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2012年03月11日(日) |
「震災から1年」報道各社特集、強制的リマインダーとしては機能したであろう。 |
◆マスコミ各社どこかしこも「震災から1年」でキリがないので。
キリがないので、今日は、特定の記事を掲載しない。
あまりにも全ての新聞、テレビ、ネットメディア、その他が、
東日本大震災から一年経った今日、各地で追悼行事が行われました。
と報じていた。
中には、意図的に悲劇性を演出しているような番組も多く、それは不愉快だったが、
流石に今日、東日本大震災を取り上げない訳にはいかないだろうし、
不愉快分を差し引いてもやはり、「震災から1年」があらゆるメディアに溢れたことは、
それなりに意味があったと思われる。
◆あまりにも多くの「非被災者」が地震を忘れ(ようとし)ている。
小出助教によれば、福島原発の1号炉など、核燃料がメルトスルーしてしまった
ので、一体、核燃料がどこにあるのか、どういう状況にあるのか誰にも分からない
という。この核燃料が今この瞬間も環境を汚染しているのだから、これを何とか
固めてしまうとか、しなければならないが、何しろどこにあるのか分からないし、
現場はものすごい被曝環境なので、核燃料の場所探しで長時間人が近寄ることすらできない。
それに加えて4号炉には使用済み核燃料プールがあるが、これの補強が十分ではない。
今は、どうやら冷却水の中に核燃料が浸かっているが、もし、大きい余震などにより、
使用済み核燃料プールにヒビが入り、冷却水が一挙にうしなわれたら、使用済み核燃料が
自らの崩壊熱で溶け出し、場合によっては、爆発するかもしれないそうだ。
そうなったら、もう、本当に東京都民が全員避難しなければならないかも知れない、
というほど、危険な状態なのに、それを伝えるのは毎日放送ラジオ報道・情報番組の
「たね蒔きジャーナル」だけである。
私の東京の勤め先の様子をみても、被災地がどうなっているのだろう?
ということを口にする人が全くいない。仕事場で言わないだけで、実は関心をもっているなら、
気配でわかるものだが、そういう様子はない。ましてや原発で日本に住めなくなるかも知れない
など、考えたくもないから、小出助教の本すら読まない。
小出助教が「たね蒔きジャーナル」で以前話していたが、小出助教の勤務先、
京都大学原子炉実験所は大阪にあるが、小出氏が観察する限り、
大多数の関西人にとって、「たね蒔きジャーナル」のスタッフは別として、
東日本大震災は既に「終わった過去の出来事」と考えているかのようだ、
という。
勿論、中には真剣に考えている人もいるに違いないが、ごく一部だろう。
何ごとも直ぐに忘れる、或いは「忘れたがる」のは日本人に特に顕著な心理的習性である。
その意味では、今日、全てのメディアが「これでもか」というほど、被災地の今の様子、
被災者の状況、気持ちを伝え続けたのは、日本人全員に、まだあの震災は
終わっていないことを強制的に意識させる「リマインダー」(思い出させるもの)としては
有効だったろう。
◆NHK、「3月11日のマーラー」は白眉であった。
被災地、被災者の話ではなく、秀逸なドキュメンタリーは、3月10日(土)、
23時からNHK総合で放送された、「3月11日のマーラー」だろう。
震災当日、コンサートの多くは中止となったが、敢えて実行したのは、
新日本フィルハーモニー交響楽団だった。プログラムは葬送行進曲で始まる
マーラーの交響曲第5番だった。
再放送がきっとあると思うが、今は分からない。
NHKオンデマンド | 3月11日のマーラーでは、今すぐに見られる。
そこに書いてある「番組概要」。
2011年3月11日、多くの音楽会が中止される中、新日本フィルの定期演奏会は決行された。演奏されたのは、マーラーの交響曲第5番。
世界的な指揮者ハーディングがタクトを振った。葬送行進曲に始まり、壮大なフィナーレに至る70分の演奏会。
悲しみ・祈り・希望・深い感情が込められ結晶となり、94人のオーケストラ、
105人の観客、誰もが忘れられないものとなった。
残された記録映像をもとに、奇跡の夜を再現する。語り(語り手) : 袴田吉彦
マーラーの5番はトランペット・ソロで始まる。この極限的な状況。
東京でも余震が続いていて、もしかすると、天上から何かが落下して命に関わったかも知れない。
しかし、首席トランペット奏者・服部孝也さんのソロはあまりにも見事だった。
本当は映像の一部だけでもアップしたいが、絶対に削除要求がNHKからくるのは明らかなので、
ほんの一部、プレーヤー、事務方などへのインタビューを交えた音声をお聴き頂きたい。
3月11日のマーラー
3月11日のマーラー
文字通り、「命をかけた演奏」である。
ソロの後のコメントは、コンマスの崔 文洙(チェ・ムンス)さん、服部さん、事務局・五島励二さん、
最後はヴィオラの醍醐紀子さん、である。
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2011年03月11日(金) 【東北地方太平洋沖地震】現実がにわかに信じられません。
2010年03月11日(木) 「坂本龍一さんら19人、芸術選奨大臣賞に」←どうして安永徹さんや土屋邦雄さんは、何も表彰されないのか。
2009年03月11日(水) 「キム元死刑囚 拉致家族と面会」麻生首相「よかったじゃないですか」←「よかったじゃないですか」じゃ、ないでしょ?
2008年03月11日(火) 「鳥肌が立つ」のは、気持ちが悪い時に使う表現である。日本語あれこれ。/【追加】ベルリン・フィルの「ティコ・ティコ」
2007年03月11日(日) 「米国産牛肉『月齢不問』 国際獣疫事務局、自由に貿易可能と認定」←米国が「OIEが内定した」と勝手に発表しているのだ。
2006年03月11日(土) 情報流出:小泉首相、管理の不備批判「守秘義務が甘い!」←総理、気が付くまで1年半かかりましたか。
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