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2005年09月29日(木) |
企業収益は順調に伸びているが、民間給与は7年連続で減少。 しかし、定率減税廃止 |
◆記事1:企業収益の改善とその日本経済への含意(日銀調査統計局論文より抜粋)
http://www.boj.or.jp/ronbun/05/ron0509a.htm
景気が回復を続ける中、企業の収益は2002年度以降、大幅に増加している。今回の企業収益の改善には、
(1)幅広い業種で収益が高水準になっていること、
(2)固定費が大幅に削減され、その後も総じて抑制されていること、
(3)緩やかな物価下落と増収増益が並存してきたこと、といった特徴がある。
◆記事2:<民間給与>7年連続で減少 景気回復を反映せず
民間企業に勤める人が04年の1年間に得た平均給与は、439万円と前年を5万1000円
(1.1%)下回り、7年連続で減少したことが国税庁の「民間給与実態統計調査」で分かった。
景気回復が給与に反映されていない実態を浮き彫りにした。一方、所得税額は前年を3339億円(3.9%)
上回り、4年ぶりに増加した。
調査によると、昨年1年間を通じて民間企業に勤めた給与所得者は前年から13万人(0.3%)減の
4453万人で3年連続の減少。給与総額も2兆8529億円(1.4%)減の195兆4110億円。
正社員より賃金の安いアルバイト・パートタイマーや転職者の増加などの雇用形態の変化が、
これら減少の背景にあるとみられる。(共同通信)
◆記事3:自己負担の限度額アップへ 高額療養費の定額分見直し (共同通信)
厚生労働省は28日、医療費が高額になった場合に患者の自己負担を抑える仕組みである高
額療養費制度で、自己負担の限度額を引き上げる方向で検討を始めた。年末までに取りまと
める医療制度改革の政府、与党案に盛り込む。上げ幅などは今後検討する。
70歳未満の場合、現行制度では1カ月の医療費から24万1000円を差し引いた額の
1%に7万2300円(定額分)を加えた額を自己負担の限度月額とし、超過分は高額医療費
として保険から支給されるのが原則。
今回はこのうち定額分の引き上げが検討される見通し。2003年度からは保険料の算定に
月収だけでなく賞与の額も反映されており、厚労省はこれまで月収を基準に算定してきた定額分
にも賞与分を反映させるべきだとしている。 - 9月28日20時44分更新
◆記事4:定率減税見直し、来年度税制改正で経済情勢見極めつつ議論=首相 (ロイター)
小泉首相は28日午後、衆院本会議での前原民主党代表による代表質問で、定率減税の見直し
に関する方針を聞かれ、2006年度税制改正で、経済情勢を見極めつつ議論するべきだと答えた。
前原代表は、政府税調は、「2006年度において定率減税を廃止」と答申しているが、自民党の
マニフェストには「政府税調の考え方はとらない」と明記していると指摘。そのうえで、
「国民の誰もが定率減税の廃止はないと確信しているはずだが、谷垣財務相は選挙後に廃止の
方向を打ち出した」として、国民への公約違反、背信行為だと批判した。
これに対し、小泉首相は、定率減税は、暫定的な税負担の軽減措置で、経済情勢に応じて
その規模に応じて見直されるべきだとした。そのうえで、「残り半分については2006年度
税制改正でこれまでの議論を踏まえ、経済情勢を見極めつつ議論するべきだ」と答えた。
谷垣財務相は20日の記者会見で、定率減税の全廃に関して、「これまでの議論も踏まえて、
経済情勢などをきちんと分析して結論を出すべきことだ」と述べた。そのうえで、「全体とすれば、
(景気は)堅調だと思うので、いくつかの不安要因はあるが、大きく言えば、昨年半分廃止した
流れは変わっていないのではないか」と語った。 - 9月28日15時19分更新
◆コメント1:企業収益は増えている。
私は、選挙前、9月7日に【衆院選】自民党が勝利すると、こういうことが起きる。
という文章を書いたけれども、そこで予想、というか、殆ど明らかだったことがやはり起きてしまった。
記事を読めば殆どコメントが不要なぐらいである。
要するに会社の収益(儲け)は増えている。これは、下のグラフでも分かるだろう。
今年になって下がっているではないか、というのは、早とちり。
これは「企業収益の伸び率」である。前年同期に比べて何パーセント増えているか、である。
今年は、ペースが鈍化しているが、それでも、前年比10%以上、儲けは増えている。
◆コメント2:しかし、企業は給料を上げないので、個人所得は減り続けている。
企業収益は2002年頃から増えているのに、サラリーマンなどの所得はずっと減っている。
逆の云い方をすれば、(それだけが要因ではないが)売り上げが増えても、従業員の給料を
上げないから、企業収益が増えているのだ。
◆コメント3:にも関わらず、首相と財務相はサラリーマン増税を実行すると平然と述べている。
だから、【衆院選】自民党が勝利すると、こういうことが起きる。で書いたとおりでしょう?
選挙期間中、小泉首相サラリーマン増税に反対だ、と言っていたが、選挙で勝ったら、サラリーマン増税ではなくて、
「定率減税の廃止」を実行するのだという。同じ事だ。言葉の問題だ。要するに増税だ。そんなの詐欺だ。
財務相もよくもまあ・・・。景気が良いからって、サラリーマンの給料は減り、企業収益は
順調に増えていることなど百も承知のくせに・・・。
◆コメント4:更に高額医療費自己負担が増える。
ただでさえ、所得が減り続けているのに、病人を抱える家計では、増税に加え、医療費の負担が増えるのである。
◆コメント5:法人税減税はそのまま。
9月21日に書いたが、経団連は、来年4月で取りやめる予定だった、法人税減税を引き続き続けるように、与党に要望した。
選挙期間中、奥田経団連会長は、自民党支持を訴えた。
自民党は大企業にその意味で、借りがある。だから、法人税は減税はそのまま続ける。
◆コメント6:予想通りになっている。
要するに、政府のやろうとしていることは、強者に優しく、弱者には冷たい経済政策だ。
こうなることは、選挙前から目に見えていたので、【衆院選】自民党が勝利すると、こういうことが起きる。
を書いたのだが、現実になったのは、誠に残念である。
なお、公務員はどうなっているか。最後に記事を載せる。
選挙前、人事院は、公務員給与を4.8%下げろ、という勧告を出していた。これも嘘だと私は書いた。
◆記事5:国家公務員 年収4000円下げ 人勧完全実施
政府は二十八日の給与関係閣僚会議と閣議で、平成十七年度の国家公務員給与について、
一般職の年収ベースで平均四千円の引き下げとなる人事院勧告の完全実施を決めた。
また十八年度から五年かけ段階的に都市部に手厚く配分するよう給与構造の大幅改正を求めた勧告についても実施を決めた。
開会中の特別国会に関連法案を提出する。
構造改正では、地方で公務員給与が民間の水準を上回っているため、基本給を平均で4・8%引き下げた上で、
民間賃金の高い都市部に勤務する職員には地域手当を支給する。
人件費総額はあまり変えずに配分方法を見直す内容だが、国家公務員に準じて給与改定して
いる地方公務員にも同様の制度が導入されれば、地方では総額削減に直結することから影響は大きい。
そのほか、年功序列的な昇給制度を是正、勤務実績に応じた査定昇給制度なども導入する。
十七年度の給与改定は、月給を0・36%引き下げる一方、期末・勤勉手当(ボーナス)は〇・〇五カ月分増やし、年四・四五カ月とする。
月給の引き下げは二年ぶり。
◆コメント7:年間たったの4000円ですよ。年間ですよ。これが「公務員給与カット」だそうだ。
要するに、月給(基本給)は減らすが、都市部に務める役人には地域手当を創設し、それで補う。
月給は減るが、収入は殆ど減らない。ボーナスは増やすのだそうだ。
因みに、この件に関しても、9月7日に指摘したとおりである。
こんな予想が当たっても嬉しくも何ともない。
今日のニュースを読んでご覧なさい。
小泉首相は「今回の選挙で、自分は郵政民営化のみならず、全ての政策で国民の支持を得た」と豪語している。
もう、「何でもあり」なのだ。
2004年09月29日(水) 「名付けて郵政民営化実現内閣」首相が発足会見 国民に説明しない総理大臣
2003年09月29日(月) 「<北極圏>温暖化で最大の氷床崩壊」環境問題は想像以上に深刻なのです。