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JIROの独断的日記
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2003年03月31日(月) 「今までに死にたいと思った事が無い人は教養の無い人である」(アメリカの精神科医 クレイネス)

 ちょっと、過激に響くが、気になる言葉である。

 原文を読んでいないので断定はしかねるが、「教養の無い」は多分、not (well) educated という英語を訳したものだろう。いずれにせよ、あまりこの言葉にはこだわらない方が良い。

 こういうセンテンスは文脈の中で理解しないと誤解を招き易いので、クレイネスの言葉を続ける。

 「つまり、折に触れて死について考える事は誰にでもあることで、別に異常なことではない。人生に希望が大きければ大きいほど、絶望や不安は大きい。もともと人生に希望が無く、『どうなってもいい』と思っている人には不安や絶望も無い。」

 クレイネス医師はうつ病の臨床医としての永年の経験からこのような言葉を述べているのであろう。あまりにも真面目な人は、時に絶望して、死に思いを巡らせる自分自身を「精神力の弱い」人間である、と責めて、マイナス思考のスパイラルに陥ることがある。それがずっと続くと抑うつ神経症になったり、うつ病になったりするのである。

 このような人々に対して、クレイネスは、そうではない。絶望したり、死にたいと思う事は、「弱い」のではない、死にたいと思う事は、「より良く生きたい」と考えているからなのだ、と諭しているのである。

 挫折や失敗で落ち込む事自体は誰にでもあることで、そういうときに更に自分を責めることは避けるべきである。まずは、休む事、力を抜く事が大切だ。

 「疲れた人はしばし路傍の草に腰をおろして道行く人を眺めるがよい。人は決してそう遠くへは行くまい 」(ツルゲーネフ)。


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