スカーレットの心のつぶやき
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父が入院している病院の屋上から見える
平和通の銀杏並木が黄色く色づき始めた。
今年の秋は例年より遅い訪れだったせいか、
木により緑色の葉が繁ったままのもの、
緑と黄色が入り混じったもの、
そして全体が黄色くなり散り始めたものと色々だ。
同じ人間が存在しないのと同じで
木々も違った様子を見せている。
元気で病気知らずの父が体調を崩し
初めて入院したのは丁度去年の今頃、
銀杏が色づく季節だった。
あれから一年、
父はベッド上の人になってしまった。
生きるということは大変なことだ。
私が尊敬する中村天風先生は
「われわれの生命を維持していくためには心が元気でなければならない。
心と体という命を形成しているものの関係は
ちょうど一筋の川の流れである。
川上が心で川下が肉体だと気がついたら、
心というものはどんな時でもいつも積極的でなければならない」
と言っている。
父も心を強く持ち必ず治るという固い信念を持っていて欲しい。
病に負けないで欲しい。
父の一生を四季に例えたなら、
新しい息吹を感じる青春の春や、
バリバリと仕事に生きた夏を過ぎ、
今やっと落ち着きと静けさを感じる
晩秋に差し掛かかっているのかもしれない。
毎日、屋上から見る秋晴れの青い空の下
キラキラと黄金色に輝いている銀杏並木に
元気な頃の父の姿が重なった。
スカーレット
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