した時は既に娘・R(3才)も息子・タク(1才)も、嫁ですら寝ていたが、トロをそっとR達の枕元に置いた。起きたら驚くであろう。僕がトロを乱獲して家に数十匹いるだけあって、子供達にもトロはおなじみである。喜ぶ姿を想像しただけで楽しい…と僕も寝床に着いたのであった。
翌朝。
「はいRちゃん起きましょうね〜。あっ!ここにいるのはなんだろう!」
非常にわざとらしい呼びかけをしてRを起こしたのだが、
「とろちゃん」
Rはそう一言返事をしただけでスルー。
「あ、ちょっと、これは昨日パパが…」
必死に僕が呼びかけてもRはトコトコとおもちゃ箱に行ってしまい
「ぱぱ、みてみて〜。しまじろうの本」
嫁が言うにはこれも昨日郵送されて来たのだ、という新しい絵本に夢中なのであった。タクもRから奪う勢いで絵本を見ようとしがみ付いている。
「僕は君達にちょっとだけでもサプライズの反応をして欲しかったのに…」
見向きもされないかわいそうなトロ。
「何十匹もいるのにまた獲ってきてどうすんのよ。それにトロの白い体もあなたのタバコで茶色くなっちゃうし…」
更に嫁がとどめの追い討ち。あんまりだ。
僕はただ少しでもこの家庭が面白くなるように、と思っただけなのに…とまだ白いトロの尻尾をいじりながらいじけたのであった。
尾も白き こともなき世を 面白く…。
問題:家にあるトロを実際に数えてみたら、何匹いたでしょう?
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