JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆若き、圧倒的な才能。 金子三勇士氏は、1989年9月22日生まれだそうですから、つい先日21歳になったばかりで、 ◆私は昨年11月に、生で聴いたことがあります。 これば、日記・ブログに書きましたが、昨年11月ドイツの超一流オーケストラ、 バイエルン放送響が来日したのですが、以前から東京音大とバイエルン放送響は親交(?)があり、 バイエルンのメンバーが、来日公演の合間に、東京音大に来て、 メンバー(プレイヤー)による、室内楽の指導があり、また東京音大オケを 現在のバイエルン放送響の指揮者、マリス・ヤンソンス氏が指導する(ベルリーズの「幻想」の終楽章) 「公開リハーサル」があり、最後にはバイエルン放送響のメンバーと東京音大の学生による、 室内楽の演奏がありました。日記・ブログにも書きました。 2009年11月15日(日) マリス・ヤンソンスのリハーサルを見学する幸運に恵まれました。 (ココログ) この時、東京音大の学生とバイエルン放送響のメンバーとの室内楽がありました。↓ ![]() ご覧の通り、金子三勇士氏はドヴォルザークのピアノ五重奏曲でバイエルン超ベテランの音楽家と 合奏したのです。この弦楽四重奏は、第1ヴィオリンがバイエルン放送響のコンサートマスター。 第2ヴァイオリンの水嶋愛子さんは、1976年にこのオーケストラに入団したそうですから、 34年も弾いている超ベテラン。ヴィオラもオーケストラでは首席奏者。という面子です。 金子氏はこんな「大先生」たちと弾いた訳です。演奏を聴いてつくづく感心したのですが、 この時、金子三勇士氏のピアノは、大ベテランたちと、音楽的な表現力、存在感において、 完全に対等であったということです。されにピアノの学生は(少なくとも日本で習った人は)、 合奏をした経験が乏しい。ピアノってのは(それが便利なんですけど)、すごく大雑把に言うと、 一人で「合奏」出来てしまう。右手がメロディーを弾き、左手が伴奏をする。だから、 アンサンブルということに不慣れな人が多いですが、若干20歳の金子氏は、余裕で弦楽器奏者を 聴いて、見ながら(合奏は音だけではなく、目で例えば弦楽器奏者の弓の動きをみて)合わせていました。 自分が出過ぎては(音が弦楽器よりも聞こえては)まずいところは抑えるし、ピアノが主体で、 弦楽四重奏がその伴奏をするような所では、ちゃんと弾き方を変えて、ピアノが聴衆に良く聞こえるように 弾く。大したものだ、と思いました。
金子三勇士氏は、3週間前に、群馬交響楽団のソリストに招かれ、ショパンのピアノ協奏曲第1番を ◆少しだけ聴いて下さい。 金子三勇士氏のデビューCD、Miyuji plays Liszt は、今日(1日)発売でしたが、予約していた人が多かったようです。 ハンガリー狂詩曲第2番より。 Hungarian Rhapsody No.2 excerpt. かなり強い音が出ていますが、力に頼って大きな音を出すのではなくて、 楽器(ピアノ)が鳴りきっている。そういう弾き方です。どのようなフォルティッシモであっても、 決して音は濁らず美しく保たれ、タッチも絶対に荒れません。これは凄いことです。 それから、曲全体を見据えた上での「構成力」が素晴らしいのです。この曲は山がいくつもあり、 最大のクライマックスがあります。全体像を頭に描いた上で、音量(の変化)やテンポ(の変化)を 「設計」しないと、演奏効果が減衰してしまいます。極端に言えばずっと大きな音で同じようなテンポで 弾いたら(仮定上の話で実際にそんなピアニストはいませんが)、クライマックスがクライマックスでは 無くなってしまいます。金子氏は十二分に心得て弾いておられます。全曲を聴くと、「血湧き肉躍り」、 興奮で身がよじれるほどです。 最後。これだけ、ちょっとご容赦頂いて、一曲全体を。 ラ・カンパネラ La Campanella お聴きのとおりで、私が余計な言葉を書き足す必要はない、と思います。これこそ「ラ・カンパネラ」です。 最初に書き忘れましたけれど、金子三勇士氏は、母君がハンガリー人(父上は日本人)であることも あって、若干6歳からハンガリーに留学し、祖母上のお宅に住み、ハンガリーの小学校に通い、 飛び級で11歳にして国立リスト音楽院大学ピアノ科に入学。2006年(16歳)ピアノ科全課程修了とともに日本に帰国。 東京音楽大学付属高等学校2年に編入したのです。帰国直後は日本語はたどたどしかったそうですが、現在21歳になったばかり ですが、驚くほど美しい正確な日本語を話します(先日NHK FMに出演し、アナウンサーのインタビューに答えていたのです)。 勿論、ハンガリー語は小学生から10年間生活していたので、ネイティブ同様です。 言語のことはさておき、彼がデビューCDを、オール・リスト(Liszt)プログラムにしたのは、 そのようなバックグラウンドが大きく影響しているのですね。 とにかく類い希なる才能です。 是非、お聴きになることをおすすめします。10月30日にはトッパンホールで、 CDリリース記念リサイタルがあります。幸いまだチケットに余裕あり、 と、2010年10月02日(土)09時21分時点では表示されています。 私は既に入手済です。勿論、それぞれのご都合がおありでしょうが、僭越な物言いですけれど、 私が、自分のブログでコンサート(リサイタルですけど)をお薦めするのは8年半、日記を書いていて、 初めてではないかと思います。素晴らしい才能を目の当たりにするということは、非常な喜びです。 それでは、皆様良い週末をお過ごし下さい。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2009年10月01日(木) 原則的に私事は書かないのですが、甚だ恐縮乍ら、年に一度か二度の自慢話。 |