JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆ジャーマン・ブラスのトランペット奏者、マティアス・ヘフス氏のソロ、アルバムなんですが。 マティアス・ヘフス氏というのは、つい先日、「比較的新譜」をご紹介した、 ◆ナチュラル・トランペットによる、ヘンデル:「メサイア」より「ラッパは鳴り響き」 現代のトランペットは、基本的には3本のバルブで半音階を吹くことができます。 一つの管で、自然倍音といっていくつもの音が出る。高い倍音になると、音階を演奏出来たのです。 しかし、正確に吹くためには天才的な名人芸が必要だったと思います。 マティアス・ヘフス氏がナチュラル・トランペットで、見事に吹いています。 ヘンデル:「メサイア」〜ラッパは鳴り響き("The Trumpet Shall Sound") The Trumpet Shall Sound バッハ・ヘンデルの時代には、こういう楽器を吹く天才的な名人が大勢いたと思われます。 ◆キー・トランペットによるハイドン、トランペット協奏曲。 ナチュラル・トランペットでは、「ドレミファソラシド」は吹けますが、半音が出ません ご覧のとおり、管のあちこちに穴が空いていてそこを開いたり閉じたり、木管楽器に近い発想です。 これが考案されたので、ハイドンのトランペット協奏曲が作曲されたのですが、正直、私も今まで、 キー・トランペットによるハイドンの協奏曲は聴いたことがありませんでした。 現代のトランペットとは、全然原理が違うし、奏法(指づかい)が違うので、大変だと思いますが、 マティアス・ヘフス氏は、器用な人です。驚くほど見事に吹いています。 キー・トランペットによるハイドン、トランペット協奏曲:変ホ長調 第一楽章 アレグロ Haydn Trumpet Concerto in Es dur Allegro(Key trumpet) ヘフス氏が現代のトランペットでハイドンを演奏したのと比較できれば一番違いがわかるのですが、 あいにく、それが無いので、モーリス・アンドレの演奏を参考の為載せます。 モーリス・アンドレ(現代のトランペット)によるハイドン、トランペット協奏曲:変ホ長調 第一楽章 Andre Haydn Trumpet Concerto in Es dur Allegro お聴きの通り、音の切れ、速いパッセージを吹くときの滑らかさが違います。 これは、マティアス・ヘフス氏がヘタクソで、モーリス・アンドレが上手い、ということではなく、 キー・トランペットでは、やはり、まだ今一つ、不便だ、ということで、現代のヴァルブ・システムが考案されたということです。 ヴァルヴ・システムが如何に画期的な発明であるかが、よく分かります。 ◆マルチェルロ:オーボエ協奏曲 アダージョはピッコロ・トランペットとバス・トランペットを吹き分けていました。 つい数日前に書いたばかりですが、 【音楽】ジャーマン・ブラスの比較的新しいアルバム Fascination Bach(ココログ) で、マルチェルロのオーボエ協奏曲 第二楽章(ベニスの愛)をジャーマンブラスが演奏しています。 あの時、実は「あれ?」と思ったのです。 再生開始後18秒付近から、ピッコロトランペットが、美しい旋律を奏でます。 その後、1分18秒付近から、旋律が低音楽器に引き継がれます。この音がトロンボーンのようにきこえるけど、 トロンボーンの音とは、少し違うのです。「???」と思っていましたが、謎が解けました。 同じトラックが、The Trumpet Shall Soundに載っています。 ライナーノーツを読んだら、あの低音(というか中音というか)の楽器は、 バス・トランペットでした。これです。↓ マルチェッロ:オーボエ協奏曲 ニ短調〜アダージョ (ピッコロ・トランペット&バス・トランペット) Marcello Oboe Concerto D moll Adagio 音域的にはトロンボーンと重なるはずで、そうなるとマウスピースはトロンボーンと同じ口径のものを 使う筈で、口径が変わると同じ金管楽器でも勝手が違うので、トランペット奏者には吹けないはずなのですが、 The Trumpet Shall Soundのライナーノーツには、ヘフス氏が持ち替えで吹いている と書いてある。ウーム。普通のトランペットと同じマウスピースで吹けるバス・トランペットがあるのかしら? 兎に角、これはCDなのが勿体ない。DVDで実際に吹いているところを見て見たいです。 楽器の存在はずっと前から知っていましたが、音楽を聴き始めて約40年にして、初めて(録音とはいえ) 本番でナチュラル・トランペット、キー・トランペット、バス・トランペットの音を裸で聴くことが出来ました。 かなりマニアックですが、演奏自体が上手いので、楽器のウンチクに興味が無い方にもお薦めです。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。 ◆【念の為予めご連絡】 明日が勤続25周年休暇最終日なのです。 ああ、JIROは疲れて寝てしまったのだな と、お考え頂きたく、予めお断り致します。図々しいお願いですが、その場合、 更新されていなくても月曜日に清き一票をエンピツに入れて頂けると幸いです。 意外と疲れないで、明日更新するかもしれませんが、最悪の状況を想定し、予め、お詫びしておきます。
2009年03月12日(木) <川崎の医師>講演会で「どんどん吸って早く死んで」←人の発言は文脈全体を知らないと、真意を知ることは出来ない。
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