JIROの独断的日記
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2003年01月05日(日) |
英語の上達には音読 中途半端な留学は無駄。 |
最近、書店の英語コーナーを見ると、音読を勧める本が多く目に付くようになった。しかし、そんな事は30年以上も前から国広正雄という先生が提唱している。その方法は極めて簡単で、予め意味が分かる程度のテキストをテープやCDに録音されたネイティブの発音にあわせて、何度も繰り返し音読せよ。というものである。国広先生はこれを「只管朗読」(ただひたすら音読するという意味。)と名付けた。
詳しくはこの本を読めば全て書いてある。 国広流英語の話し方
私はこのやり方を予備校のときに知り、早速実践した。一日に30分もやれば十分である。忙しい人は10分でもいいだろう。やればやるほど英語が脳にインプットされる。大学に入学してからはNHKのラジオ「英語会話」(当時は東後勝明講師)を材料にして、月曜から木曜までのスキットを毎日20回ずつ1週間音読した。つまり1週間で同じ文章を140回音読したことになる。それぐらい音読すると大抵は覚えようとしなくても覚えてしまう。
国広先生によれば、題材とする英文は難しいものである必要は無く、中学校の英語の教科書程度、それで気がすまなければ、高校の教科書で十分である、というが、まさにその通りである。要するに何でも構わない。ある程度発音が身に付いたら、自分の興味がある雑誌や本を音読しても構わない。但し、「繰り返す」ことが極めて大切である。国広氏自身は戦後間もない頃で、今のようにいろいろな教材が無かったので、英語の教科書を1000回近くも音読したという。
私の経験から言っても140回程度では何年かたつと忘れてしまう。しかし、500回を超えるとほぼ長期記憶として定着する。
世の中には英会話学校に行けば自動的に英語が上達すると思っている人が多いようだが、自分の中に英語表現の蓄えが全く無い状態で英会話学校に行っても効果は薄い。ある程度、英語表現を自分の脳にインプットしてあれば、あとはネイティブとの会話で自然に応用が効くようになる。何事にも基礎というのは誠に大切なものなのである。
私は、33歳にもなってから、ロンドン駐在するために初めて国際線の飛行機に乗って「海外」に行った。それまで、英会話学校に行った事は無かったが、現地に着いてから、家を探すのも、車を買うのも、勿論仕事もすべて英語でこなさなければならなかったが、特に困った事は無かった。「只管朗読」の威力を身をもって体験した。
よく、OLなどで30近くなって語学留学と称して1年ぐらいアメリカやイギリスで暮らす人がいる。私がロンドンにいた頃にも近所に日本人が大勢通う英語学校があったので、しばしば、そういうたぐいの日本人を見かけた。現地の英会話学校に行っても、要するに、基礎ができていなければ、NOVAと同じである。おまけに、様子を見ていると、授業が終わると、大抵は日本人の友人と日本語でおしゃべりを楽しんでいる。あれでは、全く意味がないし、お金の無駄だとおもう。
そんなことをするよりも、まずは日本で「英会話・ぜったい・音読」(でなくてもかまわないが、一応この本の編者は国広さんなので)を500回、音読する事を勧めたい。
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