スカーレットの心のつぶやき
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先日、いつものように化粧をしていて、
二十二年前私の結婚のお祝いに
友人からもらった手鏡を床に落として割ってしまった。
拾い上げ、どうにかして割れた鏡を元に戻そうとしたが駄目だった。
この手鏡は、薄ピンク色で裏にはバラの花のレリーフが装飾された、
ちょっとロココ調の鏡だった。
毎朝、この鏡を左手に持ち、
眉をかき、口紅を塗り、後ろ姿を映して髪型を整えてきた。
私にとってとても大切なものになっていた。
私の結婚式の少し前、
友人は「結婚おめでとう。もし、何か嫌なことがあったり、
悲しいことがあっても、毎朝この手鏡を見て、
にっこりと笑って一日をはじめてね」と言った。
そして、それ以来、
朝起きると一番に鏡を見てにっこりと笑うようにしてきた。
笑いたくないときでも無理に笑うとなんだか心が軽くなり、
元気で一日をはじめることが出来た。
もしかしたら、友人からもらった手鏡のお陰で、
今まで結婚生活を続けることが出来たのかもしれない。
「本当に有難う」心の中でそっとつぶやき割れた手鏡を胸に抱きしめた。
スカーレット
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