人生事件  −日々是ストレス:とりとめのない話  【文体が定まっていないのはご愛嬌ということで】

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2005年05月29日(日) 憂える生活

家でも仕事しているようなものだ。

夫がまた、ちょっと病みかけている。結局、バイトも何もしないままに、無職期間1年以上。仕事を選んでいたのか身体に自信がなくて動けなかったのかは、聞いていないし言われてもいないから知らない。けれど、『何もしていないのに腰痛悪化』が今回の精神的ダメージのようで、「運動していないから脂肪がつく&筋肉が落ちたせい」であろうそれを、本人も自覚して落ち込んでしまっている。本当は、今すぐにでもバイトでもいいから働いてもらわないと、私が希望1年の育児休暇どころか産前産後休暇しか取れなくなってしまうのでつらいのだが、それは夫の方がよく分かっているので何も言わずに生活している。

色々考え出すと止まらない。私が、大人ふたりで生活するのに不自由ないだけの収入を得ていたのがいけなかったのだろうかとか、この時期に計画妊娠してはいけなかったのだろうかとか。実際、今回の妊娠に関しては、できるかどうか分からないから早めに子作り行為をしたいという希望の他、夫の求職意欲・意識を高めたいという個人的な思惑もあった。だから、夫は頑張って探していたと思う。以前はなかったのだが、どういう仕事が自分にはできるのか、ということを、布団の中で説明された夜もあった。

夫の人生の楽しみが、徐々に狭められているのが分かる。ハローワークと床屋と整形外科に行く他は寄り道もせず、欲しい物があっても「なくても生活できるから」と言って諦めている。お酒だって、家のストックが切れていても値段見て特価でないなら買わずに帰ってくる。ピカピカに磨き上げた車に乗るのが好きだった人が、「洗車場代がもったいないから」とバケツ1杯で軽く洗うだけで済ませている。さすがに気の毒になって、オートバックスの大セールに誘って半練りワックスを買ってあげたけれど…。

本当に病気にならないといいけれど、とそればかりが気がかりで。


2005年05月21日(土) 分不相応とまでは言わないけれど

難しい。

その人の価値観が、生活にも表れるということは分かっている。「仕事を続けられない状況に陥り生活に困っている、だけど生活水準は落としたくない、どうしたらよいのか?」そういう相談者人の多さに、辟易する。そんなの『福祉』に当てはめたくない。ブランド物のバッグから出てくる財布も手帳も筆記用具も、みんな高価なもの。事務所に乗ってきた車も、高級車。はっきり言うが、本当に生活に困るまで、来てもらいたくない。

生活保護ケースワーカーや、国民健康保険を扱う部署の同僚に、「生活水準を落としたくないとだだこねする人の話は深く聞くな。本当に困っていてもどうにも手立てがない人は多いんだから」と助言される。母子支援をする中、ずるく生保を使っている家庭を知っても目をつむり、ここまでやってこられたのが奇跡なんだからそろそろ生保使ってもいいんじゃないのと勧奨したり。

人の生活は色々だ。


2005年05月10日(火) あんまりもぞもぞしないで

気になっちゃうから。

胎動ってどんなもんだべさ?これか?あれか?それか?という先月末の疑問に今になって答えてくれている我が胎児。どうもありがとう。もう分かったから、少し落ち着け。就寝しようとすると昼間以上に活発にもぞもぞするその宵っ張り根性、どうにかならんのか。

お陰で睡眠不足。そんな中、『エイリアン vs. プレデター』なんかを見てしまったから、胎児に動かれるたび、「もしや、このまま腹を突き破って出てくる気じゃ…」と考えてしまう始末。

なんか疲れてる。


2005年05月03日(火) あんまりびっくりさせないでよ

そ、そうだったんだ…。

先日、風呂上りにへそごまが気になり、オリーブオイルをつけた綿棒で突付いていたら、夫に「こどもがびっくりするからやめとけ」と止められた。「穴広がってきたから中よく見えるのに」と言ったら、「だって、そこはこどもと直にくっついてるとこやん。何かあったら大変」と言われた。一瞬、「あ、そっか」と手を止めてしまったが…よく考えてから、夫に聞いてみた。

「胎盤(たいばん)て知ってる?」

「なんやそれ」

「……」

こりゃ、妊娠時の異常に前置胎盤というものがあってね…なんて話をしたって無駄だと感じ、知識があるから当たり前のことが、知識のない人にとっては当たり前でないということを思い出した。そう、昔、私だって家族内で一番博識だった父に向かって「お父さんの常識はみんなの非常識!」と言っていたじゃないか。それと同じだ。

そういえば、その昔、消雪パイプ(道路の雪を水で溶かす設備)の水は『お湯』だって教えてくれた小学校教諭もいたっけ。ニュースの画像とかで見ると湯気があがっているように見えるけど、あれ、基本的には井戸水、最近は少し温めた水を出す装置もあるらしいけど。

色々思い出しながら、そうか、これが知らない人の知識なんだな、と新しいよい発見をしたのだと自分に言い聞かせる。
両親学級をも担う専門職につく妻として、看護・医療とはまったく関係のない世界に生きてきた夫に胎盤と臍帯の仕組みを説明する。夫は感心していた。

もしかしたら、結構みんな知らないことなのかしらね。


佐々木奎佐 |手紙はこちら ||日常茶話 2023/1/2




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