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JIROの独断的日記
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2005年06月12日(日)  「新たなBSE感染牛の疑い=英で最終確認へ−米農務省」 ←イギリスに検査を依頼しないとわからないの?

◆記事1:新たなBSE感染牛の疑い=英で最終確認へ−米農務省

 

 【ワシントン10日時事】米農務省は10日、BSE(牛海綿状脳症、狂牛病)に感染した疑いのある牛が一頭発見されたと発表した。

最終的判断のため、同省は検体を英国に送り、厳密な検査を行う。検査結果は数日で明らかになるという。農務省ではこの牛の月齢について「かなり高齢だと聞いている」(報道室)としている。 (時事通信) - 6月11日13時2分更新


◆記事2;<BSE>米で感染疑い牛1頭発見 日本の輸入再開に影響も

 

 【ワシントン木村旬】米農務省は10日、牛海綿状脳症(BSE)に感染した疑いのある牛1頭を発見したと発表した。この牛は既に死んでおり、同省は最終的な確認のため、検体を英国の研究所に送る。数日以内に結果が出る見通しだ。BSE感染牛と確認されれば、米国では03年12月以来、2例目となる。

 米国での最初の感染が確認されて以来、日本は米国産牛の輸入を禁じてきたが、米側は「米国牛は安全」と主張し、日本の食品安全委員会が輸入再開の審議に入っている。しかし、2例目の感染が確認されれば、同委員会の審議にも影響し、輸入再開時期も遅れる可能性がある。

 農務省によると、この牛は感染牛の特徴である正常に歩けない「へたり牛」で、予備的な検査で陽性、1種類目の確認検査では陰性だったが、2種類目の確認検査で再び陽性反応が出たという。会見したジョハンズ米農務長官は「(この牛は)食品として流通していない」と述べたが、同省は牛の年齢や生育地などは公表していない。
 同省は、昨年6月から約37万頭の牛を検査しており、その検査の中で今回の牛が見つかった。

 ◇日本では「クロ」に

 米国農務省が確認検査として実施したのは「免疫組織化学検査」と「ウェスタン・ブロット法」と呼ばれる2種類の方法。いずれも、日本でもBSEの確認検査に使われている。日本では、どちらかの検査で陽性となった牛は、BSEとして扱われてきた。

 日本政府の食品安全委員会は今後、米国からの牛肉輸入再開について、安全性を検討する。米国内でBSEがどれだけ広がっているかは、検討の重要な材料になるとみられる。米国で2頭目のBSE牛が出れば、検討結果に影響を与える可能性がある。(毎日新聞) - 6月11日13時2分更新


◆記事3:(昨年7月13日付)米、危険牛の76%は未検査・農務省監察官報告書

 

 【ワシントン13日共同】昨年末に初の牛海綿状脳症(BSE)が確認された米国で、2002会計年度(01年10月―02年9月)からの約2年間に中枢神経障害の兆候が表れ処分された牛680頭のうち、約76%に当たる518頭がBSE検査を受けていなかったことが13日、農務省監察官が議会下院へ提出した報告書案で明らかになった。

 神経障害の兆候がある牛はBSE感染の恐れがあるため、「危険度の高い牛」の相当数が検査されず感染が見過ごされていた可能性がある。農務省は、米国でBSEが広がっている可能性は低いとしてきたが、報告書案は「(政府の)主張の信頼性を低下させる」と指摘した。


◆記事4:元米農務省検査官「米のBSE隠し、99.9%確信」

 

 【ワシントン=吉田透】米農務省の元食肉検査官だったレスター・フリードランダー氏は12日、カナダ下院の公聴会での証言で、同省が米国内で新たなBSE(牛海綿状脳症)の牛を見つけながら秘匿していることを「99.9%確信している」と述べた。

 ジョハンズ米農務長官は同日、記者団に対して「(フリードランダー氏の告発は)真実ではない」と全面否定。どういう動機で事実と違う主張をするのか理解できないと指摘した。(2005年4月13日 日経)


◆コメント1:米国でBSEが発見されたのはこれが「2頭目」なのだそうだ。いい加減にしろよな。

 

 アメリカは世界最大の牛肉供給国でありながら、1986年に英国で初めてBSE(牛海綿状脳症)が発見された後も、全然、これを重大視せずほったらかしにした。

 アメリカにおける畜産業は、日本人のそれに比べ、管理の精度が信頼できない。

 何しろ、個体別に管理していないのである。

 日本は全ての牛がいつ、何処で生まれたか、記録されているが、アメリカ人にそういう几帳面さはない。

 牛の月齢が分からないのに、「生後20ヶ月未満の牛はBSE検査の対象から除外しよう」と主張するのだ。

 一体、アメリカ人はどういう頭の構造をしているのか。

 すでにクロイツフェルト=ヤコブ病に脳を冒されている人間が半分ぐらいいるのではないか、と皮肉のひとつも言いたくなる。

 アメリカで今回BSEの疑いのある牛が発見され、そうだとしたら、アメリカでは2頭目なのだそうだ。


◆コメント2:日本ですら、2001年10月から昨日までに20頭のBSE感染牛が見つかっているのですよ。

 

 日本の旧厚生省も1986年に英国で初めてBSEが発見され、1995年には、BSEと人間のクロツフェルト・ヤコブ症候群との因果関係が疑われ出したのに、2001年の1月までは、英国産の肉骨粉がBSEの感染源で危険だと知りつつ、禁輸措置をとらなかった。

 だから、日本の食品衛生管理行政も、お粗末と言わざるを得ず、あまり偉そうなことは言えない。

 それでも、2001年10月から、食肉牛の全頭検査を開始し、約1ヶ月後2001年11月21日に、日本初の感染例が北海道の猿払(さるふつ)町の酪農家が育てた5歳の牛でみつかった。

 それ以来、今月は6月2日にBSE19頭目を確定診断。今月はたまたま続いたが、6月6日には、BSE20頭目を確定診断された。


◆コメント3:アメリカと日本の牛肉生産量

 

 アメリカの年間牛肉生産量は、約1200万トンで、日本は多くても40万トンである。

 アメリカは日本の30倍の牛肉を生産していて、しかも、BSEに関して特別な対策も取っていなかったのに、過去から、現在までにたった2頭しかBSEに感染していなかったというのは、常識的に判断して、少なすぎる。


◆コメント4:アメリカは感染牛を発見しても秘匿している、と元アメリカの食肉検査官が証言している。

 

 記事3と4は、なかなか、すごい。

 要するに、アメリカは、狂牛病特有の中枢神経症状(脚がふらついて、まともに歩行が出来ない、など、見て明らかな症状)が出ている牛ですら、四分の三は検査しないのだそうだ。

 それに加えて、元食肉検査官の証言によれば、BSE感染が判明しても、匿しているらしい。

 そういう牛肉を、アメリカは日本に対して「米国牛肉は安全だ」といって、輸入を再開しろと迫っているのだ。

 一体、どこまで悪党なんだ。アメ公ってのは。


◆コメント5:アメリカは自分でBSEの判定が出来ないのだ。

 

それに加えて、あきれるのは、アメリカは独自でBSE感染牛肉かどうかの判断が出来ないことが判明したことである。

 冒頭に引用した記事1の見出しを 読んで下さい。
 

「新たなBSE感染牛の疑い=英で最終確認へ−米農務省」

 へー。アメリカってBSEの最終判定をイギリスに頼むんだ?

 ノーベル賞学者が200人もいる国だが、間抜けな話だ。
 これは、アメリカが、如何に食品衛生関連の研究を軽視し、技術(検査法とかね)開発を行っていなかったのか、を物語っている。


◆コメント6:日本が輸入を再開しないと、米国の畜産業が困窮する、というのも、ウソだ。

 

日本が米国産牛肉の最大の輸入国だった(2003年12月から禁輸)ことは確かだ。

 アメリカの牛肉輸出量全体の36%に相当する42万トンを輸入していたのである。

 しかし、その42万トンはたいした量ではない。

 コメント3で書いたとおり、アメリカの年間牛肉生産量は約1,200万トンである。

 日本の輸入量42万トンは、全体の3.5%を占めるに過ぎない。
 あとは、国内市場で売るか、他の国への輸出しているのだ。日本の3.5%など、微々たるものではないか。

 仮に、日本の輸入が永久になくなっても、全く問題無いはずだ。


◆結論:アメリカ牛肉を輸入してはならない。

 

アメリカは、

 


  • 牛肉をまともに検査せず、あるいは、検査する技術が不十分である。

  •  アメリカは、実際にはBSE感染牛がいたのに、それを匿して、「米国の牛肉は安全だ」と嘘をついている。

  •  アメリカの牛肉の輸入を再開しなくても、アメリカの食肉業界が困ることはないし、仮に困ったとしても、それは、いい加減な食品管理をしてきたアメリカ自身の責任であり、日本の知ったことではない。


 よって、一体、どれぐらいBSEが蔓延しているか実態が不明で、危険極まりない米国産牛肉は、いくら米国政府の圧力を受けても、輸入を再開するべきではない。


2004年06月12日(土) 「だがなあ、アリマ。本当はこの右腕一本だけなんだよ」 (ヘルベルト・フォン・カラヤン) 帝王の孤独。
2003年06月12日(木) 「大量破壊兵器が発見されなかったら、首相は世界に向けて、国民に対して謝りますか?」(菅直人氏) 誠に適切な質問である

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