JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆偶然ですけど、4歳違いで、同じ年齢で亡くなっています。 音楽年表を見て、ウィキペディアで調べて、驚きました。 それが、どうした? と言われると、実も蓋も無いのですが、偶然とはいえ、面白いです。 二人の共通点は、N響と縁があったことです。勿論、岩城さんの方が遙かに長いけれども。 二人の生前の映像をYouTubeで発見したので、ご紹介します。 ◆1960年11月、岩城宏之指揮、NHK交響楽団、外山雄三作曲「管弦楽の為のラプソディ」 1960年11月ということは、私は生後3ヶ月でしたが、そんなことはどうでも良い。 68日間で、12カ国(インド→ソ連→スイス→オーストリア→チェコスロヴァキア→ポーランド→西ドイツ→イタリア→ユーゴスラビア→イギリス→フランス→アメリカ)24都市で公演を行った。 当時としては非常な、英断というか冒険です。日本人が西洋音楽を演奏する、などということを 想像だにしなかった西洋人の方が多かっただろうと思います。 しかも、指揮者の岩城宏之さんも、指揮者・作曲家の外山雄三さんも、N響の「指揮研究員」ですから、 当然、世界的には全く無名。西洋音楽を東洋のオーケストラが西洋で、演奏する初めての出来事でした。 私とて、前述のとおり、生まれたばかりでしたから、後から知ったのですが、この1960年のN響の海外公演で、 西洋人たちは大袈裟ではなく、「驚嘆し」ました。 極東の島国にこれほど優秀なオーケストラがあったのか! という、初歩的感動です。考えてみると凄いことです。明治元年は1868年。西洋音楽の勉強を日本人が本格的に 始めるのはもう少し後ですから、1960年の時点では、西洋音楽を輸入して、100年経っていないのです。 それなのに、西洋人を驚かせるほどのオーケストラができたいた。日本人はやはり「とてつもない」のかもしれません。 さて、この世界一周演奏旅行の際、アンコール用に外山雄三氏が日本の民謡を色々取り入れて、見事なオーケストレーションを 施して作曲したのが、「管弦楽のためのラプソディ」です。 YouTubeで1960年11月10日に、岩城宏之さんが昔のNHKホール(内幸町にありました)で演奏した映像がありました。 演奏旅行から帰国してすぐです。当然ながら岩城宏之さんの若いこと。N響の懐かしい人々の姿。 ご覧下さい。 管弦楽のためのラプソディ(外山雄三) Rhapsody for Orchestra(Yuzo Toyama) ホルンの千葉馨さんとかね。サブ・コンサート・マスターは、海野義男さんでしょう。 最後、八木節でどんちゃん騒ぎになる前、信濃追分をフルートが吹きます。 長いソロですが、吉田雅夫先生といって、今のフルート奏者達の先生の先生(の先生)ぐらいの方です。
どうだ!これからお前らに本物のチャイコフスキーを聴かせてやる。 という感じでした。良く覚えてますが、旧ソ連政府には気に入られていたらしく、肩書きがまたすごいのです。 ソヴィエト社会主義共和国連邦功労芸術家、社会主義英雄 でした。 しかし、人は見かけによらないものです。後年(1993年〜2000年)何度か来日してN響を指揮しましたが、 N響のプレイヤー達の評判は非常に良いのです。既に退職されましたが、30年も第1ヴァイオリンで弾いて おられた鶴我裕子さんが、著書「バイオリニストは肩が凝る」で書いておられます。 124ページ。 スヴェトラーノフが死んだ日 スウィトナー、サヴァリッシュ、マタチッチ、などに比べたら、N響と実際に接した時間は短いけれど 鶴我さんがこれほど絶賛する指揮者は、他には殆どいません。鶴我さんが書いている4番の2楽章を N響で振っている画が欲しかったのですが、あいにく見つかりません。 N響を指揮するようになるよりずっと前だと思いますが、ソヴィエト国立交響楽団で、 チャイコフスキーの交響曲第4番、終楽章を指揮している映像を見つけましたのでご覧下さい。 1985年です。スヴェトラもまだ若い。エネルギーが満ちています。 かなりのテンポですが、ソヴィエト国立交響楽団は乱れませんね。 それから、やはり、ロシアのオーケストラの「馬力」とでも言いましょうか。 すごい迫力。チャイコフスキーの交響曲第4番、終楽章です。 Tchaikovsky Symphony No.4 (4) - Sveltanov, USSR Symphony 次いで、鶴我さんが書いている、「プリンセス・オブ・ウェールズに捧げます」とスヴェトラが言った、 チャイコフスキーの交響曲第5番2楽章。これは、序奏部に続き長ーいホルン・ソロがあるのです。 綺麗なのですけどね。吹いている方がこれだけ長いと、やはり何度演っても、緊張するのではないでしょうか。 4番の終楽章と同様、燕尾服着てますけどお客さんいないのですね。録音用の演奏と見えます。 Tchaikovsky: Symphony No.5 (Svetlanov) (2nd Movement) 最後はせっかくですから、スヴェトラがN響を振る姿です。 1999年の演奏で、御存知、グリンカの「ルスランとリュドミラ」序曲です。 Glinka Ruslan and Ludmila Overture by Svetlanov, NHK-SO (1999) この曲など何百回指揮したか分からないでしょうに、丁寧な指揮です。 残念ながら、鶴我裕子さんはこの日は降り番(休み)だったようです。 岩城宏之さんのCDは沢山あるのですが、意外にも「管弦楽のためのラプソディ」が見つからない。 外山雄三さんご自身が指揮したのが、外山雄三:オーケストラ作品集1 です。 スヴェトラーノフはCDもDVDも沢山あります。ソヴィエト国立交響楽団来日公演のDVD、 N響でチャイコフスキーの5番を振ったCDもお薦めです。 岩城さんもスヴェトラも、直純さんもヤマカズ(山田一雄)さんも、カラヤンも、みんないなくなってしまって、 仕方ないですけどねえ。寂しいもんですな。 とはいえ、録音が残っているのはうれしいことです。 お薦めします。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2009年09月08日(火) 「<新型インフル>ワクチン接種は2回…自己負担最大8千円」←有識者会議は無料化を要求していた。
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