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2014年05月04日(日) |
集団的自衛権関連の続き。たぶん、多くの人が安保条約を勘違いしています。 |
◆日本の集団的自衛権行使を「合憲」と解釈変更しても意味が無い理由。
多くの人は、集団的自衛権を行使出来るようにして、もしもアメリカが攻撃を受けた際に
日本が知らんふりをしていたら、日本の有事の際(はっきりいえば北朝鮮が攻撃してきたときに)
アメリカは日本を守ってくれないのではないか?という思惑があるのだと思いますが、
そうだとすれば、ハナから間違っています。
日米安全保障条約、正式には、
日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約
ですが、最初から最後までよく読むと、米国が有事の際に日本を「守る」という意味の具体的な文言はありません。
しいて関係があるとすれば、第五条。
第五条 各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、
自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて
共通の危険に対処するように行動することを宣言する。
アメリカの本音。出来れば鳴るべく面倒に巻き込まれないように、このような文言にしてあるのです。
「各締約国」とは日本か米国ですが、無条件で、日本を助けるのではありません。
自国の憲法の規定及び手続きに従って
という、条件付きです。
アメリカ合衆国憲法を読みますと、アメリカの軍隊が戦争を始めるのは大統領の鶴の一声では
ダメで、連邦議会の決議がいるのですそれは合衆国憲法1条8節11項に連邦議会の「宣戦布告権」として定められています。
別に「戦争権限法」という法律があり、大統領がまず軍隊を動かす命令を発することは出来ますが、
60日以内に連邦議会がこれを承認しなかったら、軍隊は出動出来ないのです。
ややこしいので要点を繰り返すと要するに、アメリカが有事の際に日本を守るために軍隊を動かすとしても、
在日米軍の最高司令官に指揮権が委譲されているのではなく、「本国で」「議会が国益に合致すると認めて」
初めて、ゴーサインを出し、それからアメリカの陸海空軍は動くと。
そんなことで、その間に北朝鮮からボカスカミサイル打ち込まれたら、もう日本は消滅してしまうでしょ?
有事の際のアメリカの助けを期待するというのは、これほど無意味なことです。しかも助けるとは限らない。
アメリカの議会が「ほっとけばいいよ」と決議したら、何もしません。
◆まとめと結論。
説明が下手なので、もう一度まとめます。
日米安保条約をよく読むと、アメリカは日本が攻められたら、自動的に助けるのではない。議会の承認が必要。
アメリカ人が、軍隊を日本の為に動かす決定をするか否かは、義理人情ではなく、アメリカの国益に合致する、
と連邦議会と大統領が判断した場合だけです。
だから、いざというとき。日本が攻撃されたときに「アメリカに守って貰えるように」という意図で、
日本がアメリカの為に集団的自衛権の発動を合憲である、と解釈変更するのは、バカに等しい。
昨日も書いたとおり、国家間の関係を擬人化し、単純化した図式で考えてはいけません。
集団的自衛権が違憲である、という現在の公式見解を変更する必然性は全くありません。
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