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2005年12月11日(日) |
みずほ証券ジェイコム株誤注文問題 東証の社長だけ辞めるのは不公平だろう。 |
◆記事1:東証システムにも不具合 鶴島社長が辞意表明
みずほ証券の株大量発注ミス問題で、東京証券取引所の鶴島琢夫社長(67)は11日夜、
緊急記者会見し、みずほが誤発注を取り消せず売買が成立した原因について、
東証の売買システムの不具合が主因だったと明らかにし、引責辞任する考えを示した。
誤った売り注文に気付いたみずほは直後に取り消そうとしたが、
東証のシステムは取り消し指示を、取り消し価格にかかわらず一切受け付けない状態に陥っていた。
東証は損失の一部肩代わりをみずほ側から求められそうだ。
発注ミスで大量の売買が成立したままのジェイコム株について、東証は12日、9日に続き売買を停止した。
株取引の決済を保証する日本証券クリアリング機構は12日に、
みずほ証券が株の買い手に株券でなく現金を払う「強制決済」を正式決定。
13日には市場に残る10万株弱の取引を終了させ事態収拾を図る。
(共同通信) - 12月12日12時54分更新
◆記事2:東証の責任明確化は当然 株発注ミスで官房長官
安倍晋三官房長官は12日の記者会見で、みずほ証券の株大量発注ミスで、
東京証券取引所の売買システムの不具合が混乱拡大の原因になったことについて、
「重大な事態を招いた責任の明確化は行われて当然」と述べ、
東証トップの辞任は避けられないとの認識を示した。
官房長官は、鶴島琢夫東証社長の進退については「社長自身が判断する問題」と述べ、
後任人事については「時期尚早だ」と語った。
また、東証を監督する立場にある金融庁に対しては「事態の正確な解明と正常化、
再発防止に万全を期すよう指示した」と述べた。(共同通信) - 12月12日13時11分更新
◆記事3:1株91万2千円で強制決済=ジェイコム株誤発注で―クリアリング機構
みずほ証券がジェイコム <2462> 株式を大量に誤発注した問題で、
証券取引の決済を担う日本証券クリアリング機構は12日、同株式を買った投資家に対し、
株券の代わりに1株=91万2000円の現金で決済する強制措置の適用を決定した。
(時事通信) - 12月12日20時1分更新
◆記事4:決済安定性確保で大きな決断=ジェイコム株めぐる機構の措置で−みずほ証券
みずほ証券は12日、誤発注問題のジェイコム <2462> 株式について証券取引の決済を担う日本証券クリアリング機構が、
同日、同株式を買った投資家に対し株券の代わりに1株=91万2000円の現金で決済する非常措置の適応を決定したことに対し、
「証券市場の決済における安定性確保の観点から、大きな決断を機動的に実施された」
とのコメントを発表した。 (時事通信) - 12月12日20時1分更新
◆記事5:みずほ証券誤発注:日興など3社がジェイコム株65%保有
日興コーディアル証券など3社がジェイコム株の発行済み株式総数(1万4500株)の
計65.48%を保有していることが、3社が12日に関東財務局に届け出た大量保有報告書で新たに分かった。
これまで野村証券とモルガン・スタンレー・ジャパン・リミテッドが計38.08%を保有していることが分かっており、
5社の保有する株式を合算すると1万5016株で、発行済み株式総数の103.56%にのぼり、
本来あり得ない異常事態がおきている。
毎日新聞(最終更新時間 12月12日 20時55分)
◆コメント:東証の責任もあるが、まず、みずほが間違えたのがいけないのだ。
長い間マーケットを見ている(株ではないが、株も為替も、債券も、デリバティブも互いに無関係ではない)が、こんな事は初めてだ。
ただの一度のミスディールが東京の株式市場を大混乱に陥れたのである。
どのメディアも株の発行体であるジェイコムに全然言及しないが、
上場するまさにその日にこのようなミスをされて気の毒だ。
最初から、自社の株に「ケチがつい」た形になってしまった。
そもそも、事の発端は、間違った注文を出して市場を混乱させたみずほ証券だ。
そのみずほ証券の社長は辞めないのに、東京証券取引所の社長が辞任すると言う。
安倍官房長官もメディアも世論も、東証の責任だけを追及するのは、不公平である。
記事4。みずほ証券のコメント。「証券市場の決済における安定性確保の観点から、大きな決断を機動的に実施された」だと?
何を偉そうに言っているのだ。みずほの所為だぞ。すったもんだしてるのは。
◆日本証券クリアリング機構
日本証券クリアリング機構というのは、証券市場の交通整理係とでも言ったら良かろうか。
株式や先物など売買を効率的に行うため、当事者に代わって、株式や代金の受け渡しを証券会社や銀行に指図する機関である。
証券取引法に基づき各証券取引所がそれぞれ持っていた清算機能を統合して、2003年に設立された組織である。
本日ここが決めたのは、どういうことかというと、ジェイコムが発行した株式は世の中に、1万4,500株しかないのである。
それを、みずほ証券はなんと間違えて、「61万株を1円で売ります」とマーケットに公表してしまった(これが売り注文を出すということだ)。
発行済み株式が14,500株しかないのに、610,000株売ることは原理的に不可能である。
ところが、その多くの架空の株を買うと言う市場参加者が現れて、取引が成立してしまったのである。
成立してしまったが、株はない。
仕方がないから、株の変わりにそのときの株価に迷惑料を上乗せした現金を渡すことにする、と、クリアリング機構が
決定したのである。
みずほ証券は、証券取引法に基づき、クリアリング機構の決定に従わなければならない。
◆汚い世界なのですよ。素人が手を出さない方がいい。
今回は、トラブルを起こしたのがたまたま、みずほ証券だったが、システム設定や体制の不備により、
他の証券会社でも起こりうることなのですよ。
だから、本当は、私が思うのは、 架空の株を買った人々(会社)みんなが、
「いいですよ。間違えたのでしょ?この取引はなかったことにしましょう」と、言ってくれればよいのだが、
株などというのは、人間の欲が渦巻く、ヤクザな世界である。
「間違えた奴が悪いのだ」という世界。誰もそんなことは言わない。
私がムカつくのは、プロの連中である。
記事5をお読みいただきたい。日興、野村、モルガンスタンレー。汚いなあ。
ミニ株をパソコンでチョコマカやっている素人じゃあるまいし、同業の失敗に乗じて、大儲けして喜んでやがる。
くどいようだが、「相場」なんて、こういう世界なんですよ。
素人さんだって、株の売買の時には気をつけることだ。
株数か、指し値を間違えてインプットしたり、損切り出し忘れて、運が悪ければ(相場がアゲンストに動いたら)、
破産ですからね。
2004年12月11日(土) 自衛隊の派遣期間延長が何故、1年間なのか
2003年12月11日(木) <イラク復興事業>日本などに限定へ 米国防総省←小泉さん、商売を取るのが目的でしたか。
2002年12月11日(水) 小柴先生も、田中さんも、凛々しかった。