Sports Enthusiast_1

2002年03月31日(日) サポーターの勝利

J1の仙台がタイムアップ寸前、神戸ディフェンダーのハンドの反則でPKを得て同点に追いつき、延長Vで連勝を伸ばした。元日本代表をそろえた神戸だが、平均年齢が高いせいか、終盤ついに力尽きた感がある。それにしても仙台の活躍はたいしたものだ。J2からの昇格4連勝は快挙である。仙台もベテラン主体のチームであるが、よく鍛えられていて後半になってもスピードが落ちない。シェイプアップが勝因の1つとみた。
そしてもう1つ、このチームを支えるのが文字通り熱狂的なサポーターの存在である。彼らは声援でゲームをコントロール、リードされたチームの終盤の常套戦術、パワープレイにリズムを与え、結果、神戸ディフェンダーを精神的に追い詰め、ファウルを誘ったのである。
延長戦に入ると、地震速報のため放送が中断、結果はビデオで確認したのだが、私はリーグ戦での延長Vゴール制度を認めていないので、(私の価値基準では)この試合はドローである。終始劣勢ながらアウエーでドローで終わった神戸はまずまず、といったところだ。
さて、その神戸、先のフランスW杯の日本代表を集めたようなチーム構成だが、心配なのは城である。一時はスペインリーグにまで行った選手だが、前線で体をはるプレイができていない。ポストプレイでボールをキープできていれば中盤の押し上げが間に合い、シュートチャンスが広がり得点の機会も増えるのに。でも、ヘディングなど高さに復活の兆しも認められるので、いずれブレイクする可能性はないとはいえない。
残る問題はカズである。もともとスピードが持ち味の選手なのだから、それが落ちたところで引退がベストの選択である。トップ下のような今のポジションは中途ハンパだし、ミドルシュート、ロングシュートはもともとうまくない。なんだか、粗大ゴミのような悲しい存在になってきた。



2002年03月30日(土) テストマッチ

ベルギーVSギリシアはホームのギリシアが3−2で逆転勝ち。これで、ベルギーはたいしたことない、と言う人はまずいないと思うけれど、結果はまるで参考にならない。
前半、ベルギーの動きは鈍い。最終ラインが混乱していて、ギリシアに簡単に突破される。それでも持ちこたえて、素早く先制、そして駄目押しの2点を前半でとってしまう。実質的にはここでゲームは終了。
ベルギーは後半になると、フォーメーションを変更し、選手交代を繰り返し、テストモードに入る。結果、大きくチームのバランスを崩し、PKで1点を返されるや、あとはずるずる後退して2点を献上、逆転されてゲームセット。ホームのギリシャのサポーターを喜ばせてしまった。後半のベルギーは前に見たホームでのノルウェイ戦とは全然違うチームのようだった。
そもそもサッカーに限らず、同じチームだからいつも同じ戦いをするとは限らない。フィットネス、モチベーション、選手個人の調子・・・など全て違うのである。だからランキング上位のチームが常に下に勝つわけではない。
しかも、選手には「調子」というものがある。バイオリズムのようなあまりうまく説明できない「何か」である。少しでもスポーツをしたことがある人ならわかると思うけど、バスケットでシュートがよく入る日、水泳で水によく乗れる日、ベンチプレスでダンベルが軽く感じる日・・・を経験していると思う。そんな日はモノに憑かれたように、すべて「決まる」のである。
もう一つ、「勢い」がある。これも説明しにく要素である。ある種のシナジー効果の1つなのだろうが、チームに不思議な一体感が生まれ、個々の選手の力量の総和以上の力が発揮される。集団催眠のような不思議な力である。この力を引き出すには、なによりも「きっかけ」であり、次に「サポート」である。応援を甘く考えてはいけない。それもいまの日本のプロ野球の応援のように「ためにする」ものではなく、選手とサポーターが一体化したものでなければならない。基本は「声」である。楽器や打ち鳴らしも否定しないが、私は「声」が基本だと思っている。
こうした、ゲームと観客が一体化した情況を「祝祭」と表現することもできる。古代ローマの剣闘士、スペインの闘牛、ギリシアの仮面劇・・・人類がその誕生以来、繰り返してきた非日常空間の創出である。



2002年03月29日(金) 残念ながら

地方出張のため、ポーランド戦を見逃した。日本はアウエーでランキング33位のポーランドに勝利したのだから、先のウクライナ(42位)戦の勝利と併せ考えると、欧州の30位前後のチームと同等の力があるといえる。予選で対戦するベルギーが21位、ロシアが24位であるから、その差は大きくない。予選突破の可能性は四分六ぐらいだろうが、ホームということを考えると五分五分ともいえる。
さて、ポーランド戦の前、出張先で食中りにあい、夕方からホテルのベッドで寝込んでいたのだが、横になりながらテレビのスイッチを入れると、ロシアVSアイルランドのビデオが流れてきた。かなり前の対戦なので、結果は(ホーム・アイルランドが2-0で圧勝)知っていたのだけれど、ロシアがどんなチームか興味があったので、み続けた。
感想としては、「意外」の一言である。私はロシアというチームは、直線的な動き(カウンター)、ロングボール+ポストプレイ、サイドアタックからセンタリング、激しい当たり・・・というパワー主体のチームだと思っていた。ところが、いやいや、足もとのパスをつなぐ技巧派なのである。どちらかといえば、南米のW杯常連国(今回は予選敗退)のコロンビアを髣髴させる。中盤でパスをまわしスルー(キラー)パスを狙うといった攻撃パターンが多い。コロンビアはW杯の直前までは高い評価を受けながら、その都度活躍できないまま姿を消してしまうチーム。このスタイルは現代サッカーのコンセプトから外れているというか、これでは勝てないのである。やはり、アイルランドの厳しい守備に通じない。ゲームをすっかり支配され(後半やや優勢であったものの)、完敗した。
ロシアが実力を出していないとみるかアイルランドとの地力の差とみるか、この試合だけではわからない。けれど、この試合がロシアの持ち味だとするならば、日本にとって手ごわい相手ではない。



2002年03月24日(日) スピードと感性

私が通っているスポーツクラブのインストラクターのK君がプロボクシングのライセンスを取ったとインストラクター仲間が教えてくれたのは、3月のはじめころだった。なんと、デビュー戦が今月中にあるという。K君は26歳、「なんとか会館」という空手系の総合格闘技道場にいたのだが、膝を痛めてボクシングに転向したのだ。それもミドル級という重いクラス。その後、私が風邪をひいたりでクラブを休むことが多くK君と会えず、結果が気になっていた。
今日、クラブに顔を出したのだが、やはり、K君は来ていない。仕方がないので、たまたま通りかかったS君に、K君の試合のことを聞いてみた。結果はなんと、KO負けだったという。
「試合、見に行ったの?」と聞いたら、「内緒で見に行きましたよ」とS君。「どんな感じだった」と聞いたら困ったような表情で、「全然・・・」。かなり一方的な敗戦だったらしい。S君の説明だと、まわりは勝ち目はないと見ていたというのである。いくら格闘技をやっていたといっても、グローブをつけてボクシングのルールでやれば、空手とボクシングはまったく異質のスポーツらしい。S君の説明では両者の違いはスピード、そして「感性」だというのである。おもしろい言葉が出てきたものだ。
というのも、実はこのS君、ボクシングの経験者なのだ。何ヶ月も前、たまたま、彼とボクシングのことを話したことがあった。そのとき、「華麗、センス、スピード・・・」とボクシングを礼賛していたっけ。K君のことを「まわりは勝ち目はないとみていた」と私に説明したけれど、実はS君自身が勝ち目がないと思っていたのかもしれない。
スピードと感性――誠にいい表現ではないか。これぞ、すべてのスポーツに共通する真髄というものだ。



2002年03月22日(金) 参考にならず

日本vsウクライナである。結果はご存知のとおり日本が1-0で勝ち。これで欧州の大型チームに通じると思うのは無論早計である。ウクライナはW杯の出場を逃しており、しかも、来日したチームは主力抜き。04年の欧州選手権に向けてチーム作りを開始したばかりという。日程的にも、コンディションは万全ではない。そんなチームにホームで負けてはいけない。日本選手はW杯出場メンバーに残るテストでもあるから、モチベーションも高いのである。
ところで午前中、BSでベルギーとノルウェーの国際テストマッチのビデオを放映していた。ベルギーのホームである。こちらはグラウンドはドロドロと最悪ながら、激しい試合であった。ベルギーは華麗さに欠けるが、しぶとく力づよく、負けない試合をするチームのように見えた。来日したウクライナとはまるで違う。ディフェンダーの身長は190cm前後。体重は80kg前後と大型である。外見はウクライナと変わらないが、重心が低くスピードはないといわれるが、ボールへの寄りは早い。しかも、中盤に4〜5人が集まり相手の攻撃を阻む。もちろん、ハイボールでは、日本の及ぶところではない。
攻撃には人数をかけないのだが、ゴールに向かうスピードとパワーがあるので、日本の守備陣がとばされて突破される確率が高い。手ごわい相手である。
ウクライナ戦に戻ろう。前半に日本にピンチがあった。フラット3の裏である。守備陣が相手攻撃選手に置いていかれる決定的なピンチである。この試合に限らず、裏をやられるケースは後方からのロングボールや、中盤のミスで相手にボールを奪われる場合である。最前線ではなくその後ろの選手が走り込んでくるケースが多い。ウクライナが決定機を逃したので失点に至らなかったが、ベルギー戦ではそうはいかないだろう。次回ポーランド戦で、守備陣がこの弱点を克服しているかどうか――それが予選突破を占うポイントになる。



2002年03月21日(木) 崩壊の予兆

新聞報道によると、日本ハムがホームを東京から札幌に移転するという。フランチャイズ基盤を固め、球団経営を一からやりなおしたい、とその理由を説明している。たいへん結構なことである。巨人に一極集中した現状から地域密着型に変わることによってホーム、アウエーがはっきりし、緊張した試合が増えることが期待できる。
また、昨日の新聞報道では、野茂ら日本人大リーガー3投手がアメリカの独立球団を買収したという。これも結構なことである。大リーグという桧舞台で活躍し、苦労して稼ぎだした金を球団買収に投資するという姿勢は清清しい。(ただし、仕掛け人があまり評判がよくないD氏であるため、不安が残るが)。
米国に窓口ができれば、日本のプロ野球から落伍した選手が米国で巻き返すチャンスが出てくるし、若いプレイヤーが直接ここに入団する可能性もできる。
いったい日本のプロ野球ファンというのは、野球になにを期待しているのだろうか。巨人というチームが勝ち続けることなのか、それとも、地元のチームが優勝することなのか。データがないからわからないのだが、推測では、地元チームを応援するファン層よりも巨人を応援するファン層のほうが多いように思う。このことは何度も書いたので繰り返さないが、プロ球団のあり方として異常であり、スポーツの国際化を阻害するという面からみてマイナスである。
フランチャイズの確立と国際化――この2つの動きは、日本プロ野球の歪曲した現状を是正する可能性を秘めている。どちらも成功してほしいものだ。



2002年03月20日(水) 凡戦

続いてスペインリーグ、オサスナVSラコルーニア戦(オサスナのホーム)である。優勝圏内にとどまるラコルーニアに対して、二部落ちの危機にある下位オサスナがホームでどんな戦いを挑むのか、その戦い振りに期待をしていたのだが、ゲームはラコルーニアが3−1で圧勝。ディエゴ・トリスタンのハットトリックと、表面的には華やかな試合のように見えるが、実は凡戦であった。
まず、点の取られ方が悪い。1点目は高校生並みのフェイントにディフェンスが引っかかり、らくらくゴールを奪われた。2点目は強くもないシュートをキーパーがはじき、ボールを体に当ててイン・ゴール。ディフェンスが必死でかき出そうとするが遅かった。3点目はペナルティーエリアで、ディフェンスがやや後方からのタックルでボールをはじき出したものの、そのはずみで足が上がって、ラコルーニアの選手を倒してしまった。ディエゴ・トリスタンがPKを決めて、ハットトリックである。
さて、問題はこのPKの判定。普通は取られないプレイとみた。『ナンバー』の報道によると、キラ星のごとくスター選手がひしめくスペインリーグだが、最大の問題はレベルの低い審判にあるという。どうも目立ちたがりというか、存在を示したいというか、独断的傾向が強いといえば強い。リーグも審判の教育や技術向上に熱心とはいえないようだ。それに、ホームの強い圧力もあるだろう。世界で最も難しいリーグの1つに違いないのだが、審判への信頼低下は早期に改善してしすぎることはない。



2002年03月19日(火) 政治集会

昨晩は、BS1にてサッカースペインリーグ、バルセロナvsレアルマドリードを観戦。バルセロナホームのスペインダービー(このいい方が一般的かどうかは未確認)だ。バルセロナはスペインのカタルーニア地方の首都で、マドリードの中央政府とはライバル関係にある。両者の対立の構造は長くなるので省略するが、大雑把にいえば、フランコの独裁政権時代の圧政が主因である。スペインではバスク独立運動が過激なテロを引き起こしているが、ここカタルーニアにも、スペインからの分離・独立の運動があるという。
バルセロナホームの昨シーズンの両者の対戦では、バルセロナの一員だったポルトガル代表のフィーゴがマドリードに移籍し、敵として乗り込んだ初戦に当たり、大騒動があった。バルセロナ・サポーターはフィーゴのプレイに大ブーイングと口笛を浴びせ、コーナーキックを蹴りにいった彼にモノを投げつけたのだった。
今回は「問題の人」・フィーゴは欠場なのだが、あの時以上の混乱が引き起こされたのである。まず、ゲーム開始直後にハプニングである。二人の男がゴールポストに自らの腕を手錠でつないだのだ。警備員が慌てて排除にかかるが、この間10分弱のロスタイム。スタジアムは異常な興奮に包まれる。
その後ゲームはマドリード支配でしばらく進み、ついにゴールが生まれる。マドリード、1点リードである。ここまでのところ、バルセロナの劣勢は否定できない。実力はマドリードのほうが上回っているように見える。しかし、後半にはいってまもなく、バルセロナが奇跡にも近いゴールを奪い取る。キーパーのミスである。ミスとは言えないかもしれないが、止められないシュートではなかった。
その後、しばらくは互角の展開だったが、またしてもハプニングが起きる。バルセロナがカウンター攻撃に入ろうとした瞬間、二人の男が乱入しゲームが中断したのだ。一人の男は長いフラッグを持っている。実況アナウンサーはいずれも政治的な抗議行動ではないかとコメントしていたが、誤りではないだろう。フラッグのメッセージはカタルーニアの分離・独立を宣言したものである可能性が高い。
スポーツに政治を持ち込むことの是非は論ずるまでもないが、サッカー会場がバルセロナ(カタルーニア)の人々の政治的な思いにシンクロしていることも間違いないところ。
さて、ゲームは興奮の中、ドローのまま終了した。選手は終始冷静で汚いファウルもなく、あくまでも「サッカー」をやってみせたことが救いである。



2002年03月18日(月) スポーツ評論の始まり

Jリーグはすでに開催し、プロ野球もオープン戦に突入。そして、サッカーワールドカップの開催も刻々と迫っている。いまほど、人々がスポーツに関心を集める時代はなかったのではないかと思われるほどである。
そこで、「旅の写真集」のなかに、スポーツコラムを特別に設けることにした。スポーツ観戦はLIVEが原則だが、そこはしがないサラリーマンの小生、LIVEで観戦する時間もお金もないのである。しかたがないので、テレビ観戦と限定して評論することにした。
テレビの限界もあるしテレビならではのメリットもある。また、いくらスポーツクラブに通っているとはいえ、残念ながら、これといったスポーツの専門的経験がない。つまり、技術的にはまったくの素人。というわけで、独断・偏見のスポーツ観戦記の始まりである。なお、今月分の日記(Diary>に記したものは、遡って、まとめてこちらに移転した。



2002年03月17日(日) 引き分けの魅力

昨晩、Jリーグの横浜FマリノスとFC東京の一戦をTV観戦した。ホームの横浜がゲームを支配し1点をリードして、後半ロスタイムに。横浜の勝ちで終わるかと思われたところが、一瞬、東京がコーナーキックから同点ゴールを奪う。いまなお語り継がれる「ドーハの悲劇」と同じパターンである。
JリーグではVゴール制度が採用されているため、見たくもない30分の延長戦を見る羽目になってしまった(結果は引き分け)。東京がロスタイムで同点に追いついたところで、この試合は終わっているのである。
さて、あのドーハにおいて、決勝Vゴール制度が採用されていたら・・・。日本、イラク、その勝ち負けは別として、負けでなく引き分けで出場を拒まれた悔しさ、無念さ、サッカーがもつ不条理性(の魅力)をこうまで、国民的規模で焼き付けたであろうか。ロスタイムでの引き分けで日本がワールドカップへの出場を拒まれたことこそ、サッカー(リーグ戦)の1つの本質を体現していたのである。
Jリーグは、リーグ戦で決勝Vゴール制度を採用している。勝ち負けをはっきりさせようというのが主旨なのだろうが、勝ち点制のリーグ戦では意味がない。引き分け狙いで試合がつまらなくなるという意見もあるらしいが、逆である。引き分け狙いのゲームプランは戦術として高度であり、相手もそれを打ち破る高度な戦術が要求される。引き分け制度を採用すれば、リーグ戦の試合に、いま以上に複雑かつ洗練された展開が期待できるのであり、日本のサッカーのレベルアップにつながるのである。
引き分けはサポーターのカタルシスを高めるであろうが、それだけ、勝った時の喜びも増すのである。引き分けの微妙さを味わえない日本のサッカーファンは、世界に比べ、不幸であるばかりか、サッカーの本質からも遠ざけられているのである。川淵氏ほどの人間がそのことをわかっていないはずがないのだが・・・



2002年03月13日(水) ホーム

昨晩のサッカー、スペインリーグは強豪バルセロナvsヴェテイス(セビーリア/アンダルシア)。ヴェティスのホームゲームである。後半少しだけテレビ観戦できた。
面白かったのは、タイムアップ寸前だ。得点は2−1でホームのヴェティスがバルセロナをリードしていた。ホームで強豪バルセロナをリードしているとなれば、スタジアムは大騒ぎ。
まず、予備審判がロスタイム6分の電光掲示板を掲げたとたん、大ブーイング。いつのまにかボールボーイが姿を消し、タッチラインを割ったボールはグラウンドに戻らない。スタンドにボールが蹴りこまれれば、サポーターはボールを隠してしまうといった具合だ。サポーターはホームチームが勝つことだけを求めている。選手個人のファンや「いいプレイ」を見にくるという類の、勝負に中立なファンなど一人もいない。これがプロスポーツの原点だ。アウエーでやれば周りは敵だらけ。グラウンド内外のプレッシャーにさらされる。
ところで、先の冬季オリンピックで審判の誤審や地元びいきの判定が話題になった。中立であるべきジャッジがホームの北米に有利なものばかりだったというのである。考えてみれば、これが当たり前なのかもしれない。ホームの利というやつで、アウエーの選手は不利な条件で戦うことを予め強いられている。ならば、オリンピックも最初からサッカーのように地元有利を暗黙の了解事項とすればいい。なのに、「民族の祭典」だとか「フェアプレイ」だとかをうたうから矛盾が起きる。
オリンピックも(プロ)スポーツ大会、それ以上でも以下でもないのなら、開催地(ホーム)有利が当たり前でいいじゃないか。サポーターのプレッシャーにあって誤審(確信犯的誤審)も地元有利の判定もあるし、審判によっては逆に地元に不利な判定をくだす人もいる。
プロスポーツは地元が勝ってはじめて存在できるもの。そのため、反則ぎりぎりの行為もあり得るし、審判も観客が望む方向にゲームの結果をコントロールすることもあり得る。こうしたルールが(潜在的に)組み込まれていると思えばいい。
なお、テレビ観戦したサッカーの勝負のほうは、ヴェティスがバルセロナを2−1で辛うじて押し切った。
ところで、日本のサッカーでは前節、ホーム勝ちが少ないことが気になった。鹿島のようにホームの戦いをしながらゴールに見放され、結果として負けたのは仕方がない。一方、東京ヴェルディの戦い振りはいただけない。ホームがしなければいけないプレスが弱い。前からボールを追わないのだから磐田も楽だ。そのため、主力を欠いた磐田を相手に、退場者を出して競り負けた。東京ヴェルディもけが人が多いが、ホームでの戦い方を知らないし、気迫が反則につながるなど、技術水準が低い。バルセロナを破ったヴェティスのような、闘志あふれるプレーがホームでは求められている。



2002年03月05日(火) セルタ

昨日は早く帰ってBS1でリーガエスパニヨールのサッカーを見た。対戦カードはセルタvsレアルマドリードである。
セルタはラコルニーアとともに、ガリシア地方を代表するクラブだ。そもそも「セルタ」とは英語で読めば「ケルト」である。
スペインの歴史を紐解けば、ローマ人にイベリアと呼ばれたこの地域の先住民はアフリカ系を含めた「イベロ人」と呼ばれる地中海系の民族。そこに中部ヨーロッパからローマやゲルマンに追われたケルト民族がやってくる。そして、先住の「イベロ人」と混血したのが現在のスペイン人で、「セルティベロ人」と呼ばれている。その後、ローマがこの地を占領しラテン化が進むが、ローマもゲルマン人に滅ばされ、この地の支配者は西ゴート王国に代わる(東ゴートはイタリアに建国)。しかし、西ゴート人が支配したといっても、全人口に占めるゴート人の割合は数パーセントと推測されているから、民族的には「セルティベロ人」がスペインの主流であることに変わりなかった。その後、イスラムの侵略占領、独立、レコンキスタ・・・と続くけれどもキリがないのでやめておく。
ガリシアはケルト人の残した文化がいまなお色濃く残っている地方。ガイタ(スコットランド、アイルランドではバグパイプ)と呼ばれる楽器演奏のカルロス・ヌ二ェス、エヴィアらの音楽が世界的にブレークし、日本でも知られるようになった。聞くところによれば、ガリシアではケルト復興の動きも出ているという。
さて、試合のほうは一方的におしまくっていたセルタが、後半一瞬のスキをマドリードにつかれて、0−1で惜敗。セルタは惜しい星をホームで逸した。
これもサッカーである。手という人間の文明と進歩の象徴を奪ったこの競技、結果の多くが不条理の連続であるといっても過言ではない。だからおもしろいのだけれど。さらに、地域の歴史を知っていると、おもしろさも倍加するというものだ。



2002年03月04日(月) 好ましい結果

JI開幕全試合でホームチームが勝ったようだ。繰り返しになるが、望ましい結果である。ホームとアウエーが交代する時節の結果を見たいものだ。
アウエーで苦しみながら勝ち点3を上げたチームが優勝戦線に残り、ホームで負けたチームが下位に落ちる。当然、地元から見放されて人気がなくなるわけだ。そこで翌年は補強して、巻き返しを図る。トップクラスを維持するのは財政的に余裕のあるビッグクラブのみ。
でも、弱小チームがビッグクラブをホームに迎えたとき、激しいプレスで牙をむき、撃破することが起こり得る。万年下位でも、地元チームがホームで勝利を収めれば、サポーターから熱狂的な支持を得られるという構図である。
この構図が日本に定着すれば、Jリーグの将来は安泰である。が、全国人気の「巨人軍」を志向すれば凋落する。読売が描いた、ヴェルディ=巨人の公式はサッカーには通じない。サッカーは地元というミクロコスモスと、世界というマクロコスモスがあって、その中間に意味がないからである。



2002年03月03日(日) Jに変化か

Jリーグ開幕からTV放送で3試合をみた。勝ったのは3試合ともホーム。とくにFC東京、仙台は果敢なプレッシャーで相手を圧倒。ホームの戦い方を会得したようだ。FC東京は調子の出ない鹿島から4点も奪って地元のサポーターの声援にこたえた。仙台もJ1昇格初戦を地元で飾った。こちらも前からのプレッシャーでヴェルディを粉砕。満員の地元のサポーターに祝福されていた。
これぞサッカーの醍醐味。地元サポーターと一体となった試合運びである。それにしても、かつての王者、東京ヴェルディはひどい。まず、シェイプアップが問題である。あたりが弱く、体力で仙台に勝てていない。プロ意識がないというか、コーチ、監督を代えないと駄目でしょうね、このチームは。


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