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2004年04月14日(水) |
「アンマン対策本部混迷、3邦人人質『情報少ない』」「イラク拘束・不明者17カ国56人超に」そりゃ、情報が少ないわけだよ。 |
◆記事1:アンマン対策本部混迷、3邦人人質「情報少ない」
イラク日本人人質事件が未解決のまま7日目に入った14日、政府の現地緊急対策本部が設置されたヨルダンの首都アンマンでも、関係者の間で焦りの色が濃くなっている。
3人が拘束されたとみられるファルージャ近郊まで東京―札幌程度の距離に過ぎないが、あまりの情報不足に、「世界中が注視しているのに、これでは何も伝えられない」と抗議の声をあげる欧米メディアも。「情報を隠しているわけではない。情報そのものが少なすぎる」。現地の政府関係者の1人はそう漏らした。
アンマンの日本大使館1階の広間で、毎日午前10時(日本時間午後4時)から開かれている対策本部の定例会見。「日本政府は、人質の居場所を特定しているのか」「3人の安否は本当に確認しているのか」 50人を超える報道陣の矢継ぎ早の質問に対し、本部長を務める逢沢一郎外務副大臣が、「全力で、3人の解放に向けた努力をしているところです」と、同じせりふで答えるやりとりが何度も繰り返されている。
「国民の大きな心配事なのだから、抽象的な言葉ではなく、具体的な進展状況を教えてほしい」厳しい口調でそんな質問をする記者もいるが、逢沢副大臣は困惑した表情で、言葉を濁すだけだ。
日本大使館には、日本の報道陣のほかにも、AFPやAP、地元ヨルダン紙など欧米やアラブの通信社などの記者も詰めかけており、内容に乏しい副大臣の説明とともに、日本語で行われている会見についても、批判が高まっている。
「今回の事件は、世界中の人々が注視している。しかし、日本語だけで会見が進められれば、いったいどんなやりとりがされているのかわからない。通訳をつけてほしい」
12日の会見終了後には、ヨルダン駐在の欧米通信社の女性記者が、日本大使館職員に詰め寄って抗議した。こうした押し問答が毎回のように続いている。(読売新聞)[4月14日14時45分更新]
◆記事2:イラク拘束・不明者17カ国56人超に
イラクで武装集団による外国人拘束が拡大している。4月に入り行方不明や人質になった民間外国人は少なくとも17カ国、計56人。国籍や職業にかかわらず拉致の「標的」とされる半面、うち約6割の解放例からは、米国と距離を置く国の国民であれば短期で解放されるとの傾向も鮮明になっている。ロシアなど復興事業に携わる民間人に国外退避を促す動きも出始め、各国に動揺が広がってきた。
武装集団はイラクに部隊を派遣している国だけでなく、米国のイラク攻撃に反対した国の国民も拘束している。だが解放された34人には、中国人やロシア企業社員らが含まれていることから「米国の同盟国民を人質として残し、米国に圧力をかける狙いがある」とみられる。(日経)
◆コメント:誘拐の被害に遭っている国が多い上に、言語の問題があるわけか
昨日の日記では、中国、ロシア、イタリアだけをとりあげて、無茶苦茶だ、と書いたけれども、実際は何と、17カ国、56人が被害に遭っていると言うのだから、そりゃあ、情報は少なくなるわけだ。
各国とも、自国民の人質のことで、手一杯なのだろう。何十人も誘拐されているのなら(56人には、すでに解放された人も含まれているが)、日本人被害者の情報ばかり集まるわけがない。しかし、きっと、情報を統合する、事務方がいて、それぞれの国が持っている情報の断片を寄せ集めれば、もっといろいろなことが分かるのだろうに。
普通に考えれば国連がそういうことをしてくれればよいのだが、現地があまりに危ないから、アナン事務総長は国連職員を今の段階では、あまり、派遣したくない様子が明らかだ。日本とイタリアは誘拐のされ方が酷似しているので、互いに情報を共有するなど、協力体制を敷くというが、もっとマルチナショナルな情報交換が必要だ。
それから、言葉の問題。アラビア語は難しい。何処の国でもアラビア語通訳は少ない。日本から現地に派遣されている人で、自由にアラビア語を繰れる人はどれぐらいいるのか。もしかすると、貴重な情報がもたらされているのに、言葉が障壁となって気が付かない、という場面があるのではないか。「情報が少ない」以前に、「情報が分からない」のだとしたら、問題だ。
外務省本庁には、アラビア語を使える職員が残っているはずで、現地増員の必要がある。それでも足りなければ、主だった外語大のアラビア語学科の学生をアルバイトで雇う。
対策本部はヨルダンの首都アンマンにあるのだから、イラクに入るのに比べれば、はるかに安全であろう。本当のことを言えば、イラク側も日本人通訳を用意するべきであり、全て日本のせいにされるのも、おかしいのだが、いまから、日本語通訳を養成していては、マンガになってしまう。やむをえない。
最後に、被害者の家族が、中傷の手紙を読んで体調を崩したという。こういうのを精神的暴力と言って、次第に日本の判例でも犯罪として認められつつある。体に症状が出ない、いわゆる精神的外傷を与えた者に刑事責任を負わせるような方向に向かっている。
ましてや本件などは、精神的ショックが身体に影響を及ぼすほどだから、犯罪である、と言い切っても良かろう。少なくとも民事的には、精神的苦痛を与えたことに対する損害賠償請求を起こされても当然だろう。
2003年04月14日(月) バグダッド市民、みっともないぞ。