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■三つ子の美少女百まで美少女。
2003年02月28日(金)
17のころから親元を離れ
近所のゲーセンで店員をして自立し、
コスプレが趣味の超美少女のRちゃん。

僕は嫁の目をかいくぐりつつ彼女をずっと
草葉の陰から見守っていた(つもり)なのだが。

今は全然会うことがない。
電話をしてみようかなあ、と毎日思う。

でも、ちょっと前電話したばかりだし、
あんまり頻繁に電話すると嫌われるし、
この時間はひょっとしたら働いてるかもしれないし、
この時間は風呂に入ってるかもしれないし(鼻血が出そうなほど妄想)
この時間は彼氏と…………かもしれないし(血尿が出そうなほど慟哭)

などと遠慮してたらもう2週間ほど過ぎてしまった。
何せ電話を手に取るだけで

脂汗がダラダラ出まくり、
心臓はズンドコ乱れ打ちを始め、
両手がブルブル振るえまくり、
胸がきゅうううんとなってしまう。

この症状のまま医者に行ったら「恋の病です」とか
言われたりして。いやあん。

…「頭の病」って言われるのがオチだろうけどさ。

中学生だってもっとスマートにやってるよな…。
ああ、純情すぎる僕の心が憎い。

(すいません、頭の病なもんで)

このまま我慢していては、黄色い救急車で運ばれる日も
遠くないと危惧し、今日、思い切ってかけてみることにした。

当然、嫁の前ではとてもじゃないが出来ないので、外で…。
発信。うおりゃあ。ドキドキドキドキ…。

「ただいま電話に出ることが出来ません」

…。

このアナウンス、何十回聞いたことか。

おなかの子に対する不安と愛情と
同じ感情をRちゃんに抱いてるのに
気付いた今日この頃。

たまには声ぐらい聞かせてくれたって
いいのにさ。

はっ。これ、僕の母親の口癖だった。

ちゃんと暮らしてるのかな。

今日もアリガトウゴザイマシタ。


■親のナニ見て子は育つ。
2003年02月27日(木)
朝、会社に行こうとしたのだけれども
嫁が僕の手を掴んで離してくれなかった。

しばらく無言で、じーっとしていた。

「遅れるから行くからな」

長い時間こうしているわけにもいかず、
嫁の手を無理やり剥がして家を出た。

駅まで走ったがいつも乗る電車には全然間に合わなかった。
おのれ…。
あの何か訴えたげな様子は何だったんだろう?

ギリギリで会社に着くと、嫁からメールが入った。

「今日、産婦人科の定期健診だから恐い…不安…」

めちゃくちゃドンヨリした文面…そうか。今日だったのか。

おなかの子供の定期健診は2週間ごとである。
1度流産を経験するとどうしても恐怖が拭えない。

前回の定期健診前日の晩も、嫁はどうしようもなく不安であった。
次の日に健診があることを知らなかった僕は、夜ずーっと嫁を放って置いて
ネットをやっていたので随分恨みを買ったもんだが。
あれは悪いことをした。

でも、何で直接「今日だ」とか「明日だ」とか言わないんだよ!
イライラしつつも一応励ましのメールを出した。
そうしないと嫁は泣きながら病院に行きそうな気がしたから。

昼間、メールが返ってきた。

「順調に成長してるみたい」

ハートマークが飛び交う、朝とはうって変わって
浮かれたメールだった。

今度の子供は、僕らが心配する必要もないほど
たくましいのかもしれない。

どんどん成長して欲しい。
いずれ、親などとっとと追い越して欲しい。
子供の生命力の強さが僕らを幸せにしてくれるのだ。

「今どれぐらいの大きさなのかね?」

あとで嫁に聞いてみた。

「15センチぐらいらしいよ」

うむ…。

早速、「父親の息子」を追い越したようである。
それはそれでちょっと悲しかったり。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■いちご白書をもう一度。
2003年02月26日(水)
昨日イチゴパフェを食べた時の話をもういっちょう。

2人で同じものを頼むのもつまらないので
嫁がイチゴパフェ、僕がイチゴのミルフィーユを頼んで
食い合いをすることにした。

「あ、バナナも入ってるよ!」

パフェを食い進めるうちにバナナの輪切りを発見した嫁。

「はい、あげる」

フォークにバナナを刺して僕の口まで持ってきたので
あー、と口を開けたら、

嫁はバナナを前後に出し入れし、ピストン運動を始めた。

コテコテのセクハラ親父かね、君。

僕としてはそれは既にバナナではなく、
単なる巨根(の輪切り)に成り果てた。
絶対口にしたくなくなった。

「ていうか、いくらなんでもそれは太すぎだろ!」

「いや、アナタのほうが絶対太い!試しに口に入れてみなよ!」

「試しも何も自分のくわえたこと、あるわけねーだろ!」

馬鹿でかい声で言い合ってしまった。
深夜とはいえ8割がた席が埋まっていた、デニーズ江古田店。

ちょっとバツが悪くなりこそこそと家に帰ると、
嫁はすぐ風呂に入った。

僕はあることを確かめなければならなかった。
まだ「イチゴイベント」は終わっていないのである。

そーっと、風呂場まで忍び込み、
嫁の着替えが入っているカゴを見つけ、ゴソゴソと漁った。

肌色のおばさん用みたいなパンツが出てきた。

僕は、バターンと風呂のドアを開け

「嫁ー!何でイチゴパンツじゃないんだ!気が利かねーなあもう!」

「ぎゃああああゴメンナサーイ!」

がっくり。

イチゴパンツ大作戦【完】

今日もアリガトウゴザイマシタ。


■ストロベリー スウィーツ フォーエバー。
2003年02月25日(火)
ずーっと、イチゴパフェが食べたかった。

近所の店で嫁と夕飯を食い終わった帰り道、
デニーズの前を通りかかったら、
「イチゴづくしのデザートなんたら」などと書いてあったので
猫まっしぐら。

僕も嫁もずっといちごパフェを願っていた。
特に嫁は非常に気合が入っていた。

「いらっしゃいませ」と、女性店員が水を運んできた。

「深夜まで働く女性が増えたねえ」

そう嫁が呟いた。既に0時近かったのである。
(そういう嫁だって夜勤があるくせに)

あの女性店員、幾つぐらいだろうか。35才ぐらいか。

イチゴ35。なんつって。

しかしそういうことを嫁に言うと

「あなたのそういう下らないダジャレは胎教によくないし
 九九を間違えて覚えたらどうするの!」

と、怒られそうなので胸の内に秘めておくことにした。

やがて念願の、白蟻の巣のような、ヤケクソ気味にバカ高く
デコレートされたイチゴパフェをキャアキャア感激しながら平らげ、
家に帰った。

嫁はパソコンをいじりだした。
このところつわりがひどくて、それどころじゃなかったはずなのに。

「イチゴ効果」があったのだろうか?

かねてから、嫁はスズメの餌じゃないんだから、ってぐらいの
量しか食べないので僕は不安であった。

しかし今日は夕食をたんまり食べた後、パフェのハシゴである。
しっかり食った。子供にも栄養がたっぷり届いてくれたのだろうか。

嫁のおなかに手を当てて

「イチゴの魂百まで〜」

と、子宮あたりをさすった。あ、しまった。

「あなたのそういう下らないダジャレは胎教によくないし
 諺を間違えて覚えたらどうするの!」

そう怒られる…かと思ったら、
何故か嫁ににへーっと笑われ、そしてキスをされた。

まあいいか。たまには。
山田君の座布団よりは嬉しい。

今日もアリガトウゴザイマシタ。


■揉みたい時にはFカップ♪FFFFFカップ♪
2003年02月24日(月)
「見て見て」

嫁が袋の中から何かをゴソゴソと取り出した。

ブラジャアだった。

僕は腰が抜けそうになった。

…デカ過ぎ。

「妊娠すると、胸が大きくなるでしょう?
 だから貰ったの。ワタシはこれから巨乳になるのお〜」

出産経験がある知り合いから、お下がりとして貰ったらしい
ブラジャアは、いつも見ている嫁の貧相なものとは違いすぎた。

嫁のブラジャアがショートケーキだとすると、
今見ているコレは、天を突くような馬鹿でかい
ウェディングケーキ。

嫁のそれが14インチTVだとすると
今見ているのは映画館大ワイド画面で…。

嫁が小山ゆうえんちだとすると
コレは東京ディズニーシーで

おれがあいつだとすると
あいつがおれで

ああああああパニックになってきた。
何でこんなにデカイのー?

サイズを見ると「E」と書いてあった。
更にショック。

僕がこの年まで剥ぎ取ってきたブラジャア達は何だったのかと
悲しくなった。

恥ずかしながら、僕は「E」なんて生涯を通して滅多に
見たことがないのである。
強いて言えば沖田浩之(ヒロ君)の「E気持ち」ぐらいか。

ここまで神々しい程デカくて豪華だと、
もはやブラジャアなんて名前はふさわしくない。
もっと強そうな名前にするべきだ。

ブラジャズンとか。
ブラジャドンの方がいいかな。

しかし…と、僕は思った。

「いくら妊娠ボーナスがあるからといっても、
 全然Aで充分だと思うぞ」

「あ…あたしも薄々そう思ってたことを!
 ムキイイイイイイイイイ!」

嫁がブラジャズンを装着して襲い掛かってきた。
やはり言うべきではなかった。

南無阿弥陀ブラ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■パブロフの種イモ。
2003年02月23日(日)
そろそろ嫁のおなかが大きくなってもいいころである。
…順調に子供が育ってれば、だが。

今のところほとんど目立たない。
嫁が寝ていたので、おなかをさすってみた。
確かに、ふくらみはあった。でもまだまだ小さい。

「アナター。赤ちゃんをナデナデしてあげてー」

嫁がそう言うので、さすってみた。

なでなでなでなで。
さすりさすりさすりさすりすり。

だんだん力が入ってきた。

しゅごしゅごしゅごおおおおおおお。

「アナタ!何そんなにムキになってるのよ!」

「激しくしごけば、早く大きくなるかなあと思って」

「それはアナタの『息子』でしょ」

ぎゃふん。

しかし、嫁の腹をしごいてたら
ホントに「息子」が「成長」してきてしまった。

「キャアアアア!何でそっちが大きくなってるのー?」

嫁の太ももに当たってしまったのでばれてしまった。

パブロフ過ぎ。

今日もアリガトウゴザイマシタ。


■燃えないゴミの日。できないエロの日。
2003年02月22日(土)
嫁の機嫌が悪い。
嫁は虫の居所が悪くなると極端に口数が減る。
昨日は朝に

「今日遅くなるからどこかで食べてきて」

と言われたのと、夜

「おやすみ」

と言われただけだった。

おそらく嫁が夜、つわりで苦しんでいるのに
僕がこうしてネットしてるからだと思うが。

早く寝ようとは分かってはいるのだが、
気が付いたら夜中の3時だったりして。
ダメ夫。

ご機嫌を伺いに

「ご機嫌がよろしくありませんね」

と、恐る恐る声をかけても
グチグチグチグチと文句を言われるだけである。

そこでいつもなら捨て身の裏技、というかエロ技を繰り出し、
強引に寝床に押し倒してウフーン、
というテクニークもあるのだが、
体調の悪い安定期前の妊婦にはそれもできない。

翌朝、起きても嫁は寝たままだった。
機嫌が悪いままの証拠だ。

僕はそーっと会社に出ようとした。

「アナタ…」

うわあああっ。びっくりした。

「ゴミ、出してきて…」

「は、はい。で、どれを出せばいいの?」

僕は周りを見渡した。嫁は僕を指差して

「お前だー!」

…とは言わなかったが。

ゴミ袋は僕の真後ろにあった。

しかし、このままだといつかは言われる勢いなので
今日はこれで寝ることとする。

もしそんなこと言われたら、
僕はゴミ置き場のカラス除けネットの中に入り
てやんでえべらぼうめ、と一人泣きに入るだろう。

生ゴミと一緒に腐りながら。

今日もアリガトウゴザイマシタ。


■暖めて 暗い中で 全てが水の泡に。
2003年02月21日(金)
よく人様のサイトで
「日記書いてる途中に消えちゃったー!ギャース!」
などという記述を見かけることがある。

これは日記や掲示板の書き込みを書いているときに、
ブラウザのフォーム(※1)に直接打ち込んでいると

送信ボタンを押すつもりがつい消去ボタン(※2)を押してしまったり、



送信ボタンを押してみたらエラーだったり、
慌ててBACKボタンを押して戻ってみても
打ち込んだ文が消えていたり、と、

わりと起こりやすい悲劇であるので
僕は一旦メモ帳に書いてからそれをコピーするようにしている。

その日もそうやって日記を書いていた。

「あなた、ゴハンよ」

途中で嫁に呼ばれたので一旦中座し
飯を食うことにした(早く食べないと怖いから)

ちゃぶ台の上に嫁のぶんの夕食がないことに気が付いた。

「あれ?お前は食べないの?」

「今、レンジで暖めてるから…」

そして、それは、起こった。


ばっしゅうううううううん。


ブレーカーガ落チチャッタヨー!
書きかけの日記が…書き込みが…。
ダウンロード中の××が…。

またこんなマンガみたいなオチ、ヤダー!
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■夫婦の夜のインストール作業うえへへ。
2003年02月20日(木)
嫁のパソコンを無事セットアップできたと思ったのだが
ネットに繋ぐと、ブラウザ(IE)の表示がメチャクチャおかしいことに気づいた。

どのサイトを見ても明らかにデザインが狂っている。
CSSが反映されなかったり、フォントひと文字が画面いっぱいになっていたり。
まるでブラクラを仕込まれて荒らされた掲示板のよう。

いろいろ試してみたがうまくいかず、サポートセンターに電話してみた。
嫁も心配そうに僕の隣に座って来て、モニタを眺めていた。
症状をひととおり説明すると

「では、○○○というファイルを検索してみてください」

と、指示を出されたので、それに従った。検索を開始し、しばらく待つ。

ずずずずっ。

検索は結構時間がかかる。僕もサポートの人も無言で結果を待つ。

ずびびびびっ。

嫁!電話口のすぐそばで鼻をかむんじゃない!
僕が鼻かんでると思われるだろうが!

結局、いくつかの指示を出してくれたが、狂いは一向に直らず、
残された手段はただひとつ。それは

トラぶった時のワイルドカード、再インストール!
全ての試みに失敗した者の終着駅、再インストール!

「WINDOWSが起動しなくなったんです」

「WINDOWSを再インストールしてください」

「夫が浮気をしているんです」

「夫を再インストールしてください」

「虫歯予防には?」

「キシリトールガムを食べてください」

「榊原郁恵が来てるんですけど」

「ワタナベトールを呼んできてください」

そりゃ何だってそうすれば直るけどさあ…。
今までのセットアップ作業がすべて無駄に。
ブツブツ言いながらWINDOWSのCD-ROMを入れて開始。
CDを入れてからもまた時間がかかるんだよなあ…。

インストール作業を開始したら、何故だか分からんが
僕自身を嫁にインストールしたくなったので

「僕からお前にインストール。後ろの穴からスカトール」

と、甘い殺し文句で嫁を口説くことにした。
やってるウチにインストールも終わってるはずだしね、と思ったのだが
モニタにこんな表示が出ていた。

作業完了まで、59分。

申し訳ありません。そんなに持続できません。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■ドライブE(エロ)、ドライブD(ドエロ)
2003年02月19日(水)
先月買った嫁のパソコン。
なかなか時間がなくてセットアップできなかったが
ようやく取りかかることにした。

最初に古いパソコンからデータのコピー。
一旦僕が使っている外付けハードディスクに落として、
新しいパソコンに移す、という手段を取った。

この作業は絶対嫁には任せられない。
何故ならハードディスクにはドエロな動画が
みっちり詰まっているからだ。

いわばハードコアディスク。

これを見られる訳にはいかない。

「君はつわりのせいでモニタ酔いがひどいだろう?
 僕が全部やるから寝てていいよ」

一見優しい言葉に見えるが、
実際は嫁をパソコンから離し、
絶対にハードディスクの中身を見せまいとする謀略。

嫁のパソコンにハードディスクを繋ぐと、
「Eドライブ」として認識された。まさにエロドライブ。

かじりんは、慎重に作業を進めた…(田口トモロヲ)


「アナタ、そのRちゃんの名前がついてるフォルダは何?」


嫁は、しっかり、見ていた…(田口トモロヲ)


何で「寝てろ」っていう夫の言うことが聞けないんだよ!

しまった。うっかりしていた。
エロ動画なんかよりもっと見られてはまずいもの。

ここには近所の美少女Rちゃんの写真と動画が
むっちり詰まっているのだ。
Rちゃん専用フォルダだ、なんて絶対に言えない。

「アタシの写真なんて数えるほどしかないくせに」と
ヘソを曲げられるに決まっている。


しかし、嫁は、言った…(田口トモロヲ)


「どうせRちゃんを撮り続けたファイルがいっぱいあるんでしょ!」


ばれて、いた…(田口【略】)


多少の気まずさを残しつつ、データの移動は完了した。
いちおう、感謝された。

さて、僕のこの外付けハードディスクには
嫁パソコンの全てが入っている。嫁は気づいてない。

嫁の今までのメールや何から、
僕は全てのデータを覗き見ることができることを!

…いや、消しますよ。ちゃんと。
何書かれているか見るの怖いし…。

知らぬがブッダよ。

今日もアリガトウゴザイマシタ。


■妊婦エレキバン。
2003年02月18日(火)
つわりで苦しんでいた嫁だが
このところ体の調子がいいようで、
いつも通り飯を作ったり洗濯をしたりしている。

夜、嫁が寝床に入った時に聞いてみた。

「つわり、最近軽いのか?」

「うん」

「もう安定期に入ったってことかな?よかったな」

しかし嫁は顔を曇らせて言った。

「まさか、また赤ちゃんダメになったんじゃないよね…」

前回子供が出来た時も、嫁はつわりがひどかったが
ある日ピタリとなくなってしまった。

それから間もなく、嫁は出血した。
子供はいなくなった。

悲しい過去を思い出して2人して
うむむむ…と唸って子宮のあたりをさすった。

「でもさ!深夜は気持ち悪くなるし!
 完全につわりがなくなったわけじゃないと思う!
 だから大丈夫だよ!」

嫁は気を取り直して言った。

「そうか」

「それに、便秘だしね!」

やな根拠だなあ。

「じゃあ、僕がまたそっちに『注入』してやろうか」

「ダメ」

夜の営み(別穴方面)は、あっさり断られた。
効果てきめん、やわらかなお通じが来るのに…。

それにしても本当に子供は成長しているのか、
正直まだ不安だ。
僕らの元に子供がやって来てくれるのか、
そして無事抱くことができるのか疑心暗鬼なのである。

一度味わった苦い思い出がどうしても引っかかる。
子供がいる僕の家。それが未だ想像できない。

…。

「便秘治療」は間に合ってる、とのことなので
僕はネットをするため寝床を離れようとした。

しかし嫁が僕の腕を捕まえた。
振り返ると、嫁は「アイフルの犬の顔」になっていた。
そしてじたばたと暴れ出した。

「パパー!おやすみのチュウしてくれなきゃヤダー!」

でかい子供がここにおったわ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■ドキドキ送信、バクバク着信。
2003年02月17日(月)
夜、嫁と池袋に買い物に行った。
帰り道、小腹が好いたので飲み屋に入った。
嫁は妊娠中だし、もともと飲まないので

「おなかの子がトマジューを欲している」

そう呻いてトマトジュースを頼んでいた。

僕らの子はドラキュラ伯爵ザマスなんだろうか。

そんなこととは何の脈絡もなく、話題は
いつの間にか近所(だった)の美少女Rちゃんのことになった。

「アナタ、相変わらず電話つながらないの?」

「うん。必ず3コール目で『ただいま電話に出られません』だ。」

いつも同じ結果なので、しばらく電話もしていなかった。
どこで何をしてるんだか。

ひょっとしたらこの街のどこかで働いているのかもしれない…。
ふと、そう思って久しぶりに電話をしてみる気になった。が、

『ただいま電話に出られません』

結果は何度も聞いた、無情のアナウンスだった。

「僕の番号、絶対着信拒否になってるんだよ!
 お前のケータイからかけてみろ!」

「アタシだってかけたよ!でも同じだったよ…」

「うーん。夫婦セットで拒否なのか…」

ギャアギャア話していたら、僕のケータイが鳴った。
ディスプレイを見たら

着信:Rちゃん。

うっそおおおおおお!!RちゃんだRちゃんだRちゃんだ!
慌てふためいて出る。

「もしもし」

電話の向こうから紛れもないRちゃんの声がした。

「ももももももしもし」

僕は血尿が出そうなぐらい興奮して返事をしたが、
Rちゃんは

「どなたですか?」

ズドーン。めちゃくちゃつれないお言葉。

「あの…僕。かじりん」

「あ!なんだ。そうか。かじりんか。ゴメンねー」

「はあ…」

「実は、間違ってケータイのメモリー全部消しちゃってね。
 誰が誰だか分からなくなってたの。番号知りたくても
 連絡もつけられないし、分からない番号からの着信は
 あまり出たくないし…」

「なんだ…そうだったのか」

音信不通の理由はこれだったのか…。

「この、かじりんの番号登録しておくよ」

「ああああありがとう」

その後、近況などを少し話し合って、電話を切った。
よかった…。これで繋がった…。

ケータイを耳から離すと、
汗とヨダレで水損しそうなほど濡れていた。

はっ。

嫁がじーっとこちらを見ていた。

「アナタ、顔、真っ赤よ。よっぽど興奮してるのね…」

ぎく。

「何を言ってるんだ。これは、酒で酔ったのだ」

「絶対嘘」

嫁は僕を鋭くにらんだ。石になるかと思った。
そして嫁は視線を下に移した。
下腹部をナデナデして、おなかの子に語りかけた。

「パパはね、ママとお食事してるのに
 他の女の子と電話でお話するんでちゅよー。
 しかも、ものすごく嬉しそうにしてるんでちゅよー。
 おかしいでちゅねー」

…。

だからその腹話術みたいなのやめれ…。

今日もアリガトウゴザイマシタ。


■美少女は大人になる前に姿を消した?
2003年02月16日(日)
僕にとってのアイドルは近所の美少女Rちゃんである。

かつて、僕が駅前のゲーセンに入り浸ってたころ、
そこの店員だったRちゃんに知り合い、
毎日のように顔を合わせつつ、更に1年半ほど文通もしていた。
そのやりとりを見た僕の彼女(現在の嫁)がよく

「ゲーセンに行く目的が、今はゲームじゃなく
 Rちゃんにすり変わってるでしょう?」

と笑顔で、しかし今にも血管がブチ切れそうな赤い顔で皮肉ったものだ。
…図星だった。

「冗談じゃない。俺の恋人はゲームだぜー!」

とりあえず僕はマンガ『ゲームセンターあらし』のキメ台詞を用いて否定するのだが

「ちょっと!恋人はアタシー!」

と、逆に火に油を注いでしまったり。

そんな感じで彼女がやっかむほど頻繁に会っていたのも今は昔、
Rちゃんがゲーセンをやめ、
ふた駅ほど先の街に引越し、
次の仕事が決まったが多忙、

等々だんだんと距離が離れていって、
会うことが少なくなってしまった。
しばらく電話やメールで連絡をしていたが

やがてメールはアドレスが変わったらしく送れなくなった。

電話もしてみるのだが必ず「ただいま電話に出ることが出来ません」
という自動アナウンスに変わってしまう。
こうして音信普通になって数ヶ月経った。

僕は寂しいのと同時に悩んだ。
これって拒否られてるのだろうか…?

僕は拒まれる理由を自分なりに考えてみた。

■1.僕がRちゃんに、ここには書けないぐらいエロスなハラスメントをした。

シテナイヨー!そんなことをしたら僕はRちゃんに撲殺された後、
嫁に刺殺されるはず。僕は既にこの世にいないことになる。

■2.嫁が「もうつきまとわないで!」と裏で脅しをかけた。

嫁を悪人にはしたくはないが…。
嫉妬に狂った嫁は、何をするか全く予測がつかないのである。
実際、修羅場で暴走した嫁を何度も見ている。

…これは本当であって欲しくない。

■3.ここがサイトバレした。

このサイトには、僕が「Rちゃんラブラブ愛してる」なエピソードが特盛である。
しかしRちゃんにはこのサイトの存在自体伝えていない。

Rちゃんは偶然このサイトを発見し、自分がネタにされることを嫌って
僕との一切の関わりを拒絶したのではないか。
でもそれだったら何かひとことぐらい言ってくるはずだが…。

ちょうど、このようなことを考えていた時に

掲示板に「R」名義で「サイト見つけちゃった〜」との書き込みがあった。

「マジかよ!バレたよ!」という強烈な焦りと、
「やっと連絡が取れたよ」という少しの喜びが混ざり合って
パニックになった。

一旦サイトを消した。

この書き込みはすぐ偽者によるものだと分かった。
本人は冗談で書いたらしいが、僕にとってはシャレで済む
行為ではなかった。

僕の大切な女の子の名を勝手に赤の他人に騙られたことへの怒りが
湧き上がった後、そもそも見られてはまずいものはWEBに
アップするべきではないのでは?と我に返った。

とにかく相当堪えた。

それからRちゃんのことは一切書けなくなった。

このことは、長い間僕の心の暗い影になっていたのだが
ある日、それはあっさり晴れることになるのであった。

そのことについてはまた明日…。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■甘い女体と、甘いパフェ。
2003年02月15日(土)
2日前の日記のとおり、
パフェを食べに行く約束をしておきながら
僕がずっと寝っぱなしですっぽかしてしまってから
嫁の機嫌が悪くなり、会話もなく、
ピリピリした雰囲気になった。

自然と僕も機嫌が悪くなり、
夜も「おやすみ」の言葉もなく勝手に布団に入って寝た。

翌朝、目が覚めたら体が半分ぐらい
布団からはみ出た状態であった。
体が冷たかった。

「…寒」

思わず呟いたら、隣で寝ていた嫁の手が伸びてきて、
無言のまま僕を抱きしめてくれた。
頭を胸の中に埋められ、暖かくなった。

あれ?機嫌が悪いの、直ったのか…。

僕は試しに嫁を抱き返してみた。
何も言われなかった。

もう一段階進んで、体をまさぐってみた。
何も言われなかった。

更に進んで、脱がしてみた。
何も言われなかった。

もう後には引けないぞ、とまぐわってしまった。
さすがに声を上げていた。

結局、朝からおっぱじまってしまい、
気付いたら嫁は

「だーりーん、今日こそパフェ食べに行こう〜」

と、これから食べることになるパフェよりも
更に甘ったるい、
いつものラブラブモードに戻っていた。

妊婦の心理状態は何だかよく分からない。

ともかく、念願のパフェを食べに駅前の喫茶店へ。

「定休日」

シャッター閉まってるううううう!

こんなマンガみたいなオチ、ヤダーーーーーー!

パフェを食う前に
嫁を食ってしまったのが
いけなかったのかもしれない。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■マタニティブルーVSバレンタインブルー。
2003年02月14日(金)
バレンタインデー。

ここ数年は近所の美少女Rちゃんがチョコをくれていたので
それだけで大満足だったのだが、今は謎の音信不通状態である…。

それに、もう結婚してしまっている僕は、
この男女の画策謀略希望絶望が火花を散らして飛び交うイベントでは
蚊帳の外的存在な感じである。

だから今年は何事もなく過ぎていくであろう。
嫁はラブラブ一直線なので絶対何かを仕掛けてくるだろうが。

寂しいもんだ。

嫁からもらえればいいじゃないかよ!と突っ込まれるかもしれないが、
バレンタインの成果がしょぼいと、自分のモテなさを改めて
実感させられてしまうのでどうにも悲しい。男とはそういうもんである。

こんなしょんぼりっくな時にはこの曲を聴くに限る。
CDをステレオにポチっとな。


♪モテたいっスね〜 
 でも金ないじゃないっスか〜
 千円ぐらいじゃモテないっスよ〜
 外とか出るのもダルいじゃないっスか〜♪


いつ聞いても身にしみるトホホさだなあ…。

そういえばこの歌詞にピッタリの雰囲気を持つサイトが増えてきている。
「いかに自分はモテないか」ということをネタにして
綿々と書き綴っている男達のサイトはいつしか
「非モテ系サイト」呼ばれるようになった。

しかし、僕は知っている。そういう人達に限って裏でちゃっかり
メールとかで女の子をゲットしてたりするんだよな…。


♪最近声とかかけるのイヤだしね〜(いやだしね〜)
 女と話すのもつらいっスよ〜(つらいっスよ〜)
 野球の応援行ってちゃダメっスかね〜(ダメですよ〜)
 キャバクラみたいなの〜〜〜〜もう 最高〜♪


しかし、僕は本当にダメである。
よしんば、僕が他の人からチョコをもらっても、
嫁の嫉妬の業火であっという間に溶けてしまい、
地獄より深い地面下に埋められてしまうだろう。

「あなた!」

急に嫁が叫んできた。
後ろめたいことを考えていたので飛び上がるほど驚いた。

「な、何でございましょう…」

「その曲、思いっきり胎教に悪そうだからやめて」

ごもっとも…。

せめて子供にはモテて欲しい。


歌詞引用:「モテたくて…」/ ギ・おならすいこみ隊
作詞:天久 聖一&ミスターMOTTE 作曲:山田山男

【JASRAC未承諾 第minogashitekure4649号】


今日もアリガトウゴザイマシタ。


■子宮にやさしい、語りかけ。
2003年02月13日(木)
夜、ネットを終えて寝床についた午前3時。
既に寝ていた嫁が目覚ました。

また「ネット漬け夫!」などと僕に文句を言うのかと思ったら
嫁はお腹をさすり、子供に語りだした。

「…パパはいつまでネットやってるんだろうねー。
 きっとどこかの女の子と話してたんでちょうねー?
 いいでちゅねー。
 でも、一緒に寝てくれないと赤ちゃんは
 パパのこと忘れちゃうよねー」

そう言われるとぐうの音も出なかった。
子供を盾にされると弱いなあ。

またある夜、久しぶりに夜のアレをしたくなり

「小生の愚息がご挨拶したいのですがよろしいでしょうか」

と、嫁にお伺いを立てたところ

嫁はまたお腹をさすり、子供に語りだす。

「パパがご挨拶したいってー。
 でも、今日はだめでちゅよねー。
 まだ安定期じゃないのにパパはひどいでちゅねー」

嫁は僕に対する不平不満を子供に語りかける、
という芸風を最近身につけたようだ。

「お前、いちいち子供に文句タレこむのやめてくれ…」

たまらなくなって僕は懇願した。

「ダメ。子供はワタシの味方」

嫁はニヤリと笑った。
おのれ…下手に出てればいい気になりおって。

「今から子供を抱え込もうなんて卑怯だぞ!」

「生まれてからはアナタ側に付くかもしれないけど、
 今現在、子供とワタシは一心同体なんだから!
 絶対ワタシの味方なの!」

「うぬうう…子供よー!聞こえるかー!お前がもし男なら
 この父の気持ちが分かるはずだー!」

僕はお腹の子に届くように叫んだ。

しかし、これ、絶対胎教によくない夫婦の会話。
こんな馬鹿親の下に生まれることを儚み、
出生後即出家。なんてことも…。

お釈迦様も真っ青。

今日もアリガトウゴザイマシタ。


■三井キムタク銀行。
2003年02月12日(水)
疲れがたまっているのか、体が甘いものを欲しているようだ。
仕事から帰ってきて、嫁に言った。

「明日、パフェ食いに行こう」

嫁は賛成した。

次の日、僕は仕事が休みだったが、嫁は出勤だった。
僕は家で帰りを待つことにした。

嫁が帰ってきたら駅前の喫茶店「トキ」に行こう。

あそこの狂ったように高くデコレートされた
でかいイチゴパフェ。

店にはツルのようにひょろ長くて、
いつも手際の悪いオバサンがいて、
彼女がパフェを危なっかしく運んでくるのだ。

楽しみだ。

…待てども待てども嫁は帰ってこない。
僕はそのうち寝てしまった。

それから数時間後、嫁は帰ってきた。僕は目を覚ました。

「…もうトキ閉まっちゃってるよう」

「仕事だったんだから仕方ないでしょ!」

嫁は機嫌が悪かった。

「で、行くの?食いに」

「んーあと20分でキムタクのドラマが始まるから、それ見てから」

何…亭主が腹を空かせているのにキムタク!
何を考えているんだこの嫁はマッタク!

嫁はキムタクが好きである。
僕はキムタクには似ていない。

何故に僕と結婚したのだろう。
どこかに共通点でもあるのだろうか。

寝ぼけ頭で考えてみた。

木村拓哉はキムタクである。
僕はオタクである。

「タク」、か…。

けっ。タクマニアならタクアンとでも結婚すればよかったんだ。

僕はまた眠りについた。

それからしばらくして、嫁に起こされたような記憶がある。
でもほとんど覚えていない。

気付いたら朝だった。

そのせいか嫁はそれからずっと期限が悪い。
ちょっとのタイミングを逃すと、全てを失う。

イチゴパフェも届かぬ甘い夢だったのさ。

全てはキムタクが悪い。

ところで工藤静香のことを「くっしー」と呼ぶのは
僕と友達の木村だけであろうか。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■咲かせて咲かせて桃エロ吐息。
2003年02月11日(火)
僕はよくモモパンダ↓



のぬいぐるみをUFOキャッチャーで獲ってくる。
全て家の居間(兼寝室兼桃色遊戯部屋)の
キャビネットに飾ってある。

この部屋はただでさえカーテンやカーペット、その他
家具が全て桃色なのだが、
さらにこのモモパンダが30体ぐらいに増えまくって

一層、桃エロ吐息な部屋になってしまっている。
安っぽい八王子あたりラブホテルみたいなのである。

さて、僕があまりにもモモパンダを大量に
集めてしまったので、もうキャビネットには
置くスペースがなくなってしまった。

これはどうしたものか、と思い僕はひらめいた。

モモパンダと一緒に飾ってある、僕と嫁の
写真が入ったフォトスタンドをしまってしまえば
いいんだよーん。

これは僕らが結婚式を挙げたときの、
ライスシャワーの時に誰かが撮った写真で、
嫁が勝手に飾ってしまったのだが
僕はとても恥ずかしいのである。

自分とか家族の写真飾るなんてガイジンのすることじゃないか!

「と、いうわけでコレ撤去するからな」

嫁にそう言ったら、嫁は烈火のごとく怒り出した。

「ダメ!コレ!ワタシ達の思い出!
 そして、アナタの浮気防止!」

他の女にクラクラした時、この結婚式の写真を見て
頭を冷やせ、ということらしい。

……鬼門封じの御札みたいだな。
あ、浮気封じか。

オマケ:

チャペルでの宣誓のときに思いついたギャグ。

神父:「汝はこの女のことを一生愛し続けると誓いますか?」

僕:「いえ、違います」

言ったら一生恨まれるのでやめた。

今日もアリガトウゴザイマシタ。


■喉元過ぎれば(イカ)臭さ忘れる。
2003年02月10日(月)
会社で、僕の向かいに座ってる女の子がノドを押さえながら

「ノドが痛くないですかあ?」

と言ってきた。

「いいや、別に」

僕は特に何も感じなかった。

「そうですかあ?ノド、イガイガしますよ!
 このオフィス、絶対空気悪いんですよ!」

女の子は僕の答えに不満だったらしく
他の人にも「ノドが痛くないか」を聞き出した。

「全然平気」←係長(40代男性)

「別になんともない」←新人君(20代男性)

「特になんとも」←パートのおばさん

「あっ!私もさっきからノドがイガイガして」←庶務(20代女性)

「ノドは平気だが決算の数字が悪くて胃が痛い」←課長(50代男性)

結果…

痛い人:平気な人=2:5(うち胃潰瘍の恐れあり1)

本当にオフィスの空気が悪いのかどうなのか、
判断に苦しむ微妙な数字だ。
しかし僕は分かってしまった。

じっちゃんの名にかけてこの謎を解明した。

ノドの痛みを訴えているのは2人。
共通するのは、いずれも若い女性であり、どちらも彼氏持ちである、
ということだ。

僕が思いついた推理は、

2人とも前の晩、彼氏といやーんばかーんな夜を過ごし、
彼氏からほとばしるアレを口で受けフィニッシュしたに違いない!

どうだ、この解析。この他に理由など考えられぬ。

しかし、じっちゃんの名にかけた、これほど見事な名推理も
口に出した途端にイースター島営業所あたりに飛ばされることは
頭の中がセクハラパラダイスの僕でも容易に察することができる。

「乾燥してるんだよ、きっと…」

残念だが僕が言うことができたのは、それだけだった。

僕も嫁さんにナニかけたいなあ。

絶対ダメって言われてるんだけど。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■一ゲロ托生。
2003年02月09日(日)
わりと仕事が忙しい。帰りが夜中の2:30になってしまった日。
仕方ないのでタクシーで帰ることにした。
運転手に「江古田まで」と告げて、家に着くまで寝ることにしよう。
と思ったのだが…

「あ、お客さん江古田なんですか」

タクシーの運転手が話しかけてきた。

「はあ…」

「昔、私も近くに住んでましてよく行きましたよ、最近は大江戸線が出来て便利になりましたねえ、あ、実際住んでいたのは豊島園のそばなんですが夏はそこから打ち上げる花火がウチから良く見えましてねえ、ドーンドーンパンパンドーンパンパン♪ところで今日はいい天気で予報では雪とか…」

しまった。喋り好きな運転手に当たってしまった。

「お客さん今まで仕事ですかあ?」

「そうなんですよ」(眠いんです)

「ふわ〜そりゃお疲れですねえ」

「ヘロヘロっすよ」(もう眠いんです)

「明日はお休みですか?」

「いつも通り9時半出勤ですよ」(本当に眠いんです)

「うわーそれじゃ寝てる間もないじゃないですか。大変ですねえ」

だからそこまで同情してんだったら寝かせてくれよ!

僕はケータイでメールを打つことにした。
そちらに集中するふりをして会話を中断させる狙いで…。

カタカタカタカタ…数分後、酔った。

タクシーでは内に漂う独特の臭いのせいか、非常に酔いやすい。
僕はこれを「ヘイタクシー・ゲロ吐くしぃ」現象と呼んでいるが、
こうも早く来るとは。

そういや嫁のもツワリもこんな感じなのだろうか。
いや、吐くことも多いからもっと気持ち悪いはずだ、
そうだ、僕は嫁の苦しみを少しでも分かってやるために
もっと酔って気持ち悪くならなければならないのだ!

そう意気込んでカタカタカタカタ…と呪われたようにメールを打ち続けていたら
洒落にならないぐらいに酔いが悪化して、まじで吐きそうになったので、
メール打ち中止。

こんなことしても嫁は喜ぶどころか大馬鹿扱いされるだろう、と気づいた。
なんて無駄な。あほらしくなった。

メールをやめた後も、こみあげてくる嘔吐物が
臨界点を越えないよう必死に耐え、
結局家に着くまで寝ることなどできなかった。

あのおしゃべりドライバーめ…。

家に帰ると嫁は当然寝ていたが、
ツワリのためか苦しそうに何度も寝返りを打っていた。

嫁、吐く時は一緒よ。

今日もアリガトウゴザイマシタ。


■浴場で欲情をガマンする愛情。
2003年02月07日(金)
メシを作っていた嫁が、へろへろと寝床にやってきて
横になった。うーうーと唸っていた。
つわりらしい。

「大丈夫か?」

「アナタ…お風呂入りたい」

「そうか、よし分かった」

おもむろに嫁の服をひっぺがそうとする僕。

「キャアアアア脱がさないでー!お風呂にお湯入れてください…」

「なんだ、そうか。よし待ってろ」

僕は風呂を沸かした。
その間に嫁の服をひっぺがそうとした。

「キャアアアア脱がさないでー!自分で脱ぐってば!」

なんだ、つまらん。いろいろお手伝いしたいのに。
やがて風呂のお湯が沸いた。

「ちょっと熱めかもしれないが、入れるよ」

僕は嫁にそう告げておもむろに嫁の服を(略

「…だから脱がさないでー!」
 さてはアナタ、したいんでしょう?」

…ばれたか。

しかし、つわりで苦しんでる姿を見ると、
とてもそんなことは言えない…。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■子宮にやさしい。
2003年02月06日(木)
産婦人科の定期検診で、おなかの中の子供の心音を確認でき、
無事に育っていることが分かり安心した僕ら。

心臓の鼓動を聞かせてもらったお礼に
陰嚢の躍動でイカせてやろうと

夜の定期検診を開始。

僕の診察棒を入れたり出したりしていたら
嫁が手で自分の腹を撫でて、言った。

「あれ、子供の位置が変わったような気がする」

うっそお。

子供まで突いてしまったことになるのだろうか。
これも親子ドンブリと呼ぶのであろうか。

妊娠中はやはり怖い。というか、
まだ全然安定期ではないのだけど。

激しい検診が終わり、嫁の下腹をさすっていたら、
硬い固まりのようなものにぶつかった。

今まではなかった感触だ。

「ひょっとして、これが子宮?」

ああ、この中に僕と嫁の希望が…と、いとおしくなり
軽く包むように揉んでみた。

嫁は恥ずかしそうに笑みを浮かべて言った。

「あ、それ、うんちかも」

ふおおおおおおおおおおおおおお!

次回の定期健診はア○ル注入を追加し
便秘解消を図ることに決定。
今日もアリガトウゴザイマシタ。


■一生で一番生と死を考えた日。
2003年02月05日(水)
僕が風邪でぶっ倒れて寝臥せっている時
仕事から帰ってきた嫁は

「何やってるの」

と、吐き捨てたのみだった。えらい仏頂面だった。

嫁は寝る寸前に僕に

「ワタシは明日の産婦人科の定期健診が心配でしょうがない。
 また赤ちゃんが動かなくなっていたら、と怖い。
 なのにアナタはゲーセン行って遊んでたり、夜はネットしてるし、
 ひどいつわりと不安の中、一人寂しく寝るしかなかった。

 だからワタシは今、自分の心配しかできない。
 アナタの風邪は自力で治して」

という恨み言をメールで送った。

…悪かったけどさ。

何でひとこと「一緒にいて」と言ってくれなかったんだろう。
詫びの気持ちと共に寂しくなった。

2週間ほど前にも、僕がバカをやったせいで
嫁に対してもの凄い精神的ショックを
与えてしまった。(詳しくは書かない)

そして、嫁は去年の夏に一度身籠ったが、8週目でおなかの中の子は
動かなくなってしまい、そのまま…という過去がある。

ちょうど、今もそれぐらいの時期だ。

いくつもの不安材料で頭がはちきれそうだった。


次の日、定期健診の朝、嫁の表情は不安にまみれていた。
僕は会社に出かける時、

「きっと、うまくいってるよ。頑張れ」

と、一発励ましてみた。しかし、嫁の表情がやわらぐことはなかった。

もともと僕も嫁も徹底した悲観主義者なので、

言った僕自身も実際は「またダメなんじゃないか」という気持ちが大きかった。
そんな取って付けたようなセリフでは嫁の心には届かなかっただろう。

仕事中、気になってしょうがなかった。
今回もダメだったら、嫁はおなかの中の子と共に死ぬかもしれない。

二度も失敗たら自分は母として、人として価値がないのだ、と。
それに、手術して赤ちゃんを取られたくない。
ひとりで天国に行く赤ちゃんがかわいそうだからワタシも一緒に行く。

なんてことを泣きながら言っていたこともあった。

そうしたら残された僕はどうなるのだ。

…後を追おうか。


午後、嫁からメールが来た。

産婦人科で、元気な心音を聞かせてもらった、とのことだった。

僕は電話した。

「よかった…。不整脈はなかったか?」

「そこまで分からないよ」

心音のリズムがサンバを刻んでようがドドンパだろうが
ブレイクビーツだろうが2ステップだろうが、

とにかく今はいいや…。

僕と嫁を親に選んでくれた子供に感謝する。

産まれてきたら、ふやけるほどのキスをしよう。

今日もアリガトウゴザイマシタ。


■恋の悪寒。
2003年02月04日(火)
風邪をひいたまま、会社出勤。
ゲホゲホしながら仕事をしていたが
辛くなってきたので医者に行くことにした。

一応予約を…と思い電話してみた病院は商売繁盛しているらしく、
夕方まで予約が一杯だ、とのことで話にならん。

「ビルの1Fにあるクリニックに行け。あそこなら空いている」

隣の席の係長が教えてくれたので、そこ行くことにした。

「…ヤブだけどな」

係長はニヤリと笑った。
えー。まあ、いいか…風邪だし。

そのクリニックはヤブだけあって(?)
おざなりの問診だけで済まされ、薬だけはドッサリくれた。

「インフルエンザじゃなかったのか?」

僕が会社に戻ってきたら、係長がそう聞いてきた。

「今、体温37.5度なんですけど、インフルエンザだったら
 8度とか9度は出てるだろうって言われましたよ」

「てか、お前熱あるじゃねえかよ!早く帰れ!そして俺達に伝染すな!」

あわわわ…まだやらなければならない仕事、あるのに…。
ヤブ医者のせいでヤブ蛇だ。

そんなわけで午後は家に帰って寝ていた。

そういえば世間では節分だ。我が家では

節分で鬼は外ー!
接吻でナニは中(出し)ー!

と、行きたいところだったが、全然出来なかった。
嫁との会話もない。

ふと目が覚めると頭の上に濡れタオルが乗っていた。
嫁がかけてくれたらしい。それだけだった。

今年の節分の吉の方角は南南東らしい。
どうでもいいが南南東と
「何ですとー?」は似ている。

熱が出ると、鼻水とダジャレしか出てこなくて困る…。

今日もアリガトウゴザイマシタ。


■厄年で年がバレることに今気づいた。
2003年02月03日(月)
嫁が厄年らしい。本厄ではないらしい。
前ヤクか後ヤクか、前からでも後ろからでもああんハヤク〜 、
のいずれかであろうが聞き忘れてしまった。

おなかに子供がいることもあり、災厄は出来るだけのことをして
払っておきたいという気持ちは良く分かる。

「厄除けに行ってくるから洗濯物取りこんでおいてね」

嫁はそう言って出かけて行った。
僕も付いて行きたかったが仕事が溜まっていたので
家にカンヅメなのであった。

厄除け…ってそういえば嫁はどこに行くつもりなのだろうか。

「関東の三大師〜佐野厄除け大師」

などという強引に自分を三強に入れてしまった、
言ったもん勝ち〜みたいなCMが正月によく流れる。

やはり「大師」とつくところなのか?
佐野厄除けはウチのイナカのほうであり、遠い。
すると他の「三大師」のどれかに行くのだろうか。

残り二つの「大師」というと…。

川崎大師川崎大師でしょ、

西新井大師西新井大師でしょ、

マグマ大使マグマ大使でしょ、

槇田大使槇田邦彦在シンガポール日本国大使(※)でしょ(誰よ)

あと二つ、と言ってるのに四つも出してどうする。

いつものバカな駄洒落はやめることにして仕事に没頭した。
何時間か…しばらくすると、煮詰まってきたので僕は外に出た。

メシを食ったり気分転換にゲーセンに行ったしたらすぐ日が暮れた。
そろそろ嫁が帰ってくる頃だろう、と思い僕も戻ることにした。

嫁はすでに戻っていた。

「おかえり、災厄は払えたか!」

僕は声をかけたが、返事がない。なにやら機嫌が悪いみたいだ。

何故に…また何か僕がやらかしたのだろうか…。
部屋に入ってから、血の気が引いた。

部屋の中には冷たくなった洗濯物が取り込まれていた。

「アナタ…忘れたね」

後ろから嫁の呟きが。ギャー。

ひょっとして、僕が災厄?

さらに今晩、僕は風邪を引いて熱を出してしまった。
妊娠中の嫁に伝染させないように、別室でさびしく寝ることにする。

災厄どころか、最悪…。

(※)槇田邦彦氏:

  昭和19年3月3日生
  昭和43年3月東京大学法学部卒業(だから、誰)

今日もアリガトウゴザイマシタ。


■0才からの性教育。
2003年02月02日(日)
嫁は自分のウェブページに熱心である。
妊娠してからというもの、モニタを眺めていると気分が悪くなる
「パソコン酔い」がひどいのにもかかわらず
マメに更新しているようだ。

「むわあー」

キーボードをカタカタ打っていた嫁が、
今夜も気持ちが悪くなったらしく、寝床にひっくり返った。
嫁はそのまま寝ることとなった。

僕も心配なので嫁に添い寝する。

「気持ち悪くなっちゃったねー。ごめんねー」

嫁は腹をさすりながら呟いた。おなかの子供に語っているらしい。

「おなかの子と、会話できるの?」

僕は聞いた。嫁は、できるよ、と答えた。

「子供が嫌がってる、とか伝わってくるの?」

「うん」

以心伝心らしい。

「もうパソコンやらないからねー。ごめんねー」

引き続き腹の子供に謝る嫁。

…いいなあ。僕も会話に参加したいが
こればっかりは男にはどうにもならない。
NTTでもヤフーBBでも接続できない
母体と胎児を結ぶ「ヘソの緒ブロードハンド」とでも呼ぼうか。

おなかの子供と会話している嫁に置き去りにされた僕は寂しくなった。

しかし僕にも「息子」と呼ばれる部分があるではないか。
僕はそれを取り出して

「ほ〜らお友達だよ〜ん」

嫁の子宮のあたりに、ぺとし、とくっつけたら

「それお友達チガウ!」

怒られてしまった。

確かに性教育はまだ早いと思った。

一緒にお話したかっただけなんだいっ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。

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