彼女の部屋のベランダからは、 幾度も約束を破った王子のための 無数のロープが垂れさがっている。 +++++ 晴れ。 虚しいほどの、晴れ。 まるで世界がここで終わっているような、 +++++ 今日もまた、小鳥の共喰いがはじまった。 わたしはどちらの小鳥に味方するべきか、 それぞれの正義や輝きを比較しながら考えた。 その間中、啼きごえは絶えなかったのだが、 気がつくとやわらかな羽根が宙を舞っていて、 わたしは両腕を広げた。 +++++ この世界がここで終わっているとしたら、 わたしは髪を燃やして 夕焼けになろう。
うみ + home
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