職業婦人通信
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2006年11月27日(月) 痛恨の社宅デビュー

仕事の上では旧姓を使っている。

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夫婦別姓論者だ、とか、女だけが名字が変わるなんて不平等よぉぉ!といったような
社会的かつ大きな理由ではなく

単に、名刺とか、メールアドレスとかを変えるのが
めんどくさかっただけであった。
社内でも当然のように旧姓で呼ばれ続けている。

しかし、
会社のおじさん(特に年齢層が高めのひと)で
律儀に、新しい姓で呼んでくださる方がいる。

・・・ごめんなさい、まず呼ばれても反応しません。

仮に、私の旧姓を「よみうり」、新姓を「にっけい」としましょう。

おじさん  「にっけいさーん、こないだ頼んだ画像の件だけど」
ちよこ   「・・・・・・・・・・・・・・・」
おじさん  「あの・・・にっけいさん?」
ちよこ   「(隣の人につつかれてから)・・・え?私?あ、ああ、どうもすみません、何でしょう?」

といったような応答をしてしまう。

さらには病院、役所でも
「にっけいさーん・・・にっけいさん、いらっしゃいませんかぁぁ〜?」
と数回呼ばれてからやっと
「・・・あ、あ!すみません、にっけいです」
という体たらく。
周囲の人の「コイツ耳ついてんのかよ」的な視線が痛い。

結婚して半年たった今でもこんな有様であるからして
新婚当初はもっとひどかった。

新居(ダンナ君の会社社宅)で隣近所へ挨拶に行き
ものすごく緊張して
「あ、あのー、このたびお隣に越してきたよみうりと申します、引越しのご挨拶に伺いましたっ」
と、あっさり旧姓で挨拶し

しかも、そのことに気づかぬまま
上下左右のお宅にすべて「よみうりです」と名乗ってしまった。

ダンナ君は引越した瞬間、地方出張に行ってしまっており
挨拶するのは私ひとりであったため
私の間違いを指摘する者は誰もなかったのだ。

そして
最後に挨拶に伺ったお宅で
やはり「よみうりです」と名乗ったところ
そのお宅はダンナの同僚が住んでおり
「・・・?あれ?昨日越してきたってことは・・・、にっけい君の奥さんですよね?」
と指摘され

・・・・ハッ!!・・・オレ、もう、よみうりじゃなかった・・・

と気づいた時には顔から火が出て社宅を焼きつくさんばかりであった。
ワキからは妙な汗汁がだーらーらーと流れ、

「あ、あのその、違いました、あの、私、よみうりじゃなくってにっけいです・・・
 よみうりは旧姓でして、ええ、そういうわけですのでにっけいです」

と、変な汗をだくだくだくだくかきながら
弁明したのであった。

先方の奥様が笑いをかみ殺している姿が
ショックのあまり狭窄化した視界にもはっきりと見えた。

そのお宅にはいちおう修正したから良かったようなものの
すでに挨拶済みのお宅に
いまさら恥をかくために修正して回る気にはとうていなれず
その後、旧姓で挨拶してしまったお宅の方とは
バッタリ会ったときにそれとなく
「どうも〜にっけいですぅぅ〜おはようございます〜」
と、少々とってつけたように新姓のほうをアピールするようにしていた。

その話を翌週、出張から帰ってきたダンナ君にしたところ
ダンナ君はカエルのようにひっくり返って大笑いし
あげくには面白がって
その話を他の同僚たちに広めてしまったため
社宅にその話は広がり

私はしばらくの間ほとぼりが冷めるまで
人目を忍んで社宅を出入りしていた。

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面白がって妻の失態を広めたダンナ君には
いつの日か、それ相応の報い(内容未定)を受けてもらう予定である。


千代子 |MAIL
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