妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
目次|前のページ|次のページ
2007年12月17日(月) |
『たとえ世界が終わっても』(映) |
【監督:野口照夫 日本】
なにやら不思議な話しです。 夜にも奇妙な物語的な、ファンタジー。 導入部分に自殺サイトというネタを盛り込みながらも、自殺者を出すことなく、重々しくならず、なかなかバランス感のよい監督だなぁと思いました。 笑いのインパクトは若干薄いけど。 笑い部分が、妙田という変な男の言動にまかせっきりなので、主演二人もがんばってお笑いに参加してもよかったような気はしました。 まあ、でもあまりに弾けすぎてもね、うん、基本的にいい話しなので。
妙田のいい加減な写真の撮り方には笑いましたが。 あれ、大森さんのアドリブらしいですけど。 それにしても、妙田、なんだってあんなに監視カメラをつけちゃってるんだろうなぁ。 たぶん、ただの好奇心なんだろうけど、若干キモイよなぁ。
主演の芦名星も、その相手役としてのヤスケンも、なんとも好感が持ててよろしかった。
三部作にしたいらしいですが、残り二部が製作されることを期待して待っています。
【監督:廣木隆一 日本】
馳星周の短編小説『M』をもとにした映画。 馳原作と聞いて、映画『不夜城』の苦い思い出が頭をよぎってちょっとイヤだったのですが、なかなかよろしかったのではないでしょうか。
夫に隠れて出会い系サイトを利用していたところを、ヤクザに脅されて売春を強制される妻と、偶然その事実を知ってしまい、かつての自分の母親を思い出してなんとかその妻を助けようとする青年。 妻の浮気に気づきつつもどうしようもできない夫。
ま、主にこの三つの視点ですが、主役は美元演じる妻と、高良くん演じる新聞配達の青年です。
なかなかよかったと思いますけど、正直私の好みの話しでもないので、なんともつっこんは感想はできないですが、登場人物たちの妄想と回想が入り混じった映像は、廣木監督だなぁという感じがしました。 『ヴァイブレータ』しか見てないけど。
聡子にしろ、稔にしろ、結局相手を一度も見てないというなんたる不毛。 浮気される夫にしても、たぶん、妻のことは見てないに違いない。 ただただみんな、己の妄想の中に生きてる。
稔の子ども時代を演じてた子の、演技がすごい怖くて印象的。 父親刺し殺すシーンが。 人を殺すシーンで、印象的だったのは『CURE』の駐在所の警官が人をおもむろに撃ち殺すというのがあったのですが、それ以来かも。
M同士が夫婦になると不幸だね…という感じでした。 え、そういうことじゃない?
以下、どうでもいい感想。
夫役の大森さんを観に行ったわけですが、眼鏡スーツでありがとう、とそればっかりでした。 上着を脱ぐとか、袖のボタン外すとか、そういう細かい仕種にいちいちときめいていました。 寝顔がかわいいです。 ダッフルコートもかわいいです。 終始、こんな可愛い夫がいて何が不満だ!と思いました。 一回くらい夫と寝ろよ!と思いました。
田口トモロヲが、エロイヤクザでよかったです。大層。
|