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2014年01月25日(土) |
【追悼】クラウディオ・アバド。すみません。パソコンでトラブりました。 |
◆早くアバド追悼特集を組みたかったのですが・・・
クラウディオ・アバドの訃報に接した20日(月)、私はかなり速く見つけたと思うのです。
追悼特集を早速組もうと夜12時前に風呂に入り、その直前まで何も異常が無かったし、
パソコンの本体を机から落っことすとか、水をこぼすとか停電があったとか、思い当たるフシはないし、
セキュリティ・ソフトも最新バージョンで、何かウィルスに感染したということでもなさそうです。
とにかく何故か分からんけど、ネット接続→プロパティ→「詳細状況」を見ると、
LANドライバが壊れているようだったのです。
一晩待てば良かったかもしれません。
私の住んでいるマンションはマンション専門のブロードバンドサービスに入っていて、
もしかすると、そのサーバーのメンテナンスの所為だったのかも知れないから、なのですが、
このパソコンは仕事にも必要なので、本当に修復不可能なら、多少カネがかかろうが、PCを買い替えなければなりません。
テンパった私はOS(Windows7)の再インストールを実行しました。
こいういうのが、周りに、パソコンが詳しい人間がまったくおらず、40歳ごろから
「独学」でパソコンを使い、ネットに接続している人間の弱みです。
理屈がわからないまま、「なんとなく」使っている、科学技術はその為にあるもので、
電話で何故通話が可能なのか、テレビは何故離れているものが映るのか、説明しろ、とか
自動車の内燃機関(エンジン)や変速装置の仕組みを図面でかけるか?といったら
殆どの人はできないけど、「何となく」つかっていますが、発明されてから歴史があるので、
技術的に安定してます。PCも随分歴史はあるとはいえ、個人で使うのが本格化したのは、
20年前ぐらいではないでしょうか。非常にトラブルが多いシステムや装置を使うとき、理屈をしらないと
全くお手上げです。少なくとも私は、パソコンで異常が起きると、過剰に反応してしまいます。
それは、さておき、過去に何度か経験しているので、大事なデータのバックアップはとってあったのですが、
御存知のとおり、一旦、パソコンを初期化するのですから、Windowsアップデート(月例更新)だけでも
200件以上あったり、いちいちソフトを再インストールしなければならず、
そちらに時間とエネルギーを注入したため、ブログの更新どころではなくなってしまいました。
悪しからず。
◆最初にアバドを見たときは、まるで「アホ」のようだったのです。
遅れてしまいましたが、とにかく昨年は、我が敬愛するサヴァリッシュ先生。
今年はアバド。カラヤンやバーンスタインはとっくの昔。仕方が無いですが、
やはり寂しいものです。
アバドがまだ、デビューしてそれほど、キャリアを積んでいない頃。
正確な年はわすれましたが、多分、ベームの副指揮者としてウィーン・フィルと来日したのを
見たのが、私にとっては、「最初のアバド」でした。
そのときは、後年の姿しか知らない若い方には想像もできないでしょうが、
私には、全然、才能豊かな音楽家には見えませんでした。そもそもウィーン・フィルを振れていることすら
不思議なほど、口をバカみたいに半開きにしたまま、両手で延々と2拍子を振る。
あれは、何と言ったらいいのか、ラジオ体操というか、ヒンズー・スクワットの足の動きを
取り除いたような(分かりますか?)両手を同時にブラブラと振っているだけで、
後年の、あの、指揮棒を殆ど握らない、フラフラのまま持つ、独特の棒で、しかし、
美しく、オーケストラに何かを強制しない。
カラヤンがよく言っていたとおり、オーケストラを「ドライブ」しようとしてはダメなのです。
カラヤンは自家用飛行機の操縦をしましたが、飛行機の教官に最初に言われたのは、
あなたにとって、一番大切なことは、飛行機が飛ぼうとするのをじゃましないことだ。
ということだそうです。ちょっとアバドから、話がそれますが、この話は、
音楽に関して素人ではあるけれども大変クラシックが好きな、作家の赤川次郎氏が以前、「音楽の友」での対談コーナーを
持っていて、それが一冊の本になっています。
赤川次郎のばっくすてえじトーク―クラシック、14人の音楽家
そのときに、アバド時代のつまり、まだ現役のベルリン・フィル、第一コンサートマスターだった、安永徹氏との対談があり、
その回に話題になったのですが、飛行機の教官のエピソードを赤川次郎氏が話したら、
コンサートマスターの安永さんは、間髪をいれず、
それは、極意ですね。核心を突いてますね。
と、大いに同感の様子で、岩城宏之さんもカラヤンから
「オーケストラをドライブしようとせず、キャリーするのだ」
と、いわれたそうで、それが全てではないにしても、指揮者としてかなり大事なことらしいのです。
そして、私が見る限り、アバドの指揮はその理想に非常に近いのではないか、という気がいたします。
何とも難しい境地で、私にも観念的にしか、わかりません。
オーケストラが弾こうとするのを邪魔をするな、といっても、極端な話それでは、
指揮者は、なにもしないで、指揮台にたっているだけでいいのか?ということになり、
指揮者がその音楽を通して表現したい何かを、いつの間にかオーケストラが
その意に沿って弾いている、ということであるとすれば、アバドは理想的に見えました。
◆取り急ぎ。アバドはレパートリーが広く、伴奏も上手かったのです。バッハから。
遅くなりましたが、追悼特集をします。
ベルリンフィルの首席指揮者だった頃は、やはり、あのオーケストラは、難しい曲をバリバリ弾くのを
世界中の聴衆が期待するので、今では、昔ながらの「泰西名曲」を演奏する機会は少ないし、
クラウディオ・アバドとベルリン・フィルのバッハとか、私は知りません。
しかし、アバドもカラヤンも実は、バッハとか演りたかったとおもいます。
それも、「マタイ受難曲」とか「ロ短調ミサ」のような大がかりなのではない作品。
カラヤンがチェンバロ弾き振りしてブランデンブルクの3番を演奏している映像がありましたが、
今は、アバドの追悼です。
ブランデンブルクのDVDなんてあまりないので、却って面白い。全曲はいってます。
この輸入盤DVD、J.S.Bach: Brandenburg Concertos No.1-No.6お薦めです。
この中から、第2番。トランペット変な形ですが、ピッコロトランペット、と言います。
普通は、ピッコロトランペットでも管が巻いてあるのですが、これは直線だというだけです。
この「巻き方」の形は、ラッパの音に影響がないのです。音色に影響がでるのは、
トランペットとコルネットを比べるとわかるのですが、トランペットが先まで比較的一定の太さ
なのに対して、コルネットとかフリューゲルホーンという、大雑把にいうと「ホルン」に近い楽器群は、
管が「円錐系」といって、トランペットよりも「手前から」太くなる。その太くなり具合の違いが
音色の違いになります。
とにかくブランデンブルク協奏曲第2番。
◆Bach Brandenburg Concerto No 2 F major BWV 1047 Abbado , Mozart Orchester
上手い人、揃えてますね。これでは、2番しかわかりませんが、
私の好みでは、全曲通して、アバドのテンポ設定が自分の好みとぴったりです。
◆もう少し明日以降、落ちついてまとめますが。アバド=シカゴ交響楽団で管楽器協奏曲集。
クラウディオ・アバドは晩年というか、途中で一度ガンを煩ってから、あまり世界を跳び回らないようになり、
それは、勿論、無理からぬことです。しかし、忘れがちですが、脂ののりきった頃は、ベルリン、ウィーン両フィルなど、
ヨーロッパ大陸の超一流も振るし、ロンドンのオケも振るし(何日後かに、あの叫び声の入った「ボレロ」を乗せます)
アメリカでは、Time誌の年間全米オーケストラランキング(アメリカ人ってなんでもランク付けが好きですね)でずっと1位の
(今は知りません)シカゴ交響楽団とも蜜月関係で、かなり録音も残してます。
その中で、アバド=シカゴでグラモフォンが既に珍しく、
しかもシカゴ交響楽団の管楽器の名手達をソリストのした管楽器協奏曲集(トランペット、ホルン、オーボエ、ファゴット)
を録音してます。なんと、ありました。
シカゴ交響楽団の首席奏者たち
かつて、国内盤で売られていた頃のジャケットです。
そのなかから、シカゴの首席トランペット奏者をなんと半世紀務め、
オーケストラ・トランペット奏者の間で神様のように尊敬された、アドルフ・ハーセスによる
ハイドンのトランペット協奏曲。その伴奏がアバドです。伴奏出来ない指揮者って結構いるのですが。
アバドは上手いです。
◆ハイドン:トランペット協奏曲 変ホ長調 第1楽章(ソロ=アドルフ・ハーセス)
ハイドン:トランペット協奏曲第1楽章
◆ハイドン:トランペット協奏曲 変ホ長調 第2楽章
ハイドン:トランペット協奏曲第2楽
◆ハイドン:トランペット協奏曲 変ホ長調 第3楽章
ハイドン:トランペット協奏曲 変ホ長調 第3楽章
曲自体は、それぞれの楽器を専攻する音大生や、アマチュアにとっては、別に珍しいもおではありませんが、
このクラスのオーケストラが、自分達のメンバーだけをソリストにして、しかも管楽器ですね。
このような録音を商品にしている例というのは、他に無いと思います。アバドの提案だそうです。
天下国家を論じる場でもあいますが、パソコン復旧でホッとしたのと、アバドは無視できませんから、
しばらくこの話が続くか、或いは頻出すると思います。
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