出会いはごく普通の出会いだったよね。 街中でボクの名前を言ってる人がいて、 それに近づいていって話したのが最初だったかな。
いつかダンジョン一緒に行こうって誘ってくれたね。
初めて一緒に行動した時すごい動きがぎこちなかったよね。 見ててすごい心配になったんだよ。 だから色々教えてあげた。 あの時に比べると本当に上手になったと思うよ。
色々語り合ったりもしたね。 意見がぶつかる事も沢山あったね。 でも君と話すのすごく楽しかったよ。
君がボク以外の人と結婚しないって言ってくれたとき、 すごく嬉しかったんだよ。 でもそれと同時にすごく不安だった。 結局は仮想空間のゲーム。 二人がずっと幸せになれるはずがない。 何時かは別れる時が来る。 その時にボクはその悲しみを乗り越えることができるかなって。 すごい不安だった。
でも、 いつか別れる事になったとしても、 今君と一緒に居たいって思って結婚したんだよ。
盾をもらうイベントもがんばってたね。 本当にほしいんだなと思って、 自分の分を交換したら君がほしがってたやつがでたよね。 ボクはそんなにほしいのじゃなかったから、 君にあげたら本当に嬉しそうにずっと見てたね。 君が嬉しそうにしてて出て良かったってボクもすごく嬉しかったよ。
仲良かった大切な人が二人引退して、 張り合いが無くなって寂しかった時に君が現れた。
いつもボクの名前を呼びながら頼ってきてくれるのが嬉しかった。 君がログインしてこない時はなんか物寂しかったりしたんだよ。
好きな所も嫌いな所もそういうのも全部含めて君の事好きだった。 付き合いたいとかそういうのじゃなくて、 そういうのを全く望んでなかったって言ったら嘘になるけど、 でもそうならなくても君は大切な存在だった。 ずっと一緒にいたかった人だった。
仲良かった大切な人が二人引退して、 それでもボクをこのゲームに引き止めたのは、 紛れも無く君がいたからだよ。
なんでこうなったのかな? 原因はなんだったんだろう。 少しルーズな君に、 ルーズな事にすぐ文句を言ってしまうボクと 文句を言われる事が嫌な君。 きっと小さなすれ違い。
最初はそんな事なかったのにね。
もう会うことも話すこともなくなっても、 君はいつまでもボクの心に居続けるよ。
君に出会あって過ごしたこの半年くらいが、 このゲームでのボクの一番の宝物。
今まで本当にありがとう。
ごめんねとメールを送った。 本当は会って言いたかったんだけど、 彼女は来ないからこうするのが一番かなと思った。
未読か読んだかわかるようになってて送ってすぐに読み済になった。 ログインしてるのにオフライン設定にしてるみたい。 ちょっとへこんだ。
彼女は前の仲間の知り合いがみんな引退して、 そこに居場所が無いと言っていた。 今ボクが居る仲間の居場所が居心地がいいって言っていた。 でもボクが居ると今は入りずらいだろうな。
ボクは一人でも大丈夫。 ずっとそうだったから。 いつか別れはくるって思ってたけど、 こんなに早くくるとは思って無かったよ。 だからボクがそこから去ろうと思う。
君に会えてよかったよ。 色々話もしたね。 君に言われて過去を思い出す事も沢山あった。 意見がぶつかることもあった。 君に会えたことはあのゲームの中で一番の宝物になると思う。
ネットサーフしてて、 そういうゲームでの出会いと別れの話を見ていた。 自然と涙がでてきた。 もう涙を流す事なんてできないと思ってた。 涙なんてもう枯れたはずだったのに、 時間が少しずつ枯れた心を潤していってたのかな。 君のおかげでボクはまた涙を流すことができたよ。
一緒に居たかったけど、 君の事また傷つけるかもしれないし、 嫌われたくもないから、 今はさよならする事にする。
引退はしないけどいつか偶然どこかで会えたら、 その時は笑って話せたらいいね。
その時ボクは、 あなたの心にいるのかな?
ある人と喧嘩をした。 ボクは喧嘩とは思ってないけど、 ちょっとした言い争いのつもりだった。
次の日からその人は来なくなった。 毎日話していたからいきなり居なくなると寂しい。 ネットゲーの世界ではいきなり居なくなるのは珍しい事じゃない。 その人との関係もそのゲームがサービス終了になれば、 それで縁は切れてしまうだろう。 だから少し距離を置いておこう、 いつ居なくなられてもいい様に思っておこうとしていた。 でもこんな形で縁が切れるのは本意じゃない。
一緒にいて楽しいし、 色々話したし、 まだもう少しはそういう関係でいられるのかなって思ってた。
これでもう会えないのかもって思うと寂しい。 ボクはその人の事が好きだったのかな? 居なくなって寂しくてそう思ってるだけなのかな? 今はそれもわからない。
でもできればもう一度話しがしたい。
先週従兄弟の結婚式があった。 幸せそうな二人にそれを祝う人達。
その幸せもいつまでも続くものじゃない。 けどこの二人はきっと今幸せなんだろう。
ボクもそうなりたいと思っていた。 きっと今でもそう思っている。
前に結婚した従兄弟には子供ができていた。 二人目が生まれた人と一人目が生まれた人。 祖母も年を取って前よりも弱々しくなっていた。
確実に時間は流れていたんだな。
町並みも人も景色も月日と共に変わっていく。 でもボクは4年前に取り残されている。 結婚式に行ってふいに現実を突きつけられた感じがした。
そろそろ戻らないとね。
ボクだって幸せになりたい。 小さな幸せでいいからほしい。
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